JP3022985U - 内視鏡用処置具における処置部遠隔操作用連動索の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】連動索１内を通る一本の操作ワイヤＷにあ
って、この操作ワイヤＷの先端部を折曲してスネア８と
した処置部７を連動索１の先端部から引き出し可能にし
ているとともに、このスネア８の両端から連続する両ワ
イヤ部２，３の基端部２ａ，３ａを連動索１の基端部１
ａから引き出している。そして、第一ワイヤ部２の基端
部２ａを第一電気接続端子６ａに連結するとともに、第
二ワイヤ部３の基端部３ａを第二電気接続端子６ｂに連
結している。 【効果】一対のワイヤ部２，３の基端部２ａ，３ａのう
ち少なくとも一方のものを操作し、両ワイヤ部２，３の
引出し長さを変えると、スネア８を形取る両ワイヤ部
２，３の先端部のうち少なくとも一方のものが動き、ス
ネア８の輪の大きさ及び形状が変わってそれらを広範囲
に設定することができる。スネア８によるポリープ等の
締め付け具合を手で微妙に感じ取って調節できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、医学の診断と治療の分野で用いられる内視鏡用処置具において、 遠隔操作部と処置部との間に連結する遠隔操作用連動索の構造に係り、特に、体 内のポリープ等を切り取って体外に取り出すための締付輪（スネア）を有する処 置部と、これを遠隔操作する操作ワイヤの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば特公昭４８ー２４７４号公報に示す従来の内視鏡用処置具において、連 動索内の操作ワイヤに連結されたスネアは、使用時この操作ワイヤにより押し出 されると弾性により環状に開き、不使用時この操作ワイヤにより引き込まれると 弾性により閉じるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のスネアにおいては、開閉を繰り返し行うと弾性による開きが悪くな るとともに、開状態での大きさ及び形状が限定される。そのため、ポリープ等の 大きさや形状によってはその摘出に支障を来すおそれがあった。

【０００４】 本考案は、締付輪（スネア）の開状態でその大きさや形状を容易に変更できる 内視鏡用処置具を提供することを目的にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

後記実施形態の図面（図１〜２）の符号を援用して本考案を説明する。 第一考案にかかる内視鏡用処置具は下記のように構成されている。

【０００６】 図１及び図２に示す内視鏡用処置具は、内視鏡を介して体内に挿入される連動 索（１）の先端側にある処置部（７）を操作部（６）により遠隔操作して作動さ せるものである。

【０００７】 前記遠隔操作用連動索（１）内を通る一本の操作ワイヤ（Ｗ）にあって、その 先端部を折曲して締付輪（８）とした処置部（７）を連動索（１）の先端部から 引き出し可能にするとともに、この締付輪（８）の両端から連続する一対のワイ ヤ部（２，３）の基端部（２ａ，３ａ）を連動索（１）の基端部（１ａ）から引 き出して前記遠隔操作部（６）に連結している。

【０００８】 従って、一対のワイヤ部（２，３）の基端部（２ａ，３ａ）のうち少なくとも 一方のものを操作し、遠隔操作部（６）と連動索（１）の基端部（１ａ）との間 において両ワイヤ部（２，３）の引出し長さを変えると、締付輪（８）を形取る 両ワイヤ部（２，３）の先端部のうち少なくとも一方のものが動き、締付輪（８ ）の輪の大きさ及び形状が変わる。また、ワイヤ部（２，３）を手で直接掴んで 操作することができる。

【０００９】 第二考案は、第一考案に下記の構成を加えている。 図２に示すように、遠隔操作部（６）を第一操作部（６ａ）と第二操作部（６ ｂ）とに分離し、一対のワイヤ部（２，３）のうち、一方の第一ワイヤ部（２） の基端部（２ａ）を第一操作部（６ａ）に連結するとともに、他方の第二ワイヤ 部（３）の基端部（３ａ）を第二操作部（６ｂ）に連結している。従って、第一 操作部（６ａ）と第二操作部（６ｂ）とのうち少なくとも一方のものを把持して 、両ワイヤ部（２，３）の基端部（２ａ，３ａ）のうち少なくとも一方のものを 操作することができる。

【００１０】

【考案の実施形態】

〔第一実施形態〕 まず、本考案の第一実施形態にかかる内視鏡用処置具を図１を参照して説明す る。

【００１１】 内視鏡（図示せず）を介して体内に挿入される遠隔操作用連動索１においては 、導電性を有する一本の操作ワイヤＷの外周に螺旋状保護コイル４が挿嵌され、 さらにこの螺旋状保護コイル４の外周に絶縁樹脂チューブ５が挿嵌されている。 このように遠隔操作用連動索１内を通る一本の操作ワイヤＷにあっては、その先 端部を折曲してスネア８（締付輪）とした処置部７が連動索１の先端部から引き 出し可能になっているとともに、このスネア８の両端から一体に連続する一対の ワイヤ部２，３の基端部２ａ，３ａが連動索１の基端部１ａから引き出されて電 気接続端子６（遠隔操作部）に連結されている。前記電気接続端子６から一定範 囲の両両ワイヤ部２，３においては、その外周に絶縁処理が施されている。

【００１２】 図１（ａ）に示す状態では、電気接続端子６が電気的に接続され、両ワイヤ２ ，３部が連動索１の基端部１ａから引き出されてスネア８が連動索１の先端部で 樹脂チューブ５内に収納されている。スネア８はその弾性に抗して樹脂チューブ ５内で押し狭められる。

【００１３】 図１（ａ）に示す状態で、両ワイヤ部２，３を連動索１の基端部１ａから押し 入れるとともに、電気接続端子６と連動索１の基端部１ａとの間において両ワイ ヤ部２，３の引出し長さを変えると、図１（ｂ）に示すように、スネア８が連動 索１の先端部で樹脂チューブ５内から突出するとともに、両ワイヤ部２，３の引 出し長さに応じた大きさ及び形状の輪に広げられる。

【００１４】 そして、このスネア８内に体内のポリープ等を挿入する。その挿入後、両ワイ ヤ部２，３を連動索１の基端部１ａから引き出すと、ポリープ等がスネア８によ り締め付けられる。次に、電気接続端子６から両ワイヤ部２，３を介してスネア ８に電気が通されると、スネア８により締め付けられたポリープ等が高周波によ り焼き切られる。このポリープ等はスネア８に締め付けられて保持された状態で 体外へ摘出される。

【００１５】 第一実施形態は下記（イ）〜（ロ）の特徴を有する。 （イ） 一本の操作ワイヤＷの先端部を折曲してスネア８とした。このように スネア８の両端から連続する両ワイヤ部２，３は、この折曲部８ａから電気接続 端子６まで、環状に形成されている。従って、図１（ｂ）に示すように、一対の ワイヤ部２，３の基端部２ａ，３ａのうち少なくとも一方のものを操作し、電気 接続端子６と連動索１の基端部１ａとの間において両ワイヤ部２，３の引出し長 さを変えると、スネア８を形取る両ワイヤ部２，３の先端部のうち少なくとも一 方のものが動き、スネア８の輪の大きさ及び形状が変わってそれらを広範囲に設 定することができる。

【００１６】 （ロ） 両ワイヤ部２，３を手で直接掴んで操作することができるので、スネ ア８によるポリープ等の締め付け具合を手で微妙に感じ取って調節することがで きる。

【００１７】 〔第二実施形態〕 次に、本考案の第二実施形態にかかる内視鏡用処置具を図２を参照して説明す る。この第二実施形態は前記第一実施形態と比較して下記の点で異なる。

【００１８】 電気接続端子６が第一電気接続端子６ａと第二電気接続端子６ｂとに分離され 、両ワイヤ部２，３のうち、一方の第一ワイヤ部２の基端部２ａが第一電気接続 端子６ａに連結されているとともに、他方の第二部ワイヤ３の基端部３ａが第二 電気接続端子６ｂに連結されている。この電気接続端子６においては、第一電気 接続端子６ａと第二電気接続端子６ｂとが互いに重ねられて一体化され、第一実 施形態の場合と同様にして電気的に接続される。

【００１９】 第二実施形態は、前記第一実施形態の特徴（イ）〜（ロ）に加えて、下記（ハ ）の特徴を有する。 （ハ） 前記第一実施形態の特徴（イ）と関連し、第一電気接続端子６ａと第 二電気接続端子６ｂとを互いに重ねて電気的に接続する前に、両電気接続端子６ ａ，６ｂのうち少なくとも一方のものを把持して、両ワイヤ部２，３の基端部２ ａ，３ａのうち少なくとも一方のものを操作すれば、スネア８の輪の大きさ及び 形状をより一層容易に変更することができる。

【００２０】 前記実施形態以外にも下記（イ）のように構成してもよい。 （イ） 一本の操作ワイヤＷのスネア８においてその折曲部８ａは、分離した 両ワイヤ部２，３を互いに接続する概念も含むものとする。

【００２１】

【考案の効果】

第一考案にかかる内視鏡用処置具の処置部遠隔操作用連動索（１）の構造によ れば、ポリープ等の大きさ及び形状に合わせて締付輪（８）の大きさ及び形状を 広範囲に設定することができる。また、締付輪（８）によるポリープ等の締め付 け具合を手で微妙に感じ取って調節することができる。

【００２２】 第二考案によれば、第一考案の効果に加え、締付輪（８）の大きさ及び形状を より一層容易に変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 （ａ）は第一実施形態にかかる内視鏡用処置
具においてその処置部を遠隔操作用連動索内に収納した
状態を示す一部切欠き正面図であり、（ｂ）は同じく処
置部を遠隔操作用連動索内から突出させた状態を示す一
部切欠き正面図である。

【図２】 （ａ）は第二実施形態にかかる内視鏡用処置
具においてその処置部を遠隔操作用連動索内に収納した
状態を示す一部切欠き正面図であり、（ｂ）は同じく処
置部を遠隔操作用連動索内から突出させた状態を示す一
部切欠き正面図である。

【符号の説明】

１…遠隔操作用連動索、２…第一ワイヤ部、３…第二ワ
イヤ部、６…遠隔操作部としての電気接続端子、６ａ…
第一操作部としての第一電気接続端子、６ｂ…第二操作
部としての第二電気接続端子、７…処置部、８…締付輪
としてのスネアＷ…一本の操作ワイヤ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内視鏡を介して体内に挿入される連動索
   （１）の先端側にある処置部（７）を操作部（６）によ
   り遠隔操作して作動させる内視鏡用処置具において、 前記遠隔操作用連動索（１）内を通る一本の操作ワイヤ
   （Ｗ）にあって、その先端部を折曲して締付輪（８）と
   した処置部（７）を連動索（１）の先端部から引き出し
   可能にするとともに、この締付輪（８）の両端から連続
   する一対のワイヤ部（２，３）の基端部（２ａ，３ａ）
   を連動索（１）の基端部（１ａ）から引き出して前記遠
   隔操作部（６）に連結したことを特徴とする内視鏡用処
   置具における処置部遠隔操作用連動索の構造。
2. 【請求項２】 遠隔操作部（６）を第一操作部（６ａ）
   と第二操作部（６ｂ）とに分離し、一対のワイヤ部
   （２，３）のうち、一方の第一ワイヤ部（２）の基端部
   （２ａ）を第一操作部（６ａ）に連結するとともに、他
   方の第二ワイヤ部（３）の基端部（３ａ）を第二操作部
   （６ｂ）に連結したことを特徴とする請求項１に記載の
   内視鏡用処置具における処置部遠隔操作用連動索の構
   造。