JP3028325B2 - 触媒の劣化検出装置 - Google Patents
触媒の劣化検出装置Info
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- JP3028325B2 JP3028325B2 JP03330426A JP33042691A JP3028325B2 JP 3028325 B2 JP3028325 B2 JP 3028325B2 JP 03330426 A JP03330426 A JP 03330426A JP 33042691 A JP33042691 A JP 33042691A JP 3028325 B2 JP3028325 B2 JP 3028325B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの排気通路に設
けられた触媒の劣化検出に関する。
けられた触媒の劣化検出に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気通路に設けた触媒の上流
側にO2センサ等の空燃比センサを設け、該空燃比セン
サの出力を目標空燃比と比較してエンジンの空燃比を例
えば理論空燃比に制御する場合に、空燃比センサの出力
特性のばらつきとか経時的な劣化を補償するため、触媒
の下流側に第2の空燃比センサを設けたダブルO2セン
サシステムを採用し、下流側空燃比センサの出力に応じ
て所謂P値フィードバック制御によって空燃比フィード
バック制御量の補正を行うようにすることが、例えば特
開昭61−286550号公報に記載されているように
従来から提案されている。また、同公報には、ダブルO
2センサシステムにおいて、上流側空燃比センサと下流
側空燃比センサの出力比に基づいて触媒の劣化検出を行
うようにしたものが記載されている。
側にO2センサ等の空燃比センサを設け、該空燃比セン
サの出力を目標空燃比と比較してエンジンの空燃比を例
えば理論空燃比に制御する場合に、空燃比センサの出力
特性のばらつきとか経時的な劣化を補償するため、触媒
の下流側に第2の空燃比センサを設けたダブルO2セン
サシステムを採用し、下流側空燃比センサの出力に応じ
て所謂P値フィードバック制御によって空燃比フィード
バック制御量の補正を行うようにすることが、例えば特
開昭61−286550号公報に記載されているように
従来から提案されている。また、同公報には、ダブルO
2センサシステムにおいて、上流側空燃比センサと下流
側空燃比センサの出力比に基づいて触媒の劣化検出を行
うようにしたものが記載されている。
【0003】上記のようにダブルO2センサシステムに
よりP値フィードバック制御を行うようにしたエンジン
の空燃比制御装置においては、下流側空燃比センサの出
力に基づいて上流側空燃比センサのリーンシフト劣化お
よびリッチシフト劣化が検出され、補正されて劣化が吸
収される。そこで、例えば、このP値フィードバック制
御により補正された空燃比フィードバック制御のスキッ
プ値(P値)の収束した平均値がしきい値を越えたかど
うかで空燃比センサの故障判定を行うことが提案されて
いる。また、触媒の劣化判定については、具体的には、
たとえばP値フィードバック制御を禁止した状態での触
媒上流側および下流側の各空燃比センサの出力を微小時
間(例えば10ms)毎に積算し、それら積算値の比を
触媒劣化検出値として、予め求めた検出特性から触媒の
浄化率をモニターするようにし、また、M.F(マルフ
ァンクション)レベルを定めて、浄化率がこのM.Fレ
ベルまで低下すれば異常と判定しようとする試みがなさ
れている。
よりP値フィードバック制御を行うようにしたエンジン
の空燃比制御装置においては、下流側空燃比センサの出
力に基づいて上流側空燃比センサのリーンシフト劣化お
よびリッチシフト劣化が検出され、補正されて劣化が吸
収される。そこで、例えば、このP値フィードバック制
御により補正された空燃比フィードバック制御のスキッ
プ値(P値)の収束した平均値がしきい値を越えたかど
うかで空燃比センサの故障判定を行うことが提案されて
いる。また、触媒の劣化判定については、具体的には、
たとえばP値フィードバック制御を禁止した状態での触
媒上流側および下流側の各空燃比センサの出力を微小時
間(例えば10ms)毎に積算し、それら積算値の比を
触媒劣化検出値として、予め求めた検出特性から触媒の
浄化率をモニターするようにし、また、M.F(マルフ
ァンクション)レベルを定めて、浄化率がこのM.Fレ
ベルまで低下すれば異常と判定しようとする試みがなさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】P値フィードバック制
御を行う上記従来の空燃比制御装置においては、触媒の
浄化性能が触媒下流側の空燃比センサの出力に大きく影
響し、触媒の劣化度合によってスキップ値が変化する。
そのため、触媒上流側の空燃比センサの劣化を正確に検
出するためには、まず触媒の劣化度合を正確に把握する
必要がある。ところが、上記のようにP値フィードバッ
ク制御を禁止した状態で触媒上流側および下流側の空燃
比センサの出力比に基づいて触媒の浄化性能を判定する
ようにした場合、触媒劣化度合が大きくて浄化率がM.
Fレベル(通常、50〜60%の範囲に設定される。)
に近くなった状態では触媒浄化率の変化に対して検出値
巾が大きいために十分な検出精度が得られるものの、触
媒劣化度合が小さくフレッシュに近い状態では、浄化率
の変化に対して検出巾が小さくなり、そのため、浄化率
検出の精度が悪くなるといった問題があった。
御を行う上記従来の空燃比制御装置においては、触媒の
浄化性能が触媒下流側の空燃比センサの出力に大きく影
響し、触媒の劣化度合によってスキップ値が変化する。
そのため、触媒上流側の空燃比センサの劣化を正確に検
出するためには、まず触媒の劣化度合を正確に把握する
必要がある。ところが、上記のようにP値フィードバッ
ク制御を禁止した状態で触媒上流側および下流側の空燃
比センサの出力比に基づいて触媒の浄化性能を判定する
ようにした場合、触媒劣化度合が大きくて浄化率がM.
Fレベル(通常、50〜60%の範囲に設定される。)
に近くなった状態では触媒浄化率の変化に対して検出値
巾が大きいために十分な検出精度が得られるものの、触
媒劣化度合が小さくフレッシュに近い状態では、浄化率
の変化に対して検出巾が小さくなり、そのため、浄化率
検出の精度が悪くなるといった問題があった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、エンジンの空燃比フィードバック制御のため
に触媒上流側に配設した第1空燃比センサと触媒下流側
に配設した第2空燃比センサの出力比に基づいて触媒の
劣化検出を行うに際し、触媒の劣化度合にかかわらず触
媒劣化を精度良く検出できるようにすることを目的とす
る。
であって、エンジンの空燃比フィードバック制御のため
に触媒上流側に配設した第1空燃比センサと触媒下流側
に配設した第2空燃比センサの出力比に基づいて触媒の
劣化検出を行うに際し、触媒の劣化度合にかかわらず触
媒劣化を精度良く検出できるようにすることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、P値フィード
バック制御を実行すると、空燃比の振れ巾が大きくなっ
て触媒の浄化ウインドウを外れやすくなるため、触媒が
わずかに劣化した状態でもO2ストレージ効果を受けな
いガスがそのまま下流側の空燃比センサまで流れ、セン
サ出力としては触媒劣化度合の大きい状態に急速に近づ
くようになる点に着目し、触媒がフレッシュに近い状態
ではむしろP値フィードバック制御を実行した状態で触
媒劣化を検出する方が得策であるという知見を得たこと
によるものであって、その構成は、図1に示すとおり、
エンジンの排気通路に設けられた排気ガス浄化のための
触媒の上流側に配設され、エンジンに供給される混合気
の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための
空燃比信号を空燃比制御手段に出力する第1空燃比セン
サと触媒の下流側に配設された第2空燃比センサの出力
を受け、両空燃比センサの出力比に基づいて触媒の劣化
検出を行う触媒の劣化検出装置であって、空燃比制御手
段により第1空燃比センサの出力に基づいて設定される
空燃比フィードバック制御量を第2空燃比センサの出力
に基づいて補正するフィードバック制御量補正手段と、
フィードバック制御量補正手段による補正が行われた状
態での第1および第2の空燃比センサの出力比に基づい
て触媒の劣化を検出するよう構成された第1検出手段
と、フィードバック制御量補正手段による補正を禁止し
た状態での第1および第2の空燃比センサの出力比に基
づいて触媒の劣化を検出するよう構成された第2検出手
段と、触媒劣化度合が小さい状態では第1検出手段によ
って触媒の劣化検出を行い、触媒劣化度合が大きい状態
では第2検出手段によって触媒の劣化検出を行うよう第
1および第2の検出手段を切り換える切換手段を備えた
ことを特徴とする。
バック制御を実行すると、空燃比の振れ巾が大きくなっ
て触媒の浄化ウインドウを外れやすくなるため、触媒が
わずかに劣化した状態でもO2ストレージ効果を受けな
いガスがそのまま下流側の空燃比センサまで流れ、セン
サ出力としては触媒劣化度合の大きい状態に急速に近づ
くようになる点に着目し、触媒がフレッシュに近い状態
ではむしろP値フィードバック制御を実行した状態で触
媒劣化を検出する方が得策であるという知見を得たこと
によるものであって、その構成は、図1に示すとおり、
エンジンの排気通路に設けられた排気ガス浄化のための
触媒の上流側に配設され、エンジンに供給される混合気
の空燃比を目標空燃比にフィードバック制御するための
空燃比信号を空燃比制御手段に出力する第1空燃比セン
サと触媒の下流側に配設された第2空燃比センサの出力
を受け、両空燃比センサの出力比に基づいて触媒の劣化
検出を行う触媒の劣化検出装置であって、空燃比制御手
段により第1空燃比センサの出力に基づいて設定される
空燃比フィードバック制御量を第2空燃比センサの出力
に基づいて補正するフィードバック制御量補正手段と、
フィードバック制御量補正手段による補正が行われた状
態での第1および第2の空燃比センサの出力比に基づい
て触媒の劣化を検出するよう構成された第1検出手段
と、フィードバック制御量補正手段による補正を禁止し
た状態での第1および第2の空燃比センサの出力比に基
づいて触媒の劣化を検出するよう構成された第2検出手
段と、触媒劣化度合が小さい状態では第1検出手段によ
って触媒の劣化検出を行い、触媒劣化度合が大きい状態
では第2検出手段によって触媒の劣化検出を行うよう第
1および第2の検出手段を切り換える切換手段を備えた
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】エンジンの空燃比は触媒の上流側に配設された
第1空燃比センサの出力に基づいて目標空燃比にフィー
ドバック制御される。その際、触媒の下流側に配設され
た第2空燃比センサの出力に基づいて空燃比フィードバ
ック制御量が補正される。また、劣化検出装置は上記第
1空燃比センサの出力と第2空燃比センサの出力比に基
づいて触媒劣化を検出する。その際、触媒の劣化度合が
小さい状態では、第1検出手段により、空燃比フィード
バック制御量の補正が行われた状態での出力比に基づい
て触媒劣化が検出され、触媒の劣化度合が大きい状態で
は、切換手段によって検出手段が第2検出手段に切り換
えられ、空燃比フィードバック制御量の補正を禁止した
状態での出力比に基づいて触媒の劣化が検出される。第
2空燃比センサの出力に基づく空燃比フィードバック制
御量の補正を禁止した状態で触媒劣化を検出する場合の
検出特性は、触媒劣化度合が大きい領域で触媒浄化率の
変化に対して検出値巾が大きくなり、一方、上記空燃比
フィードバック制御量の補正を行った状態で触媒劣化を
検出する場合の検出特性は、触媒劣化度合が小さい領域
において触媒浄化率の変化に対する検出値巾が大きくな
る。したがって、触媒の劣化度合が小さい状態では第1
検出手段によって検出し、触媒の劣化度合が大きい状態
では第2検出手段によって検出するようにしたことで、
触媒の劣化度合にかかわらず精度良く劣化検出が行え
る。
第1空燃比センサの出力に基づいて目標空燃比にフィー
ドバック制御される。その際、触媒の下流側に配設され
た第2空燃比センサの出力に基づいて空燃比フィードバ
ック制御量が補正される。また、劣化検出装置は上記第
1空燃比センサの出力と第2空燃比センサの出力比に基
づいて触媒劣化を検出する。その際、触媒の劣化度合が
小さい状態では、第1検出手段により、空燃比フィード
バック制御量の補正が行われた状態での出力比に基づい
て触媒劣化が検出され、触媒の劣化度合が大きい状態で
は、切換手段によって検出手段が第2検出手段に切り換
えられ、空燃比フィードバック制御量の補正を禁止した
状態での出力比に基づいて触媒の劣化が検出される。第
2空燃比センサの出力に基づく空燃比フィードバック制
御量の補正を禁止した状態で触媒劣化を検出する場合の
検出特性は、触媒劣化度合が大きい領域で触媒浄化率の
変化に対して検出値巾が大きくなり、一方、上記空燃比
フィードバック制御量の補正を行った状態で触媒劣化を
検出する場合の検出特性は、触媒劣化度合が小さい領域
において触媒浄化率の変化に対する検出値巾が大きくな
る。したがって、触媒の劣化度合が小さい状態では第1
検出手段によって検出し、触媒の劣化度合が大きい状態
では第2検出手段によって検出するようにしたことで、
触媒の劣化度合にかかわらず精度良く劣化検出が行え
る。
【0008】
【実施例】図2は本発明の一実施例を示す全体システム
図である。図において1はエンジン本体を示す。エンジ
ン本体1の吸気側には気筒毎の独立吸気通路2aが設け
られ、これら独立吸気通路2aはサージタンク2bを経
て上流側吸気通路2cに接続されている。そして、上流
側吸気通路2cには、先端にエアクリーナ3に接続さ
れ、エアクリーナ3との接続部に近い上流位置にはエア
フローメータ4が、また、サージタンク2bの入口に近
い下流位置にはスロットル弁5が配設されている。ま
た、エンジン本体1の排気側には排気通路6が接続さ
れ、排気通路6には触媒7が配設されている。
図である。図において1はエンジン本体を示す。エンジ
ン本体1の吸気側には気筒毎の独立吸気通路2aが設け
られ、これら独立吸気通路2aはサージタンク2bを経
て上流側吸気通路2cに接続されている。そして、上流
側吸気通路2cには、先端にエアクリーナ3に接続さ
れ、エアクリーナ3との接続部に近い上流位置にはエア
フローメータ4が、また、サージタンク2bの入口に近
い下流位置にはスロットル弁5が配設されている。ま
た、エンジン本体1の排気側には排気通路6が接続さ
れ、排気通路6には触媒7が配設されている。
【0009】各気筒の独立吸気通路2aには燃料噴射用
のインジェクタ8が配設されている。これらインジェク
タ8はマイクロコンピュータ等で構成されたコントロー
ルユニット9によって制御される。そして、このインジ
ェクタ9による燃料噴射量の制御によってエンジンの空
燃比が制御される。そのため、コントロールユニット9
には、上記エアフローメータ4からの吸入空気量信号,
クランク角センサ10からのクランク角信号,水温セン
サ11からエンジン水温信号等が入力される。また、排
気通路6には、触媒7の上流側に第1空燃比センサ(O
2センサ)12が、下流側に第2空燃比センサ(O2セン
サ)13がそれぞれ配設され、これら第1および第2の
空燃比センサ12,13の検出信号が上記コントロール
ユニット9に入力される。
のインジェクタ8が配設されている。これらインジェク
タ8はマイクロコンピュータ等で構成されたコントロー
ルユニット9によって制御される。そして、このインジ
ェクタ9による燃料噴射量の制御によってエンジンの空
燃比が制御される。そのため、コントロールユニット9
には、上記エアフローメータ4からの吸入空気量信号,
クランク角センサ10からのクランク角信号,水温セン
サ11からエンジン水温信号等が入力される。また、排
気通路6には、触媒7の上流側に第1空燃比センサ(O
2センサ)12が、下流側に第2空燃比センサ(O2セン
サ)13がそれぞれ配設され、これら第1および第2の
空燃比センサ12,13の検出信号が上記コントロール
ユニット9に入力される。
【0010】コントロールユニット9は、周知のよう
に、エアフローメータ4によって検出された吸入空気量
Qaをクランク角信号から演算したエンジン回転数Ne
で割った値に定数Kを掛けて燃料の基本噴射量T0を設
定し、これをエンジン水温等によって補正する。そし
て、さらに触媒7上流の第1空燃比センサ12によって
検出された空燃比と目標空燃比との偏差に基づいたフィ
ードバック補正量CFBを加えて最終噴射量Tを設定
し、この最終噴射量Tに相当するパルス巾の噴射パルス
を上記インジェクタ8に出力する。これによって、エン
ジンの空燃比は例えば理論空燃比(14.7)に制御さ
れる。
に、エアフローメータ4によって検出された吸入空気量
Qaをクランク角信号から演算したエンジン回転数Ne
で割った値に定数Kを掛けて燃料の基本噴射量T0を設
定し、これをエンジン水温等によって補正する。そし
て、さらに触媒7上流の第1空燃比センサ12によって
検出された空燃比と目標空燃比との偏差に基づいたフィ
ードバック補正量CFBを加えて最終噴射量Tを設定
し、この最終噴射量Tに相当するパルス巾の噴射パルス
を上記インジェクタ8に出力する。これによって、エン
ジンの空燃比は例えば理論空燃比(14.7)に制御さ
れる。
【0011】上記フィードバック補正量CFBは、第2
空燃比センサ13の出力に基づいたP値フィードバック
制御によって補正される。図3はこのP値フィードバッ
ク制御を説明するタイムチャートであり、(a)は第1
空燃比センサの信号波形を、(b)は第2空燃比センサ
の信号波形を、(c)は空燃比がリッチサイドからリー
ンサイドに移行したときのCFBのP値(スキップ値)
であるCGPFRLを、(d)は空燃比がリーンサイド
からリッチサイドに移行したときのCFBのP値である
CGPFLRを、(e)は補正されたCFBをそれぞれ
示している。
空燃比センサ13の出力に基づいたP値フィードバック
制御によって補正される。図3はこのP値フィードバッ
ク制御を説明するタイムチャートであり、(a)は第1
空燃比センサの信号波形を、(b)は第2空燃比センサ
の信号波形を、(c)は空燃比がリッチサイドからリー
ンサイドに移行したときのCFBのP値(スキップ値)
であるCGPFRLを、(d)は空燃比がリーンサイド
からリッチサイドに移行したときのCFBのP値である
CGPFLRを、(e)は補正されたCFBをそれぞれ
示している。
【0012】第2空燃比センサ13の出力は、P値フィ
ードバックをしなければリッチ側あるいはリーン側にほ
ぼ張り付いた形となる。また、P値フィードバックをし
た場合には、空燃比の振れが大きくなって触媒の浄化ウ
インドウから外れやすくなるため、第2空燃比センサ1
3は変動波形を示すようになる。この第2空燃比センサ
13の波形は、第1空燃比センサ12が正常であれば変
動周期の長い波形となり、第1空燃比センサ12が劣化
するとその周期が短くなる。P値フィードバック制御
は、この第1空燃比センサの劣化を検出してCFBのP
値を補正するものであって、第2空燃比センサ13の出
力がリッチ側に張り付いている間は単位時間(例えば
8.2ms)毎に微小割合ΔSKIP(例えば0.2%)
ずつCGPFRLを小さくしてCGPFLRを大きく
し、第2空燃比センサ13の出力がリーン側に張り付い
ている間はやはりΔSKIPずつCGPFRLを大きく
してCGPFLRを小さくする。これにより、CGPF
LRおよびCGPFRLのセンタ(平均値)は第1空燃
比センタ12の劣化度合に応じた値に収束し、劣化が吸
収される。
ードバックをしなければリッチ側あるいはリーン側にほ
ぼ張り付いた形となる。また、P値フィードバックをし
た場合には、空燃比の振れが大きくなって触媒の浄化ウ
インドウから外れやすくなるため、第2空燃比センサ1
3は変動波形を示すようになる。この第2空燃比センサ
13の波形は、第1空燃比センサ12が正常であれば変
動周期の長い波形となり、第1空燃比センサ12が劣化
するとその周期が短くなる。P値フィードバック制御
は、この第1空燃比センサの劣化を検出してCFBのP
値を補正するものであって、第2空燃比センサ13の出
力がリッチ側に張り付いている間は単位時間(例えば
8.2ms)毎に微小割合ΔSKIP(例えば0.2%)
ずつCGPFRLを小さくしてCGPFLRを大きく
し、第2空燃比センサ13の出力がリーン側に張り付い
ている間はやはりΔSKIPずつCGPFRLを大きく
してCGPFLRを小さくする。これにより、CGPF
LRおよびCGPFRLのセンタ(平均値)は第1空燃
比センタ12の劣化度合に応じた値に収束し、劣化が吸
収される。
【0013】コントロールユニット9は、また、第1空
燃比センサ12のリーンシフト劣化およびリッチシフト
劣化を判定し、また、触媒7の劣化を判定してそれぞれ
の劣化判定信号を出力する。
燃比センサ12のリーンシフト劣化およびリッチシフト
劣化を判定し、また、触媒7の劣化を判定してそれぞれ
の劣化判定信号を出力する。
【0014】第1空燃比センサ12のリーンシフト劣化
およびリッチシフト劣化は、P値フィードバック制御に
より補正され収束したスキップ値の平均値がしきい値以
上かどうかで検出する。また、触媒7の劣化検出では、
第1空燃比センサおよび第2空燃比センサの出力を10
ms毎に積算して、その積算値の比を劣化検出値として
所定の検出特性により触媒浄化率をモニターする。
およびリッチシフト劣化は、P値フィードバック制御に
より補正され収束したスキップ値の平均値がしきい値以
上かどうかで検出する。また、触媒7の劣化検出では、
第1空燃比センサおよび第2空燃比センサの出力を10
ms毎に積算して、その積算値の比を劣化検出値として
所定の検出特性により触媒浄化率をモニターする。
【0015】触媒7の劣化検出は、触媒7の浄化率が8
5%以下といった劣化度合が大きい状態ではP値フィー
ドバック制御を禁止した状態で行い、触媒7の浄化率が
85%を越える劣化度合の小さい状態ではP値フィード
バック制御が行われた状態で実行する。すなわち、上記
劣化検出値をもとに触媒浄化率をモニターするための検
出特性として、図4に示すように、P値フィードバック
を行った状態での特性AとP値フィードバックを禁止し
た状態での特性Bとを用意して、P値フィードバックを
行った状態で劣化検出値が特性Aによる浄化率85%の
レベル(設定値)に達しない状態では特性Aで浄化率
をモニターし、P値フィードバックを行った状態での劣
化検出値が上記設定値以上となる状態では、P値フィ
ードバックを禁止し特性Bによって浄化率をモニターす
る。そして、P値フィードバックを禁止した状態で劣化
検出値が特性Bによる浄化率55%(M.F)のレベル
より小さくなると、異常判定を行う。
5%以下といった劣化度合が大きい状態ではP値フィー
ドバック制御を禁止した状態で行い、触媒7の浄化率が
85%を越える劣化度合の小さい状態ではP値フィード
バック制御が行われた状態で実行する。すなわち、上記
劣化検出値をもとに触媒浄化率をモニターするための検
出特性として、図4に示すように、P値フィードバック
を行った状態での特性AとP値フィードバックを禁止し
た状態での特性Bとを用意して、P値フィードバックを
行った状態で劣化検出値が特性Aによる浄化率85%の
レベル(設定値)に達しない状態では特性Aで浄化率
をモニターし、P値フィードバックを行った状態での劣
化検出値が上記設定値以上となる状態では、P値フィ
ードバックを禁止し特性Bによって浄化率をモニターす
る。そして、P値フィードバックを禁止した状態で劣化
検出値が特性Bによる浄化率55%(M.F)のレベル
より小さくなると、異常判定を行う。
【0016】図5は、上記触媒劣化検出を実行するため
のフローチャートであり、S1〜11はその各ステップ
を示す。このフローでは、スタートすると、S1で、エ
ンジン回転数と充填量(TP)と車速とを読み込み、S
2で、予め設定したフェイル(故障)検出領域かどうか
を判定して、フェイル検出領域でなければそのままリタ
ーンし、フェイル検出領域であれば、S3へ進んで、P
値フィードバックを行った状態での劣化検出値をもとに
図4の特性Aによって触媒の浄化率をモニターする。
のフローチャートであり、S1〜11はその各ステップ
を示す。このフローでは、スタートすると、S1で、エ
ンジン回転数と充填量(TP)と車速とを読み込み、S
2で、予め設定したフェイル(故障)検出領域かどうか
を判定して、フェイル検出領域でなければそのままリタ
ーンし、フェイル検出領域であれば、S3へ進んで、P
値フィードバックを行った状態での劣化検出値をもとに
図4の特性Aによって触媒の浄化率をモニターする。
【0017】つぎに、S4へ進んで、上記劣化検出値が
図4の設定値以上かどうかを判定し、設定値以上で
あれば、S5へ進んで、上記S3でモニターした浄化率
をクリアし、P値フィードバックを禁止した状態での劣
化検出値をもとに図4の特性Bによって触媒の浄化率を
モニターし直す。そして、S6でこの時の劣化検出値が
図4の設定値以下かどうかを見て、設定値以下であ
れば、S7で触媒が正常と判定する。
図4の設定値以上かどうかを判定し、設定値以上で
あれば、S5へ進んで、上記S3でモニターした浄化率
をクリアし、P値フィードバックを禁止した状態での劣
化検出値をもとに図4の特性Bによって触媒の浄化率を
モニターし直す。そして、S6でこの時の劣化検出値が
図4の設定値以下かどうかを見て、設定値以下であ
れば、S7で触媒が正常と判定する。
【0018】S7へ進んで正常判定をした時は、S8へ
行って、触媒浄化性能(モニターした触媒浄化率)をス
トアーし、S9のO2劣化検出のステップへ進む。S9
では触媒浄化率に応じたしきい値によりO2劣化判定を
行う。
行って、触媒浄化性能(モニターした触媒浄化率)をス
トアーし、S9のO2劣化検出のステップへ進む。S9
では触媒浄化率に応じたしきい値によりO2劣化判定を
行う。
【0019】また、S6で劣化検出値が設定値より大
きければ、触媒浄化率がM.F以下ということで、S1
0で触媒が異常と判定し、S11でランプを点灯する。
きければ、触媒浄化率がM.F以下ということで、S1
0で触媒が異常と判定し、S11でランプを点灯する。
【0020】また、S4の判定で劣化検出値が設定値
より小さければ、85%を越える高浄化率ということ
で、S3でモニターした浄化率をそのまま保持してS7
へ進む。
より小さければ、85%を越える高浄化率ということ
で、S3でモニターした浄化率をそのまま保持してS7
へ進む。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、触媒の上流側および下流側に配置した空燃比センサ
の出力比に基づいて触媒の劣化検出を行うに際し、触媒
の劣化度合にかかわらず高精度の劣化検出を行うことが
できる。
で、触媒の上流側および下流側に配置した空燃比センサ
の出力比に基づいて触媒の劣化検出を行うに際し、触媒
の劣化度合にかかわらず高精度の劣化検出を行うことが
できる。
【図1】本発明の全体構成図
【図2】本発明の一実施例の全体システム図
【図3】本発明の一実施例におけるP値フィードバック
制御を説明するタイムチャート
制御を説明するタイムチャート
【図4】本発明の一実施例における触媒劣化検出の検出
特性図
特性図
【図5】本発明の一実施例における触媒劣化検出を実行
するフローチャート
するフローチャート
1 エンジン本体 6 排気通路 7 触媒 9 コントロールユニット 12 第1空燃比センサ 13 第2空燃比センサ
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンの排気通路に設けられた排気ガ
ス浄化のための触媒の上流側に配設され、該エンジンに
供給される混合気の空燃比を目標空燃比にフィードバッ
ク制御するための空燃比信号を空燃比制御手段に出力す
る第1空燃比センサと前記触媒の下流側に配設された第
2空燃比センサの出力を受け、両空燃比センサの出力比
に基づいて前記触媒の劣化検出を行う触媒の劣化検出装
置において、前記空燃比制御手段により前記第1空燃比
センサの出力に基づいて設定される空燃比フィードバッ
ク制御量を前記第2空燃比センサの出力に基づいて補正
するフィードバック制御量補正手段と、前記フィードバ
ック制御量補正手段による補正が行われた状態での前記
第1および第2の空燃比センサの出力比に基づいて前記
触媒の劣化を検出するよう構成された第1検出手段と、
前記フィードバック制御量補正手段による補正を禁止し
た状態での前記第1および第2の空燃比センサの出力比
に基づいて前記触媒の劣化を検出するよう構成された第
2検出手段と、触媒劣化度合が小さい状態では前記第1
検出手段によって該触媒の劣化検出を行い、触媒劣化度
合が大きい状態では前記第2検出手段によって前記触媒
の劣化検出を行うようこれら第1および第2の検出手段
を切り換える切換手段を備えたことを特徴とする空燃比
検出装置の故障検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03330426A JP3028325B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 触媒の劣化検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03330426A JP3028325B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 触媒の劣化検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05163985A JPH05163985A (ja) | 1993-06-29 |
JP3028325B2 true JP3028325B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=18232482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03330426A Expired - Fee Related JP3028325B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 触媒の劣化検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3028325B2 (ja) |
-
1991
- 1991-12-13 JP JP03330426A patent/JP3028325B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05163985A (ja) | 1993-06-29 |
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Legal Events
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