JP2000306512A - 面放電型プラズマディスプレイパネルおよびその製造に用いられる印刷スクリーン版 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非表示領域部分の偶発的な予期せぬ不要な放
電発光を防止できる高品位なＰＤＰを提供する。 【解決手段】 平行配置された複数の電極と該電極を隔
離するバリアリブ９が表示領域部分および非表示領域部
分に形成され、複数電極のうち表示領域部分の電極を書
き込み電極４とし、非表示領域部分の電極をダミー電極
５とする第１基板１と、表示領域部分のバリアリブ間に
おいて書き込み電極４上に塗布された第１の蛍光体層１
２と、非表示領域部分のバリアリブ間においてダミー電
極５上に第１蛍光体層より多くの量の蛍光体が塗布され
た第２の蛍光体層８と、複数の放電維持電極対３を覆う
ように誘電体層１０および保護層１１が形成されると共
に、第１基板と所定の間隙を有して対向配置された第２
基板とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、プラズマディス
プレイパネル（Plasma Display Panel：ＰＤＰ）に係わ
るものであり、より詳しくは非表示領域部分における不
要な放電を防止できるプラズマディスプレイパネル（以
下、ＰＤＰと略す）およびこのようなＰＤＰを製造する
ために用いられる蛍光体塗布用の印刷スクリーン版に関
する。

【０００２】

【従来の技術】図７は、面放電型のＰＤＰの表示領域
（有効表示領域とも称す）および非表示領域等を概念的
に説明するための正面図である。また、図８は従来の面
放電型ＰＤＰの構造を説明するための断面図、図９は従
来の面放電型ＰＤＰの構造を説明するための要部斜視図
である。図７乃至図９を用いて従来の面放電型ＰＤＰの
構造について説明する。各図において、１は絶縁性透明
基板である背面板（第１基板）、２は絶縁性透明基板で
ある前面板（第２基板）であり、背面板（第１基板）１
と前面板（第２基板）２は対となって所要間隙をもって
対向して貼り合わせられ、封止部６にて密閉され放電ガ
スを有する放電空間を形成する。前面板（第２基板）２
の内面上には、平行直線状の電極Ｘｉ、Ｙｉが対となっ
て構成された多数の放電維持電極対３が配置され、放電
維持電極対３を覆う様に全面に誘電体層１０が形成さ
れ、さらにこの誘電体層１０の全面に保護層であるＭｇ
Ｏ膜１１が形成されている。

【０００３】また、背面板（第１基板）１上の表示領域
部分内では各放電維持電極対３と交差し、多数の平行直
線状の書込み電極４が配置されるとともに、各書込み電
極４の間にはこれらを仕切るために平行に配置されたバ
リアリブ（隔壁）９が配置されている。さらに、表示領
域部分の外側の非表示領域部分には書込み電極４と同様
に配列された複数のダミー電極５とバリアリブ９が配置
されている。そして、書込み電極４とダミー電極５上に
は紫外線などにより発光する蛍光体１２が同じ厚みで塗
布されている。なお、図７に示すように、非表示領域と
は厳密には太め破線枠内の領域である表示領域の外側
で、太い実線で示した封止部６の内側の領域を指すが、
本明細書においては図７の“Ａ”で示した範囲を表示領
域部分、表示領域部分“Ａ”の左右にある“Ｂ”で示さ
れた範囲を非表示領域部分と呼ぶことにする。この非表
示領域部分は表示領域部分の書込み電極４およびバリア
リブ９などの製造上の安定成形を目的として存在し、ま
た表示領域部分の放電安定のために封止部６から表示領
域部分７までに所要間隙を必要とするものである。

【０００４】面放電型ＰＤＰの表示に際して、放電維持
電極対３に放電開始および放電維持をするために所要電
圧の放電維持電圧パルスを印加しているが、放電維持電
極対３と書込み電極４が交差する点が１画素（放電セ
ル）となり、放電セルごとに発光させるもしくは発光さ
せないかは、書込み電極４にて表示画素を特定するため
に所要電圧の書込み電圧パルスを印加することによって
行う。一般に放電維持電圧パルスは高電圧で最大３３０
［Ｖ］、書込み電圧パルスは６５［Ｖ］程度である。

【０００５】表示領域部分では書込み電極４に放電発光
を制御する書込み電圧パルスが印加されているが、非表
示領域部分におけるダミー電極５には放電発光を制御す
るためのパルス電圧は印加されず、電気的にフローティ
ングの状態となっている。図８および図９から明らかな
ように、従来の面放電型ＰＤＰでは表示領域部分および
非表示領域部分の蛍光体の厚みは同じ（すなわち、蛍光
体の塗布量が同じ）であるので、表示領域部分における
放電空間（即ち、書き込み電極４の上に塗布された蛍光
体１２とバリアリブ９および誘電体層１０の全面に形成
されたＭｇＯ膜１１とで囲われた空間）と非表示領域部
分におけるダミー電極５の上に塗布された蛍光体１２と
バリアリブ９および誘電体層１０の全面に形成されたＭ
ｇＯ膜１１とで囲われた空間がほぼ同じ大きさで形成さ
れている。表示領域部分では書込み電極４に放電発光を
制御する書込み電圧パルスが印加されているが、ダミー
電極５には放電発光を制御するためのパルス電圧は印加
されず、電気的にフローティングされた状態であり放電
発光を制御できないために、偶発的な予期せぬ不要な放
電発光が起こりやすい状態になっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の面放電型ＰＤＰ
は、以上のように構成されていたので、画像を表示中に
非表示領域部分において偶発的な予期せぬ不要な放電発
光が起こるという品質上の問題点があった。この発明は
以上のような問題点を解決するためになされたもので、
非表示領域部分の偶発的な予期せぬ不要な放電発光を防
止できる高品位なＰＤＰを提供することを目的とする。
さらに、このような非表示領域部分の偶発的な予期せぬ
不要な放電発光を防止できる高品位なＰＤＰの製造工程
において、蛍光体塗布作業を生産性よく行える印刷スク
リーン版を供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るプラズマデ
ィスプレイパネルは、互いに平行でほぼ等間隔に配置さ
れた直線状の複数の電極と該複数の電極それぞれを隔離
するように電極間に平行に設けられたバリアリブが表示
領域部分および非表示領域部分にわたって形成され、前
記複数の電極のうち前記表示領域部分に形成された電極
を書き込み電極とし、前記非表示領域部分に形成された
電極をダミー電極とする第１基板と、前記表示領域部分
のバリアリブ間において前記書き込み電極上に塗布され
た第１蛍光体層と、前記非表示領域部分のバリアリブ間
において前記ダミー電極上に前記第１蛍光体層より多く
の量の蛍光体が塗布された第２蛍光体層と、前記第１基
板上に形成された前記書き込み電極および前記ダミー電
極と直交するように複数の放電維持電極対が配置され、
該放電維持電極対を覆うように誘電体層が形成され、さ
らに該誘電体層の上面に保護層が形成されると共に、該
保護層が前記第１基板の前記書き込み電極およびダミー
電極が形成された面と所定の間隙を有して対向配置され
た第２基板とを備えたものである。

【０００８】また、この発明に係るプラズマディスプレ
イパネルは、各ダミー電極には所定厚みを有した酸化皮
膜が形成され、かつ第１の蛍光体層と第２の蛍光体層の
蛍光体の量をほぼ同じとしたものである。

【０００９】また、この発明に係るプラズマディスプレ
イパネルは、各ダミー電極には所定厚みを有した酸化皮
膜が形成され、かつ第２蛍光体層の蛍光体の量を第１蛍
光体層の蛍光体の量より多くしたものである。

【００１０】また、この発明に係る印刷スクリーン版
は、請求項１乃至３に記載のプラズマディスプレイパネ
ル製造時の蛍光体塗布工程に用いられる印刷スクリーン
版であって、非表示領域部分のマスクパターンの開口幅
が表示領域部分のマスクパターンの開口幅よりも大きく
したものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】実施の形態１．本発明の一実施の
形態について、図面に基づいて説明する。尚、従来と同
一符号は従来のものと同一あるいは相当のものを表す。
図１は、この発明の実施の形態１による面放電型ＰＤＰ
の構造を説明するための断面図、図２は実施の形態１の
面放電型ＰＤＰの構造を説明するための要部斜視図であ
る。図において、１は絶縁性透明基板である背面板（第
１基板）、２は絶縁性透明基板である前面板（第２基
板）であり、背面板（第１基板）１と前面板（第２基
板）２は対となって所要間隙でもって貼り合わせられ、
封止部６にて密閉されて放電ガスを有する放電空間を形
成している。

【００１２】３は前面板（第２基板）２の背面板（第１
基板）１側の面上で互いに平行に対向して配置された電
極Ｘｉ、Ｙｉが対となって構成された放電維持電極対、
４は背面板（第１基板）１上の表示領域部分に形成され
た書き込み電極、５は背面板（第１基板）１上の非表示
領域部分に形成されたダミー電極、８は各ダミー電極５
の上に塗布された蛍光体、９は各書き込み電極あるいは
ダミー電極の間に設けられたバリアリブ（隔壁）、１０
は放電維持電極対３を覆うように全面に形成された誘電
体層、１１はこの誘電体層１１の上にさらに形成された
保護層としてのＭｇＯ膜である。

【００１３】従来の場合と同様、本実施の形態において
も、各放電セルの放電を特定するために存在する各電極
構成は、前面板（第２基板）２の内面上に複数の平行直
線状の放電維持電極対３が配置され、放電維持電極対３
を覆う様に全面に誘電体層１０およびこれを保護するた
めのＭｇＯ膜１１が形成されている。また、背面板（第
１基板）１上には各放電維持電極対３と交差し複数の平
行直線状の書込み電極４がほぼ等間隔で配置され、書込
み電極４と平行に配置され放電セルを区切る隔壁である
バリアリブ９が配置され、表示領域部分の外側の領域部
分である非表示領域部分にも書込み電極４と同様配列の
ダミー電極５およびバリアリブ９が配置されている。

【００１４】放電維持電極対３と書込み電極４が交差す
る点が１画素（放電セル）となり、面放電型ＰＤＰの表
示に際しては、放電維持電極対３には放電開始および放
電維持をするために所要電圧の放電維持電圧パルスを印
加されており、放電セルごとに発光させるもしくは発光
させないかは、書込み電極４にて表示画素を特定するた
めに所要電圧の書込み電圧パルスを印加することによっ
て行なわれる。

【００１５】本実施の形態１によるＰＤＰは、表示領域
部分の書込み電極４上には蛍光体１２（第１の蛍光体
層）が塗布され、非表示領域部分のダミー電極５上にも
同様に蛍光体８（第２の蛍光体層）が塗布されている
が、この非表示領域部分のダミー電極５上に塗布される
蛍光体８の量は、表示領域部分の書込み電極４上に塗布
される蛍光体１２（第１の蛍光体層）の量よりも多く塗
布されている点に特徴を有する。すなわち、ダミー電極
５上に塗布された蛍光体８（第２の蛍光体層）の厚みは
書込み電極４上に塗布された蛍光体１２の厚みよりも大
きくなり、ダミー電極５上の放電空間となる可能性のあ
る空間が小さくなっている。

【００１６】表示領域部分では書込み電極４に放電発光
を制御する書込み電圧パルスが印加されているが、非表
示領域部分のダミー電極５には放電発光を制御するため
のパルス電圧は印加されず、電気的にフローティングの
状態であり、放電発光を制御できないために、非表示領
域部分において不要な放電発光が起こりやすい状態にな
っているが、本実施の形態によれば、非表示領域部分に
おける予期せぬ不要な放電発光が大幅に軽減できること
が確認された。

【００１７】一般的に、ＰＤＰの放電空間には希ガスで
あるＮｅ、Ｘｅ原子が存在する。放電の際に、電子が衝
突して原子が励起され、ねずみ算的に励起原子が増加
し、プラズマを作る。しかし、このとき励起原子は壁に
衝突すると元の原子に戻ってしまう。放電空間が狭いと
いうことは、それだけ励起原子が壁に衝突する確率が高
くなり、プラズマを維持することが放電空間が広い場合
よりも難しくなると考えられる。

【００１８】従って、本実施の形態では、ダミー電極５
上に塗布された蛍光体８（第２の蛍光体層）の厚みを書
込み電極４上に塗布された蛍光体１２（第１の蛍光体
層）の厚みよりも大きくし、ダミー電極５上に塗布され
た蛍光体８（第２の蛍光体層）の表面とＭｇＯ膜１１の
間に形成される不要な放電発光を発生させる恐れのある
空間を小さくすることにより、非表示領域部分における
予期せぬ不要放電発光を抑制できたものと考えられる。
なお、ダミー電極５上に塗布される蛍光体８の厚み（す
なわち、第２の蛍光体層の蛍光体の量）は、予期せぬ不
要放電発光を十分抑制できる程度の厚み（蛍光体の量）
を実験的に見い出し、最適に所定の値に設定すればよ
い。

【００１９】このように、実施の形態１の発明によれ
ば、非表示領域部分のダミー電極５を表示領域部分の書
込み電極４よりも蛍光体を厚く塗布して非表示領域部分
における放電の可能性のある空間を狭めたことにより、
非表示領域部分における偶発的な予期せぬ不要放電発光
を抑制でき、不要放電による表示品質の低下を防止する
ことが可能なる。

【００２０】実施の形態２．図３は、この発明の実施の
形態２による面放電型ＰＤＰの構造を説明するための断
面図である。図において、１は絶縁性透明基板である背
面板（第１基板）、２は絶縁性透明基板である前面板
（第２基板）であり、これらは対となって所要間隙でも
って貼り合わせられ、封止部６にて密閉されて放電ガス
を有する放電空間を形成している。各放電セルの放電を
特定するために存在する各電極構成は、前面板（第２基
板）２の内面上に複数の平行直線状の放電維持電極対３
が配置され、放電維持電極対３を覆う様に全面に誘電体
層１０およびこれを保護するためのＭｇＯ膜１１が形成
されている。

【００２１】背面板（第１基板）１上には放電維持電極
対３と直交し複数の平行直線状の書込み電極４がほぼ等
間隔に配置され、書込み電極４と平行に配置され、放電
セルを区切る隔壁であるバリアリブ９が配置されてい
る。また、表示領域部分の外側の領域である非表示領域
部分には、書込み電極４と同様配列のダミー電極５およ
びバリアリブ９が配置されており、表示領域部分におけ
る書込み電極４上には蛍光体１２（第１の蛍光体層）が
塗布されている。本実施の形態２には、非表示領域部分
におけるダミー電極５上に所定の厚みを有した酸化被膜
１３が形成され、酸化被膜１３上に蛍光体８ａ（第２の
蛍光体層）が塗布されている点に特徴を有し、他の構成
は実施の形態１と同じである。

【００２２】実施の形態１では、非表示領域部分のダミ
ー電極５上の蛍光体８（第２の蛍光体層）を表示領域部
分の書き込み電極４上の蛍光体１２（第１の蛍光体層）
より厚く塗って、非表示領域部分における放電空間を狭
めることにより偶発的な予期せぬ不要な放電発光を防止
するようにしたが、本実施の形態２ではダミー電極５上
に所定の厚みを有した酸化被膜１３が形成されているの
で、ダミー電極５自体の厚みが増加している。従って、
蛍光体の塗布工程において表示領域部分および非表示領
域部分にわたって均一な開口部を有する蛍光体塗布用の
印刷スクリーン版を用いて蛍光体層を形成しても、言い
換えれば、表示領域部分の書き込み電極４と非表示領域
部分のダミー電極５に対して同量（すなわち、ダミー電
極５上の第２の蛍光体層である蛍光体８ａと書き込み電
極４上の第１の蛍光体層である蛍光体１２の量が同じ）
の蛍光体を塗布しても、ダミー電極５上の放電の起こる
可能性のある空間は従来の場合に比べて狭められること
になり、非表示領域部分における偶発的な予期せぬ不要
放電発光を抑制できる。

【００２３】実施の形態３．図４は、この発明の実施の
形態３による面放電型ＰＤＰの構造を説明するための断
面図である。本実施の形態は、前述の実施の形態１の特
徴と実施の形態２の特徴とを組み合わせたものである。
すなわち、図４に示すように、本実施の形態３では非表
示領域部分においてダミー電極５に酸化被膜１３が形成
されており、さらにダミー電極５上に塗布される蛍光体
８ｂ（第２の蛍光体層）の量を表示領域部分の書込み電
極４に塗布される蛍光体１２（第１の蛍光体層）の量よ
りも多くしたものである。こうすることにより、ダミー
電極５上の放電空間はさらに狭められることになり、非
表示領域部分における偶発的な予期せぬ不要放電発光を
確実に抑制することができる。

【００２４】実施の形態４．図５は、実施の形態１ある
いは実施の形態３のＰＤＰを製造する際に、蛍光体を塗
布する工程において用いられる印刷スクリーン版の構造
を説明するための図である。また、図６は図５に示した
印刷スクリーン版を用いた蛍光体の塗布工程を説明する
ための図である。図５および図６において、２１はスク
リーン版枠、２２は表示領域部分のマスクパターン、２
３は非表示領域部分の幅広マスクパターン、２４は印刷
スクリーン板、２５はスキージフォルダ、２６はスキー
ジ（ｓｑｕｅｅｇｅ：ゴムベラ）である。

【００２５】本実施の形態による図５に示した印刷スク
リーン版は、非表示領域部分に蛍光体を塗布するための
マスクパターン２３が表示領域部分に蛍光体を塗布する
ためのマスクパターン２２より幅広になっている点に特
徴を有する。以下、図５に示した印刷スクリーン版を用
いて、実施の形態１あるいは実施の形態３による面放電
型ＰＤＰを製造する時の蛍光体塗布工程の概要を図６に
基づいて説明する。

【００２６】図６（ａ）は、一般的なスクリーン印刷法
の概要を示す図である。印刷スクリーン版２４上に所要
量の蛍光体ペーストを置き、スキージ（ゴムベラ）２６
で印刷スクリーン版２４に所要大きさの力で押さえつけ
て、印刷スクリーン版２４上蛍光体ペーストを移動さ
せ、基板上に蛍光体ペーストを刷りつける工程の様子を
示している。図６（ｂ）は、スキージ２６により蛍光体
ペーストが刷りこまれる前の状態を示す図である。印刷
スクリーン版２４の非表示領域部分のマスクパターン２
３が表示領域部分のマスクパターン２２より幅広になっ
ている。図６（ｃ）は、蛍光体ペーストが刷りこまれた
後の状態を示す図である。非表示領域部分の蛍光体ペー
スト量が表示領域部分の蛍光体ペースト量よりも多く刷
りこまれる。

【００２７】上記のような蛍光体ペーストの刷り込み方
法によれば、僅か一回の刷り込み工程で、実施の形態１
あるいは実施の形態３に示すように非表示領域部分のダ
ミー電極５上に塗布される蛍光体８あるいは８ｂは表示
領域部分の書込み電極４上に塗布される蛍光体１２の厚
みよりもさらに厚く塗布することができる。すなわち、
実施の形態１あるいは実施の形態３のＰＤＰの蛍光体塗
布工程を作業性よく処理できる。

【００２８】

【発明の効果】本発明に係るプラズマディスプレイパネ
ルによれば、互いに平行でほぼ等間隔に配置された直線
状の複数の電極と該複数の電極それぞれを隔離するよう
に電極間に平行に設けられたバリアリブが表示領域部分
および非表示領域部分にわたって形成され、前記複数の
電極のうち前記表示領域部分に形成された電極を書き込
み電極とし、前記非表示領域部分に形成された電極をダ
ミー電極とする第１基板と、前記表示領域部分のバリア
リブ間において前記書き込み電極上に塗布された第１蛍
光体層と、前記非表示領域部分のバリアリブ間において
前記ダミー電極上に前記第１蛍光体層より多くの量の蛍
光体が塗布された第２蛍光体層と、前記第１基板上に形
成された前記書き込み電極および前記ダミー電極と直交
するように複数の放電維持電極対が配置され、該放電維
持電極対を覆うように誘電体層が形成され、さらに該誘
電体層の上面に保護層が形成されると共に、該保護層が
前記第１基板の前記書き込み電極およびダミー電極が形
成された面と所定の間隙を有して対向配置された第２基
板とを備えたので、非表示領域部分における偶発的な予
期せぬ不要な放電を起こす可能性のある空間が狭まり、
不要放電による表示品質の低下を防止することが可能に
なるという効果がある。

【００２９】また、この発明に係るプラズマディスプレ
イパネルによれば、各ダミー電極には所定厚みを有した
酸化皮膜が形成され、かつ第１の蛍光体層と第２の蛍光
体層の蛍光体の量をほぼ同じとしたので、表示領域部分
および非表示領域部分にわたって均一な開口部を有する
蛍光体塗布用の印刷スクリーン版を用いて蛍光体層を形
成しても、ダミー電極上の空間は従来の場合に比べて狭
められることになり、非表示領域部分における偶発的な
予期せぬ不要放電発光を抑制できる、不要放電による表
示品質の低下を防止することが可能になる。

【００３０】また、この発明に係るプラズマディスプレ
イパネルによれば、各ダミー電極には所定厚みを有した
酸化皮膜が形成され、かつ第２蛍光体層の蛍光体の量を
第１蛍光体層の蛍光体の量より多くしたもので、ダミー
電極５上の放電空間はさらに狭められることになり、非
表示領域部分における偶発的な予期せぬ不要放電発光を
確実に抑制することができる。

【００３１】また、この発明に係る印刷スクリーン版
は、請求項１乃至３に記載のプラズマディスプレイパネ
ル製造時の蛍光体塗布工程に用いられる印刷スクリーン
版であって、非表示領域部分のマスクパターンの開口幅
が表示領域部分のマスクパターンの開口幅よりも大きく
したので、僅か一回の刷り込みにて容易に非表示領域部
分の蛍光体層を厚み高く塗布でき、非表示領域における
偶発的な予期せぬ不要な放電を起こす可能性のある空間
を小さくできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態１による面放電型ＰＤＰの構造を
説明するための断面図である。

【図２】 実施の形態１による面放電型ＰＤＰの構造を
説明するための要部斜視図である。

【図３】 実施の形態２による面放電型ＰＤＰの構造を
説明するための断面図である。

【図４】 実施の形態３による面放電型ＰＤＰの構造を
説明するための断面図である。

【図５】 実施の形態４による印刷スクリーン版の構造
を説明するための平面図である。

【図６】 実施の形態４による印刷スクリーン版を用い
た蛍光体塗布工程を示す図である。

【図７】 面放電型のＰＤＰの表示領域部分および非表
示領域部分等を概念的に示す正面図である。

【図８】 従来の面放電型ＰＤＰの構造を説明するため
の断面図である。

【図９】 従来の面放電型ＰＤＰの構造を説明するため
の要部斜視図である。

【符号の説明】

１ 背面板（第１基板） ２ 前面板
（第２基板） ３ 放電維持電極対 ４ 書込み電
極 ５ ダミー電極 ６ 封止部 ８、８ａ、８ｂ 第２の蛍光体層 ９ バリアリ
ブ １０ 誘電体層 １１ 保護層
（ＭｇＯ膜） １２ 第１の蛍光体層 １３ 酸化被
膜 ２１ スクリーン版枠 ２２ マスク
パターン ２３ 幅広マスクパターン ２４ 印刷ス
クリーン版 ２５ スキージフォルダ ２６ スキー
ジ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行でほぼ等間隔に配置された直
   線状の複数の電極と該複数の電極それぞれを隔離するよ
   うに電極間に平行に設けられたバリアリブが表示領域部
   分および非表示領域部分にわたって形成され、前記複数
   の電極のうち前記表示領域部分に形成された電極を書き
   込み電極とし、前記非表示領域部分に形成された電極を
   ダミー電極とする第１基板と、 前記表示領域部分のバリアリブ間において前記書き込み
   電極上に塗布された第１の蛍光体層と、 前記非表示領域部分のバリアリブ間において前記ダミー
   電極上に前記第１蛍光体層より多くの量の蛍光体が塗布
   された第２の蛍光体層と、 前記第１基板上に形成された前記書き込み電極および前
   記ダミー電極と直交するように複数の放電維持電極対が
   配置され、該放電維持電極対を覆うように誘電体層が形
   成され、さらに該誘電体層の上面に保護層が形成される
   と共に、該保護層の形成された面が前記第１基板の前記
   書き込み電極およびダミー電極が形成された面と所定の
   間隙を有して対向配置された第２基板とを備えたことを
   特徴とする面放電型プラズマディスプレイパネル。
2. 【請求項２】 各ダミー電極には所定厚みを有した酸化
   皮膜が形成され、かつ第１の蛍光体層と第２蛍光体層の
   蛍光体の量をほぼ同じとしたことを特徴とする請求項１
   に記載の面放電型プラズマディスプレイパネル。
3. 【請求項３】 各ダミー電極には所定厚みを有した酸化
   皮膜が形成され、かつ第２の蛍光体層の蛍光体の量を第
   １の蛍光体層の蛍光体の量より多くしたことを特徴とす
   る請求項１に記載の面放電型プラズマディスプレイパネ
   ル。
4. 【請求項４】 請求項１乃至３のプラズマディスプレイ
   パネル製造時の蛍光体塗布工程に用いられる印刷スクリ
   ーン版であって、非表示領域部分のマスクパターンの開
   口幅が表示領域部分のマスクパターンの開口幅よりも大
   きいことを特徴とする印刷スクリーン版。