JP3025374B2 - 溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JP3025374B2 JP3025374B2 JP4112005A JP11200592A JP3025374B2 JP 3025374 B2 JP3025374 B2 JP 3025374B2 JP 4112005 A JP4112005 A JP 4112005A JP 11200592 A JP11200592 A JP 11200592A JP 3025374 B2 JP3025374 B2 JP 3025374B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は溶接性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。特
に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板を
加熱することで素地鋼板の鉄をめっき層中に拡散させ鉄
−亜鉛合金を形成せしめたものであり、亜鉛めっき鋼板
に比較して塗装後の耐食性が優れているため、自動車、
建材、家電製品など多くの分野で使用されている。しか
し、自動車用途においてはより一層の溶接性向上を要求
されているものに対応したものである。
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。特
に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板を
加熱することで素地鋼板の鉄をめっき層中に拡散させ鉄
−亜鉛合金を形成せしめたものであり、亜鉛めっき鋼板
に比較して塗装後の耐食性が優れているため、自動車、
建材、家電製品など多くの分野で使用されている。しか
し、自動車用途においてはより一層の溶接性向上を要求
されているものに対応したものである。
【０００２】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接性を向
上させる方法としては、例えば特開昭６３−２３０８６
１号公報の如く加熱によりＺｎＯを主体とする酸化膜生
成処理を行なう方法や特開平１−１４９９９６号公報の
如く酸若しくはアルカリを含む水溶液中で陽極酸化し、
鋼板表面に酸化物層を形成せしめる方法などが提案され
ている。しかし、このような方法では酸化膜生成のため
の処理設備が必要となり、製造コストが高くなる欠点を
有している。
上させる方法としては、例えば特開昭６３−２３０８６
１号公報の如く加熱によりＺｎＯを主体とする酸化膜生
成処理を行なう方法や特開平１−１４９９９６号公報の
如く酸若しくはアルカリを含む水溶液中で陽極酸化し、
鋼板表面に酸化物層を形成せしめる方法などが提案され
ている。しかし、このような方法では酸化膜生成のため
の処理設備が必要となり、製造コストが高くなる欠点を
有している。
【０００３】
【発明の解決しようとする課題】本発明は特別な処理設
備なしで合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接性を改善する
方法を提供するものである。
備なしで合金化溶融亜鉛めっき鋼板の溶接性を改善する
方法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際の加熱合
金化処理後の水冷時に、１００℃以上の鋼板温度状態に
おいて、濃度としてリン酸換算で１０ｇ／ｌ以上のリン
酸、またはリン酸塩化合物の１種または２種以上を含有
する水溶液を使用して冷却することを特徴とする溶接性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にある。
ろは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際の加熱合
金化処理後の水冷時に、１００℃以上の鋼板温度状態に
おいて、濃度としてリン酸換算で１０ｇ／ｌ以上のリン
酸、またはリン酸塩化合物の１種または２種以上を含有
する水溶液を使用して冷却することを特徴とする溶接性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法にある。
【０００５】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。通常、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際には鋼板温度を４５０
〜６００℃まで加熱して合金化を完了させ、その後水冷
する。この際、冷却水中にリン酸、またはリン酸塩化合
物の１種または２種以上を添加すると、水冷時に鋼板と
反応してリン酸塩化合物の皮膜が形成される。この皮膜
は鋼板表面抵抗を高くし、溶接時に流れる溶接電流の通
電経路を狭くするため発熱量を増大させる。このことに
より電極チップの銅−亜鉛合金層中への鉄の拡散量が増
大し、連続溶接時の電極チップの損傷を防止する。ま
た、リン酸塩化合物そのものも電極チップの銅−亜鉛合
金層中に拡散し、電極チップの損傷を抑制する役割を果
たす。この結果連続溶接打点数は著しく増大する。
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際には鋼板温度を４５０
〜６００℃まで加熱して合金化を完了させ、その後水冷
する。この際、冷却水中にリン酸、またはリン酸塩化合
物の１種または２種以上を添加すると、水冷時に鋼板と
反応してリン酸塩化合物の皮膜が形成される。この皮膜
は鋼板表面抵抗を高くし、溶接時に流れる溶接電流の通
電経路を狭くするため発熱量を増大させる。このことに
より電極チップの銅−亜鉛合金層中への鉄の拡散量が増
大し、連続溶接時の電極チップの損傷を防止する。ま
た、リン酸塩化合物そのものも電極チップの銅−亜鉛合
金層中に拡散し、電極チップの損傷を抑制する役割を果
たす。この結果連続溶接打点数は著しく増大する。
【０００６】冷却水中に添加するリン酸塩化合物として
は水に溶解するリン酸カリウム、リン酸水素カリウム、
リン酸水素マグネシウム、リン酸水素マンガン、リン酸
水素リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウ
ム、リン酸マンガンの１種または２種以上を混合したも
のである。また、水への溶解度を高めるため更にリン酸
を添加しても良い。添加する濃度としてはリン酸換算で
１０ｇ／ｌ以上ないと十分な溶接性改善効果が得られな
い。また、溶解度を越えて添加すると沈殿物が析出し、
配管系統の詰まりなどの問題を引き起こすので添加する
濃度は溶解度以下にする必要があるなお、鋼板の温度が
低い場合には表面へのリン酸塩皮膜の形成が不十分にな
るので最低でも本発明の水溶液を用いて冷却する際の鋼
板温度は１００℃以上でなければならない。
は水に溶解するリン酸カリウム、リン酸水素カリウム、
リン酸水素マグネシウム、リン酸水素マンガン、リン酸
水素リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウ
ム、リン酸マンガンの１種または２種以上を混合したも
のである。また、水への溶解度を高めるため更にリン酸
を添加しても良い。添加する濃度としてはリン酸換算で
１０ｇ／ｌ以上ないと十分な溶接性改善効果が得られな
い。また、溶解度を越えて添加すると沈殿物が析出し、
配管系統の詰まりなどの問題を引き起こすので添加する
濃度は溶解度以下にする必要があるなお、鋼板の温度が
低い場合には表面へのリン酸塩皮膜の形成が不十分にな
るので最低でも本発明の水溶液を用いて冷却する際の鋼
板温度は１００℃以上でなければならない。
【０００７】
【実施例】本発明の実施例を比較例と共に表１に示す。
【表１】
【０００８】なお、連続溶接性は下記の条件で評価し
た。 溶接条件 （１）加圧力：２００ｋｇｆ （２）電極：Ａｌ2 Ｏ3 分散強化銅，先端径６ｍｍφ，
ＣＦ型 （３）通電時間：１０サイクル （４）溶接電流：ナゲット形成電流の１．４倍 （ナゲット径が４√×板厚以上になる最小電流値） 連続溶接：ナゲット径が４√×板厚より小さくなった時
点を終了と判定
た。 溶接条件 （１）加圧力：２００ｋｇｆ （２）電極：Ａｌ2 Ｏ3 分散強化銅，先端径６ｍｍφ，
ＣＦ型 （３）通電時間：１０サイクル （４）溶接電流：ナゲット形成電流の１．４倍 （ナゲット径が４√×板厚以上になる最小電流値） 連続溶接：ナゲット径が４√×板厚より小さくなった時
点を終了と判定
【０００９】
【発明の効果】以上示した如く、本発明は特別な処理設
備なしで合金化溶融めっき鋼板の溶接性を向上させるた
め工業的に大きな効果を奏するものである。
備なしで合金化溶融めっき鋼板の溶接性を向上させるた
め工業的に大きな効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 正則 千葉県君津市君津１番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平３−287787（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−291366（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (1)
- 【請求項１】 合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際
の加熱合金化処理後の水冷時に、１００℃以上の鋼板温
度状態において、濃度としてリン酸換算で１０ｇ／ｌ以
上のリン酸、またはリン酸塩化合物の１種または２種以
上を含有する水溶液を使用して冷却することを特徴とす
る溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4112005A JP3025374B2 (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4112005A JP3025374B2 (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05306452A JPH05306452A (ja) | 1993-11-19 |
| JP3025374B2 true JP3025374B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=14575583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4112005A Expired - Fee Related JP3025374B2 (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 溶接性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3025374B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101008154B1 (ko) * | 2008-05-20 | 2011-01-13 | 주식회사 포스코 | 도금부착성이 우수한 초고강도 용융아연도금강판의제조방법 및 이 제조방법에 의해 제조된 용융아연도금강판 |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP4112005A patent/JP3025374B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05306452A (ja) | 1993-11-19 |
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