JP3026136B2 - 脱硫排水の処理方法 - Google Patents

脱硫排水の処理方法

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JP3026136B2
JP3026136B2 JP5141754A JP14175493A JP3026136B2 JP 3026136 B2 JP3026136 B2 JP 3026136B2 JP 5141754 A JP5141754 A JP 5141754A JP 14175493 A JP14175493 A JP 14175493A JP 3026136 B2 JP3026136 B2 JP 3026136B2
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exchange membrane
chamber
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anion exchange
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達典 三輪田
積 中村
進一郎 小竹
良輔 青木
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Chubu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Asahi Glass Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼排ガスを石灰−石
膏法で脱硫処理するときに排出される排水を、陰イオン
交換膜と陽イオン交換膜を備えた電気透析装置で処理す
る方法に関し、詳しくは、電気透析装置の希薄液室に上
記排水を供給し、濃縮液室に循環液を供給してカルシウ
ムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオン等を濃縮す
る処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石灰−石膏法の脱硫排水には、主成分と
して塩化カルウシム、塩化マグネシウム、溶解石膏を含
み、さらに、燃焼排ガス中の燃焼灰や反応生成した石膏
などの固形分、溶解金属、脱硫反応により生成した窒素
・硫黄化合物を少量含有している。したがって、この性
状のまま公共水域に放流することはできない。近年、排
水の処理方法として、処理コスト及び処理設備の設置面
積の低減を狙って、電気透析装置を組み入れた排水処理
設備が注目されている。
【0003】図3は、上記の排水処理設備の1例であ
り、主な装置はろ過装置21、電気透析装置22、蒸発
缶23からなる。排煙脱硫設備からの排水24は、貯槽
25に一旦貯蔵され、ポンプでろ過装置21に供給され
る。この供給ラインには、固形分の除去を促進するため
に、必要に応じて、凝集剤等のろ過助剤26を添加する
ことができる。ろ過助剤26は排水の性状により省略す
ることもできる。ろ過装置21で固形分27を除去した
排水は、ポンプで電気透析装置22に供給される。電気
透析装置22を長期にわたって安定して運転するために
は、排水中の固形分濃度を0.2〜0.3mg/リット
ル以下に保持する必要がある。
【0004】電気透析装置22は、図4に示すように、
陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を交互に配列して希
薄液室及び濃縮液室を形成し、両端に陽極板及び陰極板
を配置して陽極室及び陰極室を形成したものである。ろ
過装置21からの排水は希薄液室に供給され、濃縮液室
には濃縮液が循環される。そして、両極に電場をかけて
イオンを電気的に泳動させ、図4に示すように、排水中
のCa2+、Mg2+等の陽イオンは陽イオン交換膜を選択
的に透過させ、Cl- 等の陰イオンは陰イオン交換膜を
選択的に透過させる。なお、1価の陰イオンを選択的に
透過する陰イオン交換膜を用いることにより、SO4 2-
は移動を阻止され、希薄液中に残留する。そして、上記
のイオンを分離した希薄液28は系外に取り出され、上
記イオンを濃縮した液は1次濃縮液として、蒸発缶23
に送られる。この1次濃縮液は上記のようにSO4 2-
分離されているため、蒸発缶で石膏の析出を抑制するこ
とができ、スケーリング発生による蒸発性能の低下や機
械的損傷を防止し、長期に渡って安定した運転を可能に
する。
【0005】蒸発缶23は1次濃縮液を熱媒で加熱して
蒸発濃縮する。なお、蒸発缶23はコンデンサー29を
介して真空排気装置30に接続され、蒸発缶23内を減
圧にして蒸発を促進している。コンデンサー29では蒸
気を凝縮して回収水を系外に排出する。蒸発缶23で濃
縮された2次濃縮排水は、貯槽31に貯蔵した後、セメ
ント、石膏、燃焼灰、石灰石などと混合混練して固形化
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の電気透析装置
は、固形分を除いた脱硫排水が供給されるが、溶解石膏
濃度はほぼ飽和した状態で希薄液室に導入される。本発
明者等は、この電気透析について研究する中で、陰イオ
ン交換膜内にCa2+及びSO4 2-の濃度が上昇し、石膏
が析出することにより、膜の分離性能が著しく低下して
最終的には破損に到ることを実験的に確認した。このよ
うに膜内に石膏が一度析出すると、除去することは不可
能である。
【0007】石膏の析出は、膜近傍の境膜において石膏
を形成するCa2+、SO4 2-の濃度が高くなり、膜内の
イオン濃度がドナン平衡と呼ばれるイオン平衡則にした
がって境膜イオン濃度に対応して高濃度化し、最終的に
石膏濃度が過飽和状態となり析出するものと考えられ
る。そして、この現象は、単位面積当たりに印加する電
流量、即ち電流密度と密接な関係にあり、通常電流密度
の増大にともなって顕著に発生する。したがって、従来
の脱硫排水の電気透析では、海水濃縮等で用いる高電流
密度で運転することは困難であった。この電流密度を低
くすると、排水の処理量が低下するため、膜面積を大き
くする必要があり、設備費が増大するという問題があ
る。
【0008】そこで、本発明は、上記の問題を解消し、
陰イオン交換膜内に石膏の析出を防止し、高電流密度を
維持しながら、長期にわたり安定した脱硫排水の電気透
析の処理を可能にする処理方法を提供しようとするもの
である。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、石灰−石膏
法による燃焼排ガスの脱硫処理工程からの排水を、陰イ
オン交換膜と陽イオン交換膜を交互に配置した電気透析
装置の希薄液室に供給し、濃縮液室に濃縮液を供給して
カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオン等
を濃縮する処理方法において、1価の陰イオンを選択的
に透過する陰イオン交換膜を用い、希薄液室及び又は濃
縮液室に供給する液に水を加え、溶解成分濃度を低下さ
せて電気透析することを特徴とする脱硫排水の処理方法
である。
【0010】
【作用】本発明は、陰イオン交換膜に接する希薄液及び
濃縮液中のCa2+、SO4 2-を水で希釈して、膜近傍の
境膜中の上記イオン濃度を低下させることにより、ドナ
ン平衡に基づき膜内の濃度も低下させ、膜内で石膏の析
出を防止することができる。また、希釈による電流密度
の低下等の損失もない。希薄液室と濃縮液室に供給する
液のいずれを希釈するか、希釈の程度をどの程度にする
かは、希薄液中の溶解石膏濃度、同飽和度、濃縮液中の
塩素濃度(濃縮度)、脱硫排水の液性、電気透析の濃縮
条件(蒸発缶に供給する1次濃縮排水の塩濃度)、電気
透析の印加電流値等により決定される。
【0011】図1は、本発明の脱硫排水の処理方法を実
施するための電気透析装置の概念図である。電気透析装
置1は、1価の陰イオンを選択的に透過する陰イオン交
換膜2と陽イオン交換膜3を交互に配列して希薄液室6
と濃縮液室7を設け、両端に電極を配置した陰極室4と
陽極室5を設ける。脱硫排水9は希薄液タンク8に一旦
貯蔵した後、ポンプで希薄液室6に供給され、濃縮液は
濃縮液タンク12から濃縮液室7に供給され、極液は陰
極室4及び陽極室5に供給され、それぞれのタンクに戻
される。そして、両極に電流を流すことにより電気透析
を行う。希釈水10、13は、希薄液タンク8、濃縮液
タンク12に補給する。極液は電極反応による消費及び
水素イオンの変動を補うために塩化ナトリウム溶液16
及び塩酸17を常時補給する。
【0012】
【実施例】図1の装置を用いて、連続的に200時間電
気透析を行い、濃縮液の塩素イオン濃度と流量の積であ
る陰イオン交換膜の塩素イオン膜透過速度を測定し、石
膏析出状況、膜分離性能の変化、電流効率を調べた。な
お。イオン交換膜は旭硝子社製の膜で、陰イオン交換膜
は1価陰イオン選択性処理を施した膜を用いた。脱硫排
水は、表1のイオンを含有するものを用い、希釈水を添
加し、希薄液は表1の希釈後のイオン濃度(mg/kg
−溶液)に調整した後、液温40℃、膜面流速6cm/
secで希薄液室に供給した。極液は3wt%の塩化ナ
トリウム溶液を膜面流速6cm/secで循環し、極液
タンクには塩化ナトリウムと塩酸を常時補給した。な
お、この実施例では濃縮液の水希釈は省略した。濃縮液
室の膜面流速は2.5cm/secに調整し、表1の組
成の濃縮液を回収した。
【0013】
【表1】
【0014】図2は、陰イオン交換膜の塩素イオンの膜
透過速度を測定した結果であり、該速度は200時間経
過した時点でもほぼ初期と同じ速度を維持していた。比
較のために、水希釈を行わずに、上記と同様に電気透析
を行ったところ、20時間経過した後に塩素イオンの膜
透過速度の低下の兆候が見られ、その後急激に低下して
80時間ではほぼ0に近似した。このように、脱硫排水
を水希釈することにより、陰イオン交換膜に石膏を析出
することもなく、長期間安定した電気透析が可能である
ことが分かった。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、陰イオン交換膜内に石膏の析出を防止することが
でき、高電流密度を維持しながら、長期にわたり安定し
た脱硫排水の電気透析の処理が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硫排水の処理方法を実施するための
電気透析装置の概念図である。
【図2】図1の装置を長期間運転するときの、塩素イオ
ンの膜通過速度の変化を示したグラフである。
【図3】従来の、電気透析装置を組み入れた脱硫排水の
処理設備の概念図ある。
【図4】脱硫排水の電気透析を説明するための図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 中村 積 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 小竹 進一郎 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (72)発明者 青木 良輔 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株 式会社千葉工場内 (56)参考文献 特開 平5−123532(JP,A) 特開 昭62−244427(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/50 B01D 53/34 B01D 53/77 B01D 61/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰−石膏法による燃焼排ガスの脱硫処
    理工程からの排水を、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜
    を交互に配置した電気透析装置の希薄液室に供給し、濃
    縮液室に濃縮液を供給してカルシウムイオン、マグネシ
    ウムイオン、塩素イオン等を濃縮する処理方法におい
    て、1価の陰イオンを選択的に透過する陰イオン交換膜
    を用い、希薄液室及び又は濃縮液室に供給する液に水を
    加え、溶解成分濃度を低下させて電気透析することを特
    徴とする脱硫排水の処理方法。
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