JP3022937B2 - 放電灯及びその製造方法 - Google Patents

放電灯及びその製造方法

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JP3022937B2 JP4172389A JP17238992A JP3022937B2 JP 3022937 B2 JP3022937 B2 JP 3022937B2 JP 4172389 A JP4172389 A JP 4172389A JP 17238992 A JP17238992 A JP 17238992A JP 3022937 B2 JP3022937 B2 JP 3022937B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキセノンランプ、バック
アップランプ等の放電灯及びそれを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来は、放電灯特にキセノンランプ及び
バックアップランプ等の製造においては、図9に示すよ
うに左右の放電電極C間寸法Lの取付精度及び図10に
示すように左右の放電電極先端の同芯度Dが製品の品質
を左右する重要な要素である。しかしながら、放電電極
のリード線径は0.2mmないし0.4mm程度と極めて細いた
め、及び石英ガラス等で形成される電球の精度が製造上
ばらつきが大きいためL寸法及び同芯度Dを規定の公差
内に入れることが困難であり製品の品質にばらつきが生
じる原因となっていた。さらに、バックアップランプの
場合には年を追って精度の向上及びコンパクト化の要請
が厳しくなりガラス管の外径も最近では3mmないし10
mmとなっており、従って放電電極Cを電球の両端部に各
々溶着させる封止工程において、図11に示すように排
気管Eの軸線と放電電極とのなす角Fの直角度を出しに
くく精度が悪くなる場合もあった。これは、放電電極C
をチャックGで固定する際、放電電極が0.3mm程度のリ
ード線1本で形成されているため、三方チャックコレッ
ト方式で固定するには0.1mm程度のスリットが必要であ
り加工が困難であること(図12)、Vチャック方式で
固定するにはリード線の倒れが発生し芯が出にくい(図
13)等によるものと考えられる。これらの問題点は製
品の歩留り率の向上及び量産性向上を図る上でのネック
ともなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の放電灯
およびその製造工程における上記のような課題を解決
し、製品の品質のばらつきが少く歩留り向上が可能であ
りかつ量産性を向上し得るような放電灯及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ガラス管及び前記ガラス管の両端にそれぞれ
溶着された放電電極を備えた放電灯において、前記放電
電極はその先端部が少くとも2本のリード線の一端をね
じり合せて溶着されており他端部が相互に離間させた状
態でほぼフォーク状に形成されて構成されている。ま
た、かかる放電灯の製造方法において、少くとも2本の
リード線の一端をねじり合せて溶着し他端は相互に離間
させた状態で全長を一定の寸法に合せて切断しほぼフォ
ーク形状の放電電極を形成し、前記放電電極を前記ガラ
ス管の両端部に装着して前記両端部を加熱し前記放電電
極をバルブに溶着させた後、前記ガラス管内に封入ガス
を封入しかつ密閉することにより放電灯を製造するよう
に構成されている。
【0005】
【作用】上記において、フォーク形状の放電電極の他端
をチャックに固定する場合2本のリード線を固定するた
め放電電極の倒れが発生しにくくまた排気管の軸線と放
電電極との直角度も容易に出し容くなる。また、放電電
極の一端側は2本のリード線をねじり合せて溶着してい
るためある程度線径が大きく剛性が高くなりガラス管の
両端にセットした場合に容易に当該電極間の寸法精度及
び芯合せが容易となる。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0007】図1は本発明にかかる放電灯、例えばキセ
ノンランプ1の全体を示している。キセノンランプ1は
中空球状のバルブ3及びその両端部にバルブに溶着され
たほぼフォーク状の放電電極2,2′を備えている。そ
の他の構成要素は従来のキセノンランプ1と同じであ
る。
【0008】図2は放電電極2の単体を示している。電
極2は典型的には0.2mmないし0.3mmの径のモリブデンの
リード線2本からなり、一端部22を一定寸法ねじり合
せてアルゴン溶接又はレーザー等によりリード線21を
変質しない方式で溶着し、その溶着部に隣接して2本の
リード線21を相互に扇状に離間させかつ他端部23を
直線状平行に伸長させて形成されている。電極2は最終
的には全長Sを一定の寸法に合せて定寸法切断される。
以下放電灯の製造方法を説明する。
【0009】図3に示すように、電極2は基準部4にチ
ャックにより固定された後ガラス管保持台5上で保持さ
れる。この場合、電極2は2本のリード線がチャックに
より把持される(図4)ため電極先端部のたおれが発生
しにくく、基準面6に対する直角度Rの精度を向上させ
ることが容易である。基準部4及びガラス管保持台5に
は中心軸線に沿ってそれらを貫通して伸びる心棒51が
設けられている。
【0010】図4(イ)に示すように、ガラス管保持台
5に保持されている電極2に上方からガラス管(以下バ
ルブと呼ぶ)3を覆せてバルブ3の一方の電極用の開口
端部31と電極2を組合わせる。さらに、バルブ3の他
方の電極用の開口端部32内に電極2′を挿入して組合
せ(図4(ロ))、2つの電極2,2′の先端間の寸法
Lが規定の寸法公差内に入るように電極の位置調整を行
う。寸法Lはチェックセンサー13により検出する。次
に、図4(ハ)に示すようにバーナ7,7′でバルブ両
端部を加熱して電極2,2′をバルブに溶着させる。こ
れに際して心棒51をガラス管保持台から引抜くことに
より形成された開口部52からバルブ3内に保護用ガス
8を吹き込み、バルブ内の空気を排除して当該加熱によ
る電極2,2′の焼損を防止する。図5に上記封止工程
が完了した後のランプ1の概略図(図5(イ))及びそ
の斜視図(図5(ロ))を示す。この状態ではランプ1
の端部32は密封されているが端部31はまだ解放され
た状態である。図6(イ)ないし(ニ)に順に示すよう
に、封止工程が完了したランプ1は支持装置9により端
部31が支持される。この状態で端部31の開口部31
1から封入ガスを送りながらバーナ10で端部31を加
熱する。次にバルブ3の中央部を把持して切断装置によ
り端部31の開口部311を圧着密閉し切断した上、切
口を加熱してばりを除去する。以上によりランプ1の排
気工程が完了する。排気工程完了後はランプ1は図1に
示すような形状となる。このランプ1はさらに次の工程
(図示しない)へと移送される。上記の説明から明らか
なように上記製造方法によるとバルブに排気管を設ける
必要がない。
【0011】図7は本発明の別態様の実施例を示してい
る。本実施例ではバルブ3Aには排気管35が備ってい
る。排気管35はバルブ中央部から半径方向外方に長く
伸長しており、従って、バルブ3Aは排気管35の端部
351をチャックにより固定することにより封入装置1
5に支持される。排気管35内には封入装置15から排
気管35に沿って伸びるパイプ151が挿入されてい
る。パイプ151は封止工程時には保護ガスをバルブ3
A内に供給すると共に排気工程時には封入ガス及びフラ
ッシングガスをバルブ3A内に供給する。
【0012】電極2,2′は、図2で説明したと同様な
方法で形成される。2つの電極2,2′はそれぞれマウ
ントチャック16,16′に固定されており、これらの
マウントチャック16,16′を上方又は下方に移動さ
せてバルブ両端部31A,32Aの開口部から電極2,
2′をバルブ3A内に挿入する。2つの電極2,2′の
先端間の寸法Lはチェックセンサー13Aにより検出さ
れる。寸法Lを規定の寸法公差内に入れる調整はマウン
トチャック16,16′を各々上下方向に位置調整する
ことにより行うことができる。該位置調整終了後、バル
ブ3Aは図4(ハ)の封止工程と同様にバルブの端部3
1A,32Aをバーナ7A,7A′で加熱して電極2,
2′をバルブ3Aに溶着させる。この場合には、排気管
35を介して封止装置15に接続された真空ポンプ15
2によりバルブ内の空気を排気しつつパイプ151を介
して保護ガスをバルブ内に供給することにより、加熱中
の電極2,2′の焼損を防止する。電極2,2′がバル
ブ3Aに十分溶着することにより封止工程が完了する。
【0013】次に、真空ポンプ152により排気管35
を介してバルブ3A内の保護ガスを排気しつつパイプ1
51を介してバルブ3A内に封入ガスを封入する。それ
と同時にバーナ10Aで排気管35を加熱溶着し排気管
の残余部分を切断する。それにより、排気工程が完了し
図1に示すようなランプが形成される。このランプはさ
らに図示しない次の工程へ移送される。
【0014】上記実施例では球型バルブのランプについ
て説明したが、本発明は細長の例えば3〜5mmの外径を
有するバックアップランプ1′等の製造にも適用でき
る。この場合でも球型バルブの場合と同様の工程で製造
することができる。図8にバックアップランプの封止工
程後の形状を示す。ガラス管3Bの内面301の直線性
の精度を良くすることにより両端部31B,32Bに電
極2,2′を各々係合させるだけで電極2及び2′間の
同芯度を出すことが可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明は、電極の構造において2本のリ
ード線の一端をねじり合せて溶着し全体をフォーク状に
形成して電極の剛性を高めたこと、及び電極形成後バル
ブと組合せて封止工程並びに排気工程を行うものである
から、電極先端部間の寸法精度及びそれらの同芯度の精
度を容易に上げることが可能である。従ってランプの製
造が従来よりも簡単になり製品の品質のばらつきを解消
できかつ製品の歩留り向上を容易に図ることができ、更
に量産性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る放電灯の断面図であ
る。
【図2】 図2は放電電極の外形図である。
【図3】 図3は放電電極を基準部に固定した状態を示
す図である。
【図4】 図4は放電灯の製造における封止工程を示す
図である。
【図5】 図5は封止工程完了後の放電灯の状態を断面
図及び斜視図で示したものである。
【図6】 第6は放電灯の製造における排気工程を示す
図である。
【図7】 図7は本発明の別態様の実施例を示す図であ
る。
【図8】 図8は本発明の方法を細長のバックアップラ
ンプの製造に適用した例を示す図である。
【図9】 図9は従来のキセノンランプの断面図であ
る。
【図10】 図10は従来のバックアップランプの断面
図である。
【図11】 図11は従来のランプの封止工程を示す図
である。
【図12】 図12は従来の電極を保持するのに使用す
る三方チャックコレットを示す図である。
【図13】 図13は従来の電極を保持するのに使用す
るVチャックを示す図である。
【符号の説明】
1:キセノンランプ 2:放電電極 2′:放電電極 21:リード線 3:バルブ 4:基準 5:ガラス管保持台 7:バーナ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス管及び前記ガラス管の両端にそれ
    ぞれ溶着された放電電極を備えた放電灯において、前記
    放電電極はその先端部が少くとも2本のリード線の一端
    をねじり合せて溶着されており他端部が相互に離間させ
    た状態でほぼフォーク状に形成されていることを特徴と
    する放電灯。
  2. 【請求項2】 ガラス管及び前記ガラス管の両端にそれ
    ぞれ溶着された放電電極を備えた放電灯の製造方法にお
    いて、少くとも2本のリード線の一端をねじり合せて溶
    着し他端は相互に離間させた状態で全長を一定の寸法に
    合せて切断しほぼフォーク形状の放電電極を形成し、前
    記放電電極を前記ガラス管の両端部に装着して前記両端
    部を加熱し前記放電電極をバルブに溶着させた後、前記
    ガラス管内に封入ガスを封入しかつ密閉することにより
    放電灯を製造する放電灯の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の放電灯の製造方法におい
    て、前記電極を基準部に固定した後ガラス管保持台上で
    保持し、前記基準部及びガラス管保持台には中心軸線に
    沿ってそれらを貫通して伸びる心棒を設け、前記電極に
    組合わされたガラス管の両端部をバーナで加熱して前記
    電極をガラス管に溶着させるとき、前記心棒をガラス管
    保持台から引抜くことにより開口部を形成して、前記開
    口部から前記ガラス管内に保護用ガスを吹き込むことに
    より前記ガラス管内の空気を排除して加熱による電極の
    焼損を防止するようにしたことを特徴とする放電灯の製
    造方法。
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