JP3027385U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物
を流動化させた状態で流下させる。灰を燃焼筒より自然
に落下させる。 【解決手段】 外筒に燃焼筒を内設し、該燃焼筒に空気
を送入するようにした焼却炉において、該燃焼筒の底部
を傾斜させたことを特徴とする焼却炉。該燃焼筒又は該
燃焼筒より流下した焼却物を水冷するための水冷手段を
備えさせることが望ましい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性プラスチック廃棄物その他の物（実用 新案登録請求の範囲を含む本明細書においては、これらの物を単に「焼却物」と いう。）を焼却するための焼却炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

焼却炉としては、外筒に燃焼筒を内設し、該燃焼筒の底部にロストルを備えさ せると共に該燃焼筒に対し空気を送入するようにしたものが既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の焼却炉においては、外筒に内設した燃焼筒は単なる有底筒状体であ るため、熱可塑性プラスチック廃棄物等の焼却物を流動化させた状態で流下させ 、減容固化するには不向きであり、該焼却物を完全に焼却し尽くさなければなら ない。しかして、プラスチック廃棄物を焼却する際には有害なガスが発生するお それがある。また、プラスチック廃棄物以外の焼却物を焼却する際には、燃焼筒 の下部に灰が詰りやすいという問題もある。 本考案は従来の焼却炉における以上の如き問題を解決しようとしてなされたも のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は下記の焼却炉を提供するものである。

【０００５】 （１）外筒に燃焼筒を内設し、該燃焼筒に空気を送入するようにした焼却炉にお いて、該燃焼筒の底部を傾斜させたことを特徴とする焼却炉（請求項１）。

【０００６】 （２）焼却炉には前記燃焼筒を水冷するための水冷手段を備えさせることが望ま しい（請求項２）。

【０００７】 （３）焼却炉には前記燃焼筒より流下した焼却物を水冷するための水冷手段を備 えさせることが望ましい（請求項３）。

【０００８】

【作用】

［請求項１の焼却炉］ 請求項１の焼却炉においては、燃焼筒の底部を傾斜させているため、燃焼筒内 に熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物を投入したときには、該焼却物は 大部分が燃焼することなく熱により流動化し、燃焼筒底部の傾斜面を伝って燃焼 筒より流下する。燃焼筒より流下した燃焼物は冷却して固化した後、これを運搬 し、埋立等による処分を行なう。該燃焼物は固化しているため、運搬、埋立等の 作業は極めて容易である。また、請求項１の焼却炉においては、燃焼筒の底部を 傾斜させているため、燃焼物の灰は燃焼筒より自然に落下する。従って、燃焼筒 の底部に燃焼物の灰が詰るおそれは小さい。

【０００９】 ［請求項２の焼却炉］ 請求項２の焼却炉は、燃焼筒を水冷するための水冷手段を備えている。燃焼筒 用の水冷手段は燃焼筒を水冷することにより燃焼筒の過度の温度上昇を防止する 。従って、燃焼筒内に熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物を投入したと きには、該焼却物の大部分は流動化するに足る程度には加熱されるが、燃焼する 程には加熱されない。

【００１０】 ［請求項３の焼却炉］ 請求項３の焼却炉は、燃焼筒より流下した焼却物を水冷するための水冷手段を 備えている。熱により流動化した焼却物は燃焼筒底部の傾斜面を伝って燃焼筒よ り流下し、焼却物用の水冷手段により水冷される。該燃焼物は水冷されて固化す ると共に発火の危険が除去される。固化した燃焼物を運搬し、埋立等による処分 を行なう。該燃焼物は固化しているため、運搬、埋立等の作業は極めて容易であ る。

【００１１】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態を添付図面に従って説明する。 符号１に示すものは焼却炉の外筒である。該外筒１には燃焼筒３を内設する。 符号５は外筒１の上方より燃焼筒３内に燃焼物を投入するためのホッパー、符号 ７は外筒１の側方より燃焼筒３内に燃焼物を投入するための投入口である。燃焼 筒３内には外筒１の外部より空気を送入するようになす。即ち、一例として、外 筒１の外部に送風機９を配設し、該送風機９より送風路１１、送風管１３及び該 送風路１１ないし送風管１３と燃焼筒３とを連結するノズル１５、１５・・・を 介して燃焼筒３内に空気を送入する。符号１７は燃焼筒３内の排気を外部に送出 するための排気管である。排気管１７には排気の送出を促進させるために排気促 進管１９の一端を導入し、該排気促進管１９の他端に送風機２１を備えさせ、該 送風機２１より排気促進管１９を介して排気管１７内に上方に向けて空気を送入 する。

【００１２】 しかして、本考案においては、燃焼筒３の底部３１を傾斜させて傾斜面３３と なす。図示の事例においては、燃焼筒３の底部３１を断面略Ｖ字状に形成してい る。燃焼筒３の底部３１は略逆円錐状に形成してもよいが、必ずしも略逆円錐状 に形成する必要はない。符号３５に示すものは燃焼筒３の底部３１に取り付けた ロストルである。

【００１３】 本考案における焼却炉には燃焼筒３を水冷するための水冷手段４１を備えさせ ることが望ましい。図示の事例においては、焼却炉の上方より外筒１と燃焼筒３ との間の隙間に注水することにより燃焼筒３を水冷する燃焼筒用の水冷手段４１ が配設されている。

【００１４】 更に、本考案における焼却炉には燃焼筒３より流下した焼却物を水冷するため の水冷手段４５を備えさせることが望ましい。図示の事例においては、燃焼筒３ の底部３１に設けられた焼却物取出口４３を通過する焼却物に注水する焼却物用 の水冷手段４５が配設されている。また、焼却物用の水冷手段４５としては、焼 却物取出口４３の下方に該焼却物取出口４３より落下した焼却物を受ける水溜め ４７を使用してもよい。

【００１５】

【考案の効果】

［請求項１の焼却炉］ 請求項１の焼却炉においては、燃焼筒の底部を傾斜させているため、燃焼筒内 に熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物を投入したときには、該焼却物は 熱により流動化し、燃焼筒底部の傾斜面を伝って燃焼筒より流下する。このよう に熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物を焼却し尽くすことなく流動化さ せて焼却炉より除去するようにしたため、該焼却物より有害なガスが発生するこ とが効果的に防止される。燃焼筒より流下した燃焼物は冷却して固化した状態で 容易にこれを運搬し、埋立等による処分を行なうことができる。また、請求項１ の焼却炉においては、燃焼筒の底部を傾斜させているため、燃焼物の灰は燃焼筒 より自然に落下する。従って、燃焼筒の底部に燃焼物の灰が詰るおそれは小さい 。

【００１６】 ［請求項２の焼却炉］ 請求項２の焼却炉は、燃焼筒を水冷するための水冷手段を備えている。燃焼筒 用の水冷手段は燃焼筒を水冷することにより燃焼筒の過度の温度上昇を防止する 。従って、燃焼筒内に熱可塑性プラスチック廃棄物のような焼却物を投入したと きには、該焼却物の大部分は流動化するに足る程度には加熱されるが、燃焼する 程には加熱されない。即ち、該焼却物の大部分は流動化して燃焼筒より流下する 。従って、該焼却物より有害なガスが発生することはより一層効果的に防止され る。

【００１７】 ［請求項３の焼却炉］ 請求項３の焼却炉は、該燃焼筒より流下した焼却物を水冷するための水冷手段 を備えている。燃焼筒より流下した燃焼物は燃焼物用の水冷手段により水冷され て固化すると共に発火の危険が除去される。固化した燃焼物は容易に運搬し、埋 立等による処分を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による焼却炉の一例を示す断面図であ
る。

【図２】同上焼却炉の別の断面図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ３ 燃焼筒 ５ ホッパー ７ 投入口 ９ 送風機 １１ 送風路 １３ 送風管 １５ ノズル １７ 排気管 １９ 排気促進管 ２１ 送風機 ３１ 底部 ３３ 傾斜面 ３５ ロストル ４１ 燃焼筒用の水冷手段 ４３ 焼却物取出口 ４５ 焼却物用の水冷手段 ４７ 水溜め

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒に燃焼筒を内設し、該燃焼筒に空気
   を送入するようにした焼却炉において、該燃焼筒の底部
   を傾斜させたことを特徴とする焼却炉。
2. 【請求項２】 前記燃焼筒を水冷するための水冷手段を
   備えさせたことを特徴とする請求項１の焼却炉。
3. 【請求項３】 前記燃焼筒より流下した焼却物を水冷す
   るための水冷手段を備えさせたことを特徴とする請求項
   １又は２の焼却炉。