JP3023087U - 水位調整器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水田などの水面の高さを簡便に調整すること
ができる斬新な水位調整器を提供する。 【解決手段】 地中に埋設して排水パイプ１２等と接続
する下部縦パイプ１と、その下部縦パイプ１に対し上下
方向に摺動自在に嵌着して上端開口を吸水口３とした上
部縦パイプ２と、周壁７にスリット８を設けるとともに
頂端面に上記の吸水口３と連通する上部吸水口９を設け
更に取手１０を設けてその周壁７を吸水口３の周囲に配
置して上部縦パイプ２と一体的に固定したキャップ５と
を具えた構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水田などの水面の高さを調整するために供される水位調整器に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水田などの水位は、排水路に設置した堰の高さを変えることにより調整 しているが、その堰の高さを変える作業が面倒であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、水田などの水面の高さを簡便に調整できる斬新な水位調整器の提供 を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の水位調整器は、地中に埋設して排水パイ プ１２等と接続する下部縦パイプ１と、その下部縦パイプ１に対し上下方向に摺 動自在に嵌着して上端開口を吸水口３とした上部縦パイプ２と、周壁７にスリッ ト８を設けるとともに頂端面に上記の吸水口３と連通する上部吸水口９を設け更 に取手１０を設けてその周壁７を吸水口３の周囲に配置して上部縦パイプ２と一 体的に固定したキャップ５とから成るものである。

【０００５】

【作用】

上部縦パイプ２の上端の吸水口３の位置を設定水位に合わせると、それよりも 上方に存在する水はキャップ５の周壁７のスリット８を通って吸水口３に入り、 下部縦パイプ１から排水パイプ１２等を通って外部へ排出される。キャップ５の 周壁７はフィルターの役割を果たし、ゴミなどが吸水口３に入って詰まるのを防 止する。吸水口３の高さを変える場合は、キャップ５に取り付けた取手１０を掴 んで持ち上げ、又は押し下げることにより、下部縦パイプ１に対し上部縦パイプ ２を上下動させて行う。なお、集中降雨などで急激に水位が高くなった場合は、 キャップ５の頂端面に設けた上部吸水口９からも水が排出される。この場合は、 流速が速く、流量も多いので、多少のゴミが吸入されても水の勢いで流されてし まうのでパイプ内に詰まる心配はない。

【０００６】

【実施例】

以下、図示した本考案の実施例について説明する。まず、図１及び図２におい て、符号１がプラスチック製の下部縦パイプである。この下部縦パイプ１は、図 ３乃至図５に示すように、その下端部にエルボ１１を介して排水パイプ１２を接 続して地中に埋設されるものである。

【０００７】 次に、符号２が同じくプラスチック製の上部縦パイプである。この上部縦パイ プ２は、その下端部を上記の下部縦パイプ１の上端部に上下方向に摺動自在に嵌 着し、その上端開口を吸水口３としている。なお、上部縦パイプ２と下部縦パイ プ１の接続部にはパッキング４を取り付けている。

【０００８】 上部縦パイプ２の上にはキャップ５をネジ６で一体的に固定している。このキ ャップ５はリング状の周壁７を有して、同周壁７には周方向に一定間隔でスリッ ト８を設けている。この周壁７は上部縦パイプ２の上端の吸水口３の周囲に配置 している。また、キャップ５の頂端面には上部吸水口９を開設している。この上 部吸水口９は上部縦パイプ２の吸水口３の真上に位置している。

【０００９】 キャップ５の上には上部吸水口９を跨ぐように取手１０を一体的に取り付けて いる。この取手１０を掴んで上に引いたり、又は下に押し下げることにより、下 部縦パイプ１に対し上部縦パイプ２を上下動させて吸水口３の高さを変化させる ことができる。

【００１０】 図３乃至図５は使用状態を示すものである。図３に示すように、上部縦パイプ ２の上端の吸水口３の高さを設定水位に合わせれば、それ以上に水量が増加した ときに、その増加した水が吸水口３に入って排水されるので、設定水位が維持さ れることになる。そして、設定水位を上げたいときは、図４に示すようにキャッ プ５とともに上部縦パイプ２を上方へ引き上げればよい。図５は集中降雨などに より水位が急激に上昇した場合を示したもので、水はキャップ５の上部吸水口９ からもパイプ内に入ることになるので、排水能率が上がって、水位が速やかに下 がることになる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の水位調整器は上記のように構成されるので、取手１０を掴んでキャッ プ５とともに上部縦パイプ２を上下動させることにより、簡便に水位を調整でき るという利便性がある。また、キャップ５の周壁７のフィルター作用により吸水 口３にゴミが入るのを阻止してパイプ内がゴミで詰まるのを防止することができ る。さらに、集中降雨などで急激に水量が増えた場合に、能率良く排水して水位 を速やかに下げることができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】使用状態を示す断面図である。

【図４】使用状態を示す断面図である。

【図５】使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 下部縦パイプ ２ 上部縦パイプ ３ 吸水口 ４ パッキング ５ キャップ ６ ネジ ７ 周壁 ８ スリット ９ 上部吸水口 １０ 取手 １１ エルボ １２ 排水パイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中に埋設して排水パイプ１２等と接続
   する下部縦パイプ１と、その下部縦パイプ１に対し上下
   方向に摺動自在に嵌着して上端開口を吸水口３とした上
   部縦パイプ２と、周壁７にスリット８を設けるとともに
   頂端面に上記の吸水口３と連通する上部吸水口９を設け
   更に取手１０を設けてその周壁７を吸水口３の周囲に配
   置して上部縦パイプ２と一体的に固定したキャップ５と
   から成る水位調整器。