JP3022014B2 - 光透過型真空分離窓及び軟x線透過窓 - Google Patents

光透過型真空分離窓及び軟x線透過窓

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JP3022014B2
JP3022014B2 JP4343525A JP34352592A JP3022014B2 JP 3022014 B2 JP3022014 B2 JP 3022014B2 JP 4343525 A JP4343525 A JP 4343525A JP 34352592 A JP34352592 A JP 34352592A JP 3022014 B2 JP3022014 B2 JP 3022014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線領域、赤外線領
域等の波長領域の光を透過する膜により真空領域を複数
の真空領域に分離する光透過型真空分離窓及び軟X線透
過窓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子デバイスや半導体等の高集積
化技術の進歩に伴い、微細な加工を行い、そして微小領
域における物性や物理現象を解明することが求められて
いる。このような微細加工や微小領域における物性や物
理現象の解明においては、シンクロトロン放射光や自由
電子レーザ光が利用されるようになってきている。この
シンクロトロン放射光や自由電子レーザ光は、光速に近
い速さで走る電子や陽電子の進行方向を偏向磁石が発生
する磁界により曲げたとき軌道の接線方向に放射される
電磁波であり、赤外線領域から軟X線を含むX線領域の
電磁波を強い強度で取り出すことが可能である。また、
取り出される光(電磁波)が偏向しているという特徴も
併せ持つ。このように、他のどの光源よりも極めて光強
度が強いということから、シンクロトロン放射光や自由
電子レーザ光を従来不可能であった微細加工プロセス技
術や超高感度計測技術に適用する試みがなされつつあ
る。また、偏光を用いることで従来不可能であった超精
密測定が可能となることからこれらの領域にシンクロト
ロン放射光や自由電子レーザ光を適用する試みがなされ
つつある。
【0003】通常、シンクロトロン放射光や自由電子レ
ーザ光は取り出し窓から大気中に取り出され、微細加工
プロセス技術や超高感度計測技術や超精密計測に用いら
れる。ところで、このような、シンクロトロン放射光や
自由電子レーザ光を用いた微細加工プロセス技術や超高
感度計測技術や超精密計測においては、シンクロトロン
放射光や自由電子レーザ光を取り出す窓における、光強
度の減衰や偏光の歪などが問題になってきている。特
に、軟X線領域のX線は窓を透過する際にこの窓材によ
り吸収され易く、したがって、光強度が著しく減衰して
しまうという問題点があった。さらに、物性等の超精密
測定を行う際には、光源の光透過窓及び検出器の光透過
窓における光強度の減衰や偏光等の歪などが問題になっ
てきている。また、シンクロトロン放射光や自由電子レ
ーザ光は強度が強いため、光を取り出す窓が放射光によ
る損傷、特に熱による損傷を受け易いという問題点があ
った。
【0004】一方、シンクロトロン放射光や自由電子レ
ーザ光の光源をなす加速器においては、電子や陽電子を
光速に近い速さまで加速するために、電子や陽電子が途
中で気体分子と衝突して消滅したり、あるいは散乱され
たりしないように、電子や陽電子の軌道を10-9Tor
r(1.33×10-7Pa)あるいはそれ以上の超高真
空にする必要がある。また、シンクロトロン放射光施設
の軟X線を取り出すビームラインにおいては、特に軟X
線領域のX線は真空中の気体により吸収され易く、光強
度の減衰が大きいため、軟X線通過領域を10-7Tor
r(1.33×10-5Pa)あるいはそれ以上の超高真
空にする必要がある。そして、この超高真空領域から軟
X線透過窓を用いて軟X線を取り出し、リソグラフィ用
の転写装置等の光源として用いている。この転写装置に
おいては、装置内を1気圧のヘリウム雰囲気にし、放射
光照射によるマスクの温度上昇を防ぎ、マスクが歪まな
いようにしているが、1気圧のヘリウム雰囲気であって
も軟X線の減衰が大きいため、装置内のヘリウムを減圧
にすることも試みられている。
【0005】また、シンクロトロン放射光の電磁波は連
続スペクトルを有しかつ強度が強いので、構造解析や状
態分析等物理化学分析に適用することにより、従来では
得られなかった情報を得る研究もなされつつある。この
ような分析に用いる軟X線検出器等においては、例え
ば、ガスフロー形検出器のような減圧のガスを持つ検出
器の検出部分においては、超高真空領域と減圧のガス領
域を分離する軟X線透過窓が必要となる。
【0006】さらに、シンクロトロン放射光の強度が強
いことに着目し、軟X線領域の電磁波と気体物質との光
化学反応を用いて膜の堆積や、膜の基板のエッチング等
を行う研究もなされつつある。このような光化学反応装
置においては、膜の堆積やエッチングは減圧下で行われ
ることが多く、ビームラインより軟X線を装置に導入す
る際に超高真空領域と減圧のガス領域を分離する軟X線
透過窓が必要となる。
【0007】以上のように、軟X線領域のX線を減衰さ
せることなく効率よく透過させ、超高真空領域と減圧領
域等の真空領域を分離し、さらに超高真空に到達するた
めに必要なベーキングが可能な軟X線透過窓が必要とな
ってきている。
【0008】従来は、例えば、雑誌(「応用物理」第5
巻(1986年発行)p.494)に示されているよう
な、軟X線透過窓構成部材であるベリリウム箔をロウ
接、電子ビーム溶接等の方法で超高真空用フランジの開
口部に接合して気密を保ったり、同様の方法で銅等の窓
枠に接合した後に、これを超高真空用フランジに溶接し
て固定しかつ気密を保つものが製作されている。しか
し、金属ベリリウムは融点が高く、延性・展性に乏しい
等の性質を有するために、超高真空用材料として実績の
あるステンレス鋼に直接溶接する方法ではベリリウム箔
にクラック等の破壊が生じ易い。そこで、特開昭63−
64253号公報「軟X線取り出し窓」に示されている
ように、拡散接合法を用いて無酸素銅板に接合したもの
をガスケットとして用いたり、特開昭63−27310
0号公報「軟X線取り出し窓の構造およびその製造方
法」に示されているように、200μmの厚さのベリリ
ウム箔をステンレス鋼にロウ接等で気密接合した後にベ
リリウム箔を物理・化学的処理加工によって軟X線透過
領域の厚さを減少させることで溶接時にクラックが入る
のを防ぐ方法が提案されていた。
【0009】また特開平1−276550号公報「軟X
線取り出し窓の構造およびその製造方法」に示されてい
るように、接合時に発生する応力を回避する方法とし
て、開口面に平行な方向へ変形可能な金属製の弾性部材
をベリリウム箔とステンレス鋼にロウ接することで、応
力を回避し、ベリリウム箔の耐久性を向上させる方法が
提案された。しかし、上記の方法で用いられている、拡
散接合法においても、電子ビーム溶接においても、ロウ
接においても、ベリリウムを700℃以上に加熱するた
めに、ベリリウムが再結晶化し始め強度が低下し、また
劣化もし易くクラックが入り易いという問題点があっ
た。そこで、ベリリウム箔を加熱せずに気密性を保つ方
法として、特開平1−9400号公報「軟X線取り出し
窓」に示されているように弾性体真空封止媒体としてフ
ッ素ゴムO−リングを用いて気密性を保つ方法が提案さ
れた。但し、この方法では弾性体とベリリウム箔に気密
性を保つだけの力を加える必要があり、ベリリウム箔の
厚さを薄くすることが困難であった。
【0010】又、特開平2−272399号公報「軟X
線取り出し窓」及び特開平2−272400号公報「軟
X線取り出し窓」に示されているように、O−リングの
代わりに所定の軟度と蒸気圧特性を有する金属を用いて
気密を保持する方法が提案されたが、やはりベリリウム
箔に力を加えて気密性を上げるために、ベリリウム箔の
厚さを薄くすることが困難であった。そこで、特開平3
−128499号公報「放射光透過薄膜の製造方法及び
その方法により製造された放射光透過薄膜を有する放射
光透過窓」に示されているように、ベリリウム箔を用い
ず無酸素銅上にベリリウム膜を真空蒸着し、その後濃硝
酸を用いて窓部の無酸素銅をエッチングすることで20
μmのベリリウム膜とし、このようにして形成された軟
X線透過窓構成部材をフッ素ゴムO−リングを用いて気
密性を保持する方法が提案された。
【0011】以上のように、大気圧領域と超高真空領域
を分離し、超高真空を保つためのX線透過窓については
様々な提案がなされているが、大気圧領域と超高真空領
域を分離するためにベリリウム箔やベリリウム膜の厚さ
を20μm以下の厚さにすることは信頼性の点からも困
難であった。したがって、透過窓部に於ける軟X線の吸
収が大きく軟X線を効率よく透過させることが困難であ
った。
【0012】ところで現在、上記ベリリウムに替り、窒
素シリコンや炭化シリコン、窒化ボロン、ダイヤモンド
等の薄膜を用いて軟X線領域のX線を減衰させないよう
な試みがなされており、数μmから0.1μmの厚さの
薄膜を形成することが可能である。例えば、1keVの
エネルギーを有するX線の場合、従来使われていた20
μmの厚さのベリリウムは11%の透過率であるのに対
し、1μmの厚さの窒化ボロン薄膜は65%の透過率、
1μmの厚さの窒化シリコン薄膜は51%の透過率であ
り、また、500eVのエネルギーを有するX線の場合
は、20μmの厚さのベリリウムは1.6×10-7%の
透過率であるのに対し、1μmの厚さの窒化ボロン薄膜
は7.8%の透過率、1μmの厚さの窒化シリコン薄膜
は、2.1%の透過率であるので、非常に効率よく軟X
線を透過する。したがって、このような窒化シリコン、
炭化シリコン、窒化ボロン、ダイヤモンド等の薄膜を軟
X線透過薄膜部材として用いることが可能である。
【0013】図24はこのような軟X線透過膜部材の構
造を示す断面図であり、図において、31は支持体、3
2は軟X線透過薄膜である。これらの大きさは、例え
ば、支持体の直径は40mm、透過部の直径は20m
m、軟X線透過薄膜の膜厚は1μmである。通常、製作
のし易さからシリコンが支持体31として、また、窒化
シリコン薄膜が軟X線透過薄膜32として用いられてい
る。このような軟X線透過薄膜部材をステンレス鋼やア
ルミ合金等の超高真空構造材に接着するためには、ロウ
接や電子ビーム溶接では困難であり、エポキシ系樹脂を
使用することが試みられている。
【0014】また、赤外線透過窓においては、例えば
「応用分光学ハンドブック」(1984年 朝倉書店発
行)p.372に示されるような、赤外線検出器を例に
とると、赤外線透過窓は冷却された赤外線検出器側の真
空と大気とを分離するために数mmの厚さのものが用い
られている。また、この赤外線透過窓の材料としては、
雑誌(「応用物理」第5巻(1986年発行)p.49
2)に示されるように、長波長限界の長い臭化カリウム
や臭化セシウム等が使用されることが多い。
【0015】また、半導体等の成膜プロセスにおいては
成膜時の基板温度を精密にコントロールする必要が生じ
てきている。これにともない、成膜プロセス装置に非常
に広い透過域をもつセレン化亜鉛(ZnSe)を赤外線
透過窓として用いた放射温度計が提案されている。この
半導体等の成膜プロセスにおいては、成膜時の膜厚を精
密にコントロールする必要が生じてきているため、成膜
プロセス装置にエリプソメータを取り付け、成膜した膜
の厚みを測定することが試みられている。また、可視光
透過窓としては、例えば、「UHV COMPONEN
TS technical data」“UHV Vi
ewports and Viewport Shut
ters”(VACUUM GENERATORS社発
行)に示されるようにガラス板、石英板、サファイア板
等の窓材をフランジ材に融着したものが用いられてい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の軟X線線透過薄
膜部材は以上のように構成されているので、有機物であ
るエポキシ系樹脂はX線により放射線劣化が生じ易く、
長時間にわたる信頼性の点で問題があった。また、エポ
キシ系樹脂は高温で分解し易く超高真空を得るためにな
されるベーキング時に分解してガスを発生するという課
題があった。
【0017】また、従来の赤外線透過窓においては、臭
化カリウムや臭化セシウム等の物質は湿気に弱く、検出
器の冷却による結露等に対して注意深く取り扱う必要が
あるという課題があった。また、窓材として用いている
セレン化亜鉛の亜鉛(Zn)やセレン(Se)の蒸気圧
が高いために、これらの元素が試料作成時に不純物とし
て取り込まれるという課題があった。このように、従来
の赤外線透過窓においては赤外線の透過率の高い材料に
限定されていたので、取り扱いに注意を要し、また、赤
外線透過窓材が蒸気圧が高い物質を含む場合では試料作
成時にこれらの物質が不純物として取り込まれるという
課題があった。
【0018】また、従来の可視光透過窓においては、窓
材に応力がかかり複屈折が発生するという課題があっ
た。また、ガラス板、石英板、サファイア板等の窓材を
O−リング等で気密性を保つ方法も試みられているが、
ガラス板、石英板、サファイア板等の窓材に気密性を保
つだけの力を加える必要があり、窓材に応力がかかり複
屈折が発生するという課題があった。また、従来のエリ
プソメータにおいても、上記のような複屈折が発生する
という欠点があるため、精密な測定が困難であるという
課題があった。また、真空紫外透過窓においても、赤外
線透過窓や可視光透過窓と同様の課題があった。
【0019】さらに、従来の光透過窓では、大気圧領域
と真空領域を分離するために光透過窓構成部材の厚さを
20μm以下の厚さにすることは信頼性の点からも困難
であった。そのため、透過窓部における軟X線や赤外線
の吸収が大きく、軟X線や赤外線を効率よく透過させる
ことが困難であった。また、透過窓部における赤外線等
の吸収が大きいため、光透過窓構成部材の材質が限定さ
れるという問題点があった。さらに、透過窓部における
光の歪や光の散乱を減少させることが困難であった。
【0020】また窓材をフランジ材に融着したり、O−
リング等で気密性を保つ方法を用いているので、窓材に
応力がかかり複屈折が発生するという課題があった。ま
た、シンクロトロン放射光や自由電子レーザ光は強度が
強いため、光を取り出す窓が放射光による損傷、特に熱
による損傷を受け易く、超高真空を得るためのベーキン
グ時にも損傷を受け易いという課題があった。
【0021】この発明は上記のような課題を解消するた
めなされたもので、軟X線領域のX線を含むX線や赤外
線等の光を効率よく透過する膜を用いて真空を分離する
光透過型真空分離窓を得ることを目的としている。
【0022】また、この発明は、光の歪や光の散乱を減
らすことが可能な膜厚の薄膜を用いて真空を分離する光
透過型真空分離窓を得ることを目的としている。また、
耐熱性がある薄膜を用いて真空を分離する光透過型真空
分離窓を得ることを目的としている。また、真空を分離
される真空の少なくとも一方が超高真空である光透過型
真空分離窓を得ることを目的としている。
【0023】また、軟X線領域のX線を含むX線や赤外
線等の光を効率よく透過する厚膜及び厚膜部材を用いて
真空を分離する光透過型真空分離窓において複屈折の発
生しない光透過型真空分離窓を得ることを目的としてい
る。
【0024】また、軟X線領域のX線を効率よく透過
し、超高真空領域と減圧領域の気密を保持し、さらに超
高真空を作るために必要なべーキングが可能な軟X線透
過窓を得ることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】この請求項の発明に係
る光透過型真空分離窓は、光を透過する薄膜と該薄膜を
支持する支持部材との間に、使用環境の温度範囲におい
て液体となる金属または合金からなる層を設けたもので
ある。
【0026】また、請求項の発明に係る光透過型真空
分離窓は、光を透過する薄膜部材と該薄膜部材を支持す
る支持部材との間に、使用環境の温度範囲において液体
となる金属または合金からなる層を設けたものである。
【0027】また、請求項の発明に係る光透過型真空
分離窓は、使用環境の温度範囲において液体となる金属
をガリウムとし、また、同様に液体となる合金をガリウ
ム合金としたものである。また、請求項の発明に係る
光透過型真空分離窓は、ガリウムを含む合金を、ガリウ
ム・インジウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれ
か1種としたものである。また、請求項の発明に係る
光透過型真空分離窓は、ガリウム・インジウム合金を、
ガリウムを75.5重量%、インジウムを24.5重量
%含有する合金としたものである。また、請求項の発
明に係る光透過型真空分離窓は、分離された複数の真空
領域のうち少なくともいずれか一方を、10-7Torr
あるいはそれ以上の超高真空領域としたものである。
【0028】また、請求項の発明に係る光透過型真空
分離窓は、光を透過する厚膜と、該厚膜を支持する支持
部材とを備えたもので、前記厚膜と支持部材との間に使
用環境の温度範囲において、液体となる金属または合金
からなる層を設け、前記厚膜を用いて真空領域を複数の
真空領域に分離したものである。また、請求項の発明
に係る光透過型真空分離窓は、光を透過する厚膜部材
と、該厚膜部材を支持する支持部材とを備えたもので、
前記厚膜部材と支持部材との間に使用環境の温度範囲に
おいて液体となる金属または合金からなる層を設け、前
記厚膜部材を用いて真空領域を複数の真空領域に分離し
たものである。
【0029】また、請求項の発明に係る光透過型真空
分離窓は、使用環境の温度範囲において液体となる金属
をガリウムとし、また同様に液体となる合金をガリウム
合金としたものである。また、請求項10の発明に係る
光透過型真空分離窓は、ガリウムを含む合金を、ガリウ
ム・インジウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれ
か1種としたものである。
【0030】また、請求項11の発明に係る光透過型真
空分離窓は、ガリウム・インジウム合金を、ガリウムを
75.5重量%、インジウムを24.5重量%含有する
合金としたものである。また、請求項12の発明に係る
光透過型真空分離窓は、分離された複数の真空領域のう
ち少なくともいずれか一方を、10-7Torrあるいは
それ以上の超高真空領域としたものである。
【0031】また、請求項13の発明に係る軟X線透過
窓は、真空チャンバー内の減圧領域と超高真空領域を隔
てて軟X線を取り出す軟X線透過窓において、軟X線透
過窓構成部材と、開口部を有しかつ上記軟X線透過窓構
成部材を支持する支持部材とが、ガリウムまたはガリウ
ムを含む合金を用いて接着されているものである。ま
た、請求項14の発明に係る軟X線透過窓は、ガリウム
を含む合金が75.5重量%のガリウムと24.5重量
%のインジウムからなる合金である。
【0032】
【作用】この請求項の発明における光透過型真空分離
窓は、光を透過する薄膜と支持部材の間に使用環境の温
度範囲において液体となる金属または合金からなる層を
設けることにより、凝固に伴う体積変化によって薄膜に
応力がかかることを防ぎ、さらに、超高真空に必要なべ
ーキング時に支持部材と熱膨張係数の違いによって、薄
膜に応力がかかることを防ぐ。それ故、薄膜を1μm以
下にすることが可能となり、光透過型真空分離窓におけ
る軟X線領域や赤外線領域等の光の透過率が上昇し、さ
らに薄膜における歪及び光の散乱が減少する。
【0033】また、請求項の発明に於ける光透過型真
空分離窓は、光を透過する薄膜部材と支持部材の間に使
用環境の温度範囲において液体となる金属または合金か
らなる層を設けることにより、凝固に伴う体積変化によ
って薄膜部材に応力がかかることを防ぎ、さらに、超高
真空に必要なべーキング時に支持部材と熱膨張係数の違
いによって、薄膜部材に応力がかかることを防ぐ。それ
故、薄膜を1μm以下にすることが可能となり、光透過
型真空分離窓における軟X線領域や赤外線領域等の光の
透過率が上昇し、さらに薄膜における歪及び光の散乱が
減少する。
【0034】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、金属をガリウムとし、合金をガリウムを含
む合金とすることにより、ベーキング時には、ガリウム
の融点は29.8℃であるから容易に融解し、薄膜また
は薄膜部材と支持部材の熱膨張係数の違いによって光透
過薄膜に応力がかかることはない。それ故、光透過薄膜
の膜厚を極力薄くする事が可能であるので、軟X線領域
のX線や赤外線等の光を効率よく透過することが可能で
ある。さらに、薄膜中で光が歪を受ける割合が著しく減
少し、その上、薄膜中での光散乱量が減少する。また、
ガリウムまたはガリウムを含む合金は融解時に粘性及び
表面張力を有するので、真空を分離することができる。
さらに、ガリウムまたはガリウムを含む合金はベーキン
グ温度においても蒸気圧が低くべーキング中に超高真空
を汚染することはなく、超高真空に到達するために必要
なべーキングが可能である。
【0035】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、ガリウムを含む合金を、ガリウム・インジ
ウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれか1種とす
ることにより、例えば図25、図26に示す状態図から
分かるように、ガリウムとインジウムの合金でインジウ
ムの重量%比率が約30%より小さい合金では融点が1
5.7〜29.8℃、また、ガリウムとスズの合金でス
ズの重量%比率が約15%より小さい合金では融点2
0.5〜29.8℃とガリウムの融点29.8℃よりも
低く、ベーキング時には融解し、薄膜または薄膜部材と
支持部材の熱膨張係数の違いによって薄膜に応力がかか
ることはない、それ故、薄膜の膜厚を極力薄くする事が
可能である。したがって軟X線領域のX線や赤外線等の
光を効率よく透過する。さらに、薄膜中で光が歪を受け
る割合が著しく減少し、薄膜中での光散乱量が減少す
る。
【0036】また、ガリウムとインジウムの合金及びガ
リウムとスズの合金は融解時に粘性や表面張力を有し、
真空を分離する。さらに、ガリウムとインジウムの合金
及びガリウムとスズの合金はベーキング温度においても
蒸気圧が低くべーキング中に超高真空を汚染することは
なく、超高真空に到達するために必要なべーキングが可
能である。なお、図25、図26は刊行物(「金属デー
タブック」(社)日本金属学会編、(1974年 丸善
発行、p.499〜450)より引用した。
【0037】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、ガリウム・インジウム合金を、ガリウムを
75.5重量%、インジウムを24.5重量%含有する
合金とすることにより、融点が15.7℃まで低下す
る。したがって、例えば、べーキング時に一度液化した
上記合金は、温度が融点以下、例えば10℃、の温度に
なっても、過冷却現象により、液体のまま存在すること
となる。このため、通常の実験設備の設置場所において
は、上記合金は液体のままで凝固することがなく、凝固
時に発生する合金の体積変化による応力が薄膜にかかる
ことはない。それ故、薄膜の膜厚をさらに薄くすること
が可能である。したがって軟X線領域のX線や赤外線等
の光をさらに効率よく透過する。さらに、薄膜中で光が
歪を受ける割合がより減少し、薄膜中での光散乱量がよ
り減少する。さらに、通常使用される実験室では液体で
あり、支持部材を暖めずに塗布可能である。また、ガリ
ウム、インジウムとも蒸気圧が低く、超高真空を汚染し
ない。
【0038】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、複数の真空領域のうち少なくともいずれか
一方を10-7Torrあるいはそれ以上の超高真空領域
とすることにより超高真空領域と真空領域を分離し、光
透過型真空分離窓における光の透過率がさらに上昇す
る。したがって、光透過窓の光強度の減衰や歪が問題と
なる軟X線透過窓等に適用することにより、強度の減衰
や歪の小さい光透過窓が可能となる。
【0039】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、光を透過する厚膜と支持部材の間に使用環
境の温度範囲において液体となる金属または合金からな
る層を設けることにより、融着やO−リングでの封止に
よる応力を厚膜にかける必要がなく、複屈折が発生しな
い。さらに、超高真空に必要なべーキング時に支持部材
と熱膨張係数の違いにより厚膜に応力がかかることを防
ぎ、厚膜の破損を防ぐ。また、請求項の発明における
光透過型真空分離窓は、光を透過する厚膜部材と支持部
材の間に使用環境の温度範囲において液体となる金属ま
たは合金からなる層を設けることにより、融着やO−リ
ングでの封止による応力を厚膜部材にかける必要がな
く、複屈折が発生しない。さらに、超高真空に必要なべ
ーキング時に支持部材と熱膨張係数の違いにより厚膜部
材に応力がかかることを防ぎ、厚膜部材の破損を防ぐ。
【0040】また、請求項の発明における光透過型真
空分離窓は、金属をガリウムとし、合金をガリウムを含
む合金とすることにより、融着やO−リングでの封止に
よる応力が厚膜または厚膜部材にかかることがなく複屈
折が発生しない。また、べーキング時には、ガリウムま
たはガリウムを含む合金は容易に融解し、厚膜または厚
膜部材と支持部材の熱膨張係数の違いによって光透過厚
膜に応力がかかることはない。それ故、光透過厚膜が破
壊することはない。また、ガリウムまたはガリウムを含
む合金は融解時に粘性及び表面張力を有することによ
り、真空を分離する。さらに、ガリウムまたはガリウム
を含む合金はべーキング温度においても蒸気圧が低くべ
ーキング中に超高真空を汚染することはなく、超高真空
に到達するために必要なべーキングが可能である。
【0041】また、請求項10の発明における光透過型
真空分離窓は、ガリウムを含む合金を、ガリウム・イン
ジウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれか1種と
することにより、例えば、図25、図26に示す状態図
から分かるように、ガリウムとインジウムの合金でイン
ジウムの重量%比率が約30%より小さい合金では融点
が15.7〜29.8℃、また、ガリウムとスズの合金
でスズの重量%比率が約15%より小さく合金では融点
が20.5〜29.8℃とガリウムの融点29.8℃よ
りも低く、べーキング時には融解し、厚膜または厚膜部
材と支持部材の熱膨張係数の違いによって厚膜に応力が
かかることはない。さらに、厚膜中で光が歪を受ける割
合が著しく減少し、その上、厚膜中の光散乱量が減少す
る。
【0042】また、ガリウムとインジウムの合金及びガ
リウムとスズの合金は融解時に粘性や表面張力を有し、
真空を分離する。さらに、ガリウムとインジウムの合金
及びガリウムとスズの合金はベーキング温度に置いても
蒸気圧が低くべーキング中に超高真空を汚染することは
なく、超高真空に到達するために必要なべーキングが可
能である。
【0043】また、請求項11の発明における光透過型
真空分離窓は、ガリウム・インジウム合金を、ガリウム
を75.5重量%、インジウムを24.5重量%含有す
る合金とすることにより、融点が15.7℃まで低下す
る。したがって、例えば、ベーキング時に一度液化した
上記合金は、温度が融点以下、例えば10℃、の温度に
なっても、過冷却現象により、液体のまま存在すること
となる。このため、通常の実験設備の設置場所において
は上記合金は液体のままで凝固することがなく、凝固時
に発生する合金の体積変化による応力が厚膜にかかるこ
とはない。それ故、厚膜または厚膜部材において複屈折
が発生しない。また、支持部材を暖めずに塗布すること
が可能である。また、ガリウム、インジウムとも蒸気圧
が低く、超高真空を汚染しない。
【0044】また、請求項12の発明における光透過型
真空分離窓は、複数の真空領域のうち少なくともいずれ
か一方を10-7Torrあるいはそれ以上の超高真空領
域とすることにより、超高真空領域と真空領域を分離
し、光透過型真空分離窓における光の透過率がさらに上
昇する。
【0045】また、請求項13の発明における軟X線透
過窓は、軟X線透過窓構成部材と支持部材とがガリウム
を用いて接着されているので、べーキング時には、ガリ
ウムは融点が29.8℃なので液化し、軟X線透過窓構
成部材と支持部材の熱膨張係数の違いによって軟X線透
過膜に応力がかかることはない。それ故、軟X線透過膜
の厚みを極力薄くする事が可能であるので、軟X線領域
のX線を効率よく透過することができる。また、ガリウ
ムは液化時に粘性や表面張力を有しているので、減圧領
域と超高真空領域の気密性を保持できる。さらに、ガリ
ウムはべーキング温度においても蒸気圧が低くべーキン
グ中に超高真空を汚染することはないので、超高真空に
到達するために必要なべーキングが可能である。
【0046】また、軟X線透過窓構成部材と支持部材と
がガリウムを含む合金を用いて接着されているので、べ
ーキング時には、ガリウムを含む合金、例えば、図2
5、図26に示す状態図から分かるように、ガリウムと
インジウムの合金でインジウムの重量%比率が約30%
より小さい合金では融点が15.7〜29.8℃、ま
た、ガリウムとスズの合金でスズの重量%比率が約15
%より小さい合金では融点が20.5〜29.8℃とガ
リウムの融点29.8℃よりも低く、べーキング時には
液化し、軟X線透過窓構成部材と支持部材の熱膨張係数
の違いによって軟X線透過膜に応力がかかることはな
い。
【0047】それ故、軟X線透過膜の厚みを極力薄くす
る事が可能であるので、軟X線領域のX線を効率よく透
過することができる。また、ガリウムを含む合金、例え
ば、ガリウムとインジウムの合金やガリウムとスズの合
金は液化時に粘性や表面張力を有しているので、減圧領
域と超高真空領域の気密性を保持できる。さらに、ガリ
ウムを含む合金、例えば、ガリウムとインジウムの合金
やガリウムとスズの合金はべーキング温度においても蒸
気圧が低くべーキング中に超高真空を汚染することはな
いので、超高真空に到達するために必要なべーキングが
可能である。
【0048】また、請求項14の発明における軟X線透
過窓は、75.5重量%のガリウムと24.5重量%の
インジウムからなる合金を用いて接着されているので、
融点が15.7℃であり、一度液化した上記合金は、温
度が融点以下、例えば10℃、の温度になっても、過冷
却現象により、液体のまま存在する。このため、通常の
実験設備の設置場所においては上記合金は液体のままで
凝固することがないので、凝固時に発生する合金の体積
変化による応力が軟X線透過膜にかかることはない。そ
れ故、軟X線透過膜の厚みをさらに薄くすることが可能
であるので、軟X線領域のX線をさらに効率よく透過す
ることができる。
【0049】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1
はこの発明の実施例1の軟X線透過窓を示す断面図であ
り、図24と同一の構成要素には同一の符号を付し説明
を省略する。図において、1は軟X線透過薄膜部材、2
は支持部材、3は層状のガリウムである。また、Aは真
空チャンバー内の減圧領域、Bは超高真空領域である。
軟X線透過薄膜部材1はシリコンからなる支持体31と
窒化ケイ素からなる軟X線透過薄膜32とから構成され
ている。支持部材2は開口部を有し、かつ軟X線透過薄
膜部材1を支持するもので、例えば、ステンレス鋼、ア
ルミ合金等の超高真空構造材により構成されている。こ
こで、減圧領域Aは数Torr程度の真空度の領域であ
り、超高真空領域Bは10-7Torr(1.33×10
-5Pa)あるいはそれ以上の真空度の領域である。
【0050】次に、この軟X線透過窓の製造方法及び動
作について説明する。支持部材2を温めたところにガリ
ウム3を塗布し、軟X線透過薄膜部材1を接着する。真
空チャンバーは通常150℃でべーキングされ、べーキ
ング時にはガリウム3は融解するので、軟X線透過薄膜
部材1と支持部材2の熱膨張係数の違いにより軟X線透
過薄膜32に応力がかかって破損するということはな
い。また、ガリウムの融解時の粘性は150℃において
は1.4mN・s/m2 、表面張力は706mN/mで
あり、例えば、このような軟X線透過膜部材1をステン
レス鋼(SUS304)のICF152フランジにガリ
ウムを用いて接着して150℃でべーキングを行っても
ガリウムが流れ出したり、この軟X線透過薄膜部材1が
はがれ落ちたりすることがなく、超高真空領域Bと減圧
領域Aの真空を分離することができる。さらに、ガリウ
ムの蒸気圧は150℃では10-10 Torr以下なの
で、超高真空に到達するために必要なべーキング中に超
高真空を汚染することはない。
【0051】実施例2. 図2はこの発明の他の実施例の軟X線透過窓の要部を示
す断面図である。なお、図において図1と同一の構成要
素には同一の符号を付してある。この支持部材2は無酸
素銅やアルミ合金等から構成され、ガスケットを兼ねて
いる。このような軟X線透過窓においても実施例1のも
のと同様の効果が得られる。
【0052】また、上記各実施例では軟X線透過薄膜部
材1がはがれ落ちたりずれ落ちたりしないように、支持
部材2に軟X線透過薄膜部材1の入るえりぐりを設けて
いるが、押え板等で軟X線透過薄膜部材1を軽く押える
構成としてもよい。
【0053】なお、上記の各実施例では、支持体31を
シリコンにより、また、軟X線透過薄膜32を窒化シリ
コン薄膜により構成した軟X線透過薄膜部材1をガリウ
ム3を用いて接着した一例を示したが、支持体31はシ
リコンとは限らない。また、軟X線透過薄膜32は窒化
ボロン薄膜、炭化シリコン薄膜やダイヤモンド薄膜等で
もよく、窒化シリコン薄膜とは限らない。特に原子量1
3の炭素を多く含むダイヤモンド薄膜は熱伝導率が高い
ので、軟X線透過薄膜32において発生した放射光照射
による熱を効率よく散逸させることが可能である。ま
た、無酸素銅もしくはニッケルからなる支持体とベリリ
ウム薄膜で構成された軟X線透過薄膜部材をガリウムを
用いて接着しても同様の効果が得られる。また、薄いベ
リリウム箔を軟X線透過薄膜部材としてガリウムを用い
て接着しても同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0054】また、支持部材2や軟X線透過薄膜部材1
の接着部にガリウム3が濡れ易く密着性のよくなるよう
な処理、例えば、支持部材2の接着部表面にニッケルめ
っきを行って、接着性を上げ、気密性を上げてもよい。
【0055】実施例3. 図3はX線測定装置が取り付けられた超高真空プロセス
装置にこの発明の軟X線透過窓を適用した一例を示す断
面構成図であり、図において、11は試料、12は試料
製造機構、13は超高真空装置、14は排気装置、15
はX線を励起する機構、16〜21はゲートバルブ、2
2は排気装置、23は半導体検出器、24は真空容器、
25は液体窒化デュア、41は軟X線透過窓である。
【0056】上記のように構成された装置において、超
高真空装置13が超高真空に引かれた状態で、ゲートバ
ルブ16を介してX線測定装置が取り付けられている場
合について説明する。まず、X線分光・検出系100を
ゲートバルブ18において取り外す。次に、ゲートバル
ブ16,17を閉じた状態でゲートバルブ19,20を
開けて排気装置22で軟X線透過窓41の両側のそれぞ
れのゲートバルブで仕切られた空間Ia,Ibを軟X線
透過窓41に差圧がかからないように同時に真空排気す
る。初期の排気速度を落し、真空がよくなるにつれ排気
速度を上げることで差圧がほとんどかからないようにす
ることができる。そして、軟X線透過窓41とゲートバ
ルブ16,19で囲まれた空間Iaを中心的にべーキン
グを行ない、この空間中に存在する水成分を減少させ
る。この時、本発明の軟X線透過窓41を用いているの
で、実施例1や2と同様の効果が得られる。
【0057】べーキングが終了した後、X線分光・検出
系100をゲートバルブ18を介して取り付ける。ゲー
トバルブ19,20を閉じ、ゲートバルブ21を開けゲ
ートバルブ17,18,21で囲まれた空間を排気装置
22で十分に排気する。そして、ゲートバルブ21を閉
じ、ゲートバルブ17,20を開け、ゲートバルブ1
6,18を開ける。この状態では、X線分光・検出系1
00側の高真空領域と超高真空装置側の超高真空領域が
軟X線透過窓41によって分離されているので、X線分
光・検出系100側の真空中に残存する水成分が超高真
空装置側の真空を汚染することはない。また、上記のよ
うに差圧がかからないようにバルブ操作し排気すること
で軟X線透過窓41を100nm程度まで薄くすること
が可能であり、軟X線を効率よく測定することができ
る。それ故、軽元素から放出される1keV以下の軟X
線を測定することが可能となる。なお、ゲートバルブ1
6〜21の開閉手順は上記手順に限られるものではな
い。
【0058】実施例4. 図4は本発明の軟X線透過窓を適用した他の一例を示す
断面構成図であり、酸化ガスを導入し酸化物薄膜を形成
する高真空プロセス装置にX線測定装置を取り付けたも
のである。ここでは、図3と同一の構成要素には同一の
符号を付してある。図において、26は高真空装置、2
7は酸化ガス導入機構、28は排気装置、29は差動排
気用オリフィス、42は軟X線透過窓である。また、図
5は軟X線透過窓42に用いた軟X線透過薄膜部材の断
面図で、支持体43としてシリコン、軟X線透過薄膜4
4として窒化シリコン薄膜、紫外から遠赤外にわたる電
磁波を遮蔽する遮光膜45としてアルミニウム膜で構成
されている。ここでは支持体43のシリコンと開口部を
有する支持部材2のステンレス鋼(SUS304)をガ
リウム3を用いて接着している。また酸化ガスとして
は、酸素ガス、酸素とオゾンの混合ガス原子状の酸素が
好適に用いられる。
【0059】上記のように構成された装置において、高
真空装置26が高真空に引かれた状態で、ゲートバルブ
16を介してX線測定装置が取り付けられている場合に
ついて説明する。まず、ゲートバルブ16,18を閉じ
た状態でゲートバルブ19,20を開けて、排気装置2
2で軟X線透過窓42の両側のそれぞれのゲートバルブ
で仕切られた空間IIa,IIbを軟X線透過窓42に差圧
がかからないように同時に真空排気する。初期の排気速
度を落し、真空度が上がるにつれ排気速度を上げること
で差圧がほとんどかからないようにできる。そして、ゲ
ートバルブ19を閉じ、ゲートバルブ16,18を開け
る。この状態では、X線分光・検出系100側の高真空
領域と高真空装置側の真空領域が軟X線透過窓42によ
って分離されているので、酸化ガスを10-4Torr程
度導入して酸化物薄膜を形成する際においても、酸化ガ
スがX線分光・検出系100側に影響を与えることはな
い。
【0060】また、上記のように差圧がかからないよう
にバルブ操作し排気することで軟X線透過窓42の軟X
線透過薄膜44を100nm程度まで薄くすることが可
能であり、軟X線を効率よく測定することができる。そ
れ故、軽元素から放出される1keV以下の軟X線を測
定することが可能となる。さらに、アルミニウム膜45
を軟X線透過薄膜44上に、クラスタイオンビーム蒸着
法などにより、100〜200nm蒸着することによ
り、酸化物薄膜形成時における基板加熱や試料製造機構
からの紫外から遠赤外にわたつ電磁波を遮蔽することが
できる。また、このアルミニウム膜は1keV以下の軟
X線をよく透過するので、軽元素から放出される軟X線
を測定することが可能となる。また、アルミニウム膜4
5をX線分光・検出系100側、窒化シリコン薄膜44
を高真空装置側とすることで、酸化ガスによるアルミニ
ウム膜45の酸化を防ぐことが出来る。また、窒化ケイ
素薄膜等の窒化膜は酸化ガスに対して強く侵されること
はない。なお、ゲートバルブ16,18〜20の開閉手
順は、上記手順に限られるものではない。
【0061】また、実施例4では酸化ガスを導入して酸
化物薄膜を形成する場合について述べたがこれに限られ
るものではない。例えば、III−V族化合物薄膜を有機
金属ガス等を用いて形成する場合においても、実施例4
と同様の効果を奏することができ、X線分光・検出系1
00側の高真空領域と高真空装置側の真空領域が軟X線
透過窓42によって分離されているので、有機金属ガス
がアルミニウム膜を侵すということはない。
【0062】実施例5. 図6はX線光電子分光装置のX線源に本発明の軟X線透
過窓を適用した一例を示す断面構成図であり、図7はX
線源の詳細断面図である。図において、51は超高真空
槽、52は排気装置、53は試料、54はマニピュレー
タ、55,56はゲートバルブ、57は排気装置、58
は試料導入機構、59はエネルギー分析器、60はX線
源、61は電子線源、62はターゲット、63は冷却機
構、64は軟X線透過窓、65は電子線、66は散乱電
子、67はX線である。
【0063】X線光電子分光は表面分析手法であるた
め、10-8Torr(1.33×10-6Pa)あるいは
それ以上の超高真空が必要であり、上記のように構成さ
れた装置においては、超高真空槽51はゲートバルブ5
5,56を開けた状態でターボ分子ポンプ等の排気装置
57で排気しながら、べーキングが施される。ベーキン
グ時にはガリウム3は融解するので、実施例1や2と同
様の効果を得ることができる。ベーキング終了後ゲート
バルブ55を閉じ、排気装置52で超高真空に引く。試
料53は試料導入機構58を用いて導入する。X線源6
0によりX線を照射された試料53は光電子を発生し、
その光電子をエネルギー分析器59により分析を行う。
【0064】X線源60において、電子線源61により
500eV〜5keV程度に加速された電子線65がグ
ラファイト等のターゲット62に照射される。このとき
ターゲット62は励起されX線67を発生する。このX
線67は軟X線透過窓64を透過し試料53に照射され
る。差圧がかからない構造なので軟X線透過窓64の軟
X線透過薄膜を100nm程度まで薄くすることが可能
であり、したがって軟X線領域の炭素の特性X線をX線
源として用いることが出来る。さらに、ターゲットから
散乱された電子66は軟X線透過薄膜を透過することが
出来ないので、散乱された電子66が試料53に当たる
ことはない。それ故、炭素に限らず軟X線領域の特性X
線をX線源として用いても充分な強度を得ることが出
来、散乱電子66によるノイズを低減させることが可能
となる。
【0065】上記実施例5では、X線光電子分光装置の
X線源に本発明の軟X線透過窓を用いた例を示したが、
この実施例に限定されるものではなく、他の電子線励起
によるX線源に本発明の軟X線透過窓を用いても同様の
効果を奏するのはいうまでもない。
【0066】実施例6. 図8は軟X線光化学反応プロセス装置に本発明の軟X線
透過窓を適用した一例を示す断面構成図であり、71は
シンクロトロン放射光装置、72,73は高速遮断バル
ブ、74はミラー、75は分光器、76〜78は排気装
置、79はゲートバルブ、80は試料、81はガス導入
機構、82は真空槽、83は軟X線透過窓である。
【0067】シンクロトロン放射光装置及び軟X線ビー
ムラインにおいては10-7Torr(1.33×10-5
Pa)あるいはそれ以上の超高真空が必要であり、排気
装置76,77で排気しながら、ベーキングを行う。ベ
ーキング時にはガリウム3は融解するので、実施例1や
2と同様の効果を得ることができる。ベーキング終了後
ゲートバルブ79を開け、ガス導入機構81でガスが導
入された状態の真空槽82と真空的に接続する。この場
合、軟X線透過窓83で真空が分離されているので導入
ガスがシンクロトロン放射光装置の方へ流入することは
ない。軟X線透過窓83に差圧がかからない構造なので
軟X線透過窓83の軟X線透過薄膜を100nm程度ま
で薄くすることが可能であり、効率よく軟X線領域のX
線と透過させることができる。それ故、導入ガスの反応
速度が速くなり、製造される試料80のスループットが
向上する。また、10-10 Torrから10-3Torr
までの真空度の範囲で差圧を保つことができるので、従
来の差動排気を簡略化することができ、信頼性及びメイ
ンテナンス性が向上し、敷地節約が可能になる。
【0068】実施例7. 図9はX線リソグラフィ装置に本発明の軟X線透過窓を
適用した一例を示す断面構成図であり、84,85は排
気装置、86はX線マスク、87は試料、88はX線ス
テッパーである。89はヘリウムガス導入機構、90は
軟X線透過窓、91はベリリウム等からなる可視光を透
過しないX線透過窓である。なお、71〜77,83は
図8と同一の構成である。
【0069】シンクロトロン放射光装置及び軟X線ビー
ムラインにおいては超高真空が必要であり、排気装置7
6,77で排気しながら、ベーキングを行う。ベーキン
グ時にはガリウム3は融解するので、実施例1や2と同
様の効果を得ることができる。また、軟X線透過窓83
に差圧がかからない構造なので軟X線透過窓83の軟X
線透過薄膜を100nm程度まで薄くすることが可能で
あり、効率よく軟X線領域のX線領域のX線を透過させ
ることができる。また、10-10 Torrから10-3
orrまでの真空度の範囲で差圧を保つことができるの
で、従来の差動排気を簡略化することができ、信頼性や
メンテナンス性が向上し、敷地節約が可能になる。
【0070】さらに、軟X線透過窓83の軟X線透過薄
膜よりも厚い膜厚の軟X線透過薄膜を有する軟X線透過
窓90を用いることより10-3Torrから10-1To
rrまでの真空度の範囲で差圧を保つことができ、最終
的にベリリウム等の可視光を透過しないX線透過窓91
を用いて数Torrの真空状態にすることができる。こ
れにより、数Torrの真空状態でX線ステッパー88
を動作させることが出来、放射光による熱をヘリウムを
用いて散逸させることが出来る。それ故、X線マスク8
6が熱的に歪んだりすることはない。また、軟X線透過
窓83や軟X線透過窓90においてはリソグラフィに用
いるX線の強度はほとんど減衰しないので、効率よく露
光することが可能となり、スループットが向上する。
【0071】なお、上記各実施例で用いたガリウムの代
わりにガリウムを含む合金を用いても上記各実施例と同
様の効果を得ることができる。ここで、実施例1におい
てガリウム3の代わりに75.5重量%のガリウムと2
4.5重量%のインジウムからなる合金(ここでは、G
a75.5−In合金と称することとする)を用いた場
合の製造方法及び動作について説明する。このGa7
5.5−In合金は、融点が15.7℃であり、一度融
解した上記合金は、温度が融点以下、例えば10℃の温
度になっても、過冷却現象により、液体のまま存在す
る。
【0072】支持部材2にGa75.5−In合金3を
塗布し、軟X線透過薄膜部材1を接着する。通常の実験
室における室温では、上記合金は液体であり支持部材を
暖めずに接着できる。真空チャンバーは通常150℃で
ベーキング時においてGa75.5−In合金3は液体
状態なので、軟X線透過薄膜部材1と支持部材2の熱膨
張係数の違いにより軟X線透過薄膜32に応力がかかっ
て破損するということはない。また、通常の実験設備の
設置場所においては上記合金は液体のままで凝固するこ
とがないので、凝固時に発生する合金の体積変化による
応力が軟X線透過薄膜にかかることはない。
【0073】また、Ga75.5−In合金は粘性や表
面張力を有するので、例えば、図21に示すような軟X
線透過薄膜部材1をステンレス鋼(SUS304)のI
CF152フランジにGa75.5−In合金を用いて
接着して150℃でベーキングを行ってもこの合金が流
れ出たり、軟X線透過薄膜部材1がはがれ落ちたりする
ことがなく、超高真空領域Bと減圧領域Aの真空を分離
することができる。また、Ga75.5−In合金はガ
リウムよりも粘性が高く、ステンレス鋼(SUS30
4)との馴染みがよい。さらに、ガリウムやインジウム
の蒸気圧は150℃では10-10 Torr以下なので、
超高真空に到達するために必要なベーキング中に超高真
空を汚染することはない。
【0074】上記の説明においては、ガリウムを含む合
金として融点が15.7℃と最も低いGa75.5−I
n合金を用いた場合について述べたが、この塑性の合金
に限るものではない。例えば図25、図26に示す状態
図から分かるように、ガリウムとインジウムの合金でイ
ンジウムの重量%比率が約30%より小さい合金では融
点が15.7〜29.8℃、また、ガリウムとスズの合
金でスズの重量%比率が約15%より小さい合金では融
点が20.5〜29.8℃とガリウムの融点29.8℃
よりも低く、ベーキング時には容器に融解し、軟X線透
過薄膜部材と支持部材の熱膨張係数の違いによって軟X
線透過薄膜に応力がかかることはない。それ故、軟X線
透過薄膜の厚みを極力薄くすることが可能であり、軟X
線領域のX線を効率よく透過することができる。また、
ガリウムとインジウムの合金やガリウムとスズの合金は
融解時に粘性や表面張力を有するので、減圧領域と超高
真空領域の真空を分離することができる。さらに、ガリ
ウムとインジウムの合金やガリウムとスズの合金はベー
キング温度においても蒸気圧が低くベーキング中に超高
真空を汚染することはないので、超高真空に到達するた
めに必要なベーキングが可能である。
【0075】実施例8. 図10はこの発明の他の実施例である赤外線透過窓を示
す断面図である。図において、101は赤外線透過窓構
成部材、102は赤外線透過窓構成部材101を支持す
る支持部材、103は75.5重量%のガリウムと2
4.5重量%のインジウムからなる合金(Ga75.5
−In合金)である。支持部材102は開口部を有し、
例えば、熱伝導率の低いステンレス鋼等の真空構造材に
より構成されている。
【0076】図11はこの赤外線透過窓構成部材101
の構造を示す断面図である。図において、104は支持
体、105は赤外線透過薄膜であり、例えば、支持体の
直径15mm、透過部は5mm角、赤外線透過薄膜の膜
厚50nmである。通常、支持体104にシリコン、赤
外線透過薄膜105に極薄の膜厚の窒化シリコン薄膜が
用いられている。シリコン支持体104上に気相化学蒸
着法(CVD)によりシリコンとほぼ同じ熱膨張係数を
持つ組成の窒化シリコン薄膜105を形成し、シリコン
支持体104を水酸化カリウム(KOH)溶液等のアル
カリ性溶液でエッチング除去し、透過部を形成する。た
だし、支持体104と赤外線透過薄膜105はシリコン
と窒化シリコンとに限るものではない。例えば、赤外線
透過薄膜105にダイヤモンド状カーボン薄膜を用いて
もよい。また、エッチング法は上記に限られるものでは
なく、例えばドライエッチング法を用いてもよい。
【0077】次に赤外線透過窓の製造方法及び動作につ
いて説明する。支持部材102にGa75.5−In合
金103を塗布し、赤外線透過窓構成部材101を接着
する。Ga75.5−In合金は、融点が15.7℃で
あり、一度融解した上記合金は、温度が融点以下、例え
ば10℃の温度になっても、過冷却現象により、液体の
まま存在する。通常の実験室における室温では、上記合
金は液体であり支持部材を暖めずに接着できる。また、
通常の実験設備の設置場所においては上記合金は液体の
ままで凝固することがないので、凝固時に発生する合金
の体積変化による応力が赤外線透過薄膜にかかることは
ない。それ故、赤外線透過薄膜の膜厚を50nm以下に
することが可能となり、窒化シリコン薄膜が赤外線領域
で吸収する波長の赤外線においても10%以上の透過率
を得ることが出来る。
【0078】実施例9. 図12は本発明の赤外線透過窓を適用した一例を示す断
面構成図であり、真空プロセス装置に放射温度測定装置
を取り付けたものである。図において、106は真空
槽、107は排気装置、108は試料、109は加熱機
構、110は試料製造用ガス導入機構、111は赤外線
検出器、112は液体窒化デュア、113は液体ヘリウ
ムデュア、114は赤外線透過窓である。
【0079】上記のように構成された装置においては、
真空槽106は排気装置107によって真空に引かれ
る。赤外線透過窓114は差圧がかからないように真空
引き出来るようになっているので、赤外線透過窓114
の赤外線透過薄膜105を50nm程度まで薄くするこ
とが可能であり、長波長限界が向上し赤外線を効率よく
測定することができる。加熱機構109からの輻射熱に
より赤外線透過窓114付近が加熱されても、赤外線透
過窓構成部材101と支持部材102の熱膨張係数の違
いにより赤外線透過薄膜105に応力がかかって破損す
るということはない。また、通常の実験設備の設置場所
においては上記合金は液体のままで凝固することがない
ので、凝固時に発生する合金の体積変化による応力が赤
外線透過薄膜にかかることはない。さらに、赤外線透過
薄膜105の窒化シリコン薄膜は蒸気圧が極めて低く、
ガリウムやインジウムの蒸気圧も低いので、高純度ガス
を用いて試料を製造する際に赤外線透過窓114の構成
材やガリウムやインジウムが不純物として試料に取り込
まれることはない。また、赤外線透過薄膜105の窒化
シリコン薄膜は湿気に対して強く、取り扱いが簡便であ
る。
【0080】上記のように構成された装置においては、
赤外線透過窓114として厚さ10μmの1インチ径の
シリコン厚膜やゲルマニウム厚膜等を用いれば、通常の
厚さ数mmのシリコンやゲルマニウム等の赤外線透過窓
を用いた場合よりも透過率が上昇する。また、ガリウム
−インジウム合金は液体であるので、加熱機構109か
らの輻射熱により赤外線透過窓114付近が加熱されて
も、10μmの1インチ径のシリコン厚膜やゲルマニウ
ム厚膜等と支持部材102の熱膨張係数の違いによりシ
リコン厚膜やゲルマニウム厚膜等に応力がかかって破損
するということはない。
【0081】実施例10. 図13はこの発明の他の実施例である可視光透過窓を示
す断面図である。図において、121は可視光透過窓構
成部材、122は可視光透過窓構成部材121を支持す
る支持部材、123は75.5重量%のガリウムと2
4.5重量%のインジウムからなる合金(Ga75.5
−In合金)である。支持部材122は、開口部を有
し、ステンレス鋼やアルミニウム合金等からなる真空構
造材により構成されている。
【0082】図14はこの可視光透過窓構成部材の構造
を示す断面図である。図において、124は支持体、1
25は可視光透過薄膜であり、例えば、支持体の直径4
0mm、透過部は10mm×30mm、可視光透過薄膜
の膜厚300nmである。支持体124にシリコン、可
視光透過薄膜125に窒化シリコン薄膜が用いられてい
る。支持体124上に気相化学蒸着法(CVD)により
シリコンとほぼ同じ熱膨張係数を持つ組成の窒化シリコ
ン薄膜125を形成し、支持体124をふっ酸(HF)
溶液等の酸性溶液で選択エッチングし、透過部を形成す
る。ただし、支持体124と可視光透過薄膜125はシ
リコンと窒化シリコンとに限るものではない。また、エ
ッチング法はこれに限られたものでななく、ドライエッ
チング法を用いてもよい。
【0083】次にこの可視光透過窓の製造方法及び動作
について説明する。支持部材122にGa75.5−I
n合金123と塗布し、可視光透過窓構成部材121を
接着する。Ga75.5−In合金は、融点が15.7
℃であり、一度融解した上記合金は、温度が融点以下、
例えば10℃の温度になっても、過冷却現象により、液
体のまま存在する。通常の実験室における室温では、上
記合金は液体であり支持部材を暖めずに接着することが
できる。また、通常の実験設備の設置場所においては上
記合金は液体のままで凝固することがないので、凝固時
に発生する合金の体積変化による応力が可視光透過薄膜
にかかることはない。それ故、可視光透過薄膜の膜厚を
100nm程度にすることが可能となり、窒化シリコン
薄膜中における光の散乱や光学的な歪を現象することが
出来る。
【0084】実施例11. 図15はこの発明の可視光透過窓を適用した一例を示す
上面断面構成図であり、真空プロセス装置に微粒子測定
装置を取り付けたものである。図において、126は真
空槽、127は排気装置、128は試料、129はレー
ザ光源、130は走査用ミラー、131,132は光学
素子、133は光検出器、134は光トップ、135,
136は可視光透過窓である。
【0085】上記のように構成された装置においては、
真空槽126は排気装置127によって真空に引かれ
る。可視光透過窓135,136は差圧がかからないよ
うに真空引き出来るようになっているので、可視光透過
窓135,136の可視光透過薄膜125を100nm
程度まで薄くすることが可能であり、窒化シリコン薄膜
中における光の散乱や光学的な歪を減少させることが出
来る。それ故、可視光透過窓135の可視光透過薄膜1
25中において光が散乱され検出バックグランドを上昇
させることはない。また、可視光透過窓135,136
の可視光透過薄膜125中における光学的な歪のための
偏光面の変化は極微少であり、これにより検出バックグ
ランドを上昇させることはない。従って、微粒子の検出
下限界を向上させることができる。
【0086】実施例12. 図16はこの発明の他の実施例である可視光透過窓を示
す断面図である。図において、141は数mm厚の石英
等の板からなる可視光透過厚膜、142は可視光透過厚
膜141を支持する支持部材、143は75.5重量%
のガリウムと24.5重量%のインジウムからなる合金
(Ga75.5−In合金)である。支持部材142は
開口部を有しステンレス鋼やアルミニウム合金等の真空
構造材により構成されている。
【0087】次に、この可視光透過窓の製造方法及び動
作について説明する。支持部材142にGa75.5−
In合金143を塗布し、可視光透過厚膜141を接着
する。Ga75.5−In合金は、融点が15.7℃で
あり、一度融解した上記合金は、温度が融点以下、例え
ば10℃の温度になっても、過冷却現象により、液体の
まま存在する。通常の実験室における室温では、上記合
金は液体であり支持部材を暖めずに接着することができ
る。また、通常の実験設備の設置場所においては上記合
金は液体のままで凝固することがないので、凝固時に発
生する合金の体積変化による応力が可視光透過厚膜にか
かることはない。それ故、可視光透過厚膜141を直接
O−リングで押えつけるときや可視光透過厚膜141を
支持部材142に融着するときに発生する複屈折率をほ
ぼ0とすることができ、光学的な歪を減少させることが
出来る。
【0088】実施例13. 図17はこの発明の可視光透過窓を適用した一例を示す
断面構成図であり、高真空プロセス装置にエリプソメー
タを取り付けたものである。図において、144は真空
槽、145は排気装置、146は試料、147は試料製
造機構、148はレーザ光源、149,150は光学素
子、151は光検出器、152,153は可視光透過窓
である。
【0089】上記のように構成された装置においては、
真空槽144は排気装置145によって高真空に引かれ
る。可視光透過窓152,153は差圧がかからないよ
うに真空引き出来るようになっているので、可視光透過
窓152,153の可視光透過厚膜141が外れること
はない。この実施例においても実施例12と同様に、可
視光透過厚膜141を直接O−リングで押さえつけると
きや可視光透過厚膜141を支持部材142に融着する
ときに発生する複屈折率をほぼ0とすることができ、光
学的な歪を減少させることが出来、したがって可視光透
過厚膜141による歪を補正する必要がなく精密な測定
が可能となる。
【0090】実施例14.図18はこの発明の他の実施
例である真空紫外透過窓を示す断面図である。図におい
て、161は真空紫外透過窓構成部材、162は真空紫
外透過構成部材161を支持する支持部材、163は7
5.5重量%のガリウムと24.5重量%のインジウム
からなる合金(Ga75.5−In合金)、166は直
線導入機構、167はシール材、168は真空容器であ
る。支持部材162は開口部を有し、ステンレス鋼やア
ルミニウム合金等の真空構造部材により構成されてい
る。
【0091】図19はこの真空紫外透過窓構成部材16
2の構造を示す断面図である。図において、164は支
持体、165は真空紫外透過薄膜であり、例えば、支持
体の直径15mm、透過部の直径5mm、真空紫外透過
薄膜の膜厚は1μmである。支持体164にシリコン、
真空紫外透過薄膜165にふっ化カルシウム膜やサファ
イア膜等が用いられている。
【0092】次にこの真空紫外透過窓の製造方向及び動
作について説明する。支持部材162にGa75.5−
In合金163を塗布し、真空紫外透過窓構成部材16
1を接着する。Ga75.5−In合金は、融点が1
5.7℃であり、一度融解した上記合金は、温度融点以
下、例えば10℃の温度になっても、過冷却現象によ
り、液体のまま存在する。通常の実験室における室温で
は、上記合金は液体であり支持部材を暖めずに接着する
ことができる。また、通常の実験設備の設置場所におい
ては上記合金は液体のままで凝固することがないので、
凝固時に発生する合金の体積変化による応力が真空紫外
透過薄膜にかかることはない。また、真空紫外透過薄膜
に差圧をかけないように排気するため、直線導入機構1
66で支持部材162を上昇させておき空間III a,II
I bがつながっている状態にし排気を始める。空間III
a,III bが充分に排気できた後、直線導入機構166
で支持部材162を下降させてシール材167で真空シ
ールを行う。これにより、空間III aとIII bを真空的
に分離することができる。このようにして排気すること
で、真空紫外透過薄膜に差圧がかかることはない。それ
故、真空紫外透過薄膜の膜厚を100nm程度にするこ
とが可能となり、透過限界波長をさらに短くすることが
可能となる。
【0093】実施例15. 図20は真空紫外プラズマ光源を備えた光化学反応プロ
セス装置に本発明の真空紫外透過窓を適用した一例を示
す側面構成図であり、図において、169は真空槽、1
70は排気装置、171は試料製造用ガス導入機構、1
72は真空槽、173は排気装置、174はプラズマ励
起機構、175は荷電粒子除去機構、176はプラズマ
発生用ガス導入機構、177はプラズマである。ここで
は、真空槽169と真空槽172は図18に示した実施
例14の真空紫外透過窓を用いて接続されている。
【0094】上記のように構成された装置においては、
上記実施例14と同様に、差圧がかからないように真空
引きした後、真空紫外透過窓を用いて真空槽169と真
空槽172の真空を分離することができる。ここではガ
ス導入機構176によりプラズマ発生用ガスを導入し、
プラズマ励起機構174、例えば放電やレーザ等でプラ
ズマを発生させる。プラズマ177から放出される真空
紫外光は真空紫外透過窓を透過し、ガス導入機構171
より導入されたガスを反応させ試料171を製造する。
この装置は差圧がかからないように真空引き出来るよう
になっているので、紫外透過窓161の真空紫外透過薄
膜165を100nm程度まで薄くすることが可能であ
り、透過限界波長をさらに短くすることが可能となり、
透過限界波長近傍での強度が増加し、反応速度が上昇
し、試料製造のスループットが上昇する。また、試料1
71として水銀カドニウムテルルの結晶成長をさせる場
合や水銀の放電を用いてプラズマ177を発生させる場
合には、Ga75.5−In合金163の代わりに、水
銀や水銀を含む合金を用いてもよい。すなわち、接着に
用いる金属及び合金が蒸気圧が高い場所でも、プロセス
等に影響を与えない場合には、上記金属及び合金を用い
ることが出来る。
【0095】なお上記各実施例の光と取り出す光透過型
真空分離窓においては、光透過窓構成部材と開口部を有
しかつ光透過窓構成部材を支持する支持部材とを接着し
た構成としたが、これの実施例に限らず、熱膨張係数の
異なる二つの物質を接着する場合に適用することもで
き、応力がかからないようにすることが可能なことは言
うまでもない。
【0096】実施例16. 図21はこの発明の他の実施例による軟X線透過窓を示
す断面図である。図において、201は図24で示され
たような軟X線透過窓構成部材、202は開口部を有し
かつ軟X線透過窓構成部材を支持する支持部材でステン
レス鋼やアルミ合金等の超高真空構造材でることが多
く、203はガリウムである。また、Aは真空チャンバ
ー内の減圧領域、Bは超高真空領域である。
【0097】次に図21のものの製造方法及び動作につ
いて説明する。支持部材202を暖めたところにガリウ
ム203を塗布し、軟X線透過窓構成部材201を接着
する。真空チャンバー通常150℃位でベーキングさ
れ、ベーキング時にはガリウム203は液化するので、
軟X線透過窓構成部材201と軟X線透過窓構成部材を
支持する支持部材202の熱膨張係数の違いにより軟X
線透過膜32に応力がかかって破損するということはな
い。また、ガリウムの液化時の粘性は150℃において
は1.4mN・s/m2 、表面張力は706mN/mで
あり、例えば、図24のような軟X線透過窓構成部材2
01をステンレス鋼(SUS304)のICF152フ
ランジにガリウムを用いて接着して150℃でベーキン
グを行ってもガリウムが流れ出たり、軟X線透過窓構成
部材201がはがれ落ちたりすることがなく、超高真空
領域Bと減圧領域Aの気密を保持できる。さらに、ガリ
ウムの蒸気圧は150℃では10-10 Torr以下なの
で、超高真空に到達するために必要なベーキング中に超
高真空を汚染することはない。
【0098】実施例17. 図22はこの発明の他の実施例による軟X線透過窓の要
部を示す断面図である。図において、201と203は
図1と同様であり、205は開口部を有しかつ軟X線透
過窓構成部材を支持する支持部材で無酸素銅やアルミ合
金等でガスケットを兼ねている場合を示している。この
ような軟X線透過窓でも実施例16のものと同様の効果
が得られる。
【0099】また、図21、図22では軟X線透過窓構
成部材201がはがれ落ちたりずれ落ちたりしないよう
に、支持部材に軟X線透過窓構成部材に入るえりぐりを
設けているが、押え板で軟X線透過窓構成部材201を
軽く押えてもよい。
【0100】なお、上記の説明では、支持体31として
シリコンを、軟X線透過膜32として窒化シリコン膜を
持つ軟X線透過窓構成部材201をガリウム203を用
いて接着する例を示したが、無酸素銅を支持体としたベ
リリウム薄膜で構成された軟X線透過窓構成部材をガリ
ウムを用いて接着しても同様の効果が得られる。また、
薄いベリリウム箔を軟X線透過窓構成部材としてガリウ
ムを用いて接着しても同様の効果が得られることは言う
までもない。
【0101】また、支持部材205や軟X線透過窓構成
部材201の軟X線透過窓接着部にガリウム203が濡
れ易く密着性のよくなるような処理、例えば、支持部材
205の接着部表面にニッケルメッキを行って、接着性
を上げ、気密性を上げてもよい。
【0102】実施例18. 図23は超高真空プロセス装置にX線測定装置を取り付
ける場合に本発明の軟X線透過窓を用いた例を示す断面
構成図であり、図において、211は試料、212は試
料製造機構、213は超高真空装置、214は排気装
置、215はX線を励起する機構、216〜221はゲ
ートバルブ、222は排気装置、223は半導体検出
器、224は真空容器、225は液体窒素デュア、24
1が軟X線透過窓である。
【0103】上記のように構成された装置において、超
高真空装置213は超高真空に引かれた状態で、ゲート
バルブ216を介してX線測定装置を取り付けられてい
る場合を考える。まず、X線分光・検出系300をゲー
トバルブ218において取り外す。次に、ゲートバルブ
216,217を閉じた状態でゲートバルブ219,2
20を開けて排気装置222で軟X線透過窓241の両
側のそれぞれのゲートバルブで仕切られた空間Ia,I
bを軟X線透過窓241に差圧がかからないように同時
に真空排気する。そして、軟X線透過窓241とゲート
バルブ216,219で囲まれた空間Iaを中心的にベ
ーキングを行ない、この空間中に存在する水成分を減ら
す。
【0104】この時、本発明の軟X線透過窓241を用
いているので、実施例16及び17と同様の効果が得ら
れる。ベーキングが終了した後、X線分光・検出系30
0をゲートバルブ218を介して取り付ける。ゲートバ
ルブ219,220を閉じ、ゲートバルブ221を開け
ゲートバルブ217,218,221で囲まれた空間を
排気装置222で十分に排気する。そして、ゲートバル
ブ221を閉じ、ゲートバルブ217,220を開け、
ゲートバルブ216,218を開ける。この状態では、
X線分光・検出系300側の高真空領域と超高真空装置
側の超高真空領域が軟X線透過窓241によって分離さ
れているのでX線分光・検出系300側の真空中の水成
分が超高真空装置側の真空を汚すことはない。また、上
記のように差圧がかからないようにバルブ操作すること
で軟X線透過窓241を1000オングストローム程度
まで薄くすることが可能であり、軟X線が効率よく測定
できる。それ故、軽元素から放出される1keV以下の
軟X線を測定することが可能となる。ところで、ゲート
バルブ216〜221の開閉手順はこれに限られたもの
ではない。
【0105】なお、上記実施例16ないし18で用いた
ガリウムの代わりにガリウムを含む合金を用いても上記
各実施例と同様の効果が得られる。例えば図21に示す
実施例16のガリウム203の代わりに75.5重量%
のガリウムと24.5重量%のインジウムからなる合金
を用いた場合の製造方法及び動作について説明する。7
5.5重量%のガリウムと24.5重量%のインジウム
からなる合金は、融点が15.7℃であり、一度液化し
た上記合金は、温度が融点以下、例えば10℃の温度に
なっても、過冷却現象により、液体のまま存在する。
【0106】支持部材202に75.5重量%のガリウ
ムと24.5重量%のインジウムからなる合金203を
塗布し、軟X線透過窓構成部材201を接着する。通常
の実験室における室温では、上記合金は液体であり支持
部材202を暖めずに接着できる。真空チャンバーは通
常150℃位でベーキングされ、ベーキング時において
75.5重量%のガリウムと24.5重量%のインジウ
ムからなる合金203は液体状態なので、軟X線透過窓
構成部材201と軟X線透過窓構成部材を支持する支持
部材202の熱膨張係数の違いにより軟X線透過膜32
に応力がかかって破損するということはない。また、通
常の実験設備の設置場所においては上記合金は液体のま
まで凝固することがないので、凝固時に発生する合金の
体積変化による応力が軟X線透過膜にかかることはな
い。
【0107】また、75.5重量%のガリウムと24.
5重量%のインジウムからなる合金は粘性や表面張力を
有しており、例えば、図24のような軟X線透過窓構成
部材201をステンレス鋼(SUS304)のICF1
52フランジに75.5重量%のガリウムと24.5重
量%のインジウムからなる合金を用いて接着して150
℃でベーキングを行なっても75.5重量%のガリウム
と24.5重量%のインジウムからなる合金が流れ出た
り、軟X線透過窓構成部材201ははがれ落ちたりする
ことがなく、超高真空領域Bと減圧領域Aに気密を保持
できる。75.5重量%のガリウムと24.5重量%の
インジウムからなる合金はガリウムよりも粘性が高く、
ステンレス鋼(SUS304)との馴染みがよい。さら
に、ガリウムやインジウムの蒸気圧は150℃では10
-10 Torr以下なので、超高真空に到達するために必
要なベーキング中に超高真空を汚染することはない。
【0108】上記の説明においては、ガリウムを含む合
金として融点が15.7℃と最も低い75.5重量%の
ガリウムと24.5重量%のインジウムからなる合金を
用いた場合について述べたが、これに限るものではな
く、例えば図25、図26に示す状態図から分かるよう
に、ガリウムとインジウムの合金でインジウムの重量%
比率が約30%より小さい合金では融点が15.7〜2
9.8℃、また、ガリウムとスズの合金でスズの重量%
比率が約15%より小さい合金では融点が20.5〜2
9.8℃とガリウムの融点29.8℃よりも低く、ベー
キング時には液化し、軟X線透過窓構成部材と支持部材
の熱膨張係数の違いによって軟X線透過膜に応力がかか
ることはない。それ故、軟X線透過膜に厚みを極力薄く
することが可能であるので、軟X線領域のX線を効率よ
く透過することができる。また、ガリウムを含む合金、
例えば、ガリウムとインジウムの合金やガリウムとスズ
の合金は液化時に粘性や表面張力を有しているので、減
圧領域と超高真空領域の気密性を保持できる。さらに、
ガリウムを含む合金、例えば、ガリウムとインジウムの
合金やガリウムとスズの合金はベーキング温度において
も蒸気圧が低くベーキング中に超高真空を汚染すること
はないでの、超高真空に到達するために必要なベーキン
グが可能である。
【0109】なお参考として、上記の説明においては、
軟X線を取り出す軟X線透過窓において、軟X線透過窓
構成部材と開口部を有しかつ軟X線透過窓構成部材を支
持する支持部材とを接着する場合について述べたが、こ
れに限らず、熱膨張係数の異なる二つの物質を接着する
場合に適用して応力がかからないようにすることが可能
なことは言うまでもない。
【0110】
【発明の効果】以上のように、請求項の発明によれ
ば、薄膜と支持部材との間に、使用環境の温度範囲にお
いて液体となる金属または合金からなる層を設けるよう
に構成したので、凝固に伴う体積変化によって薄膜に応
力がかかることを防ぐことができ、さらに、超高真空に
必要なベーキング時に支持部材と熱膨張係数の違いによ
って薄膜に応力がかかることを防ぐことができる。それ
故、薄膜の膜厚を1μm以下にすることが可能となり、
光透過型真空分離窓における軟X線領域や赤外線領域の
光の透過率を上昇させることができ、さらに薄膜におけ
る歪及び散乱を減少させる効果がある。
【0111】また、請求項の発明によれば、薄膜部材
と支持部材との間に、使用環境の温度範囲において液体
となる金属または合金からなる層を設けるように構成し
たので、凝固に伴う体積変化によって薄膜部材に応力が
かかることを防ぐことができ、さらに、超高真空に必要
なベーキング時に支持部材と熱膨張係数の違いによって
薄膜部材に応力がかかることを防ぐことができる。それ
故、薄膜の膜厚を1μm以下にすることが可能となり、
光透過型真空分離窓における軟X線領域や赤外線領域の
光の透過率を上昇させることができ、さらに薄膜におけ
る歪及び散乱を減少させる効果がある。
【0112】また、請求項の発明によれば、金属をガ
リウムとし、合金をガリウムを含む合金とするように構
成したので、ベーキング時には、容易に融解させること
ができ、薄膜または薄膜部材と支持部材の熱膨張係数の
違いによって光透過薄膜に応力がかかることはなく、光
透過薄膜の膜厚を極力薄くする事ができ、軟X線領域の
X線や赤外線等の光を効率よく透過させることができ
る。さらに、薄膜中で光が歪を受ける割合を著しく減少
させることができ、その上、薄膜中での光散乱量を減少
させることができる。また、ガリウムまたはガリウムを
含む合金は融解時に粘性及び表面張力を有するので、真
空を分離することができる。さらに、ガリウムまたはガ
リウムを含む合金はベーキング温度においても蒸気圧が
低くベーキング中に超高真空を汚染することはなく、超
高真空に到達するために必要なベーキングを施すことが
できる効果がある。
【0113】また、請求項の発明によれば、ガリウム
を含む合金をガリウム・インジウム合金またはガリウム
・スズ合金のいずれか1種とするように構成したので、
ベーキング時には容易に融解させることができ、薄膜ま
たは薄膜部材と支持部材の熱膨張係数の違いによって薄
膜に応力がかかることはなく、薄膜の膜厚を極力薄くす
る事ができる。したがって軟X線領域のX線や赤外線等
の光を効率よく透過させることができる。さらに、薄膜
中で光が歪を受ける割合を著しく減少させることがで
き、薄膜中での光散乱量を減少させることができる。ま
た、ガリウムとインジウムの合金及びガリウムとスズの
合金は融解時に粘性や表面張力を有するので、真空を分
離することができる。さらに、ガリウムとインジウムの
合金及びガリウムとスズの合金はベーキング温度におい
ても蒸気圧が低くベーキング中に超高真空を汚染するこ
とはないので、超高真空に到達するために必要なベーキ
ングを施すことができる効果がある。
【0114】また、請求項の発明によれば、ガリウム
・インジウム合金を、ガリウムを75.5重量%、イン
ジウムを24.5重量%含有する合金とするように構成
したので、融点を15.7℃まで低下させることがで
き、したがって、光透過薄膜の厚みをさらに薄くするこ
とができ、軟X線領域のX線や赤外線等の光をさらに効
率よく透過させることができる。さらに、通常使用され
る実験室では液体であり、支持部材を暖めずに塗布する
ことができる。また、ガリウム、インジウムとも蒸気圧
が低く、超高真空を汚染しないという効果がある。
【0115】また、請求項の発明によれば、複数の真
空領域の少なくともいずれか一方を10-7Torrある
いはそれ以上の超高真空領域となるように構成したの
で、超高真空領域と真空領域を分離し、光の透過率をさ
らに上昇させる効果がある。また、請求項の発明によ
れば、光を透過する厚膜と支持部材の間に使用環境の温
度範囲において液体の金属あるいは合金からなる層を設
けるように構成したので、融着やO−リングにおける封
止による応力を厚膜にかける必要がなく、複屈折が発生
しない。さらに、超高真空に必要なベーキング時に支持
部材と熱膨張係数の違いによって厚膜に応力がかかるこ
とを防ぐことができる効果がある。
【0116】また、請求項の発明によれば、光を透過
する厚膜部材と支持部材の間に使用環境の温度範囲にお
いて液体の金属あるいは合金からなる層を設けるように
構成したので、融着やO−リングにおける封止による応
力を厚膜部材にかける必要がなく、複屈折が発生しな
い。さらに、超高真空に必要なベーキング時に支持部材
と熱膨張係数の違いによって厚膜部材に応力がかかるこ
とを防ぐことができる効果がある。また、請求項の発
明によれば、金属をガリウムとし、合金をガリウムを含
む合金とするように構成したので、融着やO−リングで
の封止による応力を厚膜もしくは厚膜部材にかけること
がないので、複屈折が発生することはしない。また、ベ
ーキング時には、ガリウムまたはガリウムを含む合金は
容易に融解するので、厚膜または厚膜部材と支持部材の
熱膨張係数の違いによって光透過厚膜に応力がかかるお
それがなくなり、光透過厚膜が破損することはない。ま
た、ガリウムまたはガリウムを含む合金は融解時に粘性
及び表面張力を有するので、真空を分離することができ
る。さらに、ガリウムまたはガリウムを含む合金はベー
キング温度においても蒸気圧が低くベーキング中に超高
真空を汚染することはなく、超高真空に到達するために
必要なベーキングを施すことができる効果がある。
【0117】また、請求項10の発明によれば、ガリウ
ムを含む合金を、ガリウム・インジウム合金またはガリ
ウム・スズ合金のいずれか1種となるように構成したの
で、ベーキング時には融解し、厚膜または厚膜部材と支
持部材の熱膨張係数の違いによって厚膜に応力がかかる
ことがなくなり、厚膜中における光の歪及び散乱を減少
させることができる。また、ガリウムとインジウムの合
金及びガリウムとスズの合金は融解時に粘性や表面張力
を有するので、真空を分離することができる。さらに、
ガリウムとインジウムの合金及びガリウムとスズの合金
はベーキング温度においても蒸気圧が低くベーキング中
に超高真空を汚染することはないので、超高真空に到達
するために必要なベーキングを施すことができる効果が
ある。
【0118】また、請求項11の発明によれば、ガリウ
ム・インジウム合金をガリウムを75.5重量%、イン
ジウムを24.5重量%含有する合金とするように構成
したので、融点を15.7℃まで低下させることがで
き、例えば、通常の実験設備の設置場所においては上記
合金は液体のままで凝固することがなく、凝固時に発生
する合金の体積変化による応力が厚膜にかかることがな
くなる。それ故、厚膜または厚膜部材において複屈折が
発生しない。また、支持部材を暖めずに塗布することが
できる。また、ガリウム、インジウムとも蒸気圧が低
く、超高真空を汚染しないという効果がある。また、請
求項12の発明によれば、複数の真空領域の少なくとも
いずれか一方を10-7Torrあるいはそれ以上の超高
真空領域となるように構成したので、超高真空領域と真
空領域を分離し、光の透過率をさらに上昇させる効果が
ある。
【0119】また、請求項13の発明によれば、軟X線
透過窓構成部材と開口部を有しかつ軟X線透過窓構成部
材を支持する支持部材とが、ガリウムまたはガリウムを
含む合金を用いて接着されているので、軟X線領域のX
線を効率よく透過し、減圧領域と超高真空領域の気密性
を保持でき、さらに、超高真空に到達するために必要な
ベーキングが可能となる効果がある。
【0120】また、請求項14の発明によれば、ガリウ
ムを含む合金が、75.5重量%のガリウムと24.5
重量%のインジウムからなる合金であるので、融点が1
5.7℃と低く、軟X線透過膜の厚みをさらに薄くする
ことが可能であり、軟X線領域のX線をさらに効率よく
透過することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の軟X線透過窓を示す断面
図である。
【図2】この発明の他の実施例の軟X線透過窓の要部を
示す断面図である。
【図3】X線測定装置が取り付けられた超高真空プロセ
ス装置にこの発明の軟X線透過窓を適用した一例を示す
断面構成図である。
【図4】X線測定装置が取り付けられた高真空プロセス
装置にこの発明の軟X線透過窓を適用した一例を示す断
面構成図である。
【図5】この発明の構成要素である軟X線透過薄膜部材
を示す断面図である。
【図6】X線光電子分光装置のX線源に、この発明の軟
X線透過窓を適用した一例を示す断面構成図である。
【図7】この発明の軟X線透過窓を適用したX線源の詳
細断面図である。
【図8】軟X線光化学反応プロセス装置にこの発明の軟
X線透過窓を適用した一例を示す断面構成図である。
【図9】X線リソグラフィ装置にこの発明の軟X線透過
窓を適用した一例を示す断面構成図である。
【図10】この発明の他の実施例である赤外線透過窓を
示す断面図である。
【図11】この発明の構成要素である赤外線透過窓構成
部材の一例を示す断面図である。
【図12】放射温度測定装置が取り付けられた真空プロ
セス装置にこの発明の赤外線透過窓を適用した一例を示
す断面構成図である。
【図13】この発明の他の実施例である可視光透過窓を
示す断面図である。
【図14】この発明の構成要素である可視光透過窓構成
部材の一例を示す断面図である。
【図15】微粒子測定装置が取り付けられた真空プロセ
ス装置にこの発明の可視光透過窓を適用した一例を示す
上面断面構成図である。
【図16】この発明の他の実施例である可視光透過窓を
示す断面図である。
【図17】エリプソメータが取り付けられた高真空プロ
セス装置にこの発明の可視光透過窓を適用した一例を示
す断面構成図である。
【図18】この発明の他の実施例である真空紫外透過窓
を示す断面図である。
【図19】この真空紫外透過窓構成部材の構造を示す断
面図である。
【図20】真空紫外プラズマ光源を備えた光化学反応プ
ロセス装置にこの発明の真空紫外透過窓を適用した一例
を示す断面構成図である。
【図21】この発明の他の実施例による軟X線透過窓を
示す断面図である。
【図22】この発明の他の実施例による軟X線透過窓を
示す断面図である。
【図23】超高真空プロセス装置にX線測定装置を取り
付ける場合にこの発明の軟X線透過窓を用いた例を示す
図である。
【図24】この発明の構成要素である軟X線透過薄膜部
材の一例を示す断面図である。
【図25】ガリウムとインジウムの合金の状態図であ
る。
【図26】ガリウムとスズの合金の状態図である。
【符号の説明】
A 減圧領域(真空領域) B 超高真空領域(真空領域) 1 軟X線透過薄膜部材(薄膜部材) 2 支持部材 3 ガリウム 31 支持体 32 軟X線透過薄膜(薄膜) 41 軟X線透過窓 42 軟X線透過窓 43 支持体 44 軟X線透過薄膜(薄膜) 64 軟X線透過窓 67 X線 83 軟X線透過窓 90 軟X線透過窓 91 X線透過窓 101 赤外線透過窓構成部材 102 支持部材 103 ガリウム75.5−In合金 104 支持体 105 赤外線透過薄膜(薄膜) 114 赤外線透過窓 124 支持体 125 可視光透過薄膜(薄膜) 135 可視光透過窓 136 可視光透過窓 141 可視光透過厚膜(厚膜) 142 支持部材 143 ガリウム75.5−In合金 152 可視光透過窓 153 可視光透過窓 161 真空紫外透過窓構成部材 162 支持部材 163 ガリウム75.5−In合金 164 支持体 165 真空紫外透過薄膜(薄膜) 201 軟X線透過窓構成部材 202 支持部材 203 ガリウム 205 支持部材 241 軟X線透過窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−113300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 5/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を透過する薄膜と、前記薄膜により複
    数に分離した真空領域とを備えた光透過型真空分離窓に
    おいて、前記薄膜と該薄膜を支持する支持部材との間
    に、使用環境の温度範囲において液体となる金属または
    合金を設けたことを特徴とする光透過型真空分離窓。
  2. 【請求項2】 光を透過する薄膜及び該薄膜を支持する
    支持体とから構成される薄膜部材と、前記薄膜部材によ
    り複数に分離した真空領域を備え、前記薄膜部材と該薄
    膜部材を支持する支持部材との間に、使用環境の温度範
    囲において液体となる金属または合金を設けた光透過型
    真空分離窓。
  3. 【請求項3】 前記金属はガリウムであり、前記合金は
    ガリウムを含む合金であることを特徴とする請求項
    載の光透過型真空分離窓。
  4. 【請求項4】 前記ガリウムを含む合金は、ガリウム・
    インジウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれか1
    種からなることを特徴とする請求項記載の光透過型真
    空分離窓。
  5. 【請求項5】 前記ガリウム・インジウム合金は、ガリ
    ウムを75.5重量%、インジウムを24.5重量%含
    有する合金であることを特徴とする請求項記載の光透
    過型真空分離窓。
  6. 【請求項6】 前記複数の真空領域の少なくともいずれ
    か一方は、10-7Torr以上の超高真空領域であるこ
    とを特徴とする請求項記載の光透過型真空分離窓。
  7. 【請求項7】 光を透過する厚膜と、前記厚膜を支持す
    る支持部材と、前記厚膜と支持部材との間に設けた使用
    環境の温度範囲において液体となる金属または合金と、
    前記厚膜により複数に分離した真空領域とを備えた光透
    過型真空分離窓。
  8. 【請求項8】 光を透過する厚膜および該厚膜を支持す
    る支持体とから構成される厚膜部材と、前記厚膜部材を
    支持する支持部材と、前記厚膜部材と支持部材との間に
    設けた使用環境の温度範囲において液体となる金属また
    は合金と、前記厚膜部材により複数に分離した真空領域
    とを備えた光透過型真空分離窓。
  9. 【請求項9】 前記金属はガリウムであり、前記合金は
    ガリウムを含む合金であることを特徴とする請求項
    たはのいずれかに記載の光透過型真空分離窓。
  10. 【請求項10】 前記ガリウムを含む合金は、ガリウム
    ・インジウム合金またはガリウム・スズ合金のいずれか
    1種からなることを特徴とする請求項記載の光透過型
    真空分離窓。
  11. 【請求項11】 前記ガリウム・インジウム合金は、ガ
    リウムを75.5重量%、インジウムを24.5重量%
    含有する合金であることを特徴とする請求項10記載の
    光透過型真空分離窓。
  12. 【請求項12】 前記複数の真空領域の少なくともいず
    れか一方は、10-7Torr以上の超高真空領域である
    ことを特徴とする請求項11記載の光透過型真空分離
    窓。
  13. 【請求項13】 真空チャンバー内の減圧領域と超高真
    空領域を隔てて軟X線を取り出す軟X線透過窓におい
    て、軟X線透過窓構成部材と、開口部を有し上記軟X線
    透過窓構成部材を支持する支持部材とが、ガリウムまた
    はガリウムを含む合金を用いて接着されていることを特
    徴とする軟X線透過窓。
  14. 【請求項14】 ガリウムを含む合金が、75.5重量
    %のガリウムと24.5重量%のインジウムからなる合
    金であることを特徴とする請求項13記載の軟X線透過
    窓。
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