JP3024995U - 酸素ガスバリア性容器 - Google Patents

酸素ガスバリア性容器

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JP3024995U JP1995013181U JP1318195U JP3024995U JP 3024995 U JP3024995 U JP 3024995U JP 1995013181 U JP1995013181 U JP 1995013181U JP 1318195 U JP1318195 U JP 1318195U JP 3024995 U JP3024995 U JP 3024995U
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英明 田中
智明 佐藤
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呉羽化学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用後焼却したときに塩酸を発生せず、酸素
バリア性の膜状積層体と容器本体との密着性がよく、商
品価値を高めることができ、しかも安価で酸素ガスバリ
ア性に優れる酸素ガスバリア性の容器を提供する。 【解決手段】 開口部と、この開口部に連接される有底
容器本体と、この有底容器本体の外壁を面一に覆う膜状
積層体と、を有する酸素ガスバリア性の容器であって、
前記膜状積層体は、有底容器本体に接する側から、接着
層/バリア反応層/基材層を有して構成されており、前
記バリア反応層は、ポリビニルアルコールをポリ(メ
タ)アクリル酸系ポリマーと脱水反応させた反応物から
構成されてなるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、酸素ガスバリア性の容器、特に、ポリビニルアルコールまたは糖類 をポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと脱水反応させてなるバリア反応層を有す る膜状積層体を、有底容器本体の外壁に面一となるように配設した酸素ガスバリ ア性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性プラスチックよりなる容器に食品等の内容物を収納し、内容物の変質 ・変敗を防止しつつ保存するには、容器に酸素ガスバリア性が要求される。
【0003】 従来より、熱可塑性プラスチックよりなる容器に酸素ガスバリア性を付与する ための手段としては、例えば、塩化ビニリデン系共重合体のラテックスまたは その溶剤希釈液を(開口部を有する)容器の外壁に塗布して、塩化ビニリデン系 共重合体の皮膜を形成させたり、あるいは、酸素ガスバリア性樹脂層を有する シートを絞り成形して開口部を有する容器を得たり、あるいは、酸素ガスバリ ア性層を有する収縮性膜状積層体を開口部を有する容器の側面に密着させたり、 あるいは、酸素ガスバリア性の膜状積層体を容器の側面に貼り付ける方法など が提案されている。
【0004】 これの提案の中で、上記のものは、容器使用後の廃品物を焼却処理した場合 、塩酸を発生するので好ましくない。また、塗布および乾燥工程に時間がかかり すぎて生産性面で問題がある。また、品質のばらつきも比較的大きく実用的でな いと言える。上記のものは、本体シートそのものを共押出し成形で製造しなけ ればならず高価となり、廉価な内容物を包装するには、好ましくないことがある 。また、上記およびのものは、容器本体に被着されるバリアー性の膜状積層 体の端部が、容器表面に対して段差を持って配設されるので、この部分へ異物が 混入したり剥がれたりして、酸素ガスバリア性が悪くなったり、汚れ等が生じた りして商品価値を悪くする原因となる。
【0005】 このようなおよびのものを改良する技術として、塩化ビニリデン系樹脂含 有するガスバリア性接着剤層を介して容器とラベルとの熱接着を得るものや(特 開昭59−93646号公報)、容器とラベルとの間に接着部と非接着部とを設 けることで、加熱された成形前容器からの発生ガスがラベルを膨らすことを抑え るもの(特開昭61−232155号公報及び特開昭61−232156号公報 )等が提案されている。さらに、脚付き容器の成形後に、ラベルの収縮率と容器 の収縮率の差で、ラベルに表面シワが生じることを射出成形による一体化成形で 抑える技術(特開平5−301249号公報等)が提案されている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭59−93646号公報提案のものは、生産性面で 問題があり、また、特開昭61−232155号公報及び特開昭61−2321 56号公報提案のものは、やはり接着部での改善が十分とは言えず、この部分へ 異物が混入したり剥がれたりして、酸素ガスバリア性が悪くなるだけでなく、汚 れ等の商品価値を悪くすることもある。また、特開平5−301249号公報提 案のものは、酸素バリア層の材質の選定から比較的厚めの酸素バリア層構成とし なければならずコスト面から不利であるといえる。
【0007】 このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、使用後 焼却したときに塩酸を発生せず、酸素バリア性の膜状積層体と容器本体との密着 性がよく、商品価値を高めることができ、しかも安価で酸素ガスバリア性に優れ る酸素ガスバリア性の容器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本考案は、開口部と、この開口部に連接さ れる有底容器本体と、この有底容器本体の外壁を面一に覆う膜状積層体と、を有 する酸素ガスバリア性の容器であって、前記膜状積層体は、有底容器本体に接す る側から、接着層/バリア反応層/基材層を有して構成されており、前記バリア 反応層は、ポリビニルアルコールをポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと脱水反 応させた反応物から構成されてなる。
【0009】 また、本考案は、開口部と、この開口部に連接される有底容器本体と、この有 底容器本体の外壁を面一に覆う膜状積層体と、を有する酸素ガスバリア性の容器 であって、前記膜状積層体は、有底容器本体に接する側から、接着層/バリア反 応層/基材層を有して構成されており、前記バリア反応層は、糖類をポリ(メタ )アクリル酸系ポリマーと脱水反応させた反応物から構成されてなる。
【0010】 本考案の好ましい態様として、前記膜状積層体は、前記基材層樹脂の引張り弾 性率が150(MPa)乃至600(MPa)であり、有底容器本体の外壁を表 面被覆率80%以上で覆ってなるように構成される。
【0011】 本考案の好ましい態様として、前記膜状積層体は、その接着層が成形金型内面 と反対方向に向くように、予め、成形金型内に収納され、しかる後、前記有底容 器本体が前記膜状積層体の接着層と密着するように成形されることにより、前記 膜状積層体が有底容器本体の外壁を面一に覆い、かつ、前記膜状積層体が有底容 器本体と一体化されてなるように構成される。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る酸素ガスバリア性容器の実施の形態について、図1乃至図 3を参照しつつ詳細に説明する。図1には、本考案に係る酸素ガスバリア性容器 の一例を表す縦断面図が示されている。この図に示されるように、酸素ガスバリ ア性容器1は、開口部5と、この開口部5に連接される有底容器本体10(以下 、単に『容器本体10』という)と、この容器本体10の外壁を覆うように形成 された膜状積層体20を備えている。
【0013】 図2は、図1におけるA部の部分拡大図を示したものであり、膜状積層体20 は、容器本体10に接する側(内側)から、接着層21/バリア反応層23/基 材層25を有する積層構成になっており、さらに、この膜状積層体20は、容器 本体10の外壁を面一に覆っている。ここで、『面一に覆う』という状態は、図 2に示される膜状積層体20の接合端部20’において、膜状積層体20の外面 20aと容器本体10の外面10aとが、ほぼ段差なく(膜状積層体20が容器 本体10に埋設された状態で)接合されている状態をいう。なお、膜状積層体2 0が容器本体10の外壁を覆う表面被覆率は、80%以上とされる。酸素ガスバ リア性を十分に確保するためである。
【0014】 容器本体10を構成する樹脂としては、圧空もしくは真空成形、射出成形でき る樹脂であれば特に制限はないが、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポ リプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
【0015】 膜状積層体20を構成するバリア反応層23は、ポリビニルアルコールまたは 糖類をポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと脱水反応させた反応物からなる樹脂 で構成される。
【0016】 ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリ メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、ポリマレイン酸ある いはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。必要に応じて、脱水反応の触媒、 各種の添加剤を加えることもできる。脱水反応は、例えばポリビニルアルコール または糖類をポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーの混合溶液を、基材層25を構 成する樹脂の表面に塗工し、乾燥させた後、100℃以上の温度で熱処理するこ とで行われる。
【0017】 この反応物は立体的に入り組んだ架橋構造となるため熱水に不溶性となり、且 つ反応物からなる樹脂層の厚さが、0.1μm乃至100μmのとき酸素ガスバ リア性が良く、酸素ガス透過度は50(cm3 /m2 ・24h・atm)以下と なる。
【0018】 膜状積層体20の基材層25を構成する樹脂は、上記バリア反応層23の反応 前の塗布組成物を膜状に成形したときに寸法安定性があれば良く、その引張り弾 性率は150MPa(メガパスカル)乃至600MPaであることが好ましい。 より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(以下、単にPETということも ある)の2軸延伸膜が好ましく用いられる。PETは、その結晶融解温度が約2 60℃であり、2軸延伸によりその結晶化度が大きくなり、その引張り弾性率は 、約500MPaである。基材層25を構成する樹脂の引張り弾性率が150M Pa未満では、膜状積層体20を容器外面に皺を生じることなく覆うことができ ない。基材層25の厚さは、引張り弾性率の値を考慮しつつ適宜選定すればよい が、通常は、5乃至200μm程度の厚さとされる。基材層は、前記の単層だけ でなく、例えば意匠性を与えるための新たな層を加えることもできる。なお、膜 状積層体20の基材層25としては、上記のPET層の上にアルミニウムやSi Ox を蒸着した複合フィルムであってもよい。
【0019】 膜状積層体20の接着層21は、上記の容器本体10を構成する樹脂との接着 性を考慮し、容器本体10の樹脂に近い化学構造を有する樹脂を用いるのがよい 。具体的には、容器本体10の樹脂がPETであるときは接着層21もポリエス テル系重合体若しくは共重合体を用いる。接着層21を構成する他の樹脂例とし ては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン樹脂、ポリスチレンなどが挙げられ る。接着層21は、前記の単層であるだけでなく、必要により新たな層を加えた 積層であってもよい。このような接着層21の厚さは、5乃至200μm程度と される。
【0020】 膜状積層体20の形成方法を図3に基づいて簡単に説明しておく。まず、基材 層25を構成する樹脂フィルムを準備し、この樹脂フィルム上に、上記所定の混 合組成物からなる溶液を所定厚さに塗工した後、乾燥させて塗膜を形成させる。 しかる後、この塗膜ないしはフィルムを熱ロールと接触させることにより、熱処 理して(反応させ)バリア反応層23を形成させる(図3(a))。次いで、こ のバリア反応層23の上に、接着層21を構成する樹脂を押し出しコーティング したり、あるいは接着層21を構成する樹脂フィルムをドライラミネート用の接 着剤を介して接着することによって、接着層21を形成させ、膜状積層体20を 完成させる(図3(b))。
【0021】 次に、本考案の酸素ガスバリア性容器の製造方法の一例について説明する。
【0022】 まず、最初に圧空ないし真空成形用金型(または、射出成形金型)を準備する 。そして、準備した金型を用いて、任意の樹脂で容器の仮成形を行う。得られた 容器の所定箇所に切れ込みを入れ、このものを平面上に展開して、その所定形状 をトレースすることにより展開された型紙を作る。この型紙は、例えば、図4に 示されるような展開図形状を有し、底面部30と、4つの側面部35を備えてい る。
【0023】 ついで、上記の要領で作製した膜状積層体20(図3(b)を準備し、このも のを上記の型紙に沿って切り取った。この切り取ったものを容器状に復元しつつ 成形用金型の内面に(接着層21を内側に向けて)装着する。その後、容器本体 10を構成する樹脂からなるシートを用いて圧空ないし真空成形(または、射出 成形)することによって膜状積層体20で被覆された本考案の容器を完成させる 。なお、圧空成形の場合には、通常、容器本体10を構成する樹脂からなるシー トに代えて、同じ樹脂からなる溶融パリソンを用いる。また、射出成形の場合に は、容器本体10を構成する樹脂からなるシートに代えて、溶融樹脂をキャビテ ィに射出して本考案の酸素ガスバリア性容器を完成させる。具体的成形方法はさ らに以下の実施例に詳細に示されている。
【0024】
【実施例】
以下、本考案に係る酸素ガスバリア性容器の具体的実施例を挙げて本考案をさ らに詳細に説明する。
【0025】 〔実験例1〕 基材層25+バリア反応層23(以下、『積層体』という)の形成 まず最初に、以下に示すような、4種の『積層体1〜4』を作成し、準備した 。
【0026】 (積層体−1) ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバール105)30重量部とポリ アクリル酸(東亜合成化学(株)製、アロン10−H)部分中和物(水酸化ナト リウムでポリアクリル酸のカルボン酸の10mol%を中和)70重量部からな る混合物の10重量%水溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル ム(東レ(株)製、ルミラーS10、12μm)に リバースロールコート方式 で塗工、乾燥し、厚さ3μmの皮膜を形成させた。このような乾燥皮膜が形成さ れたPETフィルムを、230℃の熱ロールに接触させることにより熱処理して (反応させ)、積層体−1を得た。この積層体−1の温度30℃、相対湿度80 %における酸素透過度は、0.1(cm3 /m2 ・24h・atm)であった。
【0027】 (積層体−2) 溶性澱粉(和光純薬工業(株)製)30重量部とポリアクリル酸(東亜合成化 学(株)製、アロン10−H)の部分中和物(水酸化ナトリウムでポリアクリル 酸のカルボン酸の10mol%を中和)70重量部からなる混合物の13重量% 水溶液を、PETフィルム(東レ(株)製、ルミラーSl0、12μm)にリバ ースロールコート方式で塗工、乾燥し、厚さ3μmの皮膜を形成させた。このよ うな乾燥皮膜が形成されたPETフィルムを230℃の熱ロールに接触させるこ とにより熱処理して(反応させ)、積層体−2を得た。この積層体−2の温度3 0℃、相対湿度80%RHにおける酸素透過度は、0.1(cm3 /m2 ・24 h・atm)であった。
【0028】 (積層体−3) 溶性澱粉(和光純薬工業(株)製)30重量部とポリアクリル酸(東亜合成化 学(株)製、アロンl0−H)70重量部からなる混合物の13重量%水溶液に 、ポリアクリル酸固形重量の15重量部にあたる次亜リン酸ナトリウム1水和物 を溶解して得られた水溶液を、PETフィルム(東レ(株)製、ルミラーS10 、12μm)にリバースロールコート方式で塗工、乾燥し、厚さ3μmの皮膜を 形成させた。このように乾燥皮膜が形成されたPETフィルムを、230℃の熱 ロールに接触させることにより熱処理して(反応させ)、積層体−3を得た。こ の積層体−3の温度30℃、相対湿度80%RHにおける酸素透過度は、0.1 (cm3 /m2 ・24h・atm)であった。
【0029】 (積層体−4) 上記積層体−1で用いたPETに替えて、PETとさらに印刷を施した新たな PETを積層した2層の「印刷PET/PET」を、基材層として用いた。それ 以外は、上記積層体−1と同様にして、積層体−4を得た。
【0030】 膜状積層体の形成 上記の積層体1〜4のバリア反応層23側に、下記のような接着層21(下記 の樹脂からなるラミネート用フィルム〜)を接合させて膜状積層体20を完 成させた。上記の積層体1〜4と接着層21との組み合わせは、下記表1に示さ れるとおりとした。
【0031】 なお、接着層21は、容器本体10の成形材料との接着性を考慮し、容器本体 10の形成材料と同様の化学構造を有する樹脂を選んだ。
【0032】 PETフィルム…東レ(株)社製ルミラーSl0(50μm) 無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)…東洋紡績(株)、パイレン フィルム(50μm) 無延伸ポリスチレンフィルム(CPS)…大倉工業(株)、セロマー (25μm) 高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)… アイセロ化学(株)、スズ ロンH−500S(40μm) なお、接合に際しては、接着層21のラミネート用フィルムを、前記積層体1 〜4の皮膜側にドライラミネート用接着剤(東洋モートン(株)製、アドコート 335A、硬化剤CAT−10)を介して、ドライラミネートすることにより、 膜状積層体20を得た。
【0033】 容器の成形 まず、最初に圧空(真空)成形用金型を準備した。そして、準備した金型を用 いて、所定の樹脂で容器の仮成形を行った。得られた容器の所定箇所に切れ込み を入れ、このものを平面上に展開して、その所定形状をトレースすることにより 展開された型紙を作った。この型紙は、例えば、図4に示されるような展開図形 状を有し、底面部30と、4つの側面部35を備える。
【0034】 ついで、上記要領で予め作製しておいた膜状積層体20を上記の型紙に沿って 切り取った(図4に示されるような展開図形状)。この切り取ったものを、もと の容器形態に復元しつつ成形用金型80の内面に(接着層21を内側に向けて) 装着した(図5)。その後、図6に示されるように容器本体10を構成する樹脂 からなり、溶融状態にあるパリソン15をキャビティ70内に押し出した後、所 定の操作にて圧空成形することにより、膜状積層体20で被覆された容器1を得 た(図7)。容器本体10の成形材料と膜状積層体20の接着層21は、接着性 を考慮し同一材料のものを選択した。得られた容器1の容積は、約250ml、 表面積は約180cm2 、容器の膜状積層体20の厚みを差し引いた平均厚みは 、500μmであった。膜状積層体による容器表面の被覆率は約90%であった 。
【0035】 なお、容器本体10の成形には、下記の非晶PET、PP、PS、HDPEの 4種類(押出し成形用)の樹脂を用いた。
【0036】 ・非晶PET…イーストマン・コダック社製、KODAR PETG#67 63 ・PP…昭和電工(株)製エースポリプロ#FA110(押出し成形用) ・PS…旭化成工業 アサフレックス#815(押出し成形用) ・HDPE…三井石油化学 ハイゼックス#3000B(押出し成形用) このような要領で、下記表1に示されるような種々の容器サンプルを作製し、 各サンプルについて容器の酸素透過度を測定した。測定方法は以下のとおりであ る。
【0037】 (容器の酸素透過度) 容器の酸素透過度は、アルミニウム板を蓋材にし、エポキシ系接着材で開口部 を接着することで容器を密閉した後、Modern Controls社製酸素 透過試験機OX−TRAN TWINにてパッケージ測定用アダプターを用いて 測定した。測定雰囲気の温度は 30℃、相対湿度は80%RHとした。
【0038】 結果を下記表1に示す。
【0039】
【表1】 〔実験例2〕 上記実験例1における、容器本体10の成形を射出成形に変えた。すなわち、 射出成形金型内に、膜状積層体20を装着した後、容器本体10の樹脂を用いて 射出成形することにより、膜状積層体20で被覆された容器1を得た。容器本体 10の成形材料と膜状積層体20の接着層21は、接着性を考慮し同一材料のも のを選択した。得られた容器1の容積は、約270ml、表面積は約180cm 2 、容器の膜状積層体20の厚みを差し引いた平均厚みは、700μmであった 。膜状積層体20による容器本体10の表面の被覆率は約90%であった。
【0040】 用いた容器本体10の樹脂は以下のとおりである。
【0041】 ・非晶PET…イーストマン・コダック社製、KODAR PETG#67 63 ・PP…昭和電工(株)製エースポリプロ#MA610H(射出成形用) 結果を下記表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【考案の効果】
以上の結果より本考案の効果は明らかである。すなわち、本考案は、開口部と 、この開口部に連接される有底容器本体と、この有底容器本体の外壁を面一に覆 う膜状積層体と、を有する酸素ガスバリア性の容器であって、前記膜状積層体は 、有底容器本体に接する側から、接着層/バリア反応層/基材層を有して構成さ れており、前記バリア反応層は、ポリビニルアルコールをポリ(メタ)アクリル 酸系ポリマーと脱水反応させた反応物から構成されているので、容器の使用後、 焼却したときに塩酸を発生せず、酸素バリア性の膜状積層体と容器本体との密着 性がよく、商品価値を高めることができ、しかも安価で酸素ガスバリア性に優れ る酸素ガスバリア性の容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る酸素ガスバリア性容器の一例を表
す縦断面図である。
【図2】図1におけるA部の部分拡大図である。
【図3】(a)および(b)は、膜状積層体20の形成
方法を経時的に説明するための図である。
【図4】本考案に用いられる型紙の展開図であり、実質
的に膜状積層体の展開図と同じものである。
【図5】膜状積層体を成形用金型の内面に(接着層21
を内側に向けて)装着した図である。
【図6】圧空成形を説明するための図である。
【図7】成形完了後の状態を示す図である。
【符号の説明】
1…酸素ガスバリア性容器 5…開口部 10…有底容器本体 20…膜状積層体 21…接着層 23…バリア反応層 25…基材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 25/34 B C08G 81/02 NUV

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部と、この開口部に連接される有底
    容器本体と、この有底容器本体の外壁を面一に覆う膜状
    積層体と、を有する酸素ガスバリア性の容器であって、 前記膜状積層体は、有底容器本体に接する側から、接着
    層/バリア反応層/基材層を有して構成されており、 前記バリア反応層は、ポリビニルアルコールをポリ(メ
    タ)アクリル酸系ポリマーと脱水反応させた反応物から
    構成されてなることを特徴とする酸素ガスバリア性容
    器。
  2. 【請求項2】 開口部と、この開口部に連接される有底
    容器本体と、この有底容器本体の外壁を面一に覆う膜状
    積層体と、を有する酸素ガスバリア性の容器であって、 前記膜状積層体は、有底容器本体に接する側から、接着
    層/バリア反応層/基材層を有して構成されており、 前記バリア反応層は、糖類をポリ(メタ)アクリル酸系
    ポリマーと脱水反応させた反応物から構成されてなるこ
    とを特徴とする酸素ガスバリア性容器。
  3. 【請求項3】 前記膜状積層体は、前記基材層樹脂の引
    張り弾性率が150(MPa)乃至600(MPa)で
    あり、有底容器本体の外壁を表面被覆率80%以上で覆
    ってなる、請求項1記載の酸素ガスバリア性容器。
  4. 【請求項4】 前記膜状積層体は、前記基材層樹脂の引
    張り弾性率が150(MPa)乃至600(MPa)で
    あり、有底容器本体の外壁を表面被覆率80%以上で覆
    ってなる、請求項2記載の酸素ガスバリア性の容器。
  5. 【請求項5】 前記膜状積層体は、その接着層が成形金
    型内面と反対方向に向くように、予め、成形金型内に収
    納され、しかる後、前記有底容器本体が前記膜状積層体
    の接着層と密着するように成形されることにより、前記
    膜状積層体が有底容器本体の外壁を面一に覆い、かつ、
    前記膜状積層体が有底容器本体と一体化されてなる請求
    項1記載の酸素ガスバリア性容器。
  6. 【請求項6】 前記成形金型は、圧空または真空用の金
    型であり、前記有底容器本体が圧空または真空成形によ
    り形成されてなる請求項5記載の酸素ガスバリア性容
    器。
  7. 【請求項7】 前記成形金型は、射出成形用の金型であ
    り、前記有底容器本体が射出成形により形成されてなる
    請求項5記載の酸素ガスバリア性容器。
  8. 【請求項8】 前記膜状積層体は、その接着層が成形金
    型内面と反対方向に向くように、予め、成形金型内に収
    納され、しかる後、前記有底容器本体が前記膜状積層体
    の接着層と密着するように成形されることにより、前記
    膜状積層体が有底容器本体の外壁を面一に覆い、かつ、
    前記膜状積層体が有底容器本体と一体化されてなる請求
    項2記載の酸素ガスバリア性容器。
  9. 【請求項9】 前記成形金型は、圧空または真空用の金
    型であり、前記有底容器本体が圧空または真空成形によ
    り形成されてなる請求項8記載の酸素ガスバリア性容
    器。
  10. 【請求項10】 前記成形金型は、射出成形用の金型で
    あり、前記有底容器本体が射出成形により形成されてな
    る請求項8記載の酸素ガスバリア性容器。
JP1995013181U 1995-11-17 1995-11-17 酸素ガスバリア性容器 Expired - Lifetime JP3024995U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012192581A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Panasonic Corp フィルム加飾部品
WO2015163413A1 (ja) * 2014-04-25 2015-10-29 凸版印刷株式会社 ガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法
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