JP3027124B2 - 診断またはタイピング用試験方法 - Google Patents

診断またはタイピング用試験方法

Info

Publication number
JP3027124B2
JP3027124B2 JP8244591A JP24459196A JP3027124B2 JP 3027124 B2 JP3027124 B2 JP 3027124B2 JP 8244591 A JP8244591 A JP 8244591A JP 24459196 A JP24459196 A JP 24459196A JP 3027124 B2 JP3027124 B2 JP 3027124B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
reaction
magnet
wall
sedimentation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8244591A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09113513A (ja
Inventor
謙二 高橋
誠 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17121007&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3027124(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Olympus Optic Co Ltd filed Critical Olympus Optic Co Ltd
Priority to JP8244591A priority Critical patent/JP3027124B2/ja
Publication of JPH09113513A publication Critical patent/JPH09113513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3027124B2 publication Critical patent/JP3027124B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば免疫学的抗原抗
体反応に基づいて種々の疾病の診断を行ったり、血液型
等のタイピングを行ったりするための診断またはタイピ
ング用試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫学的な凝集反応に基づいて検体サン
プル中に存在する分析すべき抗原または抗体を検出する
試験方法においては、反応容器の底面に担体粒子による
沈降像を形成するマイクロタイター法が古くから普及し
ている。マイクロタイター法には、通常、半球状または
円錘状の凹面を底部とするウエルを多数設けたマイクロ
プレートが使用される。かかるマイクロタイター法にお
いては、担体粒子をいかに迅速に沈降させながら凝集反
応を行うかが大きな課題である。特開平2−12446
4号公報に記載の方法は、磁性担体を磁気的に沈降させ
ることにより、遠心装置を用いる不具合を生じることな
く、迅速に沈降像を形成させるものであり、これに関す
る技術を以下に図1(A),(B)を参照して説明す
る。
【0003】図1(A)はマイクロプレートを上方より
見た図であり、図1(B)はマイクロタイター法を行う
際のマイクロプレートと磁石との配置を示す平面図であ
る。図1(A)および(B)に示すように、マイクロプ
レート1のウエル2は半球状底面を形成しており、その
下方には平坦面を水平に向けた円盤形状の磁石4が支持
台3の上に固定されている。かかる構成において、マイ
クロプレート1のウエル2に検体サンプルの所定量およ
び磁性担体を含む試薬の所定量を分注して凝集反応を行
う。ここで、磁性担体には前処理として、分析すべき抗
原または抗体と結合する物質が予め固定されている。
【0004】図2(A)および図3(A)はマイクロタ
イター法による反応原理を示す図であり、図2(B)お
よび図3(B)は同法により得られる沈降像を示す図で
ある。まず、検体サンプル中に分析すべき抗原または抗
体が存在する場合、図2(A)のように、沈降した複数
の磁性担体5が分析すべき抗原または抗体6を介して結
合し、凝集塊を形成する。凝集塊を形成した磁性担体5
は、図2(B)に示したように、ウエル底面に一様に広
がった陽性(+)の沈降像を形成する。一方、検体サン
プル中に分析すべき抗原または抗体が存在しない場合、
図3(A)のようにマイクロプレート1のウエル底面の
中心に非凝集の磁性担体5が沈降する。沈降した非凝集
の磁性担体5は、図3(B)に示したように、ウエル中
心にボタン状に集まった陰性(−)の沈降像を形成す
る。このように、ウエル底面に形成した沈降像は、肉眼
または光学的測定機によって、陽性か陰性かが判定され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のマイクロタイタ
ー法によれば、反応液中を沈降させる方向と非凝集の粒
子が移動する方向とが、いずれも下方向であるために、
形成後の沈降像が、担体粒子自身の自重や電気的反発力
により、或いは磁力、遠心力、振動等の外力によって崩
れ易くなる。かかる沈降像の崩れもまた、反応容器の底
面形状に依存して、種々の誤ったパタ−ンを形成し得る
ので、特別な容器を使用しない限り、沈降像が崩れ、陽
性と判定すべき検体サンプルを誤って陰性と判定する場
合もあるので、重大な問題である。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、信頼性の高い凝集パターンを迅速に得ながら正
確な判定を行うことができる免疫学的試験方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本願発明
は、所定の反応容器中で所望のサンプルに関してサンプ
ル中の被検物質に基づく多数の磁性担体による凝集反応
を行う反応工程と、凝集反応させた反応液中の磁性担体
の全てが反応容器の所定の壁面上に到達するように磁気
的に沈降させる液中移動工程と、磁気的沈降の最低部へ
到達した磁性担体のうち、非凝集の磁性担体を前記到達
位置とは異なる位置へ向けて壁面に沿って移動させる壁
面移動工程と、壁面移動工程における磁性担体が、前記
到達位置に相当する壁面部分から離脱し且つ離脱後も非
凝集の磁性担体同士のみがもたらす流れ出しによって移
動したか否かを移動の長さに基づいて判定するようにし
て、凝集反応の結果を判定する判定工程とを有すること
を特徴とする。また、請求項2に係る本願発明は、所定
の反応容器中で所望のサンプルに関してサンプル中の被
検物質に基づく多数の磁性担体による凝集反応を行う反
応工程と、凝集反応させた反応液中の磁性担体の全てが
反応容器の最低部に相当する壁面上に到達するように沈
降させる液中移動工程と、最低部へ到達した磁性担体の
うち、非凝集の磁性担体を前記到達位置とは異なる位置
へ向けて壁面に沿って磁気的に移動させる壁面移動工程
と、壁面移動工程における磁性担体が、前記到達位置に
相当する壁面部分から離脱し且つ離脱後も非凝集の磁性
担体同士のみがもたらす流れ出しによって移動したか否
かを移動の長さに基づいて判定するようにして、凝集反
応の結果を判定する判定工程とを有することを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に図面を用いて詳細に説明する。 (第1の実施形態)図4(A)及び図4(B)は、本実
施形態の方法を説明するための模式図である。平底のウ
エルを有するマイクロプレート1を反応容器とし、その
下方には、ウエルの底部壁面に対して、壁面の中心点で
最も近く壁面の円周方向にいくほど徐々に距離が離れる
ように、半球状の凸面を上方に向けて形成してなる磁石
4が配置されている。ここで、図4(A)及び(B)の
磁石4は、NまたはSのいずれかの磁極を半球面とする
永久磁石であり、マイクロプレート1の各ウエルの底部
壁面に対して中心点より同心円状に徐々に磁力が弱くな
るような磁界を有している。このような構成は、図1
(B)に示したような、半球状底面を有するマイクロプ
レート1および水平面を上面とする磁石4といった従来
法の組み合わせで形成されるのと実質的に同等な収束性
の引力を磁性担体5に与える。
【0009】ここで、分析すべき抗原または抗体を含有
する検体サンプルの所定量を該抗原または抗体に対する
物質を固定した磁性担体5の所定量と反応させた場合、
図4(A)に示すようにマイクロプレート1の底部壁面
上に分析すべき抗原または抗体6を介して凝集した磁性
担体5が磁石4の磁界の作用により沈降し、底面を転が
ることなく堆積して、図3(A)と同様に広がった沈降
像を形成する。一方、分析すべき抗原または抗体を含ま
ない検体サンプルと磁性担体との反応では、図4(B)
に示すように非凝集の個々の磁性担体5が、沈降後もマ
イクロプレート1の底面上を転がって、即ち、該底面を
流れ出すようにして底面中心部に収束し集まるので、図
3(B)と同様にボタン状の沈降像を形成する。
【0010】尚、磁石4の半球状凸面は、半球状凹底面
を有するウエル内壁の形状を模した曲率とするのが好ま
しい。また、本実施形態にて使用する磁性担体5は、永
久磁石ないし電磁石等の磁界発生源に向かって移動する
性質を有するものであればよく、例えば、担体として
は、平均粒子径が 0.1〜50μmの球形ないしそれに類す
る多角体であり、磁性体自身が粒子状であるものか或る
いは径 0.1μm未満の磁性微粒子を所定重量だけ含有さ
せた親水性表面をもつ重合体もしくはコアセルベート体
を使用することができる。かかる磁性担体の製造方法と
しては、公知技術の中でいずれか適したものを用いれば
よく、必要に応じて着色処理を行ってもよい。親水性表
面を構成する材料にはポリスチレン、塩化ビニル、シリ
カ、カーボン、ゼラチン、アルブミン等があり、必要に
応じて親水性ないし反応性を高めるための物質や官能基
を付与することもできる。
【0011】本実施形態においては、陽性と陰性の両方
の沈降像を形成するいかなる比重もしくは径から成る磁
性担体も使用することができ、例えば、径が1μm以下
の微粒子や中空粒子のような低比重の担体で沈降像を形
成するには、比較的強い磁力を印加するのが好ましい。
また、比重 2.0を超えるような高比重の担体の場合に
は、比較的弱い磁力を印加するのが好ましい。
【0012】また、本実施形態で使用する磁気的移動の
ために利用可能な磁石も、組成を問わず、所定反応液に
浮遊する磁性担体を数分以内に沈降させることのできる
磁力を有するものであれば特に限定されない。但し、磁
気を発する面が位置を問わずほぼ均一な磁力を有するよ
うな部材から成る場合には、傾斜面を形成する上で傾斜
させるか成型するだけでパタ−ン形成上好ましい。ま
た、磁石の磁極はN極であれS極であれ、同様の効果を
奏し、更に、沈降像の形成過程或いは形成終了以降の経
過観察を行うためには、磁石の上面を白色ないし銀色塗
料等により着色したり、反応容器と磁石との間に透磁性
の平板状の鏡を配置させるとよい。
【0013】また、本実施形態で使用される反応容器
は、分析すべきサンプルに関する反応液中で磁性担体が
反応して沈降像を形成するまでの間、該磁性担体とサン
プルとの一定量を保持することができる壁面を有してい
るものをいい、例えば、マイクロプレートのように液体
等の収容に適した凹部をもつ反応容器や、スライドガラ
スのように水平方向にてサンプル等を保持できる平板状
の反応容器が使用できる。
【0014】反応容器の材質については、透磁性を有す
ることのみが要求され、ガラス、プラスチック類、紙等
が使用できる。必要に応じて抗原ないし抗体を固相化し
易い程度の親水性表面を持つものを用いる。抗原等を固
定化する技術は、既に種々の方法が公知であるので、そ
のいずれかを採用すればよい。また、固定化する対象と
しては、検出すべき物質と特異的に結合するか或いは競
合する物質が選ばれ、好ましくは反応容器の少く共沈降
像を形成する範囲に亘って隙間なく均一に固定化するべ
きである。
【0015】(第2の実施形態)図5は、図4(A)お
よび図4(B)における磁石4の形状に関する他の実施
形態を示す平面図である。図5に示す磁石4は円錘形状
の凸面を上部とし、好ましくは、従来の円錘状凹型底面
のウエル形状を模した曲率で成型される。また、図5で
は円錘形の先端部を僅かに平坦面とし、この平坦面に非
凝集の担体を集めることにより、一定面積の陰性像を形
成できるよう加工してある。
【0016】(第3の実施形態)図6は、図4または図
5における磁石4が永久磁石であるのに対して、電磁石
で構成した場合の実施形態を示す縦断面図である。図6
の電磁石は、鋲形状の磁性部材7aの外周に複数の円筒
形状の磁性部材7bを段階的に低くなるよう重ねること
により、上端を同心円状の段差とし、これら磁性部材7
aおよび7bにそれぞれ巻線8が巻かれて成る。ここ
で、巻線8は、一定電圧の電流を受けた時に各磁性部材
7aおよび7bを同程度の磁力で帯磁させるよう、変圧
器および電源に接続すると共に、スイッチ9によりオン
オフされる仕組みになっている。
【0017】かかる図6の構成では、電源をスイッチ9
のオン動作によって変圧器に接続し、変圧器を経た電流
が巻線8を流れることにより、磁性部材7aおよび7b
が同程度に磁化される。ここで、図6の電磁石は、上方
に対して同心円状に徐々に中心から外周へと弱くなるよ
うな磁界を発生するので、図4(A)および図4(B)
と同様の沈降像を形成する。
【0018】また、図6のように電磁石を用いる場合に
は、磁性部材7aおよび7bのそれぞれに巻線を巻く必
要はなく、例えば鋲状磁性部材7aおよび筒状磁性部材
7bの下端部を一体化して、その一体化した部分に巻線
8を巻いても、上記電磁石と同様に磁化できる。更に、
図6の磁性部材7aおよび7bの上端の高さを一致さ
せ、その代わりに、巻線8の巻数を異ならせる等の調整
により、磁力が中心より徐々に弱くなるよう電気的に制
御してもよい。
【0019】(第4の実施形態)図7(A)は、反応容
器として半球状底面のウエルを有するマイクロプレート
1を用いる際の磁石形状に関する変形例である。図7
(A)の磁石4の上面は、ウエル底面と磁石4の間の距
離が、ウエル底面の傾斜が緩やかな中心付近ほど近く、
ウエル底面の傾斜が急な周辺ほど、遠く位置するような
凹面を形成している。このとき、この磁石4の凹面の曲
率は、半球状底面の曲率との兼ね合いにより、実質的
に、図1(B)に示した構成を半球状底面ではなく円錘
状底面のウエルに変更したのと同等な収束性磁界を生ず
るよう成型されている。
【0020】一方、図7(B)は、反応容器として円錘
状底面のウエルを有するマイクロプレート1を用いる際
の磁石形状に関する変形例である。図7(B)の磁石4
の上面は、図7(A)の場合とは逆に、ウエル底面と磁
石4の間の距離が、ウエル底面の周辺部から中心に向か
うにつれて徐々に遠く位置するような凹面を形成してい
る。このとき、この磁石4の凹面の曲率は、円錘状底面
の曲率との兼ね合いにより、実質的に、図1(B)に示
したような半球状底面による構成と同等な収束性磁界を
生ずるよう成型されている。
【0021】このような図7(A)および図7(B)に
示した構成によれば、円錘状または半球状底面のウエル
を有するマイクロプレートにおいて、製造メーカー、ロ
ット番号等を変えることなく、同一プレートでそれぞれ
半球状または円錘状底面のウエルと同様な凝集反応を互
換的に行うことができる。
【0022】(第5の実施形態)また、上述した第1〜
第4の実施形態では反応容器として、複数のウエルを有
するマイクロプレートを用いていたが、本発明において
は必ずしもウエル状の凹部を形成する必要はない。例え
ば図9(A)および(B)には、平板上で凝集反応を行
なう装置が示されている。即ち、透磁性材料から成る水
平板9の下方に、図8(A)と同様の形状で且つ軸11を
中心に回動可能である磁石4を複数個離間して配置す
る。このとき磁石4と水平板9の離間距離は磁石4を回
動させたときに、水平板9の下面に当接可能な範囲であ
り、しかも軸11の全てを同一方向に、且つ同一水平面上
に位置させる。また、図9(A)に示すように水平板9
の上面には突起等の図示せぬ位置決め部材によって、磁
石4の真上となる位置に沈降像を形成するための板状試
験片10を着脱可能に載置している。板状試験片10は、上
面が水平方向に対し平坦であると共に抗原抗体反応また
は固相化処理できる程度の透磁性部材(ガラス、プラス
チック等)から成り、使い捨てとする。なお、磁石4の
回動操作および板状試験片の交換操作は、種々公知のス
ライド乃至ディスク移送技術に基づいて設計可能な回動
機構および交換装置(いずれも図示せず)により実施さ
れる。
【0023】かかる構成においては、まず後述する実施
例と同様の固相化処理を板状試験片10の上面に行なった
後、図9(B)に示したようにピペッタからサンプルお
よび磁性担体を含む試薬を添加し混合する。次に、各磁
石4を同一方向に同時に回動させると、図9(B)のよ
うに各磁石4がいずれも同一角度で水平板9と当接する
ので、所定沈降反応後に図8(B)および(C)で示し
たような陽性または陰性の沈降像を形成させる。最後
に、再び各磁石4を同時に回動して水平板9と平行に配
向させると、磁性担体の全てが板状試験片10の上面に対
して垂直なる磁気引力を受けるので、振動等による崩れ
を生じることなく、長時間安定に沈降像を保つことがで
きる。
【0024】上述した本発明の実施形態では、反応容器
の外方に適用した磁力によって迅速に反応液中を沈降移
動させるとともに、その磁気的な沈降方向において最も
低い壁面位置に磁性粒子を到達させた後に、その壁面に
沿って、液中の移動とは異なる方向に向けて磁性粒子を
移動させたので、遠心装置で強制沈降させた場合に生じ
るような非凝集粒子の判定の困難性も無く、充分な移動
距離に基づいて凝集の有無を判定することができる。
【0025】また、上述した実施形態の構成を用いて、
分析すべき抗原または抗体と結合する物質を固定した磁
性担体の所定量とサンプルの所定量とを反応容器に分注
して反応させ、磁力を作用させることにより前記磁性担
体を前記反応容器の壁面に向けて沈降させて沈降像を形
成し、沈降像の形状に基づいて分析すべき抗原または抗
体の有無を判定することを特徴とするものであるから信
頼性の高い免疫学的試験が行える。
【0026】なお、本発明の方法は、請求の範囲を外れ
ない程度において、公知の技術等を組合わせた変更が種
々可能である。例えば、磁石の形状ないし磁力分布は、
適宜の理由で、補正してもよい。即ち、磁極の縁に相当
する部分は不均一な磁界を生じ易いので、反応容器の底
面より充分大きい磁石を用いてパタ−ン改善を図っても
よい。また、遠心装置を用いた凝集反応試験に関する特
開昭51−20547号、特公昭51−16798号の
ように、一旦、担体粒子の全てを反応容器の一部に局所
的に移動させてから非凝集粒子のみを傾斜により移動さ
せるようにしてもよい。また、自然沈降による凝集反応
試験に関する特開昭58−87460号、特開平3−4
170号、等のように、一旦、担体粒子の全てを反応容
器の底面に移動させた後に、底面を傾斜させることによ
っても、本発明を有効に達成できる。
【0027】また、磁石の寸法および磁力は沈降像の広
がり面積と関係する。従って、高倍希釈処理を要するか
初期症状である等の理由で、分析すべき抗原ないし抗体
が微量ないし低反応性であるような検体サンプルを分析
する場合には、反応容器の底面面積を変更せずとも、磁
石のサイズを小型化することにより、沈降像を縮小させ
て反応性、感度、パターン明瞭性等を増強させることが
できる。
【0028】また、本実施形態では、従来のマイクロタ
イター法に準じて、反応容器の底面に磁性担体を沈降さ
せるのが普通である。このとき、磁石は反応容器の下方
に位置させて磁性担体を沈降させる。しかしながら、本
実施形態は必ずしも磁性担体を重力方向に沈降させる必
要はない。従って、側面または上面にて磁性担体および
サンプルと接触するような反応容器においては、反応容
器の側方または上方に磁石を位置させることにより、上
面ないし側面のいずれにも、まず壁面に到達させてから
次いで壁面に沿って異なる方向へ非凝集粒子のみが移動
し得るようにして沈降像を形成すればよい。この場合、
当然のことながら、磁気的沈降方向が自然重力による沈
降方向とは異なるので、前半の液中移動で到達した壁面
位置を磁気的沈降の最低部と称することができる。
【0029】一方、沈降像を長時間安定に保つ方法とし
ては、さらに、沈降像の形成を開始して一定時間後に、
反応容器の壁面に並行して常に垂直方向から磁力が作用
するような構成の磁石を反応容器の外方に位置させても
よい。例えば、磁気を発する手段としてN極またはS極
の表面から均一な磁界を発生する磁石を用い、反応容器
として半球状底部のウエルを用いた場合には、半球状底
部の壁面から離間する分だけ半径の長い半球状の凹平面
に対して、磁界の向きがそれぞれ垂直となるように、多
数の小型磁石を一面に貼付した磁石が組み合わせとして
選択される。また、円錘状底部のウエルに対しては、同
一角度の円錘状の凹面に、同様に磁石を貼付した磁石が
組み合わせとして選択される。更に、平底ウエルに対し
ては図1(B)に示したような平坦且つ水平な上面形状
を有する磁石が組み合わせとして選択される。
【0030】作用を述べると、まず自然沈降ないし磁
力、遠心等により、磁性担体の沈降像を形成する途中過
程で上記の組み合わせにより選択された磁石をウエルの
下方に位置させる。このとき、既にウエル底部の上壁面
に到達した磁性担体はウエル壁面に対し垂直方向に磁力
を受け、他の沈降途中の磁性担体は距離上最も近いウエ
ル壁面に向かってほぼ均等個数ずつ一面に沈降した後ウ
エル壁面に垂直な磁力を受けることになる。このように
ウエル壁面上の磁性担体は、もはや壁面上を転がること
ができず、全体としては、形成途中の沈降像をほぼ忠実
に留めた状態を保持することができる。
【0031】他方、同様の磁石を沈降像を形成終了した
ところで位置させる。このとき、全ての磁性担体はウエ
ル壁面に対し垂直な磁力を受けるため、上記と同様に沈
降像は安定化する。以上の安定化は、特に反応容器の底
壁面に上述したような抗原または抗体等のコーティング
処理が施されている場合に有効であり、比較的短時間磁
力を与えるだけで長時間の安定化が得られる可能性もあ
る。更に、長時間例えば半日以上の安定化を行う場合
は、比較的高湿度の環境下に置くか密封用のシールを貼
付することにより、なるべく蒸発を防止するような処理
を施すのが好ましい。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を実施した一例を示す。 〈ヒトIgG固相化プレートの作成〉NUNC社の平底
プレート(2×8well ウエル径6mm、製品番号
469914)の各ウエルに、ヒトIgG(ICN;生
化学工業、製品番号64−145)を0.01MPBS、p
H7.43で15.6μg/mlに希釈したものを50μl/ウエ
ルずつ分注し、室温で30分間インキュベートした。PB
Sで洗浄後、自然乾燥させた。
【0033】〈抗ヒトIgG感作磁性ビーズの調整〉磁
性ゼラチン粒子(オリンパス光学工業(株)製)の懸濁
液(粒子濃度5%(W/W)) 200μlを、0.01MのP
BS、PH7.43で洗浄した。タンニン酸のPBS溶液を
1ml添加して、37℃で30分間インキュベートした。P
BS溶液で洗浄後、抗ヒトIgGヤギ抗体(CAPPE
L社)のPBS溶液(濃度25μg/ml)を1ml添加
して、37℃で1時間インキュベートした。PBSで洗浄
後、 0.2%ウシ血清アルブミン、0.05%NaN3 を含
む0.01MのPBS、pH7.43で0.25%(W/W)に浮遊
させた。
【0034】〈未感作磁性ビーズの調整〉上記感作磁性
ビーズの調整において、抗ヒトIgGヤギ抗体の濃度を
0μg/mlとした以外は同様に処理した。
【0035】〈反応パターンの形成〉上記IgG固相プ
レートを水平に静置し、2個のウエルにそれぞれ上記感
作ビーズおよび未感作ビーズを25μl/ウエルずつ添加
した。攪拌直後、水平に静置した。図8(A)に示した
ようにマイクロプレート1の平底ウエルの一端が接触す
るように、径24mm、高さ22mmの円柱状の鋳鉄性磁石
4を傾むけて(角度θ=20°)5分間で反応パターンを
形成させた。
【0036】この結果、感作ビーズによる陽性像は図8
(A)のように、ほぼ一様に広がったパターンを形成し
たのに対し、未感作ビーズによる陰性像は図8(B)の
ように、磁石4が接触した箇所に収束したパターンを生
成した。また磁石4の面はN極、S極を問わず同様効果
を示した。更に、平底ウエルに形成した陽性像は、磁石
の適用を止めてからも1週間以上安定に保持された。こ
のように、底面が平坦である反応容器に対して、底面の
一端へ徐々に距離が離れるように磁石を傾斜させること
により、磁性担体による凝集反応の沈降像を形成するこ
とができた。
【0037】また、上記実施例における別の2個のウエ
ルに、それぞれ上記感作ビーズおよび未感作ビーズを添
加し攪拌した後で、上記円柱状の磁石4の上面を水平方
向に向けて各ビーズを1分以内でウエル一面に均等に沈
降させてから、然る後に、磁石4を傾けて各ビーズに作
用する磁力を切り替えても、同様に反応パターンを形成
する。更に、別個のウエル2個について、各ビーズを一
旦自然沈降させた後に傾けた磁石4を適用した場合に
も、同様に反応パターンを形成する。このことは、本発
明の方法が、従来の自然沈降、磁石、遠心等により反応
容器の底面に対して一旦沈降像を形成させた後にも適用
でき、それによって反応容器の形状に依存しない均一形
状の沈降像が得られる可能性を示唆するものである。
【0038】なお、本発明は上述した例に限定されず、
以下のように種々の変更ができる。上述の実施例におい
ては、反応容器の一端を磁石と接触させて、かつ角度を
θ=20°としたが、水平方向ないし反応容器の壁面に対
し50°未満の傾斜であれば、同様の効果を奏する。水平
方向に対する角度が壁面に対して50°を越えると、傾斜
に沿って作用する磁力の減衰が激し過ぎて、沈降像が反
応容器の形状に影響されるので本発明の効果を達成しな
い。また、最適反応時間、磁性担体の移動特性、担体粒
子濃度、浮遊液の組成、磁力等を考慮すれば、容器底面
と磁石とを適宜離間させたり、傾斜角度を変更すること
は容易に実施できる。例えば、傾斜角度または勾配磁界
をより急勾配にすれば、或る限界まではパターン形成速
度を速めることができるし、逆により緩勾配にすれば、
反応性の差違を幅広く比較することができるので、多目
的ないし多項目の試験を行える。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、凝集反応を充分に反映
させた信頼性の高い凝集パターンを迅速に得られるの
で、正確な判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、従来法を実施する装置を上から
見た図である。図1(B)は、従来法を実施する装置を
横から見た断面図である。
【図2】図2(A)は、マイクロタイター法における陽
性反応を示す模式図である。図2(B)は、マイクロタ
イター法による陽性像を上から見た図である。
【図3】図3(A)は、マイクロタイター法による陰性
反応を示す模式図である。図3(B)は、マイクロタイ
ター法による陰性像を上から見た図である。
【図4】図4(A)および図4(B)は、本発明の第1
の実施形態の方法を説明する模式図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態を示す図であ
る。
【図6】図6は、本発明の第3の実施形態を示す図であ
る。
【図7】図7(A)は、第4の実施形態を、半球状底面
のマイクロプレートを使用する場合について説明するた
めの模式図である。図7(B)は、第4の実施形態を、
円錘状底面のマイクロプレートを使用する場合について
説明するための模式図である。
【図8】図8(A)は、本発明の方法の実施例で用いた
装置を示す図である。図8(B)および図8(C)は、
図8(A)の装置で得られる沈降像を上から見た図であ
る。
【図9】図9(A)は、本発明の第5の実施形態の方法
を実施する装置を上から見た図である。図9(B)は、
本発明の第5の実施形態の方法を実施する装置を横から
見た図である。
【符号の説明】
1 マイクロプレート 2 ウエル 3 支持台 4 磁石 5 磁性担体 6 分析すべき抗原または抗体 7a,7b 磁性部材 8 巻線 9 水平板 10 板状試験片 11 軸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の反応容器中で所望のサンプルに関し
    てサンプル中の被検物質に基づく多数の磁性担体による
    凝集反応を行う反応工程と、 凝集反応させた反応液中の磁性担体の全てが反応容器の
    所定の壁面上に到達するように磁気的に沈降させる液中
    移動工程と、 磁気的沈降の最低部へ到達した磁性担体のうち、非凝集
    の磁性担体を前記到達位置とは異なる位置へ向けて壁面
    に沿って移動させる壁面移動工程と、 壁面移動工程における磁性担体が、前記到達位置に相当
    する壁面部分から離脱し且つ離脱後も非凝集の磁性担体
    同士のみがもたらす流れ出しによって移動したか否かを
    移動の長さに基づいて判定するようにして、凝集反応の
    結果を判定する判定工程とを有することを特徴とする診
    断またはタイピング用試験方法。
  2. 【請求項2】所定の反応容器中で所望のサンプルに関し
    てサンプル中の被検物質に基づく多数の磁性担体による
    凝集反応を行う反応工程と、 凝集反応させた反応液中の磁性担体の全てが反応容器の
    最低部に相当する壁面上に到達するように沈降させる液
    中移動工程と、 最低部へ到達した磁性担体のうち、非凝集の磁性担体を
    前記到達位置とは異なる位置へ向けて壁面に沿って磁気
    的に移動させる壁面移動工程と、 壁面移動工程における磁性担体が、前記到達位置に相当
    する壁面部分から離脱し且つ離脱後も非凝集の磁性担体
    同士のみがもたらす流れ出しによって移動したか否かを
    移動の長さに基づいて判定するようにして、凝集反応の
    結果を判定する判定工程とを有することを特徴とする診
    断またはタイピング用試験方法。
JP8244591A 1996-09-17 1996-09-17 診断またはタイピング用試験方法 Expired - Fee Related JP3027124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8244591A JP3027124B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 診断またはタイピング用試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8244591A JP3027124B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 診断またはタイピング用試験方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3173093A Division JPH0792459B2 (ja) 1991-06-18 1991-06-18 免疫学的試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09113513A JPH09113513A (ja) 1997-05-02
JP3027124B2 true JP3027124B2 (ja) 2000-03-27

Family

ID=17121007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8244591A Expired - Fee Related JP3027124B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 診断またはタイピング用試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3027124B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6420433B1 (ja) * 2017-09-12 2018-11-07 株式会社 マトリックス細胞研究所 反応促進装置及び反応促進方法
JP6370018B1 (ja) * 2018-03-15 2018-08-08 株式会社 マトリックス細胞研究所 反応促進装置及び反応促進方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09113513A (ja) 1997-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5476796A (en) Immunological test method
JP2510932B2 (ja) 試料中における生物学的物質の存在を決定する方法及び装置
JP4271034B2 (ja) 磁場を用いた結合アッセイ方法
US20060133954A1 (en) Resuspension of magnetizable particles
JPH087215B2 (ja) 抗原および/又は抗体の検出方法および検出用の試験キット
JPH04145947A (ja) 反応容器
JPS6231299B2 (ja)
JP3027124B2 (ja) 診断またはタイピング用試験方法
JP2883064B2 (ja) 分布パターンの形成方法および装置
TW201209413A (en) Immunomagnetic complex and its use in red blood cell grouping/phenotyping
JP2532670B2 (ja) 磁性マ―カ―粒子を用いた免疫学的測定方法
JP2001221799A (ja) 判定部を複数有する被検物質の測定器具及び測定方法
JPH08201391A (ja) マ−カ−粒子を用いた免疫学的測定方法
JP3290730B2 (ja) 反応形態の展開装置および方法
JP4615342B2 (ja) 攪拌方法、セルおよびこれを用いた測定装置、測定方法
JP2614997B2 (ja) 凝集反応のための反応促進装置
JPH02210262A (ja) 間接凝集反応測定法
JPH07117541B2 (ja) 磁性粒子を用いた免疫学的測定方法
JP2000131320A (ja) 特異的結合物質固定粒子を用いる被検物質の測定方法
JP3333526B2 (ja) 磁気発生装置及び免疫学的測定法
JPH04208836A (ja) 反応容器キット
JP2009069070A (ja) 標的物質の検出方法及び検出用キット
JP4045314B2 (ja) 粒子を使用する被検物質の測定方法
JPH03191864A (ja) 間接凝集免疫測定方法及び装置
JP4284431B2 (ja) 粒子を使用する被検物質の測定器具及び測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees