JP3027598B2 - 造波板による液面動揺を利用した制振装置 - Google Patents
造波板による液面動揺を利用した制振装置Info
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- JP3027598B2 JP3027598B2 JP02283115A JP28311590A JP3027598B2 JP 3027598 B2 JP3027598 B2 JP 3027598B2 JP 02283115 A JP02283115 A JP 02283115A JP 28311590 A JP28311590 A JP 28311590A JP 3027598 B2 JP3027598 B2 JP 3027598B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、建造物に生じる水平方向の振動を制御す
る制振装置に関するものである。
る制振装置に関するものである。
[従来技術] 地震荷重や風荷重による高層の建造物の振動現象の変
位波領域では、1秒前後から長周期の10数秒の範囲にあ
る卓越成分が存在する。この領域の周期に対し建造物の
振動を小さくする目的で有用な液体利用の制振装置があ
る。これには、駆動装置を有せずに予め復元能力や減衰
能力を一定に調整した受動的な制振装置および必要な制
振力を状態変化に対応駆動する制御装置により生成する
能動的な制振装置がある。特に後者には、スロッシング
利用方式(参考文献1)および流体移動利用方式(参考
文献2)の制振装置がある。
位波領域では、1秒前後から長周期の10数秒の範囲にあ
る卓越成分が存在する。この領域の周期に対し建造物の
振動を小さくする目的で有用な液体利用の制振装置があ
る。これには、駆動装置を有せずに予め復元能力や減衰
能力を一定に調整した受動的な制振装置および必要な制
振力を状態変化に対応駆動する制御装置により生成する
能動的な制振装置がある。特に後者には、スロッシング
利用方式(参考文献1)および流体移動利用方式(参考
文献2)の制振装置がある。
上記のスロッシング利用方式は、液体入りの貯槽をス
ライドベアリングの上に載せ、水平方向駆動のアクチュ
エータを用いサージングされた貯槽を制振力源とするス
ロッシング利用の装置である。また流体移動利用方式
は、両側の貯槽内水面上の空気室の圧力と容積を制御す
ることで水の上下運動を周期的に変化させ、貯槽側壁と
の流体摩擦抵抗の利用と考えられる装置である。
ライドベアリングの上に載せ、水平方向駆動のアクチュ
エータを用いサージングされた貯槽を制振力源とするス
ロッシング利用の装置である。また流体移動利用方式
は、両側の貯槽内水面上の空気室の圧力と容積を制御す
ることで水の上下運動を周期的に変化させ、貯槽側壁と
の流体摩擦抵抗の利用と考えられる装置である。
(参考文献1:小坂英之他、「スロッシングを利用した制
振装置の研究」日本建築学会 学術講演梗概集、B構造
1、1990年、p911−912) (参考文献2:TECHNICAL View「流体式制振装置を建築構
造物を対象に実用化」建築技術、(株)建築技術、1990
年10月、p60、p62) ここで参考文献1のスロッシング利用方式は、貯槽を
も励振する大きな駆動力を要すること、大きな水平変位
が生じる場合の滑らかな装置駆動に必要な水平面確保の
困難性があることおよび装置全体の床占有面積が大きい
ことなどの欠点がある。
振装置の研究」日本建築学会 学術講演梗概集、B構造
1、1990年、p911−912) (参考文献2:TECHNICAL View「流体式制振装置を建築構
造物を対象に実用化」建築技術、(株)建築技術、1990
年10月、p60、p62) ここで参考文献1のスロッシング利用方式は、貯槽を
も励振する大きな駆動力を要すること、大きな水平変位
が生じる場合の滑らかな装置駆動に必要な水平面確保の
困難性があることおよび装置全体の床占有面積が大きい
ことなどの欠点がある。
また参考文献2の流体移動利用方式は、常時、空気室
内圧力の急速な一定保持装置が必要なことおよび所要の
流体摩擦抵抗に十分な壁長が必要なことである。
内圧力の急速な一定保持装置が必要なことおよび所要の
流体摩擦抵抗に十分な壁長が必要なことである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、風および地震による建造物の振動の制振を
はかる上で、液体入りの貯槽の水平運動を励振源とした
スロッシングによる制振方法の装置とは異なり、電子回
路を含む信号制御装置を用い、造波板の上下往復回転駆
動により粘性液体に液面動揺を生起し、建造物の振動方
向とは逆位相方向に生成する水平力を制振力とする、建
造物に固定される制振装置を提供することを目的とす
る。
はかる上で、液体入りの貯槽の水平運動を励振源とした
スロッシングによる制振方法の装置とは異なり、電子回
路を含む信号制御装置を用い、造波板の上下往復回転駆
動により粘性液体に液面動揺を生起し、建造物の振動方
向とは逆位相方向に生成する水平力を制振力とする、建
造物に固定される制振装置を提供することを目的とす
る。
本発明の制振装置は、建造物に作用する水平方向の振
動を制御するため、建造物に固定される制振装置であ
り、粘性液体と、該粘性液体を内部に収容する貯槽と、
粘性液体中に浸される造波板と、建造物に作用する水平
方向の振動に対して垂直でかつ水平面内にある軸を回転
軸として、造波板を一方向に所定の角度まで回転させた
後逆方向に所定の角度まで回転させる往復回転運動を造
波板に与えるための駆動機構とを備え、造波板の往復回
転運動により、粘性液体の液面を動揺させ、これによっ
て生じる水平方向の力を建造物に作用する水平方向の振
動と相殺させて制振することを特徴としている。
動を制御するため、建造物に固定される制振装置であ
り、粘性液体と、該粘性液体を内部に収容する貯槽と、
粘性液体中に浸される造波板と、建造物に作用する水平
方向の振動に対して垂直でかつ水平面内にある軸を回転
軸として、造波板を一方向に所定の角度まで回転させた
後逆方向に所定の角度まで回転させる往復回転運動を造
波板に与えるための駆動機構とを備え、造波板の往復回
転運動により、粘性液体の液面を動揺させ、これによっ
て生じる水平方向の力を建造物に作用する水平方向の振
動と相殺させて制振することを特徴としている。
本発明の好ましい実施形態においては、駆動機構が、
造波板の中心に取り付けられるユニバーサルジョイント
と、ユニバーサルジョイントが先端に取り付けられ、造
波板を支持する支持材と、ユニバーサルジョイントの周
囲において造波板に取り付けられ、造波板を回転させる
ため上下運動するロッドと、ロッドを上下運動させるた
めの駆動力を発生する駆動装置と、駆動装置からの駆動
力をロッドに伝達してロッドを上下運動させるための伝
達装置と、建造物に作用する水平方向の振動を検出する
振動センサと、振動センサからの信号に応じて逆位相と
振幅とを計算する電子回路を含み、建造物に作用する水
平方向の振動を相殺する水平方向の力(以下、「水平
力」という場合がある)を発生するように造波板を往復
回転運動させるための変換信号を駆動装置に与える信号
制御装置とを備えている。
造波板の中心に取り付けられるユニバーサルジョイント
と、ユニバーサルジョイントが先端に取り付けられ、造
波板を支持する支持材と、ユニバーサルジョイントの周
囲において造波板に取り付けられ、造波板を回転させる
ため上下運動するロッドと、ロッドを上下運動させるた
めの駆動力を発生する駆動装置と、駆動装置からの駆動
力をロッドに伝達してロッドを上下運動させるための伝
達装置と、建造物に作用する水平方向の振動を検出する
振動センサと、振動センサからの信号に応じて逆位相と
振幅とを計算する電子回路を含み、建造物に作用する水
平方向の振動を相殺する水平方向の力(以下、「水平
力」という場合がある)を発生するように造波板を往復
回転運動させるための変換信号を駆動装置に与える信号
制御装置とを備えている。
本発明において用いる粘性液体としては、水あるいは
これ以上の粘度を有する液体を用いることができ、例え
ばグリセリン等を用いることができる。
これ以上の粘度を有する液体を用いることができ、例え
ばグリセリン等を用いることができる。
以下、本発明の具体例の制振装置を第1図を参照して
説明する。貯槽(3)の内部には粘性液体(2)が収容
されている。粘性液体(2)中には造波板1が浸されて
いる。
説明する。貯槽(3)の内部には粘性液体(2)が収容
されている。粘性液体(2)中には造波板1が浸されて
いる。
造波板(1)の中心にはユニバーサルジョイント
(4)が取り付けられている。このユニバーサルジョイ
ント(4)は、支持材(5)の先端に取り付けられてい
る。支持材(5)の他方端は貯槽(3)の上部に取り付
けられた架台(6)に取り付けられており、支持材
(5)により造波板(1)が支持されている。
(4)が取り付けられている。このユニバーサルジョイ
ント(4)は、支持材(5)の先端に取り付けられてい
る。支持材(5)の他方端は貯槽(3)の上部に取り付
けられた架台(6)に取り付けられており、支持材
(5)により造波板(1)が支持されている。
ユニバーサルジョイント(4)の周囲には、ロッド
(7)(8)(9)が取り付けられている。これらのロ
ッドの取り付け位置は、第4図に示すように、ユニバー
サルジョイント(4)を中心とした三方の位置である。
第3図に示すように、4つのロッド(7)(8)(17)
(18)を造波板(1)に取り付けてもよい。
(7)(8)(9)が取り付けられている。これらのロ
ッドの取り付け位置は、第4図に示すように、ユニバー
サルジョイント(4)を中心とした三方の位置である。
第3図に示すように、4つのロッド(7)(8)(17)
(18)を造波板(1)に取り付けてもよい。
架台(6)の上には、駆動装置としてのパルスモータ
(14)(15)(16)が設けられている。これらのパルス
モータからの駆動力は、伝達装置としてのラックピニオ
ン(11)(12)(13)及び接合ピン(10)(17)(18)
を介してロッド(7)(8)(9)に与えられ、ロッド
(7)(8)(9)が上下運動し、これによって、第2
図に示すように、造波板(1)が所定の回転角となるよ
うに回転する。
(14)(15)(16)が設けられている。これらのパルス
モータからの駆動力は、伝達装置としてのラックピニオ
ン(11)(12)(13)及び接合ピン(10)(17)(18)
を介してロッド(7)(8)(9)に与えられ、ロッド
(7)(8)(9)が上下運動し、これによって、第2
図に示すように、造波板(1)が所定の回転角となるよ
うに回転する。
パルスモータ(14)(15)(16)には、信号制御装置
(20)が接続されている。信号制御装置(20)には、建
造物に作用する水平方向の振動を検出する図示されない
振動センサからの信号が与えられる。信号制御装置(2
0)は、振動センサからの信号に応じて逆位相と振幅と
を計算する電子回路を含んでおり、造波板(1)を往復
回転運動させるための変換信号を駆動装置であるパルス
モータ(14)(15)(16)に与える。これによって、ロ
ッド(7)(8)(9)が上下運動し、造波板(1)が
往復回転運動する。
(20)が接続されている。信号制御装置(20)には、建
造物に作用する水平方向の振動を検出する図示されない
振動センサからの信号が与えられる。信号制御装置(2
0)は、振動センサからの信号に応じて逆位相と振幅と
を計算する電子回路を含んでおり、造波板(1)を往復
回転運動させるための変換信号を駆動装置であるパルス
モータ(14)(15)(16)に与える。これによって、ロ
ッド(7)(8)(9)が上下運動し、造波板(1)が
往復回転運動する。
第2図に示すように、造波板(1)が所定の回転角と
なるように回転すると、これに伴って粘性液体(2)の
液面が傾くと共に、貯槽(3)の図面右側に粘性液体
(2)が移動する。このような粘性液体(2)の移動に
より、図面右方向への水平力が発生する。造波板(1)
が逆方向に回転し所定の回転角まで回転すると、これに
伴って粘性液体(2)の液面も逆方向に傾き、貯槽
(3)の図面左側に粘性液体(2)が集まり、図面左方
向への水平力が働く。このような造波板(1)の往復回
転運動により発生する水平力を、建造物に作用する水平
方向の振動の周期及び振幅と同調させて相殺させること
により、建造物に作用する水平方向の振動を制振するこ
とができる。
なるように回転すると、これに伴って粘性液体(2)の
液面が傾くと共に、貯槽(3)の図面右側に粘性液体
(2)が移動する。このような粘性液体(2)の移動に
より、図面右方向への水平力が発生する。造波板(1)
が逆方向に回転し所定の回転角まで回転すると、これに
伴って粘性液体(2)の液面も逆方向に傾き、貯槽
(3)の図面左側に粘性液体(2)が集まり、図面左方
向への水平力が働く。このような造波板(1)の往復回
転運動により発生する水平力を、建造物に作用する水平
方向の振動の周期及び振幅と同調させて相殺させること
により、建造物に作用する水平方向の振動を制振するこ
とができる。
造波板(1)としては、粘性液体(2)の液面の動揺
を生じさせるのに必要な表面仕上げ、強度及び剛性を有
するものが用いられる。また造波板(1)の形状及び大
きさは、造波板(1)の外周と貯槽(3)との間に間隙
が生じるような形状及び大きさであることが好ましい。
このような間隙を有することにより、造波板(1)が往
復回転運動した際に、粘性液体(2)が造波板(1)の
上方及び下方に移動することができる。
を生じさせるのに必要な表面仕上げ、強度及び剛性を有
するものが用いられる。また造波板(1)の形状及び大
きさは、造波板(1)の外周と貯槽(3)との間に間隙
が生じるような形状及び大きさであることが好ましい。
このような間隙を有することにより、造波板(1)が往
復回転運動した際に、粘性液体(2)が造波板(1)の
上方及び下方に移動することができる。
貯槽(3)は、固定装置(19)により建造物に固定さ
れている。貯槽(3)を建造物に固定する場合、粘性液
体(2)の液面の動揺時に粘性液体(2)が溢出しない
傾きとなるように固定することが好ましい。
れている。貯槽(3)を建造物に固定する場合、粘性液
体(2)の液面の動揺時に粘性液体(2)が溢出しない
傾きとなるように固定することが好ましい。
[作用] 造波板(1)と粘性液体(2)を内部に有する貯槽
(3)、ロッド(7)(8)(9)およびラックピニオ
ン(11)(12)(13)付きのパルスモータ(14)(15)
(16)を用いると、造波板(1)は、貯槽(3)内の粘
性液体(2)中で上下往復回転運動の能力を有する。
(3)、ロッド(7)(8)(9)およびラックピニオ
ン(11)(12)(13)付きのパルスモータ(14)(15)
(16)を用いると、造波板(1)は、貯槽(3)内の粘
性液体(2)中で上下往復回転運動の能力を有する。
造波板(1)の上下往復回転運動の起動には、駆動装
置としてのパルスモータ(14)(15)(16)を用い、伝
達装置としてのラックピニオン(11)(12)(13)およ
びロッド(7)(8)(9)の上下運動を通じて、鉛直
方向上下の強制変位により造波板(1)に往復回転角を
与えることができる。
置としてのパルスモータ(14)(15)(16)を用い、伝
達装置としてのラックピニオン(11)(12)(13)およ
びロッド(7)(8)(9)の上下運動を通じて、鉛直
方向上下の強制変位により造波板(1)に往復回転角を
与えることができる。
駆動装置および伝達装置を貯槽(3)の上部および内
部にそれぞれ取り付けると、アクチュエータを用いるサ
ージング方式よりも床占有面積が少なくなる。造波板
(1)を粘性液体(2)内に浸せば液面に造波板(1)
の回転運動と同調した水平方向動揺振動を建造物に与え
ることができる。
部にそれぞれ取り付けると、アクチュエータを用いるサ
ージング方式よりも床占有面積が少なくなる。造波板
(1)を粘性液体(2)内に浸せば液面に造波板(1)
の回転運動と同調した水平方向動揺振動を建造物に与え
ることができる。
水より高粘度の液体を使用すれば、建造物の励振力の
消滅後の自由振動は、水の場合よりも減衰率が高く制振
効果は大きい。
消滅後の自由振動は、水の場合よりも減衰率が高く制振
効果は大きい。
造波板(1)の上下往復回転運動の回転軸の選定は、
液面の基本次周期振動をもつ動揺振動が生起する振動方
向に垂直でかつ水平面との交線とすれば、基本次周期振
動の動揺振動の液面の高低差が最大となり、制振に必要
な水平力は大きい。
液面の基本次周期振動をもつ動揺振動が生起する振動方
向に垂直でかつ水平面との交線とすれば、基本次周期振
動の動揺振動の液面の高低差が最大となり、制振に必要
な水平力は大きい。
建造物の無振動状態で造波板(1)を水平に姿勢制御
しておけば、建造物の水平振動開始方向とは逆位相の上
下往復回転運動による制振に必要な水平力生成の起動時
間は、少なくできる。
しておけば、建造物の水平振動開始方向とは逆位相の上
下往復回転運動による制振に必要な水平力生成の起動時
間は、少なくできる。
貯槽(3)を建造物の予め定めた構造支持材に貯槽
(3)の転倒防止用および水平力伝達用の固定装置(1
9)を用いて直接固定すれば、造波板(1)の往復回転
運動により生起する液面動揺により建造物に作用する繰
り返し水平力をすべりによる遅れ時間がなく制御しやす
いことおよび貯槽(3)自身の転倒がなく安全である。
スライドベアリングの上に載せる方式では、直接固定の
場合よりも水平変位に対するストッパーや転倒防止用の
装置をさらに必要とする場合がある。
(3)の転倒防止用および水平力伝達用の固定装置(1
9)を用いて直接固定すれば、造波板(1)の往復回転
運動により生起する液面動揺により建造物に作用する繰
り返し水平力をすべりによる遅れ時間がなく制御しやす
いことおよび貯槽(3)自身の転倒がなく安全である。
スライドベアリングの上に載せる方式では、直接固定の
場合よりも水平変位に対するストッパーや転倒防止用の
装置をさらに必要とする場合がある。
造波板(1)の往復回転運動には、建造物の振動開始
後かつ振動継続中に振動センサーからの信号に応じて逆
位相と振幅とを計算する電子回路を含む信号制御装置
(20)でのディジタル変換信号による制御機器を用いれ
ば、高速でかつ自動的な制御が可能となり常時監視が不
必要となる。
後かつ振動継続中に振動センサーからの信号に応じて逆
位相と振幅とを計算する電子回路を含む信号制御装置
(20)でのディジタル変換信号による制御機器を用いれ
ば、高速でかつ自動的な制御が可能となり常時監視が不
必要となる。
水平駆動に高油圧使用のアクチュエータによる他の制
御方式の場合、ほぼ隔年毎の油類やホース交換によるコ
スト高および部品交換時間中の無制振の不安を招くこと
がある。このため補充や交換時に短時間かつ容易な、液
体使用やディジタル変換信号によるパルスモータ制御方
式を採用する。
御方式の場合、ほぼ隔年毎の油類やホース交換によるコ
スト高および部品交換時間中の無制振の不安を招くこと
がある。このため補充や交換時に短時間かつ容易な、液
体使用やディジタル変換信号によるパルスモータ制御方
式を採用する。
粘度液体(2)中の造波板(1)が、停電や故障のた
めに上下回転運動しない場合、建造物の振動による貯槽
(3)を励振源とするスロッシングを生起させれば、受
動的な装置が可能となる。
めに上下回転運動しない場合、建造物の振動による貯槽
(3)を励振源とするスロッシングを生起させれば、受
動的な装置が可能となる。
制振方向を予め1方向に限定する場合、貯槽(3)の
形状として、円筒形か直方体の形状を用いれば、造波板
(1)の往復回転運動が可能となる。
形状として、円筒形か直方体の形状を用いれば、造波板
(1)の往復回転運動が可能となる。
造波板(1)の往復回転運動の軸の中心点に関し点対
称な貯槽(3)の形状として円筒形の形状を用い、3本
のロッド(7)(8)(9)のストロークを互いに変え
れば、回転運動の軸が鉛直軸廻りに方向変換でき、任意
方向の制振を対象にできる。
称な貯槽(3)の形状として円筒形の形状を用い、3本
のロッド(7)(8)(9)のストロークを互いに変え
れば、回転運動の軸が鉛直軸廻りに方向変換でき、任意
方向の制振を対象にできる。
造波板(1)は、粘性液体(2)を使用するため粘性
力に影響を与える表面仕上が重要となる。安定した液面
動揺の生起には、適当な強度および剛性をもつ造波板
(1)が必要となる。また効率的な液面動揺の生起のた
めに、造波板(1)の形状、外周大きさは、それぞれ貯
槽(3)の液面に相似形でかつ内のりより小さく上下往
復回転可能な大きさとする。
力に影響を与える表面仕上が重要となる。安定した液面
動揺の生起には、適当な強度および剛性をもつ造波板
(1)が必要となる。また効率的な液面動揺の生起のた
めに、造波板(1)の形状、外周大きさは、それぞれ貯
槽(3)の液面に相似形でかつ内のりより小さく上下往
復回転可能な大きさとする。
建造物が無振動状態では、貯槽(3)自身の据え付け
面の傾きに関係なく貯槽(3)内の粘性液体(2)の自
由液面は常に水平面となる。このため、貯槽(3)を建
造物の構造支持材に固定する場合の据え付け鉛直精度
は、液面動揺時での粘性液体(2)の溢出が防げる程度
でよく、据え付け工期が短縮される。
面の傾きに関係なく貯槽(3)内の粘性液体(2)の自
由液面は常に水平面となる。このため、貯槽(3)を建
造物の構造支持材に固定する場合の据え付け鉛直精度
は、液面動揺時での粘性液体(2)の溢出が防げる程度
でよく、据え付け工期が短縮される。
高層あるいは搭状の建造物では曲げ振動が卓越して生
じると床面に傾斜が生じる。スライドベアリング方式で
は床面傾斜により支持台が傾き、貯槽に制御困難に近い
状態や不安定な状態が生じる。本発明装置では粘性液体
(2)の自由液面に対する造波板(1)の姿勢制御を可
能とする方式を用いるため、床面傾斜が生じても制振可
能な状態を得る。
じると床面に傾斜が生じる。スライドベアリング方式で
は床面傾斜により支持台が傾き、貯槽に制御困難に近い
状態や不安定な状態が生じる。本発明装置では粘性液体
(2)の自由液面に対する造波板(1)の姿勢制御を可
能とする方式を用いるため、床面傾斜が生じても制振可
能な状態を得る。
[実施例] 第1図、第3図は本発明の制振装置による制振力とな
る水平力が生成する実施例を示す。ここでは、3層から
なる、弾性鋼板で作製した基礎固定の建造物の最上部
に、粘性液体として水(粘度として1cP)あるいはグリ
セリン(同1045cP)を用いるとともに、上下往復回転運
動する造波板を有する本発明の制振装置を取り付け、そ
れぞれの場合の振動状態の最上部水平変位を測定した。
第5図は本発明での制振装置を用いない場合、第6図は
粘性液体に水を用いた場合、第7図は粘性液体にグリセ
リンを用いた場合を示し、これらの図から本発明の制振
効果が高いことが明らかである。
る水平力が生成する実施例を示す。ここでは、3層から
なる、弾性鋼板で作製した基礎固定の建造物の最上部
に、粘性液体として水(粘度として1cP)あるいはグリ
セリン(同1045cP)を用いるとともに、上下往復回転運
動する造波板を有する本発明の制振装置を取り付け、そ
れぞれの場合の振動状態の最上部水平変位を測定した。
第5図は本発明での制振装置を用いない場合、第6図は
粘性液体に水を用いた場合、第7図は粘性液体にグリセ
リンを用いた場合を示し、これらの図から本発明の制振
効果が高いことが明らかである。
[発明の効果] 本発明の装置により生成された水平力が建造物最上部
の位置に強制変位を生じさせる効果がある。この交互の
液面動揺に応じ、建造物は振動現象を生じる。このこと
から、本来の無制振の振動波形と逆位相の波形を加えれ
ば制振能力が増す効果が知れる。水よりも粘度の高い液
体を使用すれば、減衰効果が高い効果がある(第5、
6、7図参照)。また建造物の無振動時に、貯槽内
(3)の粘性流体(2)を皆無にして造波板(1)の回
転を駆動しても建造物の水平方向の動きに顕著な変位発
生がないことから、造波板(1)の回転による液面動揺
が水平方向制振力の生成に効果がある(第8図参照)。
の位置に強制変位を生じさせる効果がある。この交互の
液面動揺に応じ、建造物は振動現象を生じる。このこと
から、本来の無制振の振動波形と逆位相の波形を加えれ
ば制振能力が増す効果が知れる。水よりも粘度の高い液
体を使用すれば、減衰効果が高い効果がある(第5、
6、7図参照)。また建造物の無振動時に、貯槽内
(3)の粘性流体(2)を皆無にして造波板(1)の回
転を駆動しても建造物の水平方向の動きに顕著な変位発
生がないことから、造波板(1)の回転による液面動揺
が水平方向制振力の生成に効果がある(第8図参照)。
第1図は本発明の制振装置断面図、第2図は造波板
(1)の往復回転運動による基本次周期振動の液面動揺
状態断面図、第3図は第1図のA−A断面図である。第
4図は制振方向を任意方向に変換可能な他の実施例の第
1図のA−A位置での断面図である。第5図は本発明の
制振装置を用いない場合、第6図は粘性流体(2)に水
を利用した場合、第7図は粘性流体(2)にグリセリン
を利用した場合および第8図は無振動の建造物に粘性流
体(2)を皆無にして造波板(1)を回転駆動した場合
の、建造物最上部のそれぞれの水平変位の記録波形を示
す。 1……造波板、2……粘性液体、3……貯槽、4……ユ
ニバーサルジョイント、5……支持材、6……架台、
7、8、9……ロッド、10……接合ピン、11、12、13…
…ラックピニオン、14、15、16……パルスモータ、17、
18……接合ピン、19……固定装置、20……信号制御装
置。
(1)の往復回転運動による基本次周期振動の液面動揺
状態断面図、第3図は第1図のA−A断面図である。第
4図は制振方向を任意方向に変換可能な他の実施例の第
1図のA−A位置での断面図である。第5図は本発明の
制振装置を用いない場合、第6図は粘性流体(2)に水
を利用した場合、第7図は粘性流体(2)にグリセリン
を利用した場合および第8図は無振動の建造物に粘性流
体(2)を皆無にして造波板(1)を回転駆動した場合
の、建造物最上部のそれぞれの水平変位の記録波形を示
す。 1……造波板、2……粘性液体、3……貯槽、4……ユ
ニバーサルジョイント、5……支持材、6……架台、
7、8、9……ロッド、10……接合ピン、11、12、13…
…ラックピニオン、14、15、16……パルスモータ、17、
18……接合ピン、19……固定装置、20……信号制御装
置。
Claims (3)
- 【請求項1】建造物に作用する水平方向の振動を制御す
るため、建造物に固定される制振装置であって、 粘性液体と、 前記粘性液体を内部に収容する貯槽と、 前記粘性液体中に浸される造波板と、 前記建造物に作用する水平方向の振動に対して垂直でか
つ水平面内にある軸を回転軸として、前記造波板を一方
向に所定の回転角まで回転させた後逆方向に所定の回転
角まで回転させる往復回転運動を前記造波板に与えるた
めの駆動機構とを備え、 前記造波板の往復回転運動により前記粘性液体の液面を
動揺させ、これによって生じる水平方向の力を前記建造
物に作用する水平方向の振動と相殺させて制振すること
を特徴とする制振装置。 - 【請求項2】前記駆動機構が、 前記造波板の中心に取り付けられるユニバーサルジョイ
ントと、 前記ユニバーサルジョイントが先端に取り付けられ、前
記造波板を支持する支持材と、 前記ユニバーサルジョイントの周囲において前記造波板
に取り付けられ、前記造波板を回転させるため上下運動
するロッドと、 前記ロッドを上下運動させるための駆動力を発生する駆
動装置と、 前記駆動装置からの駆動力を前記ロッドに伝達してロッ
ドを上下運動させるための伝達装置と、 前記建造物に作用する水平方向の振動を検出する振動セ
ンサと、 前記振動センサからの信号に応じて逆位相と振幅とを計
算する電子回路を含み、前記建造物に作用する水平方向
の振動を相殺する水平方向の力を発生するように前記造
波板を往復回転運動させるための変換信号を前記駆動装
置に与える信号制御装置とを備えることを特徴とする請
求項1に記載の制振装置。 - 【請求項3】粘性液体が、水あるいはこれ以上の粘度を
有する液体である請求項1または2に記載の制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02283115A JP3027598B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 造波板による液面動揺を利用した制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02283115A JP3027598B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 造波板による液面動揺を利用した制振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04157232A JPH04157232A (ja) | 1992-05-29 |
JP3027598B2 true JP3027598B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17661420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02283115A Expired - Fee Related JP3027598B2 (ja) | 1990-10-19 | 1990-10-19 | 造波板による液面動揺を利用した制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3027598B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-19 JP JP02283115A patent/JP3027598B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04157232A (ja) | 1992-05-29 |
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