JP3023091B1 - ごみ焼却炉における燃焼制御方法及び装置 - Google Patents

ごみ焼却炉における燃焼制御方法及び装置

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JP3023091B1 JP10297853A JP29785398A JP3023091B1 JP 3023091 B1 JP3023091 B1 JP 3023091B1 JP 10297853 A JP10297853 A JP 10297853A JP 29785398 A JP29785398 A JP 29785398A JP 3023091 B1 JP3023091 B1 JP 3023091B1
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Abstract

【要約】 【課題】 ごみ質の変化に応じた燃焼制御を行い、ごみ
の完全燃焼、安定燃焼を図る。 【解決手段】 ごみ焼却炉10でごみを燃焼させるに際
し、ごみ焼却炉10における計測信号とごみ焼却炉10
の炉内温度分布モデル28を用いて、ごみ焼却炉10の
燃焼室出口ガス温度TGの設定値をリアルタイムに算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉におい
て、炉内のガス温度分布モデルと計測信号を用いて燃焼
制御を行い、ごみの完全燃焼・安定燃焼を図る燃焼制御
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉において、排ガス中のCO、
NOx濃度を抑制するためには、ごみを安定燃焼させる
ことが必要不可欠である。ごみの安定燃焼を図るために
は、焼却炉内の燃焼ガス温度及びガス滞留時間を所定の
範囲に保つことが必要である。また、ごみ焼却炉におい
て、ダイオキシン類の発生防止、その代替指標の一つで
ある排ガス中のCOの抑制のために、ごみの安定燃焼が
必要とされている。1997年の厚生省の指針「ごみ処
理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン ダイ
オキシン類削減プログラム」では、ダイオキシン類排出
濃度削減のための様々な対策が示されている。その中
で、燃焼ガス温度850℃以上でガス滞留時間2秒以上
が、ダイオキシン類を熱分解するための安定燃焼の指標
となっている。したがって、ごみの安定燃焼及び完全燃
焼のためには、高いガス温度と長いガス滞留時間を実現
するための燃焼制御が必要である。
【0003】また、従来のごみ焼却炉の燃焼制御方法と
しては、特開平4−254101号公報に示されるよう
に、回転炉、後燃焼火格子、ガス再燃焼室からなるごみ
焼却炉において、回転炉のガス温度分布を回転炉の長さ
方向に入口、中央、3/4、出口の4点で計測して、ガ
ス温度分布の上限値、下限値を設定し、回転炉内の4点
全てのガス温度が上限値を越えるか、又は下限値を下回
ると、排ガス再循環量、火格子速度、空気流量等を操作
し、温度分布を設定した上・下限値の範囲内に収めるよ
うに制御を行う方法が知られている。この公報に記載さ
れた方法では、炉出口ガス温度、すなわち、再燃焼室ガ
ス温度は、設定温度幅を定めて、この温度幅を外れたと
きに再燃焼室空気流量を操作し、これにより、ガス温度
が設定温度幅内に収まるように制御されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ごみ
の安定燃焼を図るためには、ごみ焼却炉内の燃焼ガス温
度及びガス滞留時間を所定の範囲に保つことが必要であ
るが、ごみ焼却炉においては、炉内に投入されるごみ
質、すなわち、ごみの比容積や低位発熱量などの物理的
・化学的性状が不均一である上に変化することにより、
ガス温度及びガス滞留時間が変動して、ガス温度分布が
変化し、ごみの安定燃焼が図れず、場合によっては、排
ガス中のCO、NOxが十分に抑制できない可能性があ
る。また、ごみ焼却炉において、高いガス温度と長いガ
ス滞留時間でごみを完全燃焼・安定燃焼させるために
も、ごみ質の変化に応じた燃焼制御を実施する必要があ
る。
【0005】また、上記の特開平4−254101号公
報記載の方法は、回転炉内のごみの流れ方向のガス温度
分布を計測しており、再燃焼室での温度分布は計測して
おらず、再燃焼室でのガス滞留時間を維持するように制
御するものでもない。また、炉出口ガス温度(再燃焼室
ガス温度)の制御については、ある設定温度幅内となる
ように制御しているだけであり、ごみ質、すなわち、ご
みの物理的・化学的性状が変動した場合でも、ごみ質の
変化に応じて設定値を変化させることはできない。ま
た、上記公報記載の方法は、ガス温度のみを所定の範囲
内に収める制御方法であり、ガス滞留時間を所定時間と
する制御は行われていない。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、ごみ焼却炉において、炉内の燃焼
ガス温度、ガス滞留時間を決める要因の一つに炉内のガ
ス温度分布が考えられ、ガス温度分布がごみ質、すなわ
ち、ごみの比容積や低位発熱量などの物理的・化学的性
状の変化に伴って変化することから、ごみ焼却炉の炉内
ガス温度分布を把握することにより、この炉内ガス温度
分布モデルとごみ焼却炉の計測信号とを用いて、ごみ質
の変化に応じた燃焼制御が実施できる燃焼制御方法及び
装置を提供することにある。また、本発明の目的は、ご
み焼却炉内の燃焼ガス温度及びガス滞留時間を所定の範
囲に維持するように燃焼制御を行うことにより、ごみの
安定燃焼を図ることができ、排ガス中のCO、NOxが
抑制できる燃焼制御方法及び装置を提供することにあ
る。また、本発明の目的は、ごみ焼却炉において、高い
ガス温度と長いガス滞留時間でごみを焼却するように燃
焼制御を行うことにより、ごみの完全燃焼・安定燃焼が
図れる燃焼制御方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、ごみ焼却炉に
おける燃焼制御方法としては、ごみ焼却炉でごみを燃焼
させるに際し、ごみ焼却炉における計測信号とごみ焼却
炉の炉内ガス温度分布モデルを用いて、ごみ焼却炉の炉
出口ガス温度の設定値をリアルタイムに算出するよう
構成とする。また、ごみ焼却炉における燃焼制御方法
しては、ごみ焼却炉でごみを燃焼させるに際し、ごみ焼
却炉における計測信号とごみ焼却炉の炉内ガス温度分布
モデルを用いて、炉内のガス温度及びガス滞留時間を所
定の範囲に維持するように炉出口ガス温度の設定値を算
出するような構成とする。上記の方法において、炉出口
ガス温度の設定値に炉出口ガス温度を近づけるようにご
み焼却炉の燃焼条件を操作することにより、炉内のガス
温度が常に所定温度に保たれ、かつ、ガス滞留時間が常
に所定時間に保たれてごみの安定燃焼が図れるようにす
ることが好ましい。
【0008】上記の目的を達成するために、本発明の
み焼却炉における燃焼制御方法は、ごみ焼却炉でごみを
燃焼させるに際し、ごみ焼却炉の計測信号を用いて焼却
炉内での燃焼ガスの流速を算出し、このガス流速の値か
らガスが所定時間滞留するのに必要な炉(フリーボード
部)内の高さ方向の距離を算出し、この距離を炉内のど
の位置とするかを定めて炉内目標位置を決定し、つい
で、炉内のガスの流れ方向に沿って複数箇所のガス温度
を計測して各計測点での空気比毎のガス温度の平均値か
ら導出した炉内のガス温度分布モデルを用いて、空気比
の値から炉内のガス温度分布を算出し、算出されたガス
温度分布において、前記炉内目標位置でのガス温度と、
炉出口ガス温度を計測するために設置された温度計の炉
内温度計位置でのガス温度とを算出し、炉内目標位置で
のガス温度と炉内温度計位置でのガス温度との差、及び
ごみの完全燃焼に必要と考えられるガス温度基準値から
炉(燃焼室)出口ガス温度の設定値を算出し、炉(燃焼
室)出口ガス温度が算出された設定値に維持されるよう
に燃焼条件を操作するように構成されている(図1〜図
6参照)。
【0009】また、本発明の燃焼制御方法は、ごみ焼却
炉でごみを燃焼させるに際し、ごみ焼却炉の計測信号を
用いて焼却炉内での燃焼ガスの流速を算出し、このガス
流速の値からガスが2秒以上、望ましくは4秒以上(す
なわち、2〜4秒以上)の所定時間滞留するのに必要な
炉(フリーボード部)内の高さ方向の距離を算出し、こ
の距離を炉内のどの位置とするかを定めて炉内目標位置
を決定し、ついで、炉内のガスの流れ方向に沿って複数
箇所のガス温度を計測して各計測点での空気比毎のガス
温度の平均値から導出した炉内のガス温度分布モデルを
用いて、空気比の値から炉内のガス温度分布を算出し、
算出されたガス温度分布において、前記炉内目標位置で
のガス温度と、炉出口ガス温度を計測するために設置さ
れた温度計の炉内温度計位置でのガス温度とを算出し、
炉内目標位置でのガス温度と炉内温度計位置でのガス温
度との差、及び850℃以上の適当なガス温度基準値か
ら炉(燃焼室)出口ガス温度の設定値を算出し、炉(燃
焼室)出口ガス温度が算出された設定値に維持されるよ
うに燃焼条件を操作して、炉内の燃焼ガス温度850℃
以上、かつ、ガス滞留時間2〜4秒間以上の高いガス温
度及び長いガス滞留時間でごみを焼却することを特徴と
している(図1〜図6参照)。
【0010】これらの本発明の方法において、ごみ焼却
炉の計測信号としては、1次空気流量、2次空気流量、
炉(燃焼室)出口ガス温度、炉(燃焼室)出口酸素濃
度、炉内注水量の値を用いることができる(図1、図6
参照)。また、これらの本発明の方法において、ごみ焼
却炉の炉内ガス温度分布モデルを導出するに際し、炉内
のガスの流れ方向に沿って複数箇所のガス温度を計測
し、これらのデータを空気比毎のデータに分けて空気比
毎のガス温度の平均値をとり、各計測点での空気比毎の
ガス温度の平均値からガス温度分布を多項式近似するこ
とができる(図3〜図5参照)。
【0011】また、これらの本発明の方法において、ガ
ス混合用のくびれを有し該くびれのガス流れ方向下流側
に再燃焼域が形成されるごみ焼却炉の炉内ガス温度分布
は、ガス混合用くびれ位置でのガス温度、ガス混合用く
びれ位置からの高さ方向の距離及び空気比の値で表すこ
とができる。また、これらの本発明の方法において、算
出された炉(燃焼室)出口ガス温度の設定値を用いて、
炉(燃焼室)出口ガス温度を設定値に維持するために、
ごみ供給速度(給じん装置速度)、2次空気流量、1次
空気流量及び炉内注水量の少なくともいずれかを操作す
ることが好ましい。
【0012】本発明のごみ焼却炉における燃焼制御装置
は、ごみを高いガス温度及び長いガス滞留時間で焼却す
るように制御するためのごみ焼却炉に接続された燃焼制
御装置であって、すなわち、ごみ焼却炉に投入されたご
みを高いガス温度及び長いガス滞留時間で焼却するため
の燃焼制御装置であって、ごみ焼却炉の計測信号を入力
して焼却炉内での燃焼ガスの流速を算出するためのガス
流速演算部と、ガス流速演算部で算出されたガス流速の
値からガスが所定時間滞留するのに必要な炉(フリーボ
ード部)内の高さ方向の距離を求め、この距離を炉内の
どの位置とするかを炉内目標位置として算出するための
炉内目標位置演算部と、ごみ焼却炉の炉(燃焼室)出口
酸素濃度の値から空気比を算出するための演算器と、焼
却炉内のガスの流れ方向に沿って複数箇所のガス温度を
計測して各計測点での空気比毎のガス温度の平均値から
導出された炉内のガス温度分布モデルを表す式が内蔵さ
れる炉内温度分布モデルと、演算器で算出された空気比
の値と炉内温度分布モデルの式とを用いて炉内のガス温
度分布を算出するための炉内温度分布演算部と、炉内温
度分布演算部で算出されたガス温度分布を用いて、炉内
目標位置演算部で算出された炉内目標位置でのガス温度
と、炉出口ガス温度を計測するために設置された温度計
の炉内温度計位置でのガス温度とを算出し、炉内目標位
置でのガス温度と炉内温度計位置でのガス温度との差、
及びごみの完全燃焼に必要と考えられるガス温度基準値
から炉(燃焼室)出口ガス温度の設定値を算出するため
の炉出口ガス温度設定値演算部と、炉出口ガス温度設定
値演算部で算出された設定値と炉(燃焼室)出口ガス温
度の計測信号との差を打ち消すように、ごみ焼却炉に操
作量を出力して炉(燃焼室)出口ガス温度を制御するた
めの制御器とを包含することを特徴としている(図6参
照)。
【0013】上記の本発明の装置において、ごみ焼却炉
のフリーボード部が上流側燃焼域と下流側燃焼域とから
なり、上流側燃焼域と下流側燃焼域との間にガス混合用
のくびれが形成され、ガス混合用のくびれ位置から炉出
口までの下流側燃焼域がガスの再燃焼域となるごみ焼却
炉に接続された燃焼制御装置であって、すなわち、この
ごみ焼却炉を燃焼制御するための燃焼制御装置であっ
て、炉内目標位置演算部において、くびれ位置を基準と
してガスが所定時間滞留するのに必要なフリーボード部
内の高さ方向の距離から炉内目標位置を算出することが
できる(図1、図2、図6参照)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、流動層を持つごみ焼却炉を
対象として本発明の実施の形態について説明するが、本
発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではな
く、適宜変更して実施することが可能なものである。す
なわち、本発明は、流動層ごみ焼却炉以外の他の焼却炉
(例えば、ストーカ炉、キルン式炉等)に適用すること
も可能である。また、本実施の形態は、以下に示す手順
によって、ごみ焼却炉の炉内ガス温度分布を用いた燃焼
制御を実施するものであるが、本発明は下記の手法に何
ら限定されるものではなく、ごみ焼却炉の種類等によっ
て適宜変更することが可能なものである。図1は、本発
明の実施の形態によるごみ焼却炉における燃焼制御装置
のうちのごみ焼却炉の概略構成を示している。なお、ご
み焼却炉は燃焼制御装置を含むように構成されている。
【0015】図1に示すように、このごみ焼却炉におい
ては、ごみは給じん装置12によりごみ投入口11から
焼却炉10内に供給される。1次空気送風機(図示略)
により1次空気供給管13を介して1次空気が風箱14
に供給され、この1次空気により流動層部15の流動媒
体が流動化される。この流動層部15に前述のごみが投
入されてガス化・燃焼し、これにより生じた未燃ガスが
フリーボード部16で完全燃焼するように構成されてい
る。このフリーボード部16には、2次空気送風機(図
示略)により2次空気供給管17を介して2次空気が供
給され、この2次空気で未燃ガスを完全燃焼させるよう
にしている。具体的には、フリーボード部16が上流側
燃焼域18と下流側燃焼域(以下、適宜「再燃焼域」と
いう)19とからなり、上流側燃焼域18と下流側燃焼
域19との間には、ガスの混合を考慮した炉のくびれ
(ガス混合用くびれ又は絞り部)20が形成されてい
る。そして、2次空気は、その大部分が2次空気供給管
21を介してくびれ20位置の近傍に供給され、残りの
一部が分岐された2次空気供給管21aを介して上流側
燃焼域18に供給されている。なお、再燃焼域19は、
ガス混合用くびれ20の位置から燃焼室出口(ガス排出
口32の入口)までの区域である。また、流動層部15
の温度を一定範囲内に制御するために、流動層部15内
に冷却水供給管22を介して冷却水が供給されて直接冷
却されるように構成されている。この場合、流動層部1
5内に伝熱管(水冷管)を埋設する等して間接的に温度
を制御することも可能である。後述するが、24は温度
計である。
【0016】上記のようなごみ焼却炉の燃焼制御方法を
以下の手順1〜4に示す。手順1.ガス流速の算出ごみ
焼却炉の計測信号を用いて焼却炉内での燃焼ガスの流速
を算出する。ガス流速の計算は、例えば、次のように式
(1)〜(4)を用いて行う。 GT=GA1+GA2 (1) λ=21/(21−O2) (2) GG=(GT*((1/λ)*(V0/A0)+(λ−1)/λ) +22.4/18*GSP)*(273+TG)/273 (3) VG=GG/SF (4)
【0017】なお、上記の式(1)〜(4)における記
号の説明は次の通りである。 GT : 総空気流量[Nm3/s] GA1 : 1次空気流量[Nm3/s] GA2 : 2次空気流量[Nm3/s] λ : 空気比[−] O2 : 燃焼室(炉)出口酸素濃度[%] GG : 発生ガス量[m3/s] V0 : 理論ガス量[Nm3/kg] A0 : 理論空気量[Nm3/kg] TG : 燃焼室(炉)出口ガス温度[℃] GSP : 炉内注水量[kg/s] VG : ガス流速[m/s] SF : 燃焼室水平(横断面)方向断面積[m2
【0018】また、計算に用いるガス中の酸素濃度とガ
ス温度はそれぞれ、燃焼室出口酸素濃度と燃焼室出口ガ
ス温度で代表している。式(1)〜(4)において、計
測信号は、1次空気流量GA1、2次空気流量GA2、
燃焼室出口酸素濃度O2、燃焼室出口ガス温度TG、炉
内注水量GSPである。したがって、式(1)〜(4)
により焼却炉内の排ガス流速VGを、ごみ焼却炉の計測
信号を用いてリアルタイムに算出できる。なお、計測信
号や計算式は上記のものに限定されるものではない。
【0019】手順2.ガスが所定の時間滞留するのに必
要な炉内の距離の算出前記で計算したガス流速VGを用
いて、ガスが所定の時間滞留するのに必要な炉(フリー
ボード部)内の高さ方向の距離を算出する。距離の計算
は、例えば、次のように式(5)を用いて行う。 LS=VG*TM (5) なお、上記の式(5)における記号の説明は次の通りで
ある。 LS : ガスが所定の時間滞留するのに必要な炉内
の距離[m] TM : 所定のガス滞留時間[s](2〜4秒以
上) このように、所定のガス滞留時間を確保するために必要
な炉(フリーボード部)内の高さ方向の距離LSを、式
(5)を用いてリアルタイムに算出する。所定のガス滞
留時間TMについては、2秒以上ないしは4秒以上で適
当な値を選ぶ。一例として、4〜5秒のうちの適当な時
間、例えば、4秒が選ばれる。さらに、前記の距離LS
を炉内のどの位置での距離とするかを定める。この位置
は、例えば、図2に示すように、ガス混合用くびれ20
の位置を基準(A点)として、そこからガスの流れ方向
の下流側に向かって距離LSの範囲とする。そして、A
点から距離LSの位置(B点)を算出する。以下、B点
を炉内目標位置と称する。図2の炉内温度計位置(C
点)については後述する。なお、図2は、図1に示すご
み焼却炉の要部を示し、符号の説明は図1の場合と同じ
である。
【0020】手順3.温度分布モデルの導出 前記の炉内目標位置を用いて燃焼制御を行うために、炉
内のガス温度分布モデルを以下の通り作成する。図1に
示すごみ焼却炉10において、炉内のガスの流れ方向に
沿って複数箇所のガス温度を計測する。本実施の形態で
は、炉内の鉛直方向のガス温度分布を計測する。ガス温
度の計測は、例えば、図3に示すように、再燃焼域19
内にガスの流れ方向に沿って鉛直に複数の熱電対23を
設置して計測する。なお、図3は、図1に示すごみ焼却
炉の要部を示し、符号の説明は図1の場合と同じであ
る。図4は、ガス混合用くびれ位置から燃焼室(炉)出
口までの温度分布を計測したときの各熱電対の温度を整
理した結果の一例である。横軸はガス温度であり、80
0〜1000℃の範囲を示す。縦軸はガス混合用くびれ
位置からの高さであり、0〜10mの範囲を示す。図4
は、ガス混合用くびれ位置から1mの高さではガス温度
が約890〜960℃の範囲にあり、位置が高くなるに
つれて温度が下がり、ガス混合用くびれ位置から8mの
高さではガス温度が約830〜890℃の範囲にあるこ
とを示している。このことから、炉内のガス温度は、ガ
スの流れの上流側で高く、下流側(燃焼室出口付近)に
行くにしたがって温度が下がる傾向があることがわか
る。
【0021】ガス温度分布モデルは、例えば、ガス混合
用くびれ位置から燃焼室出口までの範囲について作成す
る。ガス温度分布モデルを用いることにより、燃焼室
(フリーボード部)内の鉛直方向の各位置でのガス温度
が、ガス混合用くびれ位置からの距離とくびれ位置での
ガス温度、炉内の空気比から算出できる。図4のデータ
を空気比が大きいときのデータ、空気比が小さいときの
データ、それらの中間のデータに分け、各空気比毎のデ
ータの平均値をとる。各熱電対のデータの空気比毎の平
均値から最小二乗法などを用いて燃焼室内温度分布を多
項式近似する。ただし、近似方法としては最小二乗法に
限定されるものではなく、適宜他の近似方法等を採用す
ることが可能である。各計測点での空気比毎のガス温度
の平均値と多項式近似したグラフの一例を図5に示す。
横軸はガス温度であり、840〜940℃の範囲を示
す。縦軸はガス混合用くびれ位置からの高さであり、0
〜10mの範囲を示す。空気比が大きいときの温度デー
タの平均値を+印で示し、多項式近似したグラフを点線
で示す。空気比が小さいときの温度データの平均値を○
印で示し、多項式近似したグラフを実線で示す。空気比
がその間のときの温度データの平均値を×印で示し、多
項式近似したグラフを破線で示す。図5より、空気比に
よってガス温度が下がる傾向に違いがあることがわか
る。
【0022】燃焼室内の温度をT[℃]、ガス混合用く
びれ位置からの高さをL[m]、ガス混合用くびれ位置
でのガス温度をT0[℃]、空気比をλとすると、燃焼
室内温度分布モデルは、下記の数1に示される式(6)
で表され、係数Ai、T0は空気比によって変化する。
なお、図5における多項式近似したグラフは、式(6)
においてn=1の場合、すなわち、1次式として近似し
た場合のグラフである。 温度分布モデルにより、ガス
混合用くびれ位置付近の高温燃焼ガスが、燃焼室下流側
に行くにしたがってどのように温度変化するかが、くび
れ位置からの高さと空気比から把握できる。
【0023】
【数1】
【0024】手順4.炉出口ガス温度設定値の導出前記
で作成した炉内温度分布モデルを用いた、炉出口ガス温
度設定値の算出方法を以下に示す。図1に示すごみ焼却
炉10において、炉出口ガス温度を所定温度に維持する
ように制御を行うために、本実施の形態では、再燃焼域
19の温度を常時、温度計24により計測し所定温度に
維持するように制御を行う。焼却炉10において、前述
の図2に示すように、温度計24の位置をC点とする。
以下、C点を炉内温度計位置と称する。炉出口ガス温度
の設定値を以下の通り算出する。ある時点での空気比を
用いて、前記の温度分布モデルより炉内ガス温度分布を
算出する。算出した温度分布モデルにおいて、炉内目標
位置(B点)でのガス温度と炉内温度計位置(C点)で
のガス温度を算出し、それらの温度差を式(7)を用い
て算出する。 TD=TC−TB (7) なお、上記の式(7)における記号の説明は次の通りで
ある。 TB : 温度分布モデルにおける炉内目標位置での
ガス温度[℃] TC : 温度分布モデルにおける炉内温度計位置で
のガス温度[℃] TD : 温度分布モデルにおける炉内目標位置と炉
内温度計位置とのガス温度差[℃]
【0025】さらに、炉出口ガス温度設定値を式(8)
を用いて算出する。 TS=TF+TD (8) なお、上記の式(8)における記号の説明は次の通りで
ある。 TS : 炉出口ガス温度設定値[℃] TF : ガス温度基準値[℃](850℃以上) ガス温度基準値TFはごみの完全燃焼に必要と考えられ
る温度であり、850℃以上で適当な値を選ぶ。一例と
して、850〜860℃のうちの適当な温度、例えば、
850℃が選ばれる。このように、式(8)を用いて炉
出口ガス温度の設定値がリアルタイムに算出できる。そ
して、炉出口ガス温度を、算出した設定値に維持するよ
うに制御するために、給じん装置速度(ごみ供給速
度)、2次空気流量、1次空気流量、炉内注水量等を操
作する。ただし、本手法は十分なガス温度及びガス滞留
時間を確保することが目的であり、算出した炉出口ガス
温度設定値が予め設定しておくガス温度設定値の下限値
より高い場合にのみ設定値を変更する。これにより、炉
内のガスが、ガス温度基準値TF以上で、かつ、ガス滞
留時間TM以上、すなわち、ガス温度850℃以上で、
かつ、ガス滞留時間2秒以上ないしは4秒以上を維持す
るように制御することが可能となる。
【0026】つぎに、図6に基づいて、ごみ焼却炉10
と燃焼制御装置34とから構成されるごみ焼却炉の燃焼
制御系について説明する。図6は、燃焼制御装置を含む
ごみ焼却炉の燃焼系の全体図である。ごみ焼却炉の全体
の制御系は、図6の構成に周辺制御系が付加されたもの
であり、図6は本発明の実施の形態による燃焼制御に関
係のある信号の流れだけを示している。ガス流速演算部
25は、入力されたごみ焼却炉10の計測信号を用いて
ガス流速をリアルタイムに算出する。炉内目標位置演算
部26は、算出したガス流速を用いて炉内目標位置をリ
アルタイムに算出する。演算器27は、燃焼室出口酸素
濃度と前記の式(2)を用いて空気比を算出する。つぎ
に、炉内温度分布演算部29は、空気比と前記の数1に
示される式(6)の炉内温度分布モデル28を用いて現
在の温度分布を算出する。そして、炉出口ガス温度設定
値演算部30は、前述した手法で炉内温度計位置でのガ
ス温度設定値を算出する。算出された設定値を用いて炉
出口ガス温度制御が行われ、給じん装置速度(ごみ供給
速度)、2次空気流量、1次空気流量、炉内注水量等が
操作される。制御器31は、設定値と計測信号との差を
打ち消すように働き、例えば、比例動作、積分動作、微
分動作(PID制御)を行う。
【0027】図7、図8、図9は、本発明の燃焼制御方
法を実炉(流動床ごみ焼却炉)のデータを用いて検証し
た結果の一例である。3つのグラフとも、横軸は時間で
あり運転開始から1時間のデータを示している。各グラ
フを説明すると、図7は、本発明の燃焼制御方法に用い
る空気比の実炉データの経時変化を示しており、図8
は、本発明の燃焼制御方法を用いて求めた炉出口ガス温
度の設定値の算出結果の経時変化を示しており、図9
は、同じ時間での実炉の炉出口ガス温度の経時変化を示
している。本発明の方法を用いて燃焼制御を実施した場
合、図7に示す空気比の実炉データの変化に応じて、炉
出口ガス温度の設定値は図8のように変化し、この設定
値に近づくように制御が行われるため、炉出口ガス温度
の実炉データは図8と同様の挙動を示す結果となればよ
い。そこで、図8と図9とを比較すると、炉出口ガス温
度の設定値の挙動と炉出口ガス温度(実炉データ)の挙
動はよく一致していることがわかる。このことから、本
発明の燃焼制御方法により算出される炉出口ガス温度の
設定値は、炉内の燃焼ガス温度及びガス滞留時間を所定
の範囲に維持するように制御するのに妥当なものである
ことがわかる。上記の実施の形態は、ガス分散板タイプ
の流動層炉について説明したが、散気管タイプの流動層
炉とすることも勿論可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) ごみ焼却炉の炉出口ガス温度の設定値が、ごみ
焼却炉の計測信号と炉内ガス温度分布モデルを用いてリ
アルタイムに算出されるので、ごみ質、すなわち、ごみ
の比容積や低位発熱量などの物理的・化学的性状の変化
に応じた燃焼制御を実施することができる。 (2) ごみ焼却炉内の燃焼ガス温度及びガス滞留時間
が所定の範囲に維持されるように炉出口ガス温度の設定
値が算出されるので、ごみの安定燃焼を図ることがで
き、排ガス中のCO、NOxを抑制することができる。 (3) ごみ焼却炉内の燃焼ガスが、高いガス温度、か
つ、長いガス滞留時間(例えば、温度850℃以上で滞
留時間2秒以上ないしは4秒以上)となるように炉出口
ガス温度の設定値が算出されるので、ごみの完全燃焼・
安定燃焼が可能となり、特に、排ガス中のCOの抑制が
図れる。 (4) 炉出口ガス温度の設定値に炉出口ガス温度が近
づくように燃焼制御が行われるので、炉内のガス温度が
常に所定温度に保たれ、かつ、ガス滞留時間が常に所定
時間に保たれて、ごみの安定燃焼が可能となり、排ガス
中のCO、NOxの抑制が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるごみ焼却炉における
燃焼制御装置のうちのごみ焼却炉を示す概略構成図であ
る。
【図2】図1に示すごみ焼却炉の要部を示し、ガス混合
用くびれ位置(A点)、炉内目標位置(B点)及び炉内
温度計位置(C点)を説明する概略構成図である。
【図3】図1に示すごみ焼却炉の要部を示し、再燃焼域
内にガスの流れ方向に沿って鉛直に複数の熱電対を設置
したガス温度分布の計測について説明する概略構成図で
ある。
【図4】ガス混合用くびれ位置から燃焼室出口までの温
度分布を計測したときの各熱電対の温度を整理した結果
の一例を示す線図である。
【図5】図4の測定結果において、各計測点での空気比
毎のガス温度の平均値と多項式近似したグラフの一例を
示す線図である。
【図6】本発明の実施の形態によるごみ焼却炉における
燃焼制御装置の全体構成を示す概略説明図である。
【図7】本発明の燃焼制御方法を実炉のデータを用いて
検証した結果の一例であり、空気比の実炉データの経時
変化を示すグラフである。
【図8】本発明の燃焼制御方法を実炉のデータを用いて
検証した結果の一例であり、炉出口ガス温度設定値の算
出結果の経時変化を示すグラフである。
【図9】本発明の燃焼制御方法を実炉のデータを用いて
検証した結果の一例であり、図7及び図8と同じ時間で
の実炉の炉出口ガス温度の経時変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 ごみ焼却炉 11 ごみ投入口 12 給じん装置 13 1次空気供給管 14 風箱 15 流動層部 16 フリーボード部 17、21、21a 2次空気供給管 18 上流側燃焼域 19 下流側燃焼域(再燃焼域) 20 くびれ(ガス混合用くびれ) 22 冷却水供給管 23 熱電対 24 温度計 25 ガス流速演算部 26 炉内目標位置演算部 27 演算器 28 炉内温度分布モデル 29 炉内温度分布演算部 30 炉出口ガス温度設定値演算部 31 制御器 32 ガス排出口 34 燃焼制御装置
フロントページの続き (72)発明者 林 正人 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 加藤 定史 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 稲井 宏之 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 香ノ木 順 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川崎重工業株式会社 神戸本社内 (72)発明者 小谷野 薫 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工 業株式会社 野田工場内 (72)発明者 片岡 幹彦 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平4−254101(JP,A) 特開 平10−232014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉でごみを燃焼させるに際し、
    ごみ焼却炉の計測信号を用いて焼却炉内での燃焼ガスの
    流速を算出し、このガス流速の値からガスが所定時間滞
    留するのに必要なフリーボード部内の高さ方向の距離を
    算出し、この距離を炉内のどの位置とするかを定めて炉
    内目標位置を決定し、ついで、炉内のガスの流れ方向に
    沿って複数箇所のガス温度を計測して各計測点での空気
    比毎のガス温度の平均値から導出した炉内のガス温度分
    布モデルを用いて、空気比の値から炉内のガス温度分布
    を算出し、算出されたガス温度分布において、前記炉内
    目標位置でのガス温度と、炉出口ガス温度を計測するた
    めに設置された温度計の炉内温度計位置でのガス温度と
    を算出し、炉内目標位置でのガス温度と炉内温度計位置
    でのガス温度との差、及びごみの完全燃焼に必要と考え
    られるガス温度基準値から炉出口ガス温度の設定値を算
    出し、炉出口ガス温度が算出された設定値に維持される
    ように燃焼条件を操作することを特徴とするごみ焼却炉
    における燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 ごみ焼却炉でごみを燃焼させるに際し、
    ごみ焼却炉の計測信号を用いて焼却炉内での燃焼ガスの
    流速を算出し、このガス流速の値からガスが2秒以上の
    所定時間滞留するのに必要なフリーボード部内の高さ方
    向の距離を算出し、この距離を炉内のどの位置とするか
    を定めて炉内目標位置を決定し、ついで、炉内のガスの
    流れ方向に沿って複数箇所のガス温度を計測して各計測
    点での空気比毎のガス温度の平均値から導出した炉内の
    ガス温度分布モデルを用いて、空気比の値から炉内のガ
    ス温度分布を算出し、算出されたガス温度分布におい
    て、前記炉内目標位置でのガス温度と、炉出口ガス温度
    を計測するために設置された温度計の炉内温度計位置で
    のガス温度とを算出し、炉内目標位置でのガス温度と炉
    内温度計位置でのガス温度との差、及び850℃以上の
    適当なガス温度基準値から炉出口ガス温度の設定値を算
    出し、炉出口ガス温度が算出された設定値に維持される
    ように燃焼条件を操作して、炉内の燃焼ガス温度850
    ℃以上、かつ、ガス滞留時間2秒間以上の高いガス温度
    及び長いガス滞留時間でごみを焼却することを特徴とす
    るごみ焼却炉における燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】 ごみ焼却炉の計測信号が、1次空気流
    量、2次空気流量、炉出口ガス温度、炉出口酸素濃度及
    び炉内注水量である請求項1又は2記載のごみ焼却炉に
    おける燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】 ごみ焼却炉の炉内ガス温度分布モデルを
    導出するに際し、炉内のガスの流れ方向に沿って複数箇
    所のガス温度を計測し、これらのデータを空気比毎のデ
    ータに分けて空気比毎のガス温度の平均値をとり、各計
    測点での空気比毎のガス温度の平均値からガス温度分布
    を多項式近似する請求項1、2又は3記載のごみ焼却炉
    における燃焼制御方法。
  5. 【請求項5】 ガス混合用のくびれを有し該くびれのガ
    ス流れ方向下流側に再燃焼域が形成されるごみ焼却炉の
    炉内ガス温度分布が、ガス混合用くびれ位置でのガス温
    度、ガス混合用くびれ位置からの高さ方向の距離及び空
    気比の値で表される請求項1〜4のいずれかに記載のご
    み焼却炉における燃焼制御方法。
  6. 【請求項6】 算出された炉出口ガス温度の設定値を用
    いて、炉出口ガス温度を設定値に維持するために、ごみ
    供給速度、2次空気流量、1次空気流量及び炉内注水量
    の少なくともいずれかを操作する請求項1〜5のいずれ
    かに記載のごみ焼却炉における燃焼制御方法。
  7. 【請求項7】 ごみを高いガス温度及び長いガス滞留時
    間で焼却するように制御するためのごみ焼却炉に接続さ
    れた燃焼制御装置であって、 ごみ焼却炉の計測信号を入力して焼却炉内での燃焼ガス
    の流速を算出するためのガス流速演算部と、 ガス流速演算部で算出されたガス流速の値からガスが所
    定時間滞留するのに必要なフリーボード部内の高さ方向
    の距離を求め、この距離を炉内のどの位置とするかを炉
    内目標位置として算出するための炉内目標位置演算部
    と、 ごみ焼却炉の炉出口酸素濃度の値から空気比を算出する
    ための演算器と、 焼却炉内のガスの流れ方向に沿って複数箇所のガス温度
    を計測して各計測点での空気比毎のガス温度の平均値か
    ら導出された炉内のガス温度分布モデルを表す式が内蔵
    される炉内温度分布モデルと、 演算器で算出された空気比の値と炉内温度分布モデルの
    式とを用いて炉内のガス温度分布を算出するための炉内
    温度分布演算部と、 炉内温度分布演算部で算出されたガス温度分布を用い
    て、炉内目標位置演算部で算出された炉内目標位置での
    ガス温度と、炉出口ガス温度を計測するために設置され
    た温度計の炉内温度計位置でのガス温度とを算出し、炉
    内目標位置でのガス温度と炉内温度計位置でのガス温度
    との差、及びごみの完全燃焼に必要と考えられるガス温
    度基準値から炉出口ガス温度の設定値を算出するための
    炉出口ガス温度設定値演算部と、 炉出口ガス温度設定値演算部で算出された設定値と炉出
    口ガス温度の計測信号との差を打ち消すように、ごみ焼
    却炉に操作量を出力して炉出口ガス温度を制御するため
    の制御器とを包含することを特徴とするごみ焼却炉にお
    ける燃焼制御装置。
  8. 【請求項8】 ごみ焼却炉のフリーボード部が上流側燃
    焼域と下流側燃焼域とからなり、上流側燃焼域と下流側
    燃焼域との間にガス混合用のくびれが形成され、ガス混
    合用のくびれ位置から炉出口までの下流側燃焼域がガス
    の再燃焼域となるごみ焼却炉に接続された燃焼制御装置
    であって、炉内目標位置演算部において、くびれ位置を
    基準としてガスが所定時間滞留するのに必要なフリーボ
    ード部内の高さ方向の距離から炉内目標位置を算出する
    ようにした請求項記載のごみ焼却炉における燃焼制御
    装置。
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