JP3026479U - 遮音板 - Google Patents

遮音板

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JP3026479U
JP3026479U JP1995014707U JP1470795U JP3026479U JP 3026479 U JP3026479 U JP 3026479U JP 1995014707 U JP1995014707 U JP 1995014707U JP 1470795 U JP1470795 U JP 1470795U JP 3026479 U JP3026479 U JP 3026479U
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JP1995014707U
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Inventor
直紀 秋山
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コンクリート・ソリューションズ・ジャパン株式会社
直紀 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で遮音性に優れた遮音板を提供する。 【解決手段】 コンクリート板1の一方の面には吸音材
2が、また他方の面には補強板4がそれぞれ固着され、
さらに吸音材2の表面にステンレス網3が固着されて構
成される遮音板である。吸音材2は、無機セメントと、
骨材と、水と、薄膜形成剤および発泡剤から構成される
発泡組成物とからなる、相互接続され開口したセル状構
造を有するセメント質組成物である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遮音板に関し、例えば高速道路の防音壁、地下鉄やトンネルあるいは 地下室のコンクリート壁などに使用されるコンクリート製の遮音板に関するもの である。
【0002】
【従来の技術】
例えば高速道路においては、車の走行に伴って発生する騒音を遮蔽するために 道路の両側に防音壁として遮音板を設ける構造が広く採られている。この種の遮 音板としては従来は、例えばセメント板を使用して騒音を道路側に反射するもの 、あるい特殊な吸音構造を設けて騒音を吸収するものなどが使用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、遮音板としてセメント板を使用した場合には、セメント板が重 量があるために、取扱い難く、単に音を反射するだけであるので遮音性が悪いと いった問題があった。また、特殊な吸音構造のものはコストが高いといった問題 があった。
【0004】 本考案の目的は、安価で遮音性に優れた遮音板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の遮音板は、コンクリート板と、前記コンクリート板の一方の面に固着 された吸音材とからなり、前記吸音材の表面に網状部材が固着されていることを 特徴とする。
【0006】 上記の吸音材としては、無機セメントと、骨材と、水と、薄膜形成剤および発 泡剤から構成される発泡組成物とからなる相互接続され開口したセル状構造を有 するセメント質組成物が用いられる。より具体的には、吸音材は、無機セメント が約100重量部、前記骨材が10〜350重量部、前記水が約35〜150重 量部、前記薄膜形成剤が1〜96重量部、前記発泡剤が約0.5〜5重量部から なるものが用いられる。また、好ましい実施の形態では、コンクリート板の他方 の面には補強板が固着される。
【0007】 無機セメントとしては、ポルトランドセメント、カルシウムセメント、石膏セ メント、マグネシアセメントなどが使用できる。また、骨材としては、熱膨張し た軽量無機物あるいは砂が用いられる。より具体的には、パーライト、バーミキ ュライト、膨張頁岩、粘土などが使用される。
【0008】 薄膜形成剤は、泡の安定性を増大するために用いられるもので、室温で薄膜を 形成しまた使用される無機セメントと相溶性である、合成樹脂エマルジョンのよ うな冷水溶性の有機化合物が用いられる。この場合、合成樹脂エマルジョンは、 好ましくは、約10℃〜25℃の遷移温度を有している。
【0009】 上記の合成樹脂エマルジョンとしては、具体的には、例えば全固形分が47% 〜55%であり、良好な泡安定剤として確認されたエマルジョンが使用される。 このような合成樹脂エマルジョンは、1〜96重量部の範囲で使用される。より 具体的には、酢酸ビニルの単独重合体、ボーデン(Borden)社により製造 されたポリコ(Polyco)2151のような酢酸アクリルビニルの共重合体 、内部が可塑化された塩化ビニルの共重合体、外部が可塑化された塩化ビニルの 共重合体、ローム・アンド・ハース(Rohm & Hass)社により製造さ れたロープレックス(Rhoplex)AC35のようなポリアクリル系エマル ジョン、カルボキシルスチレン−ブタジエンの共重合体、塩化ビニル−塩化ビニ リデンの共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−アクリル系のタール重合体な どの樹脂を使用して形成することができる。また、UCARラテックス(Lat ex)413を使用することもできる。
【0010】 発泡剤は、非イオン界面活性剤または陰イオン界面活性剤あるいはこれらの混 合物である。使用の際には、これらの界面活性剤は本発明の水性の発泡組成物の スラリーに混合され、また発泡し膨張した状態においてセメントが凝固するまで 、安定化される。セメントは次いで、軽量の有用な製品を製造するために、養生 され乾燥される。ここで、発泡剤における発泡動作は薄膜形成剤により安定化さ れる。
【0011】 上記の他、必要に応じて、ポリエステル繊維あるいはガラス繊維などを補強繊 維材料として併用することもできる。この場合、これらの繊維は細断してあるい は織布として用いられる。また、公知の水還元剤や可塑剤を発泡組成物内に組み 込むこともできる。
【0012】 さらに、フライアッシュを添加する構成とすることもできる。このフライアッ シュは、セメント質の組成物を道路のような塩を含む環境で使用する際において 有益な添加剤であり、塩によるセメント質の組成物の低下を防止することができ る。また、フライアッシュは万能の充填材であり、また化学的に不活性である。 よって、フライアッシュを含有することで材料の耐火性が増大し、また混合材料 の流動性を改善しつつ混合物抵抗が減じられる。フライアッシュは、発電装置で 石炭を燃焼させた後の誘導体として得ることができる。
【0013】 本発明において吸音材に使用される発泡組成物は、多量の泡(空気)を含む。 このため、本発明のセメント質組成物は、無機セメントおよび骨材自体から構成 される一般的なコンクリートの密度よりも低密度である。この場合、発泡組成物 中の泡は、無機セメント、骨材、水のスラリーを発泡組成物と混合することで導 入される。すなわち、このスラリー内に発泡組成物を含めることで、過剰量の空 気セルがこのスラリー内に形成され、セメント凝固後において発泡組成物内に多 量の泡が形成されて、セメント質組成物を相互接続され開口したセル状構造とな る。そして、この結果、セメント質組成物の密度を減じることができて、吸音、 断熱、並びに耐火性のある軽量のセル状のセメント質組成物を提供することがで きる。
【0014】 また、セメント質組成物をより軽量とする場合にはスラリー内により多くの泡 を組み込むことが必要となるが、これは、スラリー内により多くの発泡剤を組み 込むことで達成される。具体的には、組成物内の相互接続されたセル状構造体の 表面積の少なくとも20%−100%を解放することで、良好な吸音特性を持た せることができる。
【0015】 本発明の発泡セメント質の組成物は、ポンピング、吹き付け、注型、こて塗り により所望の形状に形成され、無機セメントと骨材の従来のセメントの密度より も低密度である。
【0016】 そして、本考案では、コンクリート板の一方の面に吸音材を固着した構成であ るので、コンクリート板を単独で用いた場合に比べて遮音性が格段に高まり、ま た吸音板として上記の構成を有するコンクリート系のものを使用することで、安 価且つ軽量に構成することができる。さらに、吸音材の表面に網状部材を固着す ることで、吸音材の吸音性を損なうことなく吸音材の保護が図れる。また、コン クリート板の他方の面に補強板を固着することで、遮音板の裏面(吸音材と反対 側の面)が補強されて遮音板全体の強度が高まる。網状部材としては金属性の網 が強度の点で好ましく、強度と耐蝕性に優れたステンレス網が特に好ましい。ま た補強板としてはステンレス板や鉄板などの金属板が使用される。
【0017】
【実施の形態】
以下に、本考案の遮音板の実施の形態を説明する。
【0018】 図1は実施の形態の遮音板10を示した斜視図である。また、図2はこの遮音 板10の断面図である。すなわち、遮音板10は、コンクリート板1の一方の面 、つまり図1において右側の面に、接着剤などにより吸音材2を貼り合わせて固 着して構成される。また、吸音材2の表面にはステンレス網3が接着剤などによ り貼り合わせて固着されている。さらに、コンクリート板1の他方の面、つまり 図1において左側の面にはステンレス板などの補強板4が接着剤などにより張り 合わせて固着されている。
【0019】 コンクリート板1としては、従来より一般的に使用されている材質のもの、例 えばポートランドセメントと砂や水などで作られるものが使用される。そして、 図示したように、補強用の鉄筋5を入れた構造のものがより好ましい。また、コ ンクリート板1には、吸音材2が収容される凹部11が形成されている。
【0020】 また、吸音材2としては、ポルトランドセメント,カルシウムセメント,石膏 セメント,マグネシアセメントなどの無機セメントと、パーライト,バーミキュ ライト,膨張頁岩,粘土などの骨材と、水とから構成されるスラリーに、合成樹 脂エマルジョンからなる薄膜形成剤と非イオン界面活性剤または陰イオン界面活 性剤あるいはこれらの混合物からなる発泡剤とから構成される発泡組成物を混合 し、発泡した状態で無機セメントを凝固させて構成されるセメント質組成物が使 用される。この場合、無機セメントが約100重量部、骨材が10〜350重量 部、水が約35〜150重量部、薄膜形成剤が1〜96重量部、発泡剤が約0. 5〜5重量部の範囲とすることで、セメント質発泡組成物内に十分な空気セルが 形成されて、高い吸音特性(遮音性)を持たせることができる。
【0021】 そして、上記のような構成である本発明の遮音板10は、吸音材2により良好 な遮音性を有する。また、セメント板1及びセメント系の吸音材2から構成され るので、耐火性も持つものである。
【0022】 また、吸音材2は、製造の際におけるスラリーの形枠への流し込みにより、木 目風、みかげ石風、などの種々の表面模様を形成することができる。更に、この 製造時における原料混合の際に、着色剤を混合したり、あるいは製造後に吹き付 け塗装(例えばアクリルラテックス重合体の塗装)をすることで、用途に応じた 色付け、例えば設置環境の色に合わせた色付けを容易に行うことができ、また耐 水性および強度向上が図れる。この場合、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄 、酸化第2鉄、並びに酸化クロムなどの色顔料が使用される。
【0023】 この実施の形態の遮音板は、例えば、騒音が発生する道路に面した壁、あるい は民生用として例えば塀や地下室の壁や天井などに利用することができる。図3 に設置の一例を示した。図3において、例えば道路7の端に所定の間隔で複数配 列支持部材6の間に遮音板10がそれぞれ配置されている。この場合、遮音板1 0の吸音材2側は騒音発生側、つまり道路7の中央に向けられる。このように、 道路の壁や塀などへの利用の場合には道路側に吸音材2が向けられ、また地下室 の壁や床の場合には部屋の内側に吸音材2が向けられる。
【0024】 なお、以上の実施例はコンクリート板1の凹部11に吸音材2を接着剤により 固着した例であるが、その他、例えばコンクリート板1の凹部11に吸音材2を 作るためのスラリーを流し込み固化させることで、この凹部11に吸音材2を固 着させる構成でも良い。
【0025】
【考案の効果】
本考案によれば、コンクリート板の一方の面に吸音材を貼り合わせ、また吸音 材の表面に網状部材が固着されて構成される、安価で遮音性に優れた遮音板を提 供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態の遮音板の斜視図である。
【図2】図1の遮音板の断面図である。
【図3】図1の遮音板の設置例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 セメント板 2 吸音材 3 ステンレス網 4 補強板 10 遮音板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/86 X G10K 11/162 11/16 G10K 11/16 D

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート板と、前記コンクリート板
    の一方の面に固着された吸音材とからなり、前記吸音材
    の表面に網状部材が固着されている、ことを特徴とする
    遮音板。
  2. 【請求項2】 前記吸音材が、無機セメントと、骨材
    と、水と、薄膜形成剤および発泡剤から構成される発泡
    組成物とからなる相互接続され開口したセル状構造を有
    するセメント質組成物である、ことを特徴とする遮音
    板。
  3. 【請求項3】 前記吸音材において、無機セメントが約
    100重量部、前記骨材が10〜350重量部、前記水
    が約35〜150重量部、前記薄膜形成剤が1〜96重
    量部、前記発泡剤が約0.5〜5重量部からなる、こと
    を特徴とする請求項1記載の遮音板。
  4. 【請求項4】 前記コンクリート板の他方の面に補強板
    が固着されている、ことを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の遮音板。
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