JP3022248U - 流動床式熱交換器における分散板の清掃装置 - Google Patents

流動床式熱交換器における分散板の清掃装置

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JP3022248U
JP3022248U JP1995001529U JP152995U JP3022248U JP 3022248 U JP3022248 U JP 3022248U JP 1995001529 U JP1995001529 U JP 1995001529U JP 152995 U JP152995 U JP 152995U JP 3022248 U JP3022248 U JP 3022248U
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dispersion plate
brush
electric motor
brush body
differential pressure
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JP1995001529U
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久雄 渋谷
恒郎 遊佐
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神威産業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒子層を支持した分散板を適正時期に自動的
に清掃し、目づまりによる熱交換機能の低下を防止す
る。 【構成】 分散板4の下方と粒子層6の上方との差圧検
出手段21により差圧が所定値以上となったとき目づま
りが進んだものと判断し、これより動作信号を駆動回路
25に送ってブラシ体11の電動機18を駆動し、ブラ
シ15を往復回動して分散板4の下面を摺接させて付着
物質を掻き落す。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は熱ガスによって粒子を流動状態としながら伝熱管内を流れる流体に熱 を伝達する流動床式熱交換器における分散板の清掃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばボイラ、加熱炉、発電機用ディーゼルエンジンなどからの排ガスのよう な熱ガスをそのまま大気中に廃棄することなく水などの流体を加熱して発電、暖 房などに利用させることが行われている。
【0003】 この熱回収を行うための熱交換器として、水などの熱交換媒体に熱を与える伝 熱管を硅砂、アルミナ粒などの粒子の層からなる流動床に埋設状態で配置し、流 動床を支持する多孔板である分散板を通して熱ガスを吹き上げ、粒子を持ち上げ て恰も沸騰しているかのような流動状態を作って粒子間を通過させ、この熱ガス の流動床通過中に伝熱管内を流れる流体に熱を伝達するものがある(特開昭56 −53389号公報、特開昭61−180889号公報参照)。
【0004】 そして、この形成の熱交換器、即ち流動床式熱交換器は流動する粒子が伝熱管 に絶えず接触または衝突して清掃を行うので、都市ガス、LPGなどを燃焼した とき生じる比較的清浄な排ガスに限らず、重油などを燃焼して生じる極度に劣質 の排ガスを利用しても高い伝熱効率が得られる、とされている。
【0005】 ところが、ススやダストを含む劣質の熱ガスを用いると、含有物質が伝熱管に 限らず分散板にも凝縮や析出により付着するが、分散板の熱ガス噴出用孔に付着 した物質は粒子の流動によって除去することができないので、孔が次第に塞がれ て圧力損失の増大、熱交換能力の低下、熱ガス分散性の不良化などの問題を生じ る。
【0006】 その対策として、一般的に図3に示すように箱形ケーシング51の底部に熱ガ スの入口52、頂部に使用済み熱ガスの出口53を設けるとともに中間に敷設し た分散板54に伝熱管55を埋設した粒子の層56を支持させ、入口52から風 箱部57に入った熱ガスが分散板54を通って粒子層56に噴出し伝熱管55を 流れる流体に熱を伝達してから上方の空塔部58に抜け出し、出口53から排出 される構成とされている流動床式熱交換器において、風箱部57に清掃装置59 を設置して分散板54の付着物質を下面から掻き落すようにしたものが市場に提 供されている。
【0007】 この清掃装置59は、箱形ケーシング51に回動可能に架設支持させて風箱部 57の中央に配置した主軸60にそのほぼ全長に亘ってブラシ62を植設したブ ラシホルダ61を一方向へ向けて放射状に突設したものであって、主軸60は軸 端に取付けた図示しないハンドルを持って実線で示す待機位置Aと破線で示す最 大行程位置Bとの間で手動により往復回動させることにより、分散板54の下面 のほぼ全面にブラシ62を摺接させ付着物質を掻き落すものである。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、前述の清掃装置は手動であるため清掃のための人員確保が必要であ るとともに大きな労力を費さなければならず、しかも清掃時期の適切な判断およ び往復回動の適切な回数設定が要求され、取扱い操作が簡単でないという問題を 抱えている。
【0009】 また、大形熱交換器の広大な分散板に対しては前記のような清掃装置の二台を 並列に設けて対応させることが行われているが、一台ずつ順次手動で往復回動さ せるので更に大きな労力を要するとともに、清掃完了まで長い時間を要する、と いう問題を生じる。
【0010】 そこで、本考案は人力によることなく且つ清掃時期の判断およびブラシの往復 回動の回数が適切に行われ、従って前記第一の問題点を解決する清掃装置、およ びこれに加えて広大な分散板に対しても短時間で充分な清掃を行い、従って前記 第二の問題点を解決する清掃装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記第一の問題点を解決するために、主軸に帯状のブラシを一方向へ 向けて放射状に突接したブラシ体を粒子の層を支持した分散板下方の風箱部内部 に設置し、主軸を電動機駆動とするとともに、分散板下方と粒子層上方との差圧 検出手段、差圧が設定値以上のとき電動機を駆動してブラシ体に所定角度の往復 回動を行わせる駆動回路を具えさせた。
【0012】 また、前記第二の問題点を解決するために、前記と同じ構造のブラシ体の複数 を風箱部内部に主軸を互いに平行にして設置し、各主軸を各別の電動機駆動とす るとともに、分散板下方と粒子層上方との差圧検出手段、差圧が設定値以上であ って各ブラシが非平行のとき各ブラシ体の駆動開始の順序と時期とを設定指示す るシーケンス制御手段、これよりの指示信号に基き各電動機を駆動して各ブラシ 体にブラシを互いにほぼ平行に維持させて所定角度の往復回動を行わせる駆動回 路を具えさせた。
【0013】 尚、これらにおいて、電動機の過負荷検知手段、ブラシ体の位置検知手段のい ずれかまたは両方を具えさせることによって電動機を停止させ、或いはブラシ体 の動作を制御させて装置の暴走や破損を防ぐようにするのが好ましい。
【0014】
【作用】
熱ガスは下方の風箱部から分散板を通過して粒子を流動させながら伝熱管内の 流体に熱を伝達し上方の空塔部に抜け出す。分散板下方と粒子層上方との熱ガス の差圧が設定値以上となったとき、分散板の目づまりが進行したものと判断して 電動機によりブラシ体を往復回動させ、ブラシを分散板下面に摺接させて付着物 質を掻き落す。これにより、労力を要しないで適正時期に適切な清浄を行うこと ができる。
【0015】 次に、ブラシ体を複数設置したときは、それぞれの待機位置によってブラシが 非平行の場合にシーケンス制御手段からの指示により各ブラシを互いにほぼ平行 な状態としてブラシ体を往復回動させる。これにより、広大な分散板を小動力で 且つブラシを互いに衝突させることなく清掃することができる。
【0016】
【実施例】
図面を参照して本考案の実施例を説明すると、図1および図2において箱形ケ ーシング1の底部に熱ガスの入口2、頂部に使用済み熱ガスの出口3が設けられ ているとともに、中間部分に多孔板からなる分散板4が水平に設置されており、 この分散板4は伝熱管5を埋設させた硅砂、アルミナ粒などの粒子の層6を支持 している。熱ガスは入口2から風箱部7に入り、分散板4の孔を通って粒子層6 に噴出し伝熱管5を流れる流体に熱を伝達してから上方の空塔部8に抜け出し、 出口3から排出される。また、風箱部7、空塔部8には点検用の窓9,10が設 けられている。
【0017】 風箱部7には二個のブラシ体11が設置されている。これらは、風箱部7の底 近くに横断架設した主軸12と、その両端部に固着した腕片13の先端間に架設 したブラシホルダ14に金属細線の束の多数を取り外し可能に固定して帯状に形 成したブラシ15とからなる構成である。二本の主軸には水平且つ互いに平行に 配置して両端部を軸受16により回動自由に箱形ケーシング1に支持させてあり 、それぞれの軸端にチエン・スプロケットからなる伝動装置17を介して各別の 電動機18に連結されている。
【0018】 また、主軸12から一方向へ向けて放射状に突設されているブラシ15は、不 作動時に先端が箱状ケーシング1にほぼ接する位置に置かれ、二つのブラシ体1 1は図1に実線で示した互いに開いた状態で待機する。これにより、熱ガスは帯 状のブラシ15によって流れを邪魔されることなく分散板4の全面から粒子層6 に噴出する。
【0019】 電動機18を運転すると、二つのブラシ体11は互いに開いた待機位置Aと互 いに交叉した最大行程位置Bとの間で往復回動するので、ブラシ15の主軸12 と平行な方向への長さおよび主軸12からの突出長さと二つの主軸12の間隔と を適正に設置することにより、互いに同一角度の回動範囲で広大な分散板4の全 面にブラシ15を摺接させて清掃を行うことができる。
【0020】 尚、電動機18は電磁ブレーキ付きの直流機が好適であり、且つインバータに より回転速度制御可能とするのが好ましい。
【0021】 本考案では分散板4の目づまりの度合いを前後の差圧によって検知させ、これ が予め設置した所定値以上となったときをもって清掃時期と判断するものであり 、そのための差圧検出手段21を具えている。
【0022】 この差圧検出手段21は風箱部7の分散板4に近い個所と空塔部8の粒子層6 に近い個所とにそれぞれ開口した圧力取入口22,23と、これらから送られる 熱ガスの差圧に基いて予め設置してある所定値を或る時間継続して越えたとき動 作信号を出力する差圧検出回路24とからなるものである。この動作信号によっ て駆動回路25が各電動機18に駆動信号を送り、各ブラシ体11に所定角度の 往復回動を行わせて差圧が所定値以下になるまで、或いは予め設置した時間だけ 清掃を行う。
【0023】 ブラシ体11が一個だけ設置されている場合には、差圧検出回路24の動作信 号を駆動回路25に直接入力して電動機18を駆動させることができ、これは請 求項1に記載した考案に対応している。
【0024】 しかし、図示実施例のように二個のブラシ体11を設置してブラシ15が重複 する領域を設け完全な清掃が行えるように考慮した構成では、同時に駆動を開始 すると互いに衝突してしまう。その対策として、交互に動作させることや、先ず 一方のブラシ体11で分散板4の半部を清掃させ次にもう一方で残りの半部を清 掃させることも考えられるが、きわめて非能率である。
【0025】 そこで、本考案ではシーケンス制御手段27を具えて二つのブラシ15を互い にほぼ平行な状態で往復回動させ短時間で清掃を完了させるようにした。
【0026】 このシーケンス制御手段27は差圧検出回路24が出力する動作信号が入力さ れたとき一方のブラシ体11の動作を開始させ、これが待機位置Aに置かれてい るもう一方のブラシ体11とほぼ平行な位置である最大行程位置Bに到達したと き、もう一方のブラシ体11の動作を開始させる指示信号を駆動回路25に送る ようにされているシーケンサ28からなるものである。
【0027】 以後は二つのブラシ体11は互いにほぼ平行な状態で二つの位置A,B間を繰 返し往復回動し、差圧が所定値以下となるまで分散板4の下面を摺接して付着物 質を掻き落す。この場合、一時的な差圧減少で停止することがないように、所定 値以下の状態が或る時間継続したとき動作信号の出力を停止する。
【0028】 このとき、一方のブラシ体11を待機位置Aで停止させた後、もう一方のブラ シ体11を最大行程位置Bから待機位置Aまで回動させて停止させ、図1に示す 姿勢として清掃を完了するものである。
【0029】 次に、電動機18が故障した場合や各信号にエラーが生じた場合、一方のブラ シ体11が停止してもう一方のブラシ体11が衝突する、一方または両方のブラ シ体11が二つの位置A,Bを越えてオーバランする、という心配がある。或い は、ブラシ体11が待機位置Aに停止しておらずそこから回動を開始してもう一 方のブラシ体11の回動開始時期を適正に指示できない、ブラシ15が分散板4 の孔に引掛かって回動不能になる、という心配がある。
【0030】 これらの対策として、本考案は各電動機18に過負荷検知手段30である電磁 誘導や圧電などを利用したトルクセンサ31を付設してこれらの出力信号を駆動 回路25に入力するようにした。即ち、トルクが設定値以上となったときブラシ 体11が互いに衝突した、ブラシ体11がオーバランして箱形ケーシング1の壁 に衝突した、ブラシ15が分散板4に引掛かった、のいずれかが発生したものと 判断して電動機18を停止させ、且つ報知回路32によって光や音声による警報 を発するものである。
【0031】 更に、本考案は各ブラシ体11の二つの位置A,Bに位置報知手段34である リミットスイッチまたは電磁誘導や光などを利用した位置センサ35,36を設 置してこれらの出力信号をシーケンサ28或いは駆動回路25に入力するように した。即ち、ブラシ体11が位置センサ35,36によって指示される待機位置 A、最大行程位置Bに到達したとき、起動或いは反転を行うものと判断して二つ のブラシ体11の動作タイミングを同期させるか、または清掃終了のための停止 を行わせるように駆動回路25の駆動信号を制御させるものである。これにより 、ブラシ体11が待機位置Aから外れた位置に停止していてそこから起動しても 、シーケンサ28に予め設定してあるプログラムに関係なくほぼ平行な状態を維 持させながら往復回動させることができる。もっとも、この位置報知手段34は ブラシ体11の位置ではなく電動機18の出力軸の位置を検出するものであって もよい。
【0032】 尚、ブラシ体11が一個だけ設置されている場合にもこれらの過負荷検知手段 30,位置検知手段34はブラシ体11の適正動作、各部分の保護に有効である 。
【0033】 尚また、ブラシ体11は一個または二個に限らず、分散板4の大きさに応じて 三個以上設置することがあり、この場合両側のブラシ体11の待機位置は図1と 同じとし中間のブラシ体11の待機位置は分散板4に直角の直立姿勢とする。
【0034】
【考案の効果】 以上のように、分散板に摺接して付着物質を除去し目づまりをなくすブラシ体 を粒子層入口側と出口側との差圧によって動作させるようにした第一の考案によ ると、人力を要することなく、しかも清掃時期およびブラシ体の往復回動回数が 差圧を利用して適切且つ自動的に判断され、適正に清掃を行って熱交換機能を低 下させることがないものである。
【0035】 また、ブラシ体を複数設置してシーケンス制御により互いにほぼ平行な状態で 往復回動させるようにした第二の考案によると、前記効果に加えて小さい動力で 広大な分散板の全面を余す所なく短時間で清掃することができるものである。
【0036】 更に、ブラシ駆動用電動機の過負荷検知手段、ブラシ体の動作を制御する位置 検知手段を具えさせた場合は、ブラシ体を常に適正に動作させ、暴走や衝突など による各部分の破損が防止されて安全に運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す一部切截した正面図。
【図2】図1の中央縦断面図。
【図3】従来例の正面断面略図。
【符号の説明】
1 箱形ケーシング, 4 分散板, 5 伝熱管,
6 粒子層, 7 風箱部, 8空塔部, 11 ブラ
シ体, 12 主軸, 15 ブラシ, 18電動機,
21 差圧検出手段, 25 駆動回路, 30 過
負荷検知手段, 34 位置検知手段。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸に帯状のブラシを一方向へ向けて放
    射状に突設してなり、粒子の層を支持した分散板の下方
    の風箱部内部に設置されたブラシ体と;前記主軸を駆動
    する電動機と;前記分散板下方と粒子層上方との差圧検
    出手段と;前記差圧が設定値以上のとき前記電動機を駆
    動して前記ブラシ体に所定角度の往復回動を行わせる駆
    動回路と;を具えてなる流動床式熱交換器における分散
    板の清掃装置。
  2. 【請求項2】 主軸に帯状のブラシを一方向へ向けて放
    射状に突設してなり、粒子の層を支持した分散板の下方
    の風箱部内部に前記主軸を互いに平行にして設置された
    複数のブラシ体と;前記各主軸を各別に駆動する複数の
    電動機と;前記分散板下方と粒子層上方との差圧検出手
    段と;前記差圧が設定値以上であって前記各ブラシが非
    平行のとき各ブラシ体の駆動開始の順序と時期とを設定
    指示するシーケンス制御手段と;前記シーケンス制御手
    段からの指示信号に基き前記各電動機を駆使して前記各
    ブラシ体にブラシを互いにほぼ平行に維持させて所定角
    度の往復回動を行わせる駆動回路と;を具えてなる流動
    床式熱交換器における分散板の清掃装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2のいずれかに記載の構成に
    加えて、前記電動機に過負荷が作用したとき前記駆動回
    路に駆動停止を指示する過負荷検知手段を具えさせてな
    る流動床式熱交換器における分散板の清掃装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2のいずれかに記載の構成に
    加えて、前記ブラシ体の往復回動の両端位置を検知して
    前記駆動回路から前記電動機に出力する駆動信号を制御
    させる位置検知手段を具えさせてなる流動床式熱交換器
    における分散板の清掃装置。
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