JP3024437U - 飲料用缶の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内容量の多い飲料用缶を、開口後に保存等の
必要が生じた場合に、飲み口のある上面に冠着し、保存
に適した状態とする蓋を提供せんとする。 【解決手段】 缶１１の上部外周へ着脱可能に巻着でき
る環体１と、缶１１の上面１２へ開閉可能に冠着できる
蓋部２とを可撓性の連結体７で連結したことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、果汁飲料等を充填したアルミ製又はスチール製缶飲料に於いて、缶 の開口後に一時的に開口上面を被覆するために用いる蓋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

果汁飲料等を充填した缶は、飲み口を開口後、速やかに飲み干してしまうもの として一般的に考えられている。そして、一時に飲めるように内容量も適したも のとなっていたのである。 したがって、途中で飲むのを中止し、後刻の再飲取のために蓋をしておく必要 性を感じていなかったのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、最近は缶の大きさにも多様となり、従来より内容量の多い缶も登場 し、人によっては一時に飲み干せないこともある。 しかし、缶の飲み口の構造は、一度開けると閉口できないものと成っているた め、後刻のために開口したまま保存しておくには、衛生上や転倒による漏出の虞 れもあって好ましいものと言えないのである。

【０００４】 そこで、本考案は内容量の多い飲料用缶を、開口後に保存等の必要が生じた場 合に飲み口のある上面に冠着し、保存に適した状態とする蓋を提供せんとするも のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、缶の上部外周へ着脱可能に巻着できる環体と、缶の上面へ開閉可能 に冠着できる蓋部とを可撓性の連結体で連結したことを特徴とするものである。

【０００６】 又、巻着時に缶と当接する環体の内面上部を、内方へ膨出した肉厚部としても よく、更に蓋に横方向へ突出した摘み片を設け、可撓性連結体を折曲して蓋部と 環体を重合した時に、前記摘み片を挾持する切欠を環体に設けたものとしてもよ い。

【０００７】 環体を缶の上部外周へ巻着し、蓋部を飲み口のある缶上面へ冠着することによ って、飲み口を缶上面を含めて外部と遮断でき、又再飲の時は蓋部を外せばよい のであり、蓋部は環体と一体に可撓性の連結体で連係しているため、蓋の着脱は 可能であり、かつ蓋部の離脱時でも缶と一体的に連係している。

【０００８】 又、内容量の多い缶の外周上端部近くはテーパー状に稍細くなっているので、 環体の内面上部を内方へ膨出した肉厚とすることで巻着が確実となり、更に蓋部 に設けた摘み片は開閉操作を至便とし、環体の切欠との挾持関係は不使用時の保 存・携帯をコンパクトとする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１は実施の一形態を示す平面図、図２は同使用状態を示す一部縦断正面図で あり、本考案の蓋は缶１１の外周に着脱可能に巻着できる環体１と、缶１１の飲 み口１３を設けた上面１２を被覆する蓋部２、及び環体１と蓋部２を連係する連 結体７より成る。

【００１０】 各構成部は、可撓性を有する合成樹脂より成り、環体１は適当な巾を有し、充 分に缶１１の外周に係止できるものとしている。 蓋部２には、缶１１に巻着した環体１より可撓性の連結体７を折曲して缶１１ の上面１２に当たる面の周端部に円溝３を形成してあり、上面１２の起立縁１４ に円溝３が嵌合し、上面１２に蓋部２が係止すべくしてある。

【００１１】 円溝３は内外の突起縁４、５で形成し、内側突起縁４は円溝３の嵌合時に缶１ １の上面１２に当たるに充分な高さを有し、蓋部２の蓋面６と缶１１の上面１２ とに空間が生じ、開口用部材１５と干渉しないようにしてあり、外側突起縁５は 内側突起縁４より長く係止力を高くしている。

【００１２】 連結体７は帯状又は紐状であってもよく、材質を問わず可撓性であればよく、 環体１や蓋部２と同一材でなくともよい。 又、連係のための環体１及び蓋部２との連結部分は、図面では側面の上端部又 は中間部で一体としてあるが、限定されるべき作用上の制約はなく、任意部分で 連結すればよい。

【００１３】 図３は他の実施の形態を示す一部断面図であり、環体１の内面上部が内方へ膨 出した肉厚部１０とし、この肉厚部１０が缶１１の上部傾斜部１６に引っ掛かり 巻着力を増大せしめるのである。

【００１４】 図４乃至図６は他の実施の形態を示すものであり、連結体７の対向部となる環 体１に切欠８を設け、蓋部２に摘み片９を外方へ突出して設けたものである。 摘み片９は蓋部２の開閉に至便であり、切欠８は環体１と蓋部２を連結体７を 折曲して重合した時に摘み片９が嵌合し、切欠８に摘み片９が挾持さる恰好と成 って重合状態を保つものである。

【００１５】 内容量の多い缶では、上端部近くが細くテーパー状に形成したものが多くあり 、この場合の設計上は環体１の内径より蓋部２の外径が長くなるため、図５のよ うに環体１内へ蓋部２が挿入される恰好で重合する。 しかし、図６のように環体１の内面上部が肉厚部７を有する場合は、挿入不可 能な関係となることもあるけれど、重合状態となってコンパクト化できることに 変わりはない。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように、本考案は缶に簡易に着脱でき、しかも蓋の開閉も自在で、かつ 蓋を外しても缶と一体的に連係しているから、蓋の置き場所や管理に心を配る必 要もなく、又再度の冠着も容易となるのである。

【００１７】 そして、環体の内面上部の肉厚部は缶との巻着力を増大し、確実な係止と成り 、摘み片の存在は蓋部の開閉を容易とし、更に環体の切欠での挾持は環体と蓋部 の重合状態を維持し、保存や携帯に至便となる効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一形態例を示す平面図である。

【図２】図１の使用状態を示す一部縦断正面図である。

【図３】他の実施の一形態を示す要部断面図である。

【図４】他の実施の一形態を示す平面図である。

【図５】図４の重合状態を示す一部縦断正面図である。

【図６】図４の他の重合状態を示す一部縦断正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 環体 ２ 蓋部 ３ 円溝 ４ 内側突起縁 ５ 外側突起縁 ６ 蓋面 ７ 連結体 ８ 切欠 ９ 摘み片 １０ 肉厚部 １１ 缶 １２ 上面 １３ 飲み口 １４ 起立縁 １５ 開口用部材 １６ 上部傾斜部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 缶の上部外周へ着脱可能に巻着できる環
   体と、缶の上面へ開閉可能に冠着できる蓋部とを可撓性
   の連結体で連結したことを特徴とする飲料用缶の蓋。
2. 【請求項２】 巻着時に缶と当接する環体の内面上部
   を、内方へ膨出した肉厚部とした請求項１記載の飲料用
   缶の蓋。
3. 【請求項３】 蓋に横方向へ突出した摘み片を設け、可
   撓性連結体を折曲して蓋部と環体を重合した時に、前記
   摘み片を挾持する切欠を環体に設けた請求項１又は２記
   載の飲料用缶の蓋。