JP3028454U

JP3028454U - 回転式製品固定用治具

Info

Publication number: JP3028454U
Application number: JP1996001070U
Authority: JP
Inventors: 豊治石本
Original assignee: 豊治石本
Priority date: 1996-02-27
Filing date: 1996-02-27
Publication date: 1996-09-03
Anticipated expiration: 2002-02-27

Abstract

(57)【要約】【課題】異形多角形断面図を有する金属製長尺部材の
研ぎやバフ作業における水平出しを容易にする手段の提
供。【解決手段】支持手段１に支持された円筒状枠体２、
該円筒状枠体２内部に回転可能に保持された別の円筒状
ピン受け３、該ピン受け３の一端から突出した少なくと
も２個の製品固定ピン４、該製品固定ピン４が円筒状枠
体１の端面から突出するがピン受け３は枠体１内部に留
まるようにしかつ固定ピン４がピン受け３と共にある角
度範囲を回転できるようにした円筒状枠体１の一端に形
成された開口部５および該固定ピンを回転して位置が決
定したらピン受け３が回転しないように固定する固定手
段６からなる回転式製品固定用治具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は異形多角形断面を有する金属製長尺部材の研ぎやバフ作業における水平出しを容易にする回転式製品固定用治具に関する。

【０００２】

【従来の技術およびその問題点】

図１に示すような異形多角形断面を有する金属製の長尺部材、例えばエレベータ用三方枠の表面に塗装あるいはその他の処理を行なう前に、これらの表面を研ぎ（研磨）やバフ作業を行なう必要がある。この研ぎやバフ作業はこれまで図２に示すような２台の商品受け台（当業者は「馬」と呼ぶ）に異形多角形断面を有する金属製の長尺部材をわたして行なわれていた。この場合、当然の事であるが、研ぎやバフ処理をする表面が水平になる事は少ない。しかしながら、研ぎやバフ処理はできるだけ水平面で行なうことが、処理面の均一性の為に重要である。従って、現在まで、何とか工夫をして水平面にしたり、水平でない面のままで処理を行なって来た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者等は上記問題点を解決するために検討を重ね、容易に異形多角形断面を有する金属製長尺部材の水平出しを可能にする装置を考案した。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は支持手段１に支持された円筒状枠体２、該円筒状枠体２内部に回転可能に保持された別の円筒状ピン受け３、該ピン受け３の一端から突出した少なくとも２個の製品固定ピン４、該製品固定ピン４が円筒状枠体１の端面から突出するがピン受け３は枠体１内部に留まるようにしかつ固定ピン４がピン受け３と供にある角度範囲を回転できるようにした円筒状枠体１の一端に形成された開口部５および該固定ピンを回転して位置が決定したらピン受け３が回転しないように固定する固定手段６からなる回転式製品固定用治具を提供する。

【０００５】本考案を図面に基づいて説明する。

【０００６】図３は本考案の固定用治具Ａの一例の斜視図であり、図４は第３図の治具Ａの断面図である。図５は本考案の治具Ａの馬１０に取り付けた例を示す全体斜視図であり、図６は馬１０上に治具Ａ取り付け状態を示す断面である。

【０００７】支持手段１は馬１０の形に合わせて、治具Ａを固定する手段である。図１に支持手段１は馬１０上に乗せるだけの断面コの字形をしているが、これに拘わることはない。従って、支持手段１は枠体２を馬１０にくくりつけるベルトの如きものであってもよい。また、支持手段１は枠体２から延びたボルトのようなものであって、馬１０を突きぬけて、反対側でナットで留めることも可能である。

【０００８】支持手段１により、円筒状枠体２が馬１０上に固定される。図１の治具Ａの場合、円筒状枠体２は溶接などの手段により、支持手段１に固定されているので、支持手段１が馬上に固定されていると、円筒状枠体２も馬上に固定されていることになる。

【０００９】円筒状枠体２の内部には、別の円筒状ピン受け３が存在し、該ピン受け３は円筒状枠体内部を回転可能に保持されている。図２に示すように、ピン受け３は枠体２の内径より、わずかに小さい外径を有する円筒体であって、回転可能性を保持してもよい。もちろん、それ以外の手段で、ピン受け３が枠体２内部を回転するようにしてもよい。例えば、ベアリング等の手段を使用してピン受け３を回転させてもよい。この場合、ピン受け３自体は必ずしも図２のように、円筒体である必要はない。

【００１０】ピン受け３には、固定ピン４が少なくとも２個突出していて、製品１１の対応するピン穴１２を通して製品１１を固定、保持する。その状態を図７に示している。固定ピンは図２に示すごとく、製品を固定している状態の時には、枠体２の端面から突出して、製品１１を受け入れるようにする。ピン受け３は枠体２内に留まるようにする。

【００１１】ピン４はピン受け３と共にある角度範囲を回転する。ピン４が枠体２が突出し、しかもピン受け３が枠体２内に留まり、しかもそれらが回転するためには、枠体２の端面にそれらが可能になるように、開口部５が形成されている。例えば図８には、本考案の治具の前面、即ちピン４が存在する部分を示す図が示されているが、開口部５は三日月状の形態をしており、ピンはその内部を三日月の端から端までの角度範囲で回転する。もちろん、図８の開口部は一例でしかすぎず、ピン４が360°回転するように、図９に示すように、開口部５は円形の空間であってもよい。あるいは、枠体２の端面全体が開口することも可能である。後者の場合、ピン受け３が枠体２内に留まるように工夫をする必要がある。更に、図１０に示すように、開口部５はある間隔で並んだピン４に対応した大きさを有する円形状穴であってもよい。円形状穴は基本的には等間隔で並んだものが好ましいが、必ずしも等間隔である必要はない。尚、図８および図９の例では、ピン４と枠体２が一体となって回転して水平出しができるが、図１０の態様では図１１に示すように、一旦枠体２内部にピン４を引き込み、枠体内部で回転し、図１０の適当な円形状穴のところから再び、ピン４を外に押し出す方式を取る必要がある。この場合、図１１に示すような取っ手１４やバネ１５があれば、操作が容易になる。この図１１の場合は、回転は連続的に行うことができないので、製品によっては完全な水平出しは難しいかもしれないが、隣接する円形状穴の間隔を短くすれば、かなりの精度で対応が可能である。

【００１２】ピン４を製品のピン穴１２に挿入した後に製品を回転して、研ぎまたはバフ作業を行なう面の水平出しをした後、ピンが更に回転しないように固定をする必要がある。あるいは、図１１の場合には、ピン４を適当な位置に調節した後、ピン穴１２に挿入した後、ピンが更に回転しないように固定する。この為の固定手段６はどのようなものであってもよい。図２には、ピン４にネジ溝が刻まれていて、これにあるナットを固定手段として使用する場合が記載されている。この場合、ナット６を一旦ピン４から取り外し、製品を取りつけて水平出しをした後、製品の外側からナット６を締めて固定することになる。この方法の場合は、開口部５は図８に示すような三日月形か、あるいは図１１の円形状穴である必要があろう。

【００１３】固定手段６は図１２に示すように、回転ピン１３の如きものであってもよい。図１２の場合、回転ピン１３はピン受け３の内部まで貫通しているが、必ずしも貫通する必要はなく、回転ピン１３はピン受け３の表面で留まるようにしてもよい。回転ピン１３がピン受け３の表面に留まって、押圧力で固定する場合には、回転ピン１３を複数箇形成して、いくつかの方向から押圧すると固定力が高まる。図１２のように回転ピン１３がピン受け３の表面を貫通する場合、それに対応する穴をいくつかピン受け３に形成する必要があり、しかも任意の角度で製品を固定できないので、好ましくない場合もある。いずれにしても、固定手段６はどのような形態のものであってもよいことを、ここに強調しておく。

【００１４】本考案の製品固定用治具Ａは上述の構成を有しておればよいが、製品の回転を補助するために、図２に示す如く、ピン受け３のピン４と反対側に、取っ手１４を有してもよい。取っ手１４は図２に示す如く、枠体２の後から突出しているのが好ましく、また枠体２の後面とピン受け３の後面との間の取っ手１４にそってバネ１５を設けてもよい。バネ１５はピン受け３を枠体前面に押す力を加えて、製品の固定を円滑に行なう。また、回転時には、取っ手１４を引張って、ピン受け３と枠体２の前面との摩擦力をなくし、回転をスムースに行なうことができる。

【００１５】

【効果】

本考案の製品固定用治具を用いると、異形多角形断面を有する金属製長尺部材を自由に回転することができ、水平出しが極めて容易に行なえる。研ぎやバフ作業が円滑かつ容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】長尺部材の断面を示す図。

【図２】従来の研ぎやバフ処理を行なっていた製品受
け台(馬)と製品とを示す図。

【図３】本考案の回転式固定用治具の一例を示す斜視
図。

【図４】図３に示す治具の断面図。

【図５】本考案の治具の馬に取り付けた状態を示す全
体斜視図。

【図６】馬上に治具を取り付けた状態を示す断面図。

【図７】固定ピン４がどのように製品に取りつけられ
るかを示す図。

【図８】開口部５が三日月形状である場合の枠体２の
前面図。

【図９】開口部５が円形空間である場合の枠体２の前
面図。

【図１０】開口部５がある間隔で並んだピン４に対応
した大きさを有する円形状穴である場合の枠体２の前面
図。

【図１１】図１０の枠体である場合の治具の断面図。

【図１２】固定手段６が回転ネジ１３である態様を示
す治具の断面図。

【符号の説明】

１…支持手段２…円筒状枠体３…円筒状ピン受け４…製品固定ピン５…開口部６…固定手段

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】支持手段１に支持された円筒状枠体２、
該円筒状枠体２内部に回転可能に保持された別の円筒状
ピン受け３、該ピン受け３の一端から突出した少なくと
も２個の製品固定ピン４、該製品固定ピン４が円筒状枠
体１の端面から突出するがピン受け３は枠体１内部に留
まるようにしかつ固定ピン４がピン受け３と共にある角
度範囲を回転できるようにした円筒状枠体１の一端に形
成された開口部５および該固定ピンを回転して位置が決
定したらピン受け３が回転しないように固定する固定手
段６からなる回転式製品固定用治具。
【請求項２】支持手段１が商品受け台の表面に適合し
た断面コの字形を有する請求項１記載の治具。
【請求項３】ピン受け３が枠体２の内径より、わずか
に小さい外径を有する円筒体である請求項１記載の治
具。
【請求項４】開口部５が固定ピン４が回転できる幅を
有する三日月形を有する請求項１記載の治具。
【請求項５】開口部５が円形空間である請求項１記載
の治具。
【請求項６】固定手段６が固形ピン４の表面に形成さ
れたネジ山と、それに適合するナットの組合せである請
求項１記載の治具。
【請求項７】固定手段６が円筒状枠体２の外側から、
該枠体を内面に達する回転ネジ１３である請求項１記載
の治具。
【請求項８】ピン受け３のピンと反対側の面に、回転
を補助するための取っ手１４を有する請求項１記載の治
具。