JP3025855U - 改良された揚物用鍋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 揚物用鍋、濾し器および油保存容器の機能を
併せもつ鍋を提供すること。 【解決手段】 胴部と底部とからなる有底筒状の本体
と、前記本体内に着脱自在に取り付けられ、天かすを除
去するための濾し器と、前記胴部の開口部を覆う蓋から
なる改良された揚物用鍋であって、前記本体の深さが底
部の直径の約１／２〜約２／３であることを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は改良された揚物用鍋に関する。さらに詳しくは、有底筒状の本体と、 該本体の内部に着脱自在に取り付けられた濾し器とから構成された改良された揚 物用鍋に関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来より好適に天ぷらなどの揚物を揚げるための条件として、揚物用鍋とし ては分厚いことが好ましい、充分な油（材料の３倍程度の深さになる程度）が 必要、揚物は火の調節をして、油温を調節するのではなく、油の量、鍋の厚さ 、入れる材料の量などで保つことが必要であるとされている。このため、揚物用 の鍋としては、適当な深さを有しているとともに厚手である必要がある。

【０００３】 かかる条件を満足する厚手かつ深底の鍋が従来より揚物用鍋として用いられて いる。

【０００４】 しかしながらかかる揚物用鍋のばあい、一度の調理に使用する油の量が多いた め、調理後の油の処理が厄介になるという問題がある。

【０００５】 すなわち、天ぷらなどの揚物を揚げ終ると天かすなどの浮遊物を別の濾し器を 有する容器に移し、濾過・保存する必要があり、また調理後、そのまま放置して おくことがしばしば起こる。このため、油の劣化を惹起するという問題がある。

【０００６】 本考案の目的は、調理後には、油濾し器および油保存容器として使用すること ができる揚物用鍋を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の改良された揚物用鍋は、胴部と底部とからなる有底筒状の本体と、前 記本体内に着脱自在に取り付けられた天かすなどの浮遊物を除去するための濾し 器と、 前記胴部の開口部を覆う蓋 からなる改良された揚物用鍋であって、前記本体の深さが底部の直径の約１／２ 〜約２／３であることを特徴としている。

【０００８】 前記胴部の開口部側端部に支持され、衣をつけた天ぷらなどの材料を入れ、揚 がった揚物を取り出すための孔を有する、油をきるための網部を有してなるのが 好ましい。

【０００９】 その中央に蓋によって閉塞される開口が形成されたフード部が、前記胴部に着 脱自在に支持されてなることが好ましい。

【００１０】 前記胴部の上側に注出口を備えていることが好ましい。

【００１１】 前記フード部に油温測定用の温度が取り付けられていることが好ましい。

【００１２】 前記本体および濾し器には把手を有していることが好ましい。

【００１３】

【考案の実施の形態】

本考案の改良された揚物用鍋によれば、鍋本体の内部に濾し器を着脱自在に備 えているので、揚物を揚げた後、濾し器によって捕捉された天かすなどの浮遊物 を除去したのち、油の保存容器として使用できる。

【００１４】 図１は、本考案の改良された揚物用鍋（以下、鍋という）を示す断面説明図で あり、図２は、図１の鍋の概略平面図である。

【００１５】 本考案の鍋１は、ほぼ有底筒状の形状を呈した本体２と、該本体２の内部に着 脱自在に収容された濾し器３と、前記本体２の開口部側端部に支持された金網４ と、前記開口部を覆う蓋５とから構成される。

【００１６】 前記本体２は、円筒状の胴部２ａと底部２ｂからなる。本体２の深さは、底部 の直径の約１／２〜約２／３の寸法であることが好ましい。さらに本体２には、 たがいに対向する位置に１対の把手２ｃを有するのが好ましい。また本体２の材 料としては、鋳鉄、黄銅、アルミニウムなどの材料が好適に用いられる。さらに また、胴部２ａの上方に注出口を設けると調理後、鍋１より別の調理に用いる油 を取り出すのが容易になるので好ましい。

【００１７】 濾し器３の形状は、本体２の内部形状と相補的な形状を呈している。揚物を揚 げるスペースをできるだけ大きく確保するために、濾し器３は本体２の内面にほ ぼ接する寸法を有するのが好ましい。濾し器３は、金網か、孔を多数穿設された 鉄板であってもよい。いずれにしても、濾し器３のメッシュは細かい程好ましい 。したがってメッシュとしては５０〜２００程度であることが好ましい。濾し器 ３は、取っ手３ａを有するのが好ましい。

【００１８】 通常揚物を揚げるのに必要な温度は、揚物の材料にもよるが、１６０〜１８０ ℃といわれている。初心者には、前記温度範囲を維持せしめて揚物を揚げるのは たいへん困難であるので、油温を測定するための温度計７をフード部６に備えて おれば、初心者でも容易に適温を維持することができる（図３参照）。温度計７ は図３に示すとおり、表示部７ａと棒状の測温部７ｂとから構成され、該測温部 ７ｂは本体２の底付近にまで達する程度の長さを有しているのが好ましい。

【００１９】 なお蓋５は、図３に示すように、鍋１に着脱自在に取り付けられたフード部６ を介して設けるようにしてもよい。このようにフード部６を有しておれば、揚物 を揚げる際に生じる油のはね（油の粒子が飛散すること）を効果的に防止するこ とができるので好ましい。

【００２０】 金網４は、ほどよく揚がった揚物を鍋１より取り出し、一旦その上に置いてい て、油を切るためのものである。したがって、鍋１より取り出した揚物からした たり落ちる油が完全に切れるものであればどの様なものでもよく、すのこ状のも ののほか、鉄板に孔が穿設されているものでもよい。なお、調理後金網４は、蓋 ５の周縁部またはフード部６の周縁部と本体２とのあいだのすきまをなくすため に、除去しておけば油の酸化を防止できるので、好ましい。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の鍋は、鍋の本体内に濾し器を着脱自在に備えた構成となっているので 、専用の濾し器を必要としてない。このため、揚物を揚げるのに用いた油は、濾 し器により不純物が捕捉されるので、調理後濾し器を本体より取り外すだけで、 比較的清浄な油が得られる。言い換えれば、本考案によれば揚物用の鍋の機能と 、濾し器の機能と、油の保存容器の機能とを併せもつ鍋が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の鍋の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１の鍋の平面図である。

【図３】本考案の鍋に用いる蓋の取り付け構造の他の例
を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 鍋 ２ 本体 ３ 濾し器 ４ 金網 ５ 蓋 ６ フード部 ７ 温度計

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１２月２２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項５

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部と底部とからなる有底筒状の本体
   と、前記本体内に着脱自在に取り付けられ、天かすなど
   の浮遊物を除去するための濾し器と、前記胴部の開口部
   を覆う蓋からなる改良された揚物用鍋であって、前記本
   体の深さが底部の直径の約１／２〜約２／３であること
   を特徴とする改良された揚物用鍋。
2. 【請求項２】 前記胴部の開口部側端部に支持され、衣
   をつけた天ぷらなどの材料を入れ、揚がった揚物を取り
   出すための孔を有する、油をきるための網部を有してな
   る請求項１記載の改良された揚物用鍋。
3. 【請求項３】 その中央に蓋によって閉塞される開口が
   形成されたフード部が、前記胴部に着脱自在に支持され
   てなる請求項１〜２記載の改良された揚物用鍋。
4. 【請求項４】 前記胴部の上側に注出口を備えてなる請
   求項１記載の改良された揚物用鍋。
5. 【請求項５】 前記フード部に油温測定用の温度計が取
   り付けられてなる請求項１〜４記載の改良された揚物用
   鍋。
6. 【請求項６】 前記本体および濾し器に把手を有してな
   る請求項１〜５記載の改良された揚物用鍋。