JP3026167U - 包装用カバーフィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】主として青果物等を収容した、上面開口で無蓋
の直方形容器に被せて、その上面を覆う包装用のカバー
フィルムにおいて、容器にカバー掛けした状態で上記カ
バーフィルムが、他の容器やそれに被せたカバーフィル
ム等に接着するのを防止する。 【解決手段】矩形形状に形成されて、その対向する一対
の側縁部には夫々その端縁に沿って接着剤塗着部を有す
る包装用カバーフィルムにおいて、上記接着剤塗着部を
上記側縁部の長さ方向両端に適宜幅の接着剤非塗着部を
残して設けるか、接着剤塗着部が設けられた側縁部の両
端を斜めにカットして、容器に被せたときに接着剤塗着
部が容器外方に食み出さないようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は果物類やキノコ類等、主として青果物を収容した、上面開口で無蓋の 直方形容器に被せて、その上面を覆う簡易包装用のカバーフィルムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にイチゴ、ブドウ等の果物類や椎茸等のキノコ類は、収穫後適量づつを上 面を開口した蓋のない直方形容器に入れ、上面を透明なカバーフィルムで覆って 出荷され、そのまま店頭に並べられることが多い。 従来、この種の包装用カバーフィルムは、透明な合成樹脂フィルムを所定寸法 の長方形に裁断し、その対向する一対の側縁部には夫々その端縁に沿って感圧接 着剤を塗着して構成されており、この感圧接着剤の塗着部は上記側縁部の全長に 亘って設けられている。 このカバーフィルムは、図７、図８に示すように内容物Ｃを収容した、上面開 口の直方形容器Ａの上面に被せ、感圧接着剤１’を塗着してある両側縁部を、容 器Ａの側壁２外面に接着固定して使用される。 しかしながら、上記のような包装形態に用いられる容器Ａ（以下これをパック トレーと称する）は、多くはプラスチック製又は板紙製の半剛性容器であり、通 常、四周側壁２上端に外方へフランジ状に突出する上縁リブ21を備え、しかもス タッキングのために四周側壁２が下向き内方に向けて斜めに角度を付けて形成さ れ、パックトレーＡの断面形状が全体として逆梯形となっているので、これに被 せて上記のように取り付けたカバーフィルムＢは、接着剤塗着部１が、図５に示 すようにパックトレーＡの側面から食み出す。 そのため、パックトレーＡから食み出した接着剤塗着部１が接触したものに接 着することがあり、例えば、パックトレーへのカバー掛け作業時に上記食み出し 部分がパックトレーに付着したときなど、それを知らずにカバーを掛け終えたパ ックトレーを移動させると、他のパックトレーまで一緒に動いてひっくり返り、 内容物がパックトレーからこぼれ落ちるなどの事故が起こることがあり、カバー 掛け作業の作業性を悪くする原因の一つになっている。 また、カバー掛け作業時以外でも、店頭などに並べて陳列したときに、パック トレーから食み出した接着剤塗着部が隣接するパックのカバーフィルムに接着し 、パックを取り上げた時に、カバーフィルムが引き剥がされたり、他のパックを ひっくり返してしまう等の問題もあり、取扱上の不便もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本発明は従来技術が有する上記問題点に鑑みて成されたもので、その目的とす るところは、パックトレーへのカバー掛けの作業性を向上させると共にカバー掛 け後のパックトレーの取扱上の不便をなくすことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案が講ずる技術手段は、請求項１では矩形形状 を有し、その対向する一対の側縁部には夫々その端縁に沿って接着剤塗着部を有 する包装用カバーフィルムにおいて、上記接着剤塗着部を設ける側縁部の長さ方 向両端に、接着剤を塗布していない部分を適宜幅設けるものである。 また、請求項２では対向する一対の側縁部に、夫々その端縁に沿って接着剤塗 着部を有する包装用カバーフィルムにおいて、接着剤塗着部が設けられた側縁部 の両端を斜めにカットするものである。 そして、上記請求項２の包装用カバーフィルムにおいては、接着剤塗着部と側 縁部の両端の斜めカット部との間に接着剤の非塗着部を若干幅設けるのが望まし い。

【０００５】

【発明の作用及び効果】

以上のように構成した請求項１の包装用カバーフィルムにあっては、パックト レーに被せて取り付けたときに、パックトレーから食み出す部分には、接着剤が 塗布されていないため、該部分が他の物に接触しても、それに接着するようなこ とがない。 また、請求項２の包装用カバーフィルムにあっては、パックトレーに被せて取 り付けたときに、フィルム自体パックトレーから食み出す部分がほとんどない。

【０００６】 従って、本発明のこれら包装用カバーフィルムは、カバー掛け作業においてパ ックトレーにカバー掛けしたときに、他のパックトレーにも接着するようなこと がなく、カバーを掛け終えたパックトレーを取り出し移動させるときに他のパッ クトレーまで引きずり動かして、ひっくり返らせるなどの事故を防止することが できて、カバー掛け作業の作業性を向上させることができる。 また、パックトレーにカバー掛けした状態で、輸送または店頭に陳列した際に 、他のものに接着したり、隣接するパックのカバー相互が接着してしまうような ことがなく、取扱に特別な注意を要するようなことがなく、取扱が容易である。

【０００７】 特に請求項２の包装用カバーフィルムはパックトレーに被せて取り付けたとき に、パックトレーから食み出してヒラヒラする部分がないので、スッキリした包 装状態が得られ、包装品の外観が向上する。

【０００８】

【実施の形態】

以下、図に基づいて本考案の実施の形態を説明する。 この実施形態において、図はパックトレーが平面長方形で断面逆梯形のものの 場合を示しており、以下の説明においても図示形状のパックトレーに被せるカバ ーフィルムについて述べるが、このカバーフィルムが平面正方形で断面逆梯形の パックトレーに対しても等しく有用なことは明らかである。 尚、以下の説明においてはパックトレーの長手側の側壁面を側面、短手側の側 壁面をつま面という。

【０００９】 パックトレーＡは塩ビ（ＰＶＣ）又はポリスチレン（ＰＳ）のシートを真空成 形して、上面を開口した蓋のない直方形容器に形成してあり、周壁が下向き内方 に向けて斜めに形成されると共にこの周壁上端に外方へフランジ状に突出する上 縁リブを備えている 尚、このパックトレーＡは板紙を型抜き製函して作成されることもある。 このパックトレーＡには果実類、キノコ類、その他の青果物等、任意の収容物 を収容した状態で、本考案のカバーフィルムが上面を覆って被せられる。

【００１０】 カバーフィルムＢは二軸延伸ポリプロピレンフィルム（ＯＰＰ）、二軸延伸ポ リスチレンフィルム（ＯＰＳ）、ポリエチレンテレフタレートフィルム（ＰＥＴ ）等の透明な合成樹脂フィルムからなり、パックトレーＡの大きさ及び内容物の 収容量に応じて必要な大きさの長方形に形成されている。 また、上記カバーフィルムＢには用途及び必要に応じて防曇、帯電防止、着色 、印刷、色練り込みなどの加工を施すことが任意である。

【００１１】 そして、このカバーフィルムＢの片面（裏面）には、対向する一対の側縁部（ 図示例では短手側の両側縁部となっているので以下これを短手側の側縁部として 説明するが、これを長手側の側縁部とすることも可能である）に、少なくともそ の両端部を適宜幅残して接着剤塗着部１を設ける。

【００１２】 接着剤塗着部はフィルム面に感圧接着剤１’を塗着することにより設けられ、 図示のようにカバーフィルムＢの短手側縁部の端縁に沿って帯状に設けることも 、図示してはいないが上記短手側の側縁部端縁に沿って複数箇所にスポット的に 設けることも任意であるが、該側縁部の両端には必ず接着剤を塗着していない部 分３を適宜幅設ける必要がある。 上記接着剤塗着部１にはその表面を覆って剥離紙４が貼着される。

【００１３】 剥離紙４は図の場合、カバーフィルム４の短手側の側縁部の全長にほぼ相当す る長さを有する帯片状に形成して、接着剤塗着部１両側に残された短手側の側縁 部両端の上記接着剤を塗着していない部分３にまで延在するようにしてあるが、 接着剤塗着部１のみをカバーするものとすることも勿論可能である。

【００１４】 斯るカバーフィルムＢは従来のカバーフィルムと全く同様に、内容物を収容し たパックトレーＡの上面に被せ、接着剤塗着部１から剥離紙４を剥離して短手側 側縁部をパックトレーＡの側面2aに接着固定して使用に供される。 この状態で、カバーフィルムｂの上記側縁部の両端は従来同様パックトレーＡ の側面2aから食み出してつま面2b側に突出するが、このつま面2b側に食み出して 突出する部分５は接着剤が塗着されていない部分３である。

【００１５】 尚、カバーフィルムＢの短手側の側縁部の両端に残される接着剤が塗着されな い部分３の幅は、上記パックトレーＡのつま面2b側に食み出して突出する部分５ の幅に、ほぼ相当するようになすことが望ましい。 また、図示のように上記接着剤塗着部１を前記側縁部の端縁から若干離して設 けておけば、カバーフィルムＢをパックトレーＡから取り外す際に、フィルムＢ をパックトレーＡの側面2aの下側から引っ張って剥離する場合に、フィルムＢを 指先で摘んで、引き易くなり、便利である。

【００１６】 次に、請求項２に対応する実施の形態について図４〜図６を参照して説明する 。 この実施形態においてはカバーフィルムＢは、全体として八角形に形成されて 、パックトレーＡの大きさ及び内容物の収容量に応じた必要な大きさを有してお り、その片面（裏面）には一対の平行な側縁部に接着剤塗着部１が設けられ、該 接着剤塗着部１には剥離紙４が貼着されている。

【００１７】 上記接着剤塗着部１を設ける側縁部の端縁はパックトレーＡの側面2a上端の長 さより若干小さな長さ寸法、具体的には上記側縁部が接着剤塗着部１により接着 される部分のパックトレーＡの側面2aの差し渡し長さにほぼ相当する長さ寸法に 形成され、他のもう一対の平行な側縁部の端縁は、通常パックトレーＡには内容 物Ｃが上面より少し盛り上がった状態に収容されることを考慮して、パックトレ ーＡのつま面2b上端の長さより若干大きな長さに形成されている。

【００１８】 前記接着剤塗着部１は上記側縁部の端縁に沿って帯状に形成されており、その 長さが該部を設ける側縁部の長さより若干短く、その両端と上記側縁部両端の斜 めカット部との間に接着剤１’が塗着されない部分３’を有している。 また、上記接着剤塗着部１は前記側縁部の端縁からも若干離して設けてある。

【００１９】 この実施形態のものも、従来のカバーフィルム及び先に説明した実施形態のも のと全く同様に、内容物Ｃを収容したパックトレーＡの上面に被せ、接着剤塗着 部１から剥離紙４を剥離して接着剤塗着部１を有する側縁部をパックトレーＡの 側面2aに接着固定して使用に供するが、カバーフィルムＢが八角形で接着剤塗着 部１を有する側縁部が斜めにカットされているため、図５及び図６に示すように 使用状態において、カバーフィルムＢはパックトレーＡの側面2aからつま面2b側 にはほとんど突出しない。

【００２０】 そこで、この実施形態においてはカバーフィルムＢをパックトレーＡから取り 外す際に、フィルムＢをパックトレーＡの短手側つま面2b方向から引っ張って剥 離する場合には、前記接着剤塗着部１の長さを該部を設ける側縁部の長さより若 干短くしたことが、またフィルムＢをパックトレーＡの側面2aの下側から引っ張 って剥離する場合には、上記接着剤塗着部１を前記側縁部の端縁から若干離して 設けたことが、夫々フィルムＢを指先で摘んで、引き易くするために便利に作用 する。

【００２１】 尚、この実施形態においても、先に説明した実施形態と同様、接着剤塗着部１ をカバーフィルムＢ裏面の上記側縁部の端縁に沿う数箇所に、スポット的に設け ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す包装用カバーフィル
ムの斜視図で、剥離紙を一部剥がした状態を示してい
る。

【図２】同カバーフィルムを容器に被せた状態を示す斜
視図。

【図３】同状態の断面図。

【図４】他の実施の形態を示す包装用カバーフィルムの
斜視図で、剥離紙を一部剥がした状態を示している。

【図５】同カバーフィルムを容器に被せた状態を示す斜
視図。

【図６】同状態の断面図。

【図７】従来の包装用カバーフィルムの容器に被せた状
態を示す斜視図。

【図８】同状態の断面図。

【符号の説明】

Ａ：容器（パックトレー） Ｂ：カバーフィ
ルム １：接着剤塗着部 １’：感圧接着剤 ２：容器の側壁 ３：非塗着部（接着剤を塗着しない 部分） ３’：接着剤を塗着しない部分

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形形状に形成され、その対向する一対の
   側縁部には夫々その端縁に沿って接着剤塗着部を有して
   おり、内容物を収容した上面開口で無蓋の直方形容器
   に、その上面を覆って被せられ、上記接着剤塗着部を有
   する側縁部を容器の側壁外面に接着固定する包装用カバ
   ーフィルムにおいて、上記接着剤塗着部がフィルムの上
   記側縁部の長さ方向両端に適宜幅の接着剤の非塗着部を
   残して設けられていることを特徴とする包装用カバーフ
   ィルム。
2. 【請求項２】少なくとも一対の平行な側縁部を有する多
   角形に形成され、上記一対の平行な側縁部には夫々その
   端縁に沿って接着剤塗着部を備えており、内容物を収容
   した上面開口で無蓋の直方形容器に、その上面を覆って
   被せられ、上記接着剤塗着部を有する側縁部を容器の側
   壁外面に接着固定する包装用カバーフィルムにおいて、
   接着剤塗着部が設けられた側縁部の両端が斜めにカット
   されていることを特徴とする包装用カバーフィルム。
3. 【請求項３】接着剤塗着部と側縁部の両端の斜めカット
   部との間に接着剤の被塗着部を若干幅備えることを特徴
   とする請求項２記載の包装用カバーフィルム。