JP3024295B2 - ハブボルトの位相規整装置 - Google Patents

ハブボルトの位相規整装置

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JP3024295B2
JP3024295B2 JP3223157A JP22315791A JP3024295B2 JP 3024295 B2 JP3024295 B2 JP 3024295B2 JP 3223157 A JP3223157 A JP 3223157A JP 22315791 A JP22315791 A JP 22315791A JP 3024295 B2 JP3024295 B2 JP 3024295B2
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wheel hub
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホイールハブのハブ端
面に、その中心軸を中心とする円周上に配設された複数
のハブボルトの位相を規整する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のホイールハブに車輪を
取り付ける作業は人手により行われているが、該車両の
組立ラインにおいては、作業者の負担低減等の観点から
その自動化が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両のホイ
ールハブに車輪を取り付けるにあたっては、該車輪の位
置およびその姿勢をホイールハブの姿勢および位置に合
致させることはもちろん、複数のハブボルトの位相を車
輪のボルト孔の位相に合致させる必要がある。
【0004】このため従来では、互いに開閉する一対の
平板をそれぞれハブボルトの周面に当接させ、それらの
位相を規整するようにしている。
【0005】しかしながら、上記のようなハブボルトの
位相規整装置では、該ハブボルトの数が4本や6本等の
ように偶数である場合には位相を規整することができる
が、ハブボルトの数が3本や5本等のように奇数になる
と全くこれを適用することができない。
【0006】本発明の目的は、上記実情に鑑みて、その
数や配置態様に関わらず、ハブボルトの位相を規整する
ことのできる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るハブボルト
の位相規整装置は、ホイールハブのハブ端面に、その中
心軸を中心とする円周上に配設された複数のハブボルト
の位相を規整する装置であって、上記ホイールハブのハ
ブ端面に対向する部位に、互いの中心軸が合致された状
態で配置される規整装置本体と、この規整装置本体に配
設され、上記複数のハブボルトが配設された円周上に占
位する固定部材と、上記規整装置本体に配設され、上記
複数のハブボルトが配設された円周上に占位するととも
に、この円周上を移動する移動部材とを備えている。
【0008】
【作用】上記構成によれば、複数のハブボルトが配設さ
れた円周上において移動部材を移動させ、該移動部材を
介してホイールハブを回動させることにより、ハブボル
トを固定部材に当接させるようにしている。
【0009】
【実施例】以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明
を詳細に説明する。図9は、本発明に係るハブボルトの
位相規整装置を適用した四輪自動車用組立ラインにおけ
る車輪取付工程LTを概念的に示したものである。ここ
で例示する車輪取付工程LTは、車両AMの操舵輪に対
応するホイールハブHのハブ端面HTに順次車輪Tを取
り付けるもので、上記組立ラインの両側方域にそれぞれ
ホイールハブHの位置計測装置10および車輪取付ロボ
ットRが配設されている。なお、図には明示していない
が、これら位置計測装置10および車輪取付ロボットR
は、組立ラインを挟んで互いに対応する部位に、互いに
対称の構成をもって配設されているため、以下には一方
についてのみ説明する。また、上記車輪取付ロボットR
が備える絶対座標系X−Y−Zにおいては、上記組立ラ
インの幅方向をX軸方向、該組立ラインにおける車両A
Mの搬送方向をY軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とし
ている。
【0010】位置計測装置10は、図10および図11
に示すように、床面Fに敷設された一対のレール部材1
1,11と、これら一対のレール部材11,11上に移
動自在に配設された装置本体12と、該装置本体12お
よび上記床面F間に配設された移動用シリンダアクチュ
エータ13とを備えている。一対のレール部材11,1
1は、それぞれ断面が矩形の直棒状を成し、互いに平行
を成す態様で配設されており、上記組立ラインにおける
車両AMの搬送方向に直交する方向(X軸方向)に延在
されている。
【0011】装置本体12は、矩形箱状を成しており、
その内部に昇降用シリンダアクチュエータ14を備えて
いる。昇降用シリンダアクチュエータ14は、その内部
に図示していないリニアエンコーダを内蔵するもので、
作動ロッド14aの先端部に下部スライド部材15を備
えており、そのシリンダ本体14bを介して、上記作動
ロッド14aを鉛直上方に向ける態様で上記装置本体1
2の上板12aに取り付けられている。
【0012】下部スライド部材15は、図12に示すよ
うに、上記組立ラインにおける車両AMの搬送方向(Y
軸方向)に沿う方向の辺が長く形成された矩形板状を成
し、その一端部に下部当接部材16を備えるとともに、
その中央部に軌道部材17を備え、さらにその他端部に
スライド用シリンダアクチュエータ18を備えており、
上記昇降用シリンダアクチュエータ14の伸縮作動によ
って鉛直上下方向(Z軸方向)に昇降移動される。下部
当接部材16は、矩形状を成す主部16aの一端縁から
矩形状の当接部16bが直角方向に延在された断面略L
字状を成しており、該当接部16bを鉛直上方に向ける
態様で上記主部16aを介して下部スライド部材15の
上面に固着されている。軌道部材17は、断面が矩形の
直棒状を成しており、上記組立ラインにおける車両AM
の搬送方向(Y軸方向)に沿って延在されている。スラ
イド用シリンダアクチュエータ18は、その内部に図示
していないリニアエンコーダを内蔵するもので、作動ロ
ッド18aの先端部に側部スライド部材19を備えてお
り、そのシリンダ本体18bを介して、上記作動ロッド
18aを水平で、かつ下部スライド部材15の一端側に
向ける態様で、該下部スライド部材15の上面に取り付
けられている。
【0013】なお、上記下部スライド部材15には、そ
の下面両端部にそれぞれ下方に向けてガイドロッド2
0,20が延設されており、上記装置本体12に配設さ
れたブッシュ21,21内に嵌合されている。また、上
記スライド用シリンダアクチュエータ18における作動
ロッド18aの軸心は、上記昇降用シリンダアクチュエ
ータ14における作動ロッド14aの軸心と、同一平面
内において互いに直交する態様で配設されている。
【0014】側部スライド部材19は、上記軌道部材1
7上に移動自在に配設された案内部材22と、この案内
部材22から鉛直上方に向けて延設された縦壁部材23
と、この縦壁部材23に配設された側部当接部材24と
を備えており、上記スライド用シリンダアクチュエータ
18の伸縮作動により、上記下部スライド部材15に対
して上記組立ラインにおける車両AMの進行方向(Y軸
方向)に沿って往復移動される。側部当接部材24は、
上記下部当接部材16と同様に、矩形状を成す主部24
aの一端縁から矩形状の当接部24bが直角方向に延在
された断面略L字状を成しており、該当接部24bが鉛
直上方に沿う態様で上記主部24aを介して縦壁部材2
3の外側面に固着されている。
【0015】移動用シリンダアクチュエータ13は、図
11に示すように、その作動ロッド13aの先端が上記
装置本体12に固着され、かつそのシリンダ本体13b
がブラケット25を介して上記床面Fに取り付けられて
おり、伸縮作動することによって、上記装置本体12を
上記組立ラインに最も近接した位置(測定位置)および
該組立ラインから最も離反した位置(待機位置)の2位
置に選択的に占位させる。
【0016】なお、上記位置計測装置10は、通常状態
において装置本体12が待機位置に占位され、また昇降
用シリンダアクチュエータ14およびスライド用シリン
ダアクチュエータ18が最も縮退した状態に保持されて
いる。
【0017】一方、上記車輪取付ロボットRは、図9に
示すように、床面Fに設置され、鉛直軸(Z軸)回りに
回動自在に配設された主ボディR1と、この主ボディR
1から延在され、水平軸回りに揺動自在に配設された第
1アームR2と、この第1アームR2の先端部から延在
され、水平軸回りに揺動自在に配設された第2アームR
3と、この第2アームR3の先端部に配設され、互いに
直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)回りに回動するリス
ト部R4とを備えており、さらにこのリスト部R4の先
端部に姿勢計測装置30、位相規整装置40、車輪保持
装置60およびナット締結装置70からなる装置アセン
ブリ80を備えている。
【0018】姿勢計測装置30は、ホイールハブHの姿
勢を計測するもので、ブラケット31の先端部にレーザ
ー式の測距センサ32を備えている。この測距センサ3
2は、図14に示すように、先端面にレーザーの投光部
32aを有しており、この投光部32aから被測定物
(ホイールハブ)Hにレーザー光を照射することによ
り、該被測定物Hまでの距離を測定する。なお、図には
明示していないが、この測距センサ32には、その周面
に表示灯が設けられており、この表示灯は、投光部32
aから被測定物Hまでの距離が100±40mmになっ
た際に緑色に点灯する。
【0019】位相規整装置40は、任意の状態にある複
数のハブボルトHB1,HB2…の位相を所定の位相に規
整するもので、図1および図2に示すように、規整装置
本体41に軸部材42を備えている。軸部材42は、そ
の中間部にピニオンギヤ43を備え、かつその外端部に
レバー部材44を備えており、ベアリング45,45を
介して上記規整装置本体41にその中心軸回りに回動自
在に保持されている。
【0020】また、この位相規整装置40には、上記軸
部材42の中心軸を中心とし、かつホイールハブHのハ
ブボルトHB1,HB2…が配設された円周HBπと同一
径の円周上に固定部材46と移動部材47とが配設され
ている。これら固定部材46および移動部材47は、図
4に示すように、それぞれ先端が開口する有底筒状の基
部材46a,47aと、この基部材46a,47a内に
スプリング48を介装した状態で内蔵されたピン部材4
6b,47bとを備えており、上記固定部材46がこの
基部材46aを介して上記規整装置本体41に固定さ
れ、かつ上記移動部材47が基部材47aを介して上記
レバー部材44の先端部に固定されている。
【0021】さらに、上記位相規整装置40は、規整用
シリンダアクチュエータ49を備えている。このシリン
ダアクチュエータ49は、作動ロッド49aの先端に上
記ピニオンギヤ43に歯合するラック部材50を備えて
おり、そのシリンダ本体49bを介して上記規整装置本
体41に取り付けられている。
【0022】上記のように構成された位相規整装置40
では、上記規整用シリンダアクチュエータ49を最も縮
退させた状態が初期状態となり、このとき、図3に示す
ように、上記移動部材47は、上記固定部材46との間
に180°より僅かに大きな中心角を有している。
【0023】今、規整装置本体41をホイールハブHの
ハブ端面HTに対向接近させ、かつ互いの中心軸を合致
させると、図5(a)に示すように、上記固定部材46
および移動部材47のピン部材47bがそれぞれ複数の
ハブボルトHB1,HB2…が配設された円周HBπ上に
占位される。
【0024】この状態から、上記規整用シリンダアクチ
ュエータ49を伸長作動させると、ピニオンギヤ43を
介してレバー部材44が揺動され、上記移動部材47が
上記固定部材46との中心角を狭めるべく移動される。
このとき、移動部材47のピン部材47bが移動経路中
にあるハブボルトHB1に当接してこれを移動させるた
め、ホイールハブHが回動することによってハブボルト
HB1,HB2…の位相が変化する。
【0025】ホイールハブHの回動が進むと、やがてハ
ブボルトHB2が固定部材46のピン部材46bに当接
し、図5(b)に示すように、該固定部材46のピン部
材46bと移動部材47のピン部材47bとの間にハブ
ボルトHB1,HB2が挟装保持された状態となり、複数
のハブボルトHB1,HB2…が所定の位相、たとえば図
5(b)においては、時計の12時、3時、6時および
9時の位置に規整され、このとき上記規整用シリンダア
クチュエータ49の作動が停止する。
【0026】ここで、上記位相規整装置40では、複数
のハブボルトHB1,HB2…が配設された円周HBπ上
において移動部材47を移動させ、該移動部材47のピ
ン部材47bを介してホイールハブHを回動させること
により、ハブボルトHB2を固定部材46のピン部材4
6bに当接させるようにしているため、その数や配置態
様に関わらず、ホイールハブHのハブボルトHB1,H
B2…を所定の位相に規整することができる。
【0027】図6は、規整装置本体41をホイールハブ
Hに対向接近させた際に、移動部材47のピン部材47
bとハブボルトHB4とが合致した場合の位相規整状態
を順に示したものである。この図6(a)に示す状態に
おいては、図4(a)に示すように、移動部材47のピ
ン部材47bがスプリング48の押圧力に抗して基部材
47a内に縮退されてしまうため、該移動部材47の初
期の移動によってはホイールハブHは回動しない。
【0028】しかしながら、図6(b)に示すように、
移動部材47のさらなる移動によってそのピン部材47
bとハブボルトHB4との位置がずれると、図4(b)
に示すように、スプリング48の押圧力によって該ピン
部材47bが突出し、次のハブボルトHB1に当接する
ため、図6(c)に示すように、上述した作用と同様の
作用によってハブボルトHB1,HB2…の位相が規整さ
れることとなる。
【0029】また、図7は、規整装置本体41をホイー
ルハブHに対向接近させた際に、固定部材46のピン部
材46bとハブボルトHB3とが合致した場合の位相規
整状態を順に示したものである。この図7(a)に示す
状態においても、図4(a)に示すように、固定部材4
6のピン部材46bがスプリング48の押圧力に抗して
基部材46a内に縮退されてしまうため、該固定部材4
6はハブボルトHB3の移動を規整することができな
い。
【0030】しかしながら、この場合にも移動部材47
の移動に伴うホイールハブHの回動により、図7(b)
に示すように、固定部材46のピン部材46bとハブボ
ルトHB3の位置がずれると、図4(b)に示すよう
に、スプリング48の押圧力によって該ピン部材46b
が突出し、次のハブボルトHB2に当接するため、図7
(c)に示すように、上述した作用と同様の作用によっ
てハブボルトHB1,HB2…の位相が規整されることと
なる。
【0031】車輪保持装置60は、図14に示すよう
に、アクチュエータ(図示せず)の作動によって互いに
開閉する複数の爪部材61,61…を備えており、互い
に閉塞することによってこれら爪部材61,61…間に
車輪Tを保持する。なお、車輪保持装置60によって保
持される車輪Tは、図示していない前工程によって予め
ボルト孔(図示せず)の位相が規整され、常に同一の状
態で爪部材61,61…間に保持される。
【0032】ナット締結装置70は、複数のハブボルト
HB1,HB2…に一時にホイールナット(図示せず)を
締結させるもので、該ハブボルトHB1,HB2…に対応
する部位に、対応する数の駆動部71,71…を備えて
いる。これら駆動部71,71…には、それぞれ図示し
ていないアクチュエータが連係されており、該アクチュ
エータの作動によって個々の中心軸回りに予設定された
トルクで回動する。
【0033】上記のような構成を備えた車輪取付工程L
Tでは、実際に組立ラインを稼働させる前に、まず、車
両AMを車輪取付工程LTの所定の位置に位置決め設置
した状態で、上記車輪取付ロボットRに以下に示すよう
な車輪取付作業のティーチングが行われ、そのときの位
置データおよび姿勢データ等の作業データが順次ロボッ
ト制御部(図示せず)に設定記憶される。なお、このテ
ィーチングを行う場合には、図示していないステアリン
グを適宜操作することによってホイールハブHのハブ端
面HTが上記組立ラインにおける車両AMの搬送方向
(Y軸方向)に沿うように修正しておく。
【0034】(ステップA1)まず、任意の状態にある
車輪取付ロボットRを作動させ、図13に示すように、
装置アセンブリ70の位相規整装置40を、上記基準状
態にあるホイールハブHのハブ端面HTから所定距離だ
け離隔した位置に、互いの中心軸が合致する態様で配置
する(車輪取付ロボットRの初期状態)。
【0035】(ステップA2)この初期状態から上記位
相規整装置40をホイールハブHのハブ端面HTに接近
させ、該位相規整装置40を作動させることによってハ
ブボルトHB1,HB2…の位相を所定の位相に規整す
る。
【0036】(ステップA3)次いで、上記車輪取付ロ
ボットRを作動させ、前工程で予めボルト孔(図示せ
ず)の位相が規整された車輪Tを車輪保持装置60が備
える複数の爪部材61,61…間に保持させる。
【0037】(ステップA4)図14に示すように、複
数の爪部材61,61…間に車輪Tを保持した車輪保持
装置60を、上記基準状態にあるホイールハブHのハブ
端面HTから所定距離だけ離隔した位置に、互いの中心
軸が合致する態様で配置する。
【0038】(ステップA5)さらにそこから車輪保持
装置60をホイールハブHに接近させて複数のボルト孔
(図示せず)にそれぞれハブボルトHB1,HB2…を貫
挿させることにより、上記車輪TをホイールハブHに搭
載する。
【0039】(ステップA6)ホイールハブHに車輪T
を搭載した後、今度はナット締結装置70を上記基準状
態にあるホイールハブHのハブ端面HTから所定距離だ
け離隔した位置に配置し、それぞれの駆動部71,71
…の先端をハブボルトHB1,HB2…の先端にそれぞれ
対向配置させる。
【0040】(ステップA7)この状態から、上記ナッ
ト締結装置70をホイールハブHのハブ端面HTに接近
させ、駆動部71,71…の図示していないアクチュエ
ータを作動させることによって該駆動部71,71…を
予設定されたトルクで回動させる。
【0041】(ステップA8)上述した作業が終了した
時点で車輪取付ロボットRを作動させ、上記初期状態に
復帰させる。
【0042】上述した車輪取付作業のティーチングが終
了すると、上記車輪取付工程LTでは、次ぎに上記車輪
取付ロボットRに以下に示すような姿勢計測作業のティ
ーチングが行われる。なお、この姿勢計測作業のティー
チングは、上記ホイールハブHから車輪Tを取り外した
状態で、しかも該ホイールハブHが上記車輪取付作業の
ティーチングを行った時と同一の位置および同一の姿勢
で行われる。
【0043】(ステップB1)まず、図15に示すよう
に、任意の状態にある車輪取付ロボットRを作動させ、
姿勢計測装置30の測距センサ32を上記基準状態にあ
るホイールハブHのハブ端面HTに対向させる。
【0044】(ステップB2)この状態から上記測距セ
ンサ32を作動させ、その表示灯が緑色に点灯する任意
の計測位置、すなわち上記ホイールハブHのハブ端面H
Tから約100mm離隔した任意の計測位置を設定記憶
させる。
【0045】(ステップB3)上記(ステップB2)で
示した計測位置の設定記憶作業を、さらに上記ハブ端面
HT上の異なる2点において行い、それぞれの計測位置
を設定記憶させる。
【0046】上述した姿勢計測作業のティーチングが終
了すると、上記車輪取付工程LTでは、さらに以下に示
すような上記位置計測装置10および上記姿勢計測装置
30のそれぞれの初期値設定が行われる。なお、この初
期値設定作業も、上記姿勢計測作業のティーチングと同
様に、上記ホイールハブHから車輪Tを取り外した状態
で、しかも該ホイールハブHが上記車輪取付作業のティ
ーチングを行った時と同一の位置および同一の姿勢で行
われる。
【0047】(ステップC1)まず、位置計測装置10
の移動用シリンダアクチュエータ13を伸長作動させ、
装置本体12を組立ラインに接近させて測定位置に占位
させる。
【0048】(ステップC2)次いで、図16に示すよ
うに、昇降用シリンダアクチュエータ14を伸長作動さ
せることによって、下部スライド部材15を上動させ、
その下部当接部材16が、上記基準状態にあるホイール
ハブHのハブ周面HSに当接するまでの移動距離z0を
記憶させる。
【0049】(ステップC3)この状態から、今度はス
ライド用シリンダアクチュエータ18を伸長作動させる
ことによって側部スライド部材19を移動させ、その側
部当接部材24が上記基準状態にあるホイールハブHの
ハブ周面HSに当接するまでの移動距離y0を記憶させ
る。
【0050】(ステップC4)スライド用シリンダアク
チュエータ18、昇降用シリンダアクチュエータ14お
よび移動用シリンダアクチュエータ13を順次縮退作動
させ、上記位置計測装置10を待機位置に復帰させる。
【0051】(ステップC5)次ぎに、ティーチングし
た姿勢計測作業をプレイバックさせるとともに、上記姿
勢計測装置30を作動させ、図15に示すように、上述
した異なる3つの計測位置からそれぞれホイールハブH
のハブ端面HTに100mmずつ近接した基準位置M
1,M2,M3を設定記憶する。 M1(XM1,YM1,ZM1) M2(XM2,YM2,ZM2) M3(XM3,YM3,ZM3)
【0052】(ステップC6)基準位置M1,M2,M3
を設定記憶した後、図17に示すように、今度は該基準
位置M1,M2,M3から上記基準状態にあるホイールハ
ブHのハブ端面HTにおいてそれぞれに対応する3つの
計測点P1,P2,P3までの実際の距離x01,x02,x0
3を計測し、これを記憶させる。
【0053】(ステップC7)これら計測した各距離デ
ータから、上記基準状態にあるホイールハブHにおける
ハブ端面HT上の3つの計測点P1,P2,P3の各座標
を設定し、これを記憶させる。 P1(XM1+x01,YM1,ZM1)⇒P1(XP1,YP
1,ZP1) P2(XM2+x02,YM2,ZM2)⇒P2(XP2,YP
2,ZP2) P3(XM3+x03,YM3,ZM3)⇒P3(XP3,YP
3,ZP3) なお、YM1=YP1,YM2=YP2,YM3=YP3 ZM1=ZP1,ZM2=ZP2,ZM3=ZP3
【0054】(ステップC8)これらハブ端面HT上の
3つの計測点P1,P2,P3から、図18に示すよう
に、ハブ端面HTをX′−Y′平面とし、計測点P1が
原点で、かつ計測点P2の方向がX′方向となる基準ユ
ーザ座標系X′−Y′−Z′を作成し、これを記憶させ
る。
【0055】(ステップC9)上記車輪取付ロボットR
に教示した車輪取付作業の位置データおよび姿勢データ
等の作業データを、(ステップC8)で作成した基準ユ
ーザ座標系X′−Y′−Z′に対応したデータに変換
し、これを記憶させる。
【0056】上述した車輪取付ロボットRへの車輪取付
作業および姿勢計測作業のティーチング、上記位置計測
装置10および上記姿勢計測装置30への初期値設定作
業が全て終了すると、実際に組立ラインが稼働され、図
8に示す手順にしたがって、車輪取付工程LTに搬送さ
れてくる車両AMのホイールハブH′に車輪Tが順次取
付られる。なお、実際に組み立てラインを稼働させる場
合にも、上記ティーチングを行ったときと同様に、図示
していないステアリングを適宜操作することによってホ
イールハブH′のハブ端面HT′が上記組立ラインにお
ける車両AMの搬送方向(Y軸方向)に沿うように修正
しておく。
【0057】上記車両AMが組立ライン上を搬送され、
図示していない位置決センサによって該車両AMが車輪
取付工程LTの所定の位置に位置決設置されたことが確
認されると(ステップ100)、まず、図19に示すよ
うに、位置計測装置10が測定位置に占位され、搬送さ
れた車両AMのホイールハブH′のハブ周面HS′に下
部当接部材16および側部当接部材24がそれぞれ当接
するまでの移動距離y1,z1が計測される(ステップ1
01)。
【0058】図示していないロボット制御部は、上記計
測距離y1,z1からホイールハブH′の基準状態に対す
るY軸方向およびZ軸方向の偏差距離Δy,Δzを算出
し(ステップ102)、これを記憶するとともに、上記
姿勢計測作業のティーチングデータおよび初期値データ
をこれらY軸方向の偏差距離ΔyおよびZ軸方向の偏差
距離Δzに応じて補正する(ステップ103)。 ここで、Y軸方向の偏差距離:Δy=y1−y0 Z軸方向の偏差距離:Δz=z1−z0 また、補正した測距センサ32の基準位置M′1,M′
2,M′3の座標は、 M′1(XM1,YM1+Δy,ZM1+Δz) M′2(XM2,YM2+Δy,ZM2+Δz) M′3(XM3,YM3+Δy,ZM3+Δz)
【0059】ホイールハブH′の計測作業が終了する
と、上記位置計測装置10が待機位置に復帰し、次に、
図20に示すように、補正されたティーチングデータに
基づいて姿勢計測装置30が作動され、上記基準位置
M′1,M′2,M′3からそれぞれホイールハブH′の
ハブ端面HT′までの距離x11,x12,x13が計測され
る(ステップ104)。
【0060】上記ロボット制御部(図示せず)は、上記
計測距離x11,x12,x13から操舵によるホイールハブ
H′の基準状態に対するX軸方向の各位置の偏差距離Δ
x1,Δx2,Δx3を算出し、これに応じてホイールハ
ブH′の計測点P1,P2,P3の各座標を補正すること
により、補正点P′1,P′2,P′3を得る(ステップ
105)。ここで、 計測点P1と補正点P′1とのX軸方向の偏差距離:Δx
1=x11−x01 計測点P2と補正点P′2とのX軸方向の偏差距離:Δx
2=x12−x02 計測点P3と補正点P′3とのX軸方向の偏差距離:Δx
3=x13−x03 また、ホイールハブH′の補正点P′1,P′2,P′3
の各座標は、 P′1(XP1+Δx1,YP1+Δy,ZP1+Δz) ⇒P′1(XH1,YH1,ZH1) P′2(XP2+Δx2,YP2+Δy,ZP2+Δz) ⇒P′2(XH2,YH2,ZH2) P′3(XP3+Δx3,YP3+Δy,ZP3+Δz) ⇒P′3(XH3,YH3,ZH3)
【0061】X軸方向の位置の偏差に応じて各計測点の
座標を補正したロボット制御部(図示せず)は、今度は
上記計測距離x11,x12,x13から操舵によるホイール
ハブH′のZ軸回りの姿勢の偏差を算出し(ステップ1
06)、この姿勢の偏差に応じて上記各補正点P′1,
P′2,P′3の座標をさらに補正することにより、基準
状態における個々の計測点P1,P2,P3に対応した対
応点P″1,P″2,P″3を得る(ステップ107)。 P″1(X1,Y1,Z1) P″2(X2,Y2,Z2) P″3(X3,Y3,Z3)
【0062】ここでまず、対応点P″1,P″2,P″3
のZ軸座標Z1,Z2,Z3は、それぞれ操舵によるZ軸
回りの姿勢の偏差の影響を受けないため、上記補正点
P′1,P′2,P′3のZ軸座標ZH1,ZH2,ZH3と
同一となる。すなわち、Z1=ZH1,Z2=ZH2,Z3
=ZH3
【0063】また、対応点P″1,P″2,P″3のY軸
座標Y1,Y2,Y3は、基準状態における計測点P1,P
2,P3のY軸座標YP1,YP2,YP3に、姿勢の相違
にのみ起因する偏差距離Yθ1,Yθ2,Yθ3と、位置
の相違にのみ起因する偏差距離Ysとを加えたものとな
る。 Y1=(YH1−Δy)+Yθ1+Ys (YP1=YH1−Δy) Y2=(YH2−Δy)+Yθ2+Ys (YP2=YH2−Δy) Y3=(YH3−Δy)+Yθ3+Ys (YP3=YH3−Δy)
【0064】ここで、上記姿勢の相違にのみ起因する偏
差距離Yθ1,Yθ2,Yθ3については、基準状態にあ
るホイールハブH(図中の実線で示す)と、搬送された
車両AMのホイールハブH′(図中の2点鎖線で示す)
とが、操舵中心O回りに角度θだけ偏差した状態を示す
図22から、それぞれ以下の式によって算出される。 Yθ1=D・sin(α−θ)−S13 Yθ2=S23−K・sin(β+θ) Yθ3=−L・sinθ tanθ=(Δx2−Δx1)/S12 なお、上記式中のD,K,Lは、それぞれホイールハブ
Hの操舵中心Oから各計測点P1,P2,P3までの距離
である。また、S12,S23,S13は、それぞれ各計測点
P1,P2間、P2,P3間およびP1,P3間のY軸方向ス
パンである。さらに、α,βは、それぞれ上記操舵中心
Oに対する計測点P1,P3間の中心角および計測点P
2,P3間の中心角で、下式によって算出されるものであ
る。 tanα=S13/L tanβ=S23/L
【0065】また、位置の相違にのみ起因する偏差距離
Ysについては、上記側部当接部材24の移動距離Δy
が、この位置の相違にのみ起因する偏差距離Ysと、姿
勢の偏差に基づく偏差距離ΔYθとから構成されている
ため、基準状態にあるホイールハブH(図中の実線で示
す)と、搬送された車両AMのホイールハブH′(図中
の2点鎖線で示す)とが、操舵中心O回りに角度θだけ
偏差した状態を示す図24から、下式により算出され
る。 Ys=Δy−ΔYθ ΔYθ=W・sin(γ−θ)−J−y′ y′=ΔXθ・tanθ ΔXθ=W・cosγ−W・cos(γ−θ) なお、上記式中のWはホイールハブHの操舵中心Oから
基準状態において側部当接部材24が当接するハブ周面
HS上の点aまでの距離、JはホイールハブHの中心軸
からハブ周面HSまでの距離である。また、γは上記ホ
イールハブHの中心軸から基準状態において側部当接部
材24が当接するハブ周面HS上の点aまでの間の中心
角であり、下式によって算出される。 tanγ=J/I なお、上記式中のIはホイールハブHの操舵中心Oから
基準状態において側部当接部材24が当接するハブ周面
HS上の点aまでのX軸方向距離である。
【0066】以上により、対応点P″1,P″2,P″3
のY軸座標Y1,Y2,Y3は、下式のようになる。 Y1=YH1+Yθ1−ΔYθ Y2=YH2+Yθ2−ΔYθ Y3=YH3+Yθ3−ΔYθ
【0067】一方、上記対応点P″1,P″2,P″3の
X軸座標X1,X2,X3は、上記Y軸方向の偏差によ
り、基準状態にあるホイールハブH(図中の実線で示
す)と、搬送された車両AMのホイールハブH′(図中
の2点鎖線で示す)とが、操舵中心O回りに角度θだけ
偏差した状態の要部を拡大して示す図23から、それぞ
れ以下の式によって算出される。 X1=XH1+εx1 εx1=Δn・tanθ Δn=n−Yθ1 以下、同様にして、 X2=XH2+εx2 X3=XH3+εx3
【0068】結局、上述した基準状態における個々の計
測点P1,P2,P3に対応した対応点P″1,P″2,
P″3の座標は、以下のように算出される。 P″1(X1,Y1,Z1) ⇒P″1(XH1+εx1,YH1+Yθ1−ΔYθ,ZH
1) P″2(X2,Y2,Z2) ⇒P″2(XH2+εx2,YH2+Yθ2−ΔYθ,ZH
2) P″3(X3,Y3,Z3) ⇒P″3(XH3+εx3,YH3+Yθ3−ΔYθ,ZH
3)
【0069】上記のようにして基準状態における個々の
計測点P1,P2,P3に対応した対応点P″1,P″2,
P″3を得たロボット制御部(図示せず)は、図21に
示すように、これらハブ端面HT′上の3つの計測点
P″1,P″2,P″3から、該ハブ端面HT′をX″−
Y″平面とし、計測点P″1が原点で、かつ計測点P″2
の方向がX″方向となる作動ユーザ座標系X″−Y″−
Z″を作成し、これを記憶する(ステップ108)。
【0070】作動ユーザ座標系X″−Y″−Z″を作成
したロボット制御部(図示せず)は、まず、上述した
(ステップA1)から(ステップA2)までの作業内容
に係る位置データおよび姿勢データ等の作業データを、
上記作動ユーザ座標系X″−Y″−Z″に対応したデー
タに変換し、図25に示すように、この変換したデータ
に基づいて車輪取付ロボットRを作動ユーザ座標系X″
−Y″−Z″で作動させることにより、上記搬送された
車両AMのホイールハブH′におけるハブボルトHB′
1,HB′2…の位相を所定の位相に規整させる(ステッ
プ109)。
【0071】次いで、車輪取付ロボットRが備える絶対
座標系X−Y−Zにおいて上記車輪取付ロボットRを作
動させ、前工程で予めボルト孔(図示せず)の位相が規
整された車輪Tを車輪保持装置60が備える複数の爪部
材61,61…間に保持させる(ステップ110)。
【0072】車輪保持装置60に車輪Tが保持される
と、今度は、上述した(ステップA4)から(ステップ
A7)までの作業内容に係る位置データおよび姿勢デー
タ等の作業データを、上記作動ユーザ座標系X″−Y″
−Z″に対応したデータに変換し、図26に示すよう
に、この変換したデータに基づいて上記車輪取付ロボッ
トRを作動ユーザ座標系X″−Y″−Z″で作動させる
ことにより、搬送された車両AMのホイールハブH′に
車輪Tが取り付けられる(ステップ111、ステップ1
12)。
【0073】その後、車輪取付ロボットRが初期状態に
復帰され、車輪取付作業が終了する(ステップ11
3)。
【0074】以下、基準ユーザ座標系X′−Y′−Z′
に対応したデータに変換された位置データおよび姿勢デ
ータ等の作業データを、搬送された車両AMのホイール
ハブH′に対応する作動ユーザ座標系X″−Y″−Z″
のデータに都度変換することにより、基準状態に対して
位置や姿勢が偏差するホイールハブH′に順次車輪Tが
自動的に取り付けられることとなる。
【0075】図27乃至図29は、本発明に係るハブボ
ルトの位相規整装置の変形例を概念的に示したものであ
る。この変形例の位相規整装置140は、先に示した位
相規整装置40と同様に、任意の状態にある複数のハブ
ボルトHB11,HB12…の位相を所定の位相に規整する
もので、該位相規整装置40と同一の構成に、さらにス
トッパ手段141を備えている。なお、上記位相規整装
置40と同一の構成については、同一の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0076】図29に示すように、上記ストッパ手段1
41は、規整装置本体142にストッパ用シリンダアク
チュエータ143を備えている。ストッパ用シリンダア
クチュエータ143は、作動ロッド143aの先端にス
トッパ部材144を備えており、上記規整装置本体14
2内においてこのストッパ部材144が上記ラック部材
50の移動域上に出没する態様で、シリンダ本体143
bを介して該規整装置本体142に取り付けられてい
る。
【0077】上記のように構成された位相規整装置14
0では、上記規整用シリンダアクチュエータ49および
上記ストッパ用シリンダアクチュエータ143をそれぞ
れ最も縮退させた状態が初期状態となり、このとき、図
28に示すように、上記移動部材47は、上記固定部材
46との間にちょうど180°となる中心角を有してい
る。
【0078】今、規整装置本体142をホイールハブH
のハブ端面HTに対向接近させ、かつ互いの中心軸を合
致させると、図30(a)に示すように、上記固定部材
46および移動部材47のピン部材47bがそれぞれ複
数のハブボルトHB11,HB12…が配設された円周HB
π上に占位される。
【0079】この状態から、まず、上記ストッパ用シリ
ンダアクチュエータ143を伸長作動させることによっ
て上記ストッパ部材144をラック部材50の移動域上
に占位させ、規整用シリンダアクチュエータ49を1回
往復作動させる。
【0080】このとき、図29に示すように、ラック部
材50の移動がストッパ部材144によって規制されて
いるため、図30(b)に示すように、この規制された
移動距離に応じてレバー部材44が僅かに往復揺動され
る。
【0081】次いで、上記ストッパ用シリンダアクチュ
エータ143を縮退作動させることによって上記ストッ
パ部材144をラック部材50の移動域上から退避さ
せ、上記規整用シリンダアクチュエータ49を伸長作動
させる。
【0082】ストッパ部材144を退避させた状態で規
整用シリンダアクチュエータ49を伸長作動させると、
今度は移動部材47のピン部材47bが移動経路中にあ
るハブボルトHB11に当接してこれを移動させるため、
ホイールハブHが回動することによってハブボルトHB
11,HB12…の位相が変化する。
【0083】ホイールハブHの回動が進むと、やがてハ
ブボルトHB12が固定部材46のピン部材46bに当接
し、図30(c)に示すように、該固定部材46のピン
部材46bと移動部材47のピン部材47bとの間にハ
ブボルトHB11,HB12が挟装保持された状態となり、
複数のハブボルトHB11,HB12…が所定の位相、たと
えば図30(c)においては、時計の12時、3時、6
時および9時の位置に規整される。
【0084】図31は、規整装置本体142をホイール
ハブHに対向接近させた際に、固定部材46のピン部材
46bおよび移動部材47のピン部材47bがそれぞれ
ハブボルトHB12,HB14に合致した場合の位相規整状
態を順に示したものである。この図31(a)に示す状
態においては、図4(a)に示すように、固定部材46
のピン部材46bおよび移動部材47のピン部材47b
がそれぞれスプリング48の押圧力に抗して基部材46
a,47a内に縮退されてしまうため、該移動部材47
の初期の移動によってはホイールハブHは回動しない。
【0085】この状態から、上述したようにストッパ部
材144をラック部材50の移動域上に占位させて規整
用シリンダアクチュエータ49を1回往復作動させる
と、まず、移動部材47の往動によってそのピン部材4
7bとハブボルトHB14との位置がずれ、次いで、移動
部材47の復動の際にそのピン部材47bがハブボルト
HB14に当接してこれを移動させるため、図31(b)
に示すように、固定部材46のピン部材46bもハブボ
ルトHB12の位置からずれる。
【0086】したがって、以下、上述した作用と同様の
作用、すなわちストッパ部材144を退避させた状態で
規整用シリンダアクチュエータ49を伸長作動させれ
ば、図31(c)に示すように、ハブボルトHB11,H
B12…の位相が規整されることとなる。
【0087】この変形例に示した位相規整装置140に
おいても、上記位相規整装置と同様に、複数のハブボル
トHB11,HB12…が配設された円周HBπ上において
移動部材47を移動させ、該移動部材47のピン部材4
7bを介してホイールハブHを回動させることにより、
ハブボルトHB12を固定部材46のピン部材46bに当
接させるようにしているため、その数や配置態様に関わ
らず、ホイールハブHのハブボルトHB11,HB12…を
所定の位相に規整することができる。
【0088】なお、上記実施例では、車両AMの操舵輪
に対応するホイールハブHのハブボルトHBの位相を規
整するものについてのみ説明しているが、同一の作用に
よって操舵輪以外の車輪のハブボルトの位相も規整でき
ることはもちろんである。また、シリンダアクチュエー
タ14,18のストローク量によって位置の偏差を検出
するとともに、レーザー式の測距センサ32によって姿
勢の偏差を検出し、これら偏差に基づいて規整装置本体
41をホイールハブHに互いの中心軸が合致するように
対向配置しているが、本発明では、その他の位置計測装
置および姿勢計測装置によって偏差を検出し、規整装置
本体をホイールハブに互いの中心軸が合致するように配
置しても構わない。この場合、実施例においては、ホイ
ールハブHの正面から規整装置本体41をハブ端面HT
に接近させるようにしているが、ハブ端面の側方域から
規整装置本体を接近させてもよい。
【0089】また、上記実施例および変形例では、アク
チュエータとしてシリンダアクチュエータ49を適用す
るとともに、このシリンダアクチュエータ49の直線運
動をラック部材50とピニオンギヤ43との協働によっ
て回動運動に変換し、レバー部材44を介して移動部材
47をハブボルトHB1,HB2…が配設された円周HB
π上において移動させるようにしているが、本発明では
これらに限定されず、アクチュエータとしてモータ等の
回動アクチュエータを適用し、これによって移動部材を
移動させるようにしてもよいし、直接アクチュエータに
よって移動部材を移動させるようにしても構わない。
【0090】さらに、上記実施例および変形例では、い
ずれも初期状態において固定部材46および移動部材4
7が互いに開成状態にあり、該移動部材47を閉塞させ
る方向へ移動させることによって、これら固定部材46
および移動部材47間にハブボルトHBを挟装保持させ
るようにしているが、本発明ではこの逆の態様でもよ
い。すなわち、初期状態において互いに閉塞状態にある
固定部材および移動部材をハブボルト間に配置させ、該
移動部材を開成させる方向へ移動させるようにしてもよ
い。また、固定部材46および移動部材47は、いずれ
も基部材46a,47aに対して伸縮するピン部材46
b,47bを備えているため、これらピン部材46b,
47bとハブボルトHBとの位置が合致した場合にも該
ハブボルトHBの移動を規整することができるが、本発
明ではこれに限定されない。なお、この場合、固定部材
および移動部材は必ずしもピン状のものを適用する必要
はない。さらに、上記実施例および変形例では、移動部
材47をハブボルトHB1,HB2…が配設された円周H
Bπに沿って移動させるようにしているが、円周上を移
動させれば、必ずしも円周に沿わせる必要はない。すな
わち、直線状に円周上を移動してもハブボルトの位相を
規整することは可能である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るハブ
ボルトの位相規整装置によれば、複数のハブボルトが配
設された円周上において移動部材を移動させ、該移動部
材を介してホイールハブを回動させることによりハブボ
ルトを固定部材に当接させるようにしているため、その
数や配置態様に関わらず、ハブボルトを所定の位相に規
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るハブボルトの位相規整装
置を概念的に示した断面正面図である。
【図2】図2は、その断面側面図である。
【図3】図3は、その側面図である。
【図4】図4は、位相規整装置の要部を概念的に示した
もので、図4(a)は係合ピンとホイールハブのハブボ
ルトの位相が合致した状態を示した断面図、図4(b)
は係合ピンがホイールハブのハブボルトに作用している
状態を示した断面図である。
【図5】図5は、位相規整装置の作用を概念的に示した
模式図である。
【図6】図6は、位相規整装置の作用を概念的に示した
模式図である。
【図7】図7は、位相規整装置の作用を概念的に示した
模式図である。
【図8】図8は、本発明の適用した車輪の取付方法の実
施例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例における組立ラインの車輪取付
工程を概念的に示した斜視図である。
【図10】図10は、実施例に適用されるホイールハブ
の位置計測装置を概念的に示した側面図である。
【図11】図11は、その正面図である。
【図12】図12は、その平面図である。
【図13】図13は、位相規整装置によってハブボルト
の位相を規整している状態を示した斜視図である。
【図14】図14は、車輪保持装置によってホイールハ
ブに車輪を搭載している状態を示した斜視図である。
【図15】図15は、姿勢計測装置によってホイールハ
ブの姿勢を計測している状態を示した正面図である。
【図16】図16は、位置計測装置によってホイールハ
ブの位置を計測している状態を示した斜視図である。
【図17】図17は、姿勢計測装置によってホイールハ
ブの姿勢を計測している状態を示した斜視図である。
【図18】図18は、ホイールハブにおけるハブ端面の
計測点および基準座標系を示した斜視図である。
【図19】図19は、位置計測装置によって搬入された
車両のホイールハブの位置の偏差を計測している状態を
示した斜視図である。
【図20】図20は、姿勢計測装置によって搬入された
車両のホイールハブの姿勢の偏差を計測している状態を
示した斜視図である。
【図21】図21は、搬入された車両のホイールハブに
おけるハブ端面の計測点および作動座標系を示した斜視
図である。
【図22】図22は、基準状態にあるホイールハブと搬
入された車両のホイールハブとの姿勢の偏差を概念的に
示した平面図である。
【図23】図23は、その要部拡大図である。
【図24】図24は、基準状態にあるホイールハブと搬
入された車両のホイールハブとの位置の偏差および姿勢
の偏差を概念的に示した平面図である。
【図25】図25は、位相規整装置によって搬入された
車両のホイールハブにおけるハブボルトの位相を規整し
ている状態を示した斜視図である。
【図26】図26は、車輪保持装置によって搬入された
車両のホイールハブに車輪を搭載している状態を示した
斜視図である。
【図27】図27は、本発明に係るハブボルトの位相規
整装置の変形例を概念的に示した断面正面図である。
【図28】図28は、その側面図である。
【図29】図29は、その断面側面図である。
【図30】図30は、その作用を概念的に示した模式図
である。
【図31】図31は、その作用を概念的に示した模式図
である。
【符号の説明】
41,142 規整装置本体 46 固定部材 47 移動部材 H,H′ ホイールハブ HB ハブボルト HBπ 円周 HT,HT′ ハブ端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 19/04 B23P 21/00 303 B62D 65/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールハブのハブ端面に、その中心軸
    を中心とする円周上に配設された複数のハブボルトの位
    相を規整する装置であって、 上記ホイールハブのハブ端面に対向する部位に、互いの
    中心軸が合致された状態で配置される規整装置本体と、 この規整装置本体に配設され、上記複数のハブボルトが
    配設された円周上に占位する固定部材と、 上記規整装置本体に配設され、上記複数のハブボルトが
    配設された円周上に占位するとともに、この円周上を移
    動する移動部材とを備えたことを特徴とするハブボルト
    の位相規整装置。
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