JP3023942U

JP3023942U - 印判

Info

Publication number: JP3023942U
Application number: JP1995011130U
Authority: JP
Inventors: 照美若林
Original assignee: ニッテン株式会社
Priority date: 1995-10-20
Filing date: 1995-10-20
Publication date: 1996-05-07
Anticipated expiration: 2001-10-20

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】木製台木の印判に高級感を与える。【解決手段】直方体の木製台木１の一面に印版２を被覆
し、台木１の他の５面の全面にシート状物の被覆による
装飾層３を形成し、印版被覆面の反対側の面に立体レリ
ーフ６を突設する。台木１の木肌は、装飾層３に隠れて
見えないため、従来の直接に目に感じ、手に触れる台木
１の様に、木目の選択や表面仕上加工に手間をかける必
要はなく、松、ラワン等の安価な材料でも美しく且つ高
級感を醸しだすことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する分野】

本考案は、木製台木に印版を貼着した印判に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】

年賀状に使用する飾り絵、文字用の印判は、木製台木の一面にゴム製の印版を被覆し、その反対側面に印版の模様を印刷したシールを貼っているだけで、台木の周囲４面は木肌がそのまま露出しており、安っぽく感じる。

【０００３】図３に示す如く、台木(１)は長尺材(４)を必要寸法に切断して作られており、切断端面(41)は、サンドペーパ等によって磨いて、鋸刃(５)による木肌の荒れが取り除かれている。

【０００４】上記の様に、台木(１)は、木肌を露出させることが前提であるため、即ち、直接に目に感じ、又、直接に手に触れるものであるから、見た目に美しく、又、木肌が手にやさしいことが要求され、アルダー、アガチス、桂、朴、もみじ等、木の種類は限られていた。

【０００５】他方、主として建築材に用いられる、松、ラワン等は安価であるが、上記台木 (１)に要求される材質を満足しない。又、建築材は、使い途のない小端(寸法切りした残り端)が出やすく、小端は廃材として処理される無駄があった。

【０００６】出願人は、台木を、紙、布等のシート状物により被覆して装飾層を形成することにより木肌とは趣が異なり、且つ高級感を醸し出すことができ、然も台木の質を選ばない印判を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決する手段】

本考案の印判は、直方体の木製台木(１)の一面に印版(２)を貼着し、台木(１) の他の５面の全面に紙、布等のシート状物(31)を被覆して装飾層(３)を形成している。

【０００８】シート状物(31)の端部を印版貼着面に折込み、該シート状物の端部の上に印版 (２)を被せて、該端を隠してもよい。又、印版貼着面の反対側の面に立体レリーフ(６)を突設してもよい。

【０００９】

【作用及び効果】

台木(1)の木肌は、装飾層(3)に隠れて見えないため、従来の直接に目に感じ、手に触れる台木(１)の様に、木目の選択や表面仕上加工に手間をかける必要はなく、松、ラワン等の安価な材料でも美しく且つ高級感を醸しだすことができる。

【００１０】又、装飾層(３)を和紙等の吸水性素材にて形成すると、該装飾層(３)が手の汗を吸収して手の滑りを防止し、年賀状の様に数多く印を押す場合でも、美しく押印できる。台木(１)の上面に立体レリーフ(６)を突設する場合、デザインの幅が大きく広がり、又、レリーフ(６)の存在によって台木(１)を握り易くできる。

【００１１】

【考案の実施の態様】

図１は、台木(１)に被覆するシート状物（31）に紙（31a）を用いた実施例である。台木(１)は、長尺材を切断して立方体を含む直方体に形成されている。

【００１２】台木(１)の材料は、実施例ではポプラである。ポプラは素材としては従来の台木に使用されるアルダと価格差は殆どないが、従来の様に台木(１)を露出させる場合には、素材の色合の悪いもの、又、節の部分は商品にはならなかったので、素材の選択、歩留りを考えると従来よりも２〜３割は安価につく。

【００１３】台木(１)の一面に印版(２)を貼着する。印版(２)はゴム、合成樹脂にて台木( １)の印版貼着面より少し小さい輪郭に形成され、表面に文字、図柄等が凹凸によって表されている。台木(１)の印版貼着面を除く５面の全面に紙(31a)を接着して装飾層(３)を形成し、紙(31a)の端部を印版貼着面に折り返している。

【００１４】台木(１)に印版(２)と紙(31a)を貼着するに際し、先ず台木(１)の５面に紙(31 a)を貼り、紙(31a)の端部を印版貼着面に折り返し、該紙(31a)の折返し端部に被さる様に印版(２)を被覆すれば、紙(31a)の折返し端縁が印版(２)に隠れてしまうため美観を損うことがない。台木(１)の印版貼着面と反対側の面の紙面には、印版(２)の文字、図柄に対応する模様が施され、他の面にも種々の模様が施されている。

【００１５】然して、台木(１)の木肌は、装飾層(３)に隠れて見えないため、従来の直接に目に感じ、手に触れる台木(１)の様に、木目の選択や仕上表面加工に手間をかける必要はなく、松、ラワン等の安価な材料でも美しく仕上げることができる。

【００１６】又、紙(31a)は見た目にも感触もやさしく、美観を向上できる。特に和紙を用いた場合、他の紙(31a)に比べてそれらの効果が一層高まり、然も手との馴染みがよい。

【００１７】更に、和紙は吸水性が良好であるため、手の汗を和紙が吸収し、手の滑りを防止して、年賀状の様に数多く印を押す場合でも、美しく押印できる。押印面上に印判の和紙の面を当てて押えると、インキを和紙に吸取ることができ、ブロッター(インキ吸取り器)の役割をなすこともできる。

【００１８】本考案の実施において、装飾層(３)を形成するシート状物(31)は紙(31a)に限らず、布地、壁紙、合成樹脂シート、竹の皮等のシート状自然物を貼っても、夫々紙とは趣の異なった美観の印判となる。

【００１９】更に、図２の２点鎖線で示す如く、台木(１)の印版貼着面とは反対側面に立体レリーフ(６)を台木(１)に直接に或いは装飾層(３)の上から接着等により突設してもよい。立体レリーフ(６)を台木(１)に直接に接着する場合でも、台木(１)の他の部分は装飾層(３)で被覆することは勿論である。

【００２０】レリーフは、印判を握るときの邪魔にならぬ様な、突出高さ、位置を考慮してデザインされる。本考案は上記実施例の構成に限定されることはなく、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】印判の斜面図である。

【図２】印判の断面図である。

【図３】材料切りの説明図である。

【符号の説明】

(１) 台木 (２) 印版 (３) 装飾層 (４) 長尺材 (５) 鋸刃 (６) レリーフ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】直方体の木製台木(１)の一面に印版(２)
を貼着し、台木(１)の他の５面に紙、布等のシート状物
(31)を被覆して装飾層(３)を形成し、印版貼着面の反対
側の面に立体レリーフ(６)を突設している印判であっ
て、シート状物(31)の端部は印版貼着面に折り込まれ、
該シート状物の端部の上に印版(２)が被さり、印版(２)
に隠れている部分以外の全面が、シート状物(31)と立体
レリーフ(６)によって装飾が施されている印判。
【請求項２】直方体の木製台木(１)の一面に印版(２)
を貼着し、台木(１)の他の５面の全面に紙、布等のシー
ト状物(31)を被覆して装飾層(３)を形成した印判であっ
て、シート状物(31)の端部は印版貼着面に折込まれ、該
シート状物の端部の上に印版(２)が被さっている印判。
【請求項３】直方体の木製台木(１)の一面に印版(２)
を貼着し、台木(１)の他の５面の全面に紙、布等のシー
ト状物(31)を被覆して装飾層(３)を形成している印判。