JP3023735U - 金属包被扉パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縁部分の美観を損なわず、尚且つ、強度、耐
熱性等、サンドイッチ材の優れた特性を生かした扉パネ
ルを提供すること。 【構成】 金属外殻体によって芯材を包被し、さらに要
すれば、製品の表面全体を化粧被覆材で覆うという技術
的手段を採用した。 【効果】 パネル内部に框を埋込む必要が無くなるた
め、縁部分の外観がスッキリすると共に、パネルの製造
工程も少なくなり、また、製品全体を化粧被覆材で覆う
ことにより、実用的価値が高い建具及び家具用扉パネル
を提供することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金属で形成された外殻体で芯材を包被することを特徴とし、縁部分 が美観を有する、建具及び家具用扉パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現代の住宅における消費者の嗜好は大局的に見て洋風化が進み、日本古来の衣 服収納用の家具である箪笥の利用が少なくなり、それに変わって押入れに衣服収 納用の引出しや小物入れなどをそなえ、折畳み式の扉を設けたクローゼットの利 用が増えてきている。また同様に消費者は建具も、和風建具より洋風建具を選ぶ 傾向にあり、引き戸用又は扉用パネルに対する需要が急速に増加しているのが現 状である。

【０００３】 そもそもドアや引き戸、あるいは家具用扉に用いるパネルは、他のパネルに比 べて、外からの力が加わる事が多いので歪み等の狂いを生ずる確率が高い。故に 木材を材料とする場合はなるべく乾燥したもので、節その他の欠点の少ない柾目 材が良いとされている。

【０００４】 ところが、現在、木材は環境保全の観点から世界的に伐採が自粛され、木材そ ものの節約的活用が求められている。それゆえ、扉パネルを特性の優れた柾目材 だけで製作することは困難な情況になっているのである。

【０００５】 そこで、現在では柾目材の替わりに、異種の材料を接着材を用いてサンドイッ チ状に積層接着したサンドイッチ材を扉パネルに用いるようになってきた。この サンドイッチ材の長所は、表板の割れ、曲りなどのような狂いが生ずる惧れが少 ないことや、パネルの強度と剛性をその用途に応じて設計出来ること、断熱性が 優れており、保温、保冷に適し、吸湿率が極めて少なく吸湿による強度低下を考 える必要がないことであり、扉パネルとしては好ましい特性を持つ。

【０００６】 しかしながら、このように優れた特性のサンドイッチ材で、扉パネルを製作し た際に、図３に示すように，縁部分に芯材ｃが露出していると見栄えが悪くなる ことから、美観を保つべく芯材ｃを覆うために、或いは、パネルの強度を向上さ せるために、框ｂを埋込むことが必要であり、その分、扉パネルの製作工程が増 えた。しかし框ｂを埋め込むとはいえ、縁部分には依然、框ｂと表板ａとの境目 が存在し、見栄えを損なうばかりか、この表板ａが剥離する事態を生じることに もなった。

【０００７】

【本考案が解決しようとする技術的課題】

本考案は、従来のサンドイッチ材で扉パネルを製作した際に、前述の如き欠点 があったのに鑑みて、縁部分の美観を損なわず、なおかつ、強度、耐熱性等、サ ンドイッチ材の優れた特性を生かした扉パネルを提供することを技術的課題とす る。

【０００８】

【課題解決のために採用した技術的手段】

本考案者は、先ほど述べた欠点を除去すべく研究した結果、框を使用しないよ うに金属外殻体によって芯材を包被し、さらに要すれば、製品の表面全体を化粧 被覆材で覆うという手段を採用した。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基づいて、更に詳しく説明する。なお 図１は本考案の実施例品の断面図、図２は第一金属外殻体１と第二金属外殻体２ の断面図、図３は従来のサンドイッチ材で扉パネルを製作したものの斜視図、図 ４は実施変形例品の第一金属外殻体１と第二金属外殻体２の断面図である。

【００１０】 アルミニウムの第一金属外殻体１の側縁を、繰形曲面形状に押出成型し、その 第一金属外殻体１にハニカムコア構造の芯材３を、挿入、接着する。そして前記 第一金属外殻体１の存しない芯材３の残余の一側面に、第一金属外殻体１と同材 質のアルミニウムで形成された第二金属外殻体２を、第一金属外殻体１と共に芯 材３を包被するように接着する。すると、このことにより、パネル材の縁部分は 第一金属外殻体１と第二金属外殻体２とで完全に包被され、スッキリとした外観 になり、強度、耐熱性等、芯材３が有する特性を最大限に生かすことも可能にな る。

【００１１】 また本実施例においては、芯材３を包被する第一金属外殻体１及び第二金属外 殻体２の表面に、木目調の塩化ビニルシートから成る化粧被覆材４が被着されて おり、パネル全体があたかも柾目材パネルのごとき外観を呈している。

【００１２】 また本考案は前述の実施例に限定されるもので決してなく、「実用新案登録請 求の範囲」の記載内において種々の設計変更が可能であって、例えば第一金属外 殻体１の繰形曲面の具体的形状は勿論のこと、第一金属外殻体１や、第二金属外 殻体２の全体形状についても種々の形状変更が可能である。上記実施例において は第二金属外殻体を板形状にしているが、図４に示すように第二金属外殻体２に 繰形部分をもたせるようにしてもよい。

【００１３】 また、第一金属外殻体１及び第二金属外殻体２も材質を変更できる他、第一金 属外殻体１及び第二金属外殻体２とを互いに異なった材料で形成してもよい。ま た、芯材３の材質も木材や合板、もしくはＭＤＦ（中質繊維板）に変更が可能で あるし、製品全体の表面に被着せしめる化粧被覆材４も大理石風や、パターン化 された色彩のものなど、様々な模様のものに変更が可能であることも本考案の技 術的範囲に属することは言うまでもない。

【００１４】

【本考案の効果】

以上、実施例をもって説明したとおり、本考案パネルにあっては、縁部分に框 を埋込む必要が無いため、縁部分の外観がスッキリとしたものになり、その分パ ネルの製造工程も少なくなり、芯材３が有する特性を最大限に生かすことができ る。

【００１５】 また必要であれば、第一金属外殻体１及び第二金属外殻体２の表面を化粧被覆 材で覆うようにすれば、木目調パネル材として形成することもでき、実用的価値 が高い建具及び家具用扉パネルを簡単に提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は実施例品の断面図である。

【図２】 図２は実施例の第一金属外殻体１及び第二金
属外殻体２の断面図である。

【図３】 図３は従来のサンドイッチ材の斜視図であ
る。

【図４】 図４は実施変形例の第一金属外殻体１及び第
二金属外殻体２の断面図である。

【符号の説明】

１ 第一金属外殻体 ２ 第二金属外殻体 ３ 芯材 ４ 化粧被覆材 （内容に変更なし）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第一金属外殻体１と第二金属外殻体２と
   芯材３とから構成されるパネルであって、第一金属外殻
   体１と第二金属外殻体２とで芯材３を包被することを特
   徴とする金属包被扉パネル。
2. 【請求項２】 第一金属外殻体１と第二金属外殻体２と
   芯材３とから構成されるパネルであって、第一金属外殻
   体１と第二金属外殻体２とで芯材３を包被し、さらに第
   一金属外殻体１及び第二金属外殻体２で構成される表面
   全体を化粧被覆材４で被着せしめることを特徴とする金
   属包被扉パネル。