JP3026889B2 - 高炉炉内の液流れ制御方法 - Google Patents
高炉炉内の液流れ制御方法Info
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- JP3026889B2 JP3026889B2 JP4143671A JP14367192A JP3026889B2 JP 3026889 B2 JP3026889 B2 JP 3026889B2 JP 4143671 A JP4143671 A JP 4143671A JP 14367192 A JP14367192 A JP 14367192A JP 3026889 B2 JP3026889 B2 JP 3026889B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来不可能と考えられて
いた高炉内の液流れを制御することにより、高炉炉芯内
の通液性を確保し、高炉内の液の排出を順調に行なわせ
ることによって高炉内を安定状態で操業する方法に関す
るものであある。
いた高炉内の液流れを制御することにより、高炉炉芯内
の通液性を確保し、高炉内の液の排出を順調に行なわせ
ることによって高炉内を安定状態で操業する方法に関す
るものであある。
【0002】
【従来の技術】高炉の炉芯内は一般にコークス粉、未溶
解の原料、未反応の微粉炭チャーの堆積しやすいゾーン
である。もしこれらのものが炉芯内に堆積した場合には
炉芯内へのガスの流通を阻害する。ガスは炉芯を加熱す
る重要な加熱媒体であり、ガスが流通しなくなると、炉
芯温度が低下し、ガスばかりでなく液の流通抵抗も悪化
するために粘度が高くなって流れが悪くなったり、ひい
ては炉芯内で液が固まったりすることが予想される。い
わゆる炉芯不活性である。炉芯を活性状態に保つために
は炉芯を高温のしかも大きな粒径のコークス充填層の状
態に保つことが重要である。
解の原料、未反応の微粉炭チャーの堆積しやすいゾーン
である。もしこれらのものが炉芯内に堆積した場合には
炉芯内へのガスの流通を阻害する。ガスは炉芯を加熱す
る重要な加熱媒体であり、ガスが流通しなくなると、炉
芯温度が低下し、ガスばかりでなく液の流通抵抗も悪化
するために粘度が高くなって流れが悪くなったり、ひい
ては炉芯内で液が固まったりすることが予想される。い
わゆる炉芯不活性である。炉芯を活性状態に保つために
は炉芯を高温のしかも大きな粒径のコークス充填層の状
態に保つことが重要である。
【0003】しかし羽口からゾンデを入れて中の充填物
をサンプリングした情報によれば、現実には上記の現象
が常時起きており、そのため高炉操業を困難にする事例
も多い。一度炉芯不活性に陥ると回復がなかなか困難で
あり、実際には原料装入時の炉の中心部の鉱石とコーク
スの比(以下O/C)を下げて辛抱強く回復を待つしか
方法がなく、速効性のある対処の方法は全く無かったと
いっても過言ではない。
をサンプリングした情報によれば、現実には上記の現象
が常時起きており、そのため高炉操業を困難にする事例
も多い。一度炉芯不活性に陥ると回復がなかなか困難で
あり、実際には原料装入時の炉の中心部の鉱石とコーク
スの比(以下O/C)を下げて辛抱強く回復を待つしか
方法がなく、速効性のある対処の方法は全く無かったと
いっても過言ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決するために、炉芯内の粉を除去し、炉芯を比
較的早く活性状態にする方法を提供することを課題とす
る。それによって液の流通を順調に行なわせ、高炉を安
定に操業させることができる。
問題を解決するために、炉芯内の粉を除去し、炉芯を比
較的早く活性状態にする方法を提供することを課題とす
る。それによって液の流通を順調に行なわせ、高炉を安
定に操業させることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、高炉の出銑口からパイプを炉内に挿
入し、その挿入深さを制御して溶銑の排出される半径方
向の位置を変化させることを特徴とする高炉炉内の液流
れ制御方法である。ここにおいて外側が鋼管、内側がセ
ラミックス管の二重管を出銑口から挿入し、鋼管が溶融
後においてもセラミックス管により溶銑を排出すること
も特徴とする。
するものであって、高炉の出銑口からパイプを炉内に挿
入し、その挿入深さを制御して溶銑の排出される半径方
向の位置を変化させることを特徴とする高炉炉内の液流
れ制御方法である。ここにおいて外側が鋼管、内側がセ
ラミックス管の二重管を出銑口から挿入し、鋼管が溶融
後においてもセラミックス管により溶銑を排出すること
も特徴とする。
【0006】
【作用】本発明は高炉の出銑口から耐熱パイプを挿入
し、その長さを変化させることによって高炉炉底から出
る溶銑の半径方向の位置を変化させて炉内の溶銑の流れ
をコントロールしようとするものである。
し、その長さを変化させることによって高炉炉底から出
る溶銑の半径方向の位置を変化させて炉内の溶銑の流れ
をコントロールしようとするものである。
【0007】以下図面により本発明の要旨を説明する。
図1は本発明方法の概要を示す説明図で1は高炉炉壁、
2は出銑口、3,4は耐熱パイプで二重管構造となって
いる挿入管である。5は高炉の炉芯であり、通気、通液
抵抗が高い部分である。6は高炉の羽口、7はレースウ
ェイと言う燃焼帯である。8は溶銑溜まり、9はスラグ
溜まり、10は溶銑およびスラグの流線を表している。
11は炉底の内壁部を表している。
図1は本発明方法の概要を示す説明図で1は高炉炉壁、
2は出銑口、3,4は耐熱パイプで二重管構造となって
いる挿入管である。5は高炉の炉芯であり、通気、通液
抵抗が高い部分である。6は高炉の羽口、7はレースウ
ェイと言う燃焼帯である。8は溶銑溜まり、9はスラグ
溜まり、10は溶銑およびスラグの流線を表している。
11は炉底の内壁部を表している。
【0008】次に3,4の耐熱パイプについて説明す
る。出銑の開口時にこの二重管パイプを挿入するが、炉
内挿入長さlはどこから溶銑を流出させるかによって適
宜調節される。挿入する際には炉内がコークスであるこ
とを想定してそのコークス充填層内を貫通するある程度
の強度を必要とする。そこで二重管の外管3は耐熱鋼等
の鋼管で作られる。4はセラミックスで作られた内管で
ある。ここにおいて二重管は内側のセラミックス管を外
側の鋼管が保護できればよいのであり、一体のものとし
て接合されている必要はなく、ただ外管に内管が挿入さ
れた状態でよい。出銑初期は溶銑が流出するので外管は
いずれ高温の溶銑によって溶けてしまい、溶銑が流出し
ている間はセラミックスの内管のみが残ることになる。
スラグが流出するようになると内管もスラグと反応する
のでいずれは溶けてなくなってしまう。したがって溶銑
が流出している間だけ炉内の溶銑流のコントロールが可
能となる。出銑末期でもし挿入パイプが残っていたり、
出銑途中で何らかの出銑トラブルがある場合にはこの挿
入パイプは炉内に押し込む事によってトラブルを回避す
ることができる。
る。出銑の開口時にこの二重管パイプを挿入するが、炉
内挿入長さlはどこから溶銑を流出させるかによって適
宜調節される。挿入する際には炉内がコークスであるこ
とを想定してそのコークス充填層内を貫通するある程度
の強度を必要とする。そこで二重管の外管3は耐熱鋼等
の鋼管で作られる。4はセラミックスで作られた内管で
ある。ここにおいて二重管は内側のセラミックス管を外
側の鋼管が保護できればよいのであり、一体のものとし
て接合されている必要はなく、ただ外管に内管が挿入さ
れた状態でよい。出銑初期は溶銑が流出するので外管は
いずれ高温の溶銑によって溶けてしまい、溶銑が流出し
ている間はセラミックスの内管のみが残ることになる。
スラグが流出するようになると内管もスラグと反応する
のでいずれは溶けてなくなってしまう。したがって溶銑
が流出している間だけ炉内の溶銑流のコントロールが可
能となる。出銑末期でもし挿入パイプが残っていたり、
出銑途中で何らかの出銑トラブルがある場合にはこの挿
入パイプは炉内に押し込む事によってトラブルを回避す
ることができる。
【0009】図2はモデル実験を用いて観察した現象か
ら実高炉内を類推した炉底の溶銑流れを示す概念図であ
る。(a)は従来タイプの出銑口構造の場合であり、こ
の場合は粉を含んだ炉芯が炉底近くまで発達しており、
その結果溶銑は炉壁部付近を集中的に流れる。この場合
には溶銑の流れが炉芯の消滅に寄与していない。(b)
は本発明により挿入管を炉内部まで押し込んだ場合の溶
銑の流れを示している。上部からの高温の溶銑流が炉芯
を加熱し、流れによる粉の除去を促進している。また下
部での活性化が徐々に上部に波及し、上部の炉芯をも活
性化している。
ら実高炉内を類推した炉底の溶銑流れを示す概念図であ
る。(a)は従来タイプの出銑口構造の場合であり、こ
の場合は粉を含んだ炉芯が炉底近くまで発達しており、
その結果溶銑は炉壁部付近を集中的に流れる。この場合
には溶銑の流れが炉芯の消滅に寄与していない。(b)
は本発明により挿入管を炉内部まで押し込んだ場合の溶
銑の流れを示している。上部からの高温の溶銑流が炉芯
を加熱し、流れによる粉の除去を促進している。また下
部での活性化が徐々に上部に波及し、上部の炉芯をも活
性化している。
【0010】実際には挿入深さ1を調節すれば不活性と
なった炉芯を徐々に活性化する効果をあげることがで
き、もし炉の中心までも挿入することが可能であれば、
かなり溶銑の流れを変えることができる。
なった炉芯を徐々に活性化する効果をあげることがで
き、もし炉の中心までも挿入することが可能であれば、
かなり溶銑の流れを変えることができる。
【0011】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。図3は実高
炉において出銑口からの挿入深さl=2.0mで挿入管
を挿入してからの炉の下部の圧力損失変化を示す。炉下
部の圧力損失は徐々に減少し、出銑止めの時には初期の
圧力損失の30%強の減少があった。これは液流れが変
わったことによって炉芯の粉の除去、炉芯が活性化した
結果と解釈される。
炉において出銑口からの挿入深さl=2.0mで挿入管
を挿入してからの炉の下部の圧力損失変化を示す。炉下
部の圧力損失は徐々に減少し、出銑止めの時には初期の
圧力損失の30%強の減少があった。これは液流れが変
わったことによって炉芯の粉の除去、炉芯が活性化した
結果と解釈される。
【0012】一方羽口からゾンデよって休風時の炉内サ
ンプリングを実施したが挿入管を入れた時期には3mm
以下の炉内コークス粉率が約20%低下していた。この
ことから挿入管による炉芯活性化の効果は十分あるもの
と認識された。
ンプリングを実施したが挿入管を入れた時期には3mm
以下の炉内コークス粉率が約20%低下していた。この
ことから挿入管による炉芯活性化の効果は十分あるもの
と認識された。
【0013】
【発明の効果】この方法によれば挿入管と言う簡単な原
理で従来不可能と考えられていた炉芯の活性化を比較的
短期に図ることができる。そして炉況不調からの脱出す
る手段を持つことができるという点で革新的な技術であ
る。この方法によれば速効性のある制御手段により、ア
クションの遅れを防止することができ、炉下部の通気・
通液異常を効果的に減少させることにより、高炉の操業
を円滑に行なうことができた。またこのような制御方法
によれば過剰なアクションや従来のような試行錯誤的な
アクションをとることがなくなり、高炉を適正な状態に
保つことが可能になる。
理で従来不可能と考えられていた炉芯の活性化を比較的
短期に図ることができる。そして炉況不調からの脱出す
る手段を持つことができるという点で革新的な技術であ
る。この方法によれば速効性のある制御手段により、ア
クションの遅れを防止することができ、炉下部の通気・
通液異常を効果的に減少させることにより、高炉の操業
を円滑に行なうことができた。またこのような制御方法
によれば過剰なアクションや従来のような試行錯誤的な
アクションをとることがなくなり、高炉を適正な状態に
保つことが可能になる。
【図1】本発明を示す高炉下部の断面図
【図2】高炉下部の液流れを示す概念図で(a)は従来
法(b)は本発明法
法(b)は本発明法
【図3】実高炉において挿入管を入れてから炉下部の通
気性が改善された状況を示すグラフ
気性が改善された状況を示すグラフ
Claims (2)
- 【請求項1】 高炉の出銑口からパイプを炉内に挿入
し、その挿入深さを制御して溶銑の排出される半径方向
の位置を変化させることを特徴とする高炉炉内の液流れ
制御方法。 - 【請求項2】 外側が鋼管、内側がセラミックス管の二
重管を出銑口から挿入し、鋼管が溶融後においてもセラ
ミックス管により溶銑を排出することを特徴とする請求
項1記載の高炉炉内の液流れ制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4143671A JP3026889B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | 高炉炉内の液流れ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4143671A JP3026889B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | 高炉炉内の液流れ制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311219A JPH05311219A (ja) | 1993-11-22 |
JP3026889B2 true JP3026889B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=15344234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4143671A Expired - Fee Related JP3026889B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | 高炉炉内の液流れ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3026889B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-11 JP JP4143671A patent/JP3026889B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05311219A (ja) | 1993-11-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991221 |
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