JP3021406B2 - 水質測定センサー及び水質測定装置 - Google Patents
水質測定センサー及び水質測定装置Info
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- JP3021406B2 JP3021406B2 JP9345747A JP34574797A JP3021406B2 JP 3021406 B2 JP3021406 B2 JP 3021406B2 JP 9345747 A JP9345747 A JP 9345747A JP 34574797 A JP34574797 A JP 34574797A JP 3021406 B2 JP3021406 B2 JP 3021406B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の測定対象液
の液中浮遊物質や懸濁物質による散乱光を光電式センサ
ーにより検出して透視度または透明度(以下透視度とい
う)を監視するための水質測定センサーおよびそれを用
いた水質測定装置に関するものである。
の液中浮遊物質や懸濁物質による散乱光を光電式センサ
ーにより検出して透視度または透明度(以下透視度とい
う)を監視するための水質測定センサーおよびそれを用
いた水質測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水環境の悪化は、快適な生活環境の維持
のために解決すべき重要な課題の一つであり、水質改善
の前提となる水質監視技術はますます重要性を増してい
る。また、工場廃液や各種のプロセス流体についても水
質の管理が重要な要件であり、そのための信頼性の高い
水質測定手段が求められている。
のために解決すべき重要な課題の一つであり、水質改善
の前提となる水質監視技術はますます重要性を増してい
る。また、工場廃液や各種のプロセス流体についても水
質の管理が重要な要件であり、そのための信頼性の高い
水質測定手段が求められている。
【0003】従来の水質測定の技法は、人手による操作
の観点から分類すれば、現場で技能者が測定器具等を用
いて行うものと、現場で採取したサンプルを研究室に持
ち帰ってから計測機器により測定するものとがある。
の観点から分類すれば、現場で技能者が測定器具等を用
いて行うものと、現場で採取したサンプルを研究室に持
ち帰ってから計測機器により測定するものとがある。
【0004】前者は、例えば水の外観、匂い、水温、p
H、RpH、電気伝導率、透視度、溶存酸素、CODm
nなどの現場測定であり、測定器具があれば短時間で計
測結果を入手することができるが、技能者を必要とする
こと及び監視のための定期的な測定にコストがかかる難
点があるとされている。
H、RpH、電気伝導率、透視度、溶存酸素、CODm
nなどの現場測定であり、測定器具があれば短時間で計
測結果を入手することができるが、技能者を必要とする
こと及び監視のための定期的な測定にコストがかかる難
点があるとされている。
【0005】また後者は、水のSS、BOD、CODc
r、あるいはアンモニア・亜硝酸・硝酸などの窒素濃度
等、測定項目に対応した精密測定機器を用いて研究室で
測定可能であるが、現場で採取したサンプルを変質しな
い形態で研究室まで持ち帰る必要があり、遠隔地の水質
を定期的に分析監視するには難点がある。
r、あるいはアンモニア・亜硝酸・硝酸などの窒素濃度
等、測定項目に対応した精密測定機器を用いて研究室で
測定可能であるが、現場で採取したサンプルを変質しな
い形態で研究室まで持ち帰る必要があり、遠隔地の水質
を定期的に分析監視するには難点がある。
【0006】いずれにせよ、これらの測定結果から水質
データがまとめられるには採水から数日ないし十数日の
時間を必要とする。そこで、現場に光電式センサーを利
用した水質測定装置を設置して連続的または定期的に監
視データの収集を行うことが一部で行われている。
データがまとめられるには採水から数日ないし十数日の
時間を必要とする。そこで、現場に光電式センサーを利
用した水質測定装置を設置して連続的または定期的に監
視データの収集を行うことが一部で行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の水質測定装置で
は、如何に単純な光電式センサーであっても検出光学系
の気相と液相とを隔てるためにガラス板のような透光板
を有する監視窓が存在するため、特に例えば汚水中での
使用時には水中の微生物によって検出部の監視窓が極く
短時間のうちに生物膜で覆われてしまい、検出光学系の
透光特性が急激に劣化する問題がある。
は、如何に単純な光電式センサーであっても検出光学系
の気相と液相とを隔てるためにガラス板のような透光板
を有する監視窓が存在するため、特に例えば汚水中での
使用時には水中の微生物によって検出部の監視窓が極く
短時間のうちに生物膜で覆われてしまい、検出光学系の
透光特性が急激に劣化する問題がある。
【0008】このような光電式の水質測定センサーによ
って信頼性の高い検出を行うには監視窓の透光板を頻繁
に保守洗浄する必要があり、長時間の信頼性と耐久性を
与えて連続自動測定を実現するには監視窓の透光板に対
する水噴射または超音波洗浄などによる自動洗浄機能を
付加しなければならず、従って装置自体が複雑な構造で
高価となることが避けられない。
って信頼性の高い検出を行うには監視窓の透光板を頻繁
に保守洗浄する必要があり、長時間の信頼性と耐久性を
与えて連続自動測定を実現するには監視窓の透光板に対
する水噴射または超音波洗浄などによる自動洗浄機能を
付加しなければならず、従って装置自体が複雑な構造で
高価となることが避けられない。
【0009】本発明の課題は、液中の浮遊物質や懸濁物
質による散乱光を検出して透視度を測定するための光電
式センサー、特に汚水中での使用時にも生物膜や懸濁物
質による特性劣化を起こさず、従って自動洗浄機能を付
加する必要もなく、長時間に亘って高い信頼性と耐久性
を保持して連続測定を可能とする水質測定センサー及び
それを用いた水質測定装置を提供することにある。
質による散乱光を検出して透視度を測定するための光電
式センサー、特に汚水中での使用時にも生物膜や懸濁物
質による特性劣化を起こさず、従って自動洗浄機能を付
加する必要もなく、長時間に亘って高い信頼性と耐久性
を保持して連続測定を可能とする水質測定センサー及び
それを用いた水質測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明による水質監視用センサーは、容器内に導
入された測定対象液の液面上から液中に光ビームを照射
する発光器と、光ビームによる液中からの散乱光を液面
上で検出する受光器と、外光および発光器からの光ビー
ムによる液面反射光から受光器を遮蔽する遮光フードと
を備えており、遮光フードは発光器からの光ビームの照
射領域と受光器による受光領域との少なくとも一方を囲
んで液面直下の液中まで延在し、発光器と受光器がそれ
らの前面を液面に直接露呈して遮光フード内に配置され
ていることを特徴とするものである。
めに、本発明による水質監視用センサーは、容器内に導
入された測定対象液の液面上から液中に光ビームを照射
する発光器と、光ビームによる液中からの散乱光を液面
上で検出する受光器と、外光および発光器からの光ビー
ムによる液面反射光から受光器を遮蔽する遮光フードと
を備えており、遮光フードは発光器からの光ビームの照
射領域と受光器による受光領域との少なくとも一方を囲
んで液面直下の液中まで延在し、発光器と受光器がそれ
らの前面を液面に直接露呈して遮光フード内に配置され
ていることを特徴とするものである。
【0011】本発明による水質測定センサーでは、発光
器からの光ビームを液面から液中に照射して液中の懸濁
物質による散乱光を液面上で受光器により捉える方式と
し、しかも発光器はその前面を液面に直接露呈して遮光
フード内に配置し、また受光器もその前面を液面に直接
露呈して遮光フード内に配置している。このように、本
発明では、検出光学系の光路中に気相と測定対象の液相
とを隔てる透光板を配置する必要がなく、これにより、
液相に接する透光板に水中微生物による生物膜が形成さ
れたり液中懸濁物質が付着したりすることに起因する検
出光学系の透光特性の急激な劣化が起きることはなく、
長時間に亘ってメンテナンスフリーで高い信頼性と耐久
性を維持することのできる水質測定センサーを実現する
ことができたのである。
器からの光ビームを液面から液中に照射して液中の懸濁
物質による散乱光を液面上で受光器により捉える方式と
し、しかも発光器はその前面を液面に直接露呈して遮光
フード内に配置し、また受光器もその前面を液面に直接
露呈して遮光フード内に配置している。このように、本
発明では、検出光学系の光路中に気相と測定対象の液相
とを隔てる透光板を配置する必要がなく、これにより、
液相に接する透光板に水中微生物による生物膜が形成さ
れたり液中懸濁物質が付着したりすることに起因する検
出光学系の透光特性の急激な劣化が起きることはなく、
長時間に亘ってメンテナンスフリーで高い信頼性と耐久
性を維持することのできる水質測定センサーを実現する
ことができたのである。
【0012】一般に散乱光方式の水質測定センサーで
は、発光器からの光ビームを気相中からガラス面に比べ
て比較的不安定な液面を介して液相内に照射し、液相中
からの散乱光を同様に不安定な液面を介して気相中の受
光器によって捉えるので、外光および発光器からの光ビ
ームによる液面反射光があると、その強度が目的とする
散乱光よりも遥かに優勢となって測定に不具合が生じる
が、本発明による水質測定センサーでは外光および発光
器からの光ビームによる液面反射光から受光器を遮蔽す
る遮光フードを備えており、遮光フードは発光器からの
光ビームの照射領域と受光器による受光領域との少なく
とも一方を囲んで液面直下の液中まで延在し、発光器と
受光器がそれらの前面を液面に直接露呈して遮光フード
内に配置されているので、外光および液面反射光は受光
器に入ることがなく、受光器はその視野内の液相中から
生じる散乱光を効率よく受光することができる。
は、発光器からの光ビームを気相中からガラス面に比べ
て比較的不安定な液面を介して液相内に照射し、液相中
からの散乱光を同様に不安定な液面を介して気相中の受
光器によって捉えるので、外光および発光器からの光ビ
ームによる液面反射光があると、その強度が目的とする
散乱光よりも遥かに優勢となって測定に不具合が生じる
が、本発明による水質測定センサーでは外光および発光
器からの光ビームによる液面反射光から受光器を遮蔽す
る遮光フードを備えており、遮光フードは発光器からの
光ビームの照射領域と受光器による受光領域との少なく
とも一方を囲んで液面直下の液中まで延在し、発光器と
受光器がそれらの前面を液面に直接露呈して遮光フード
内に配置されているので、外光および液面反射光は受光
器に入ることがなく、受光器はその視野内の液相中から
生じる散乱光を効率よく受光することができる。
【0013】測定対象液の透視度が例えば数cmの場
合、発光器から液相中に照射された光ビームは液面から
数cm以内の距離で殆ど散乱されてしまい、受光器にも
この距離で比較的高い強度の散乱光として受光される。
測定対象液が澄んでいて、その透視度が高い場合は、照
射された光ビームは液中での散乱が少ないので深い位置
まで達し、受光器へは遠い距離からの比較的弱い強度の
散乱光として受光されることになる。
合、発光器から液相中に照射された光ビームは液面から
数cm以内の距離で殆ど散乱されてしまい、受光器にも
この距離で比較的高い強度の散乱光として受光される。
測定対象液が澄んでいて、その透視度が高い場合は、照
射された光ビームは液中での散乱が少ないので深い位置
まで達し、受光器へは遠い距離からの比較的弱い強度の
散乱光として受光されることになる。
【0014】測定対象とする透視度の範囲を数cmから
1m程度と仮定した場合、例えば光ビームを容器内の液
相中に斜めに照射し、この測定対象範囲に延在する液相
中の光ビームが受光器の視野範囲に入るように容器の深
さと発光器の射出方向および受光器の視野を定めてお
く。
1m程度と仮定した場合、例えば光ビームを容器内の液
相中に斜めに照射し、この測定対象範囲に延在する液相
中の光ビームが受光器の視野範囲に入るように容器の深
さと発光器の射出方向および受光器の視野を定めてお
く。
【0015】このようにして受光器で検出される散乱光
の強度は透視度に直接匹敵するものではないが、測定対
象液の懸濁状態が一般には急変するものではないことを
念頭に置けば、適切な較正演算処理によって透視度に換
算でき、さらには得られた換算値からSSやBODの値
を推定することもできる。
の強度は透視度に直接匹敵するものではないが、測定対
象液の懸濁状態が一般には急変するものではないことを
念頭に置けば、適切な較正演算処理によって透視度に換
算でき、さらには得られた換算値からSSやBODの値
を推定することもできる。
【0016】即ち、透視度は測定対象液自体の分光吸収
率などにも影響されるが、一般には測定対象は予め定ま
っているので、液自体の光学的特性は既知である。例え
ば測定対象液自体が完全に透明で、液中の懸濁物質によ
る光ビームの散乱のみに基づく散乱光を検出する理想状
態について説明すれば以下の通りである。
率などにも影響されるが、一般には測定対象は予め定ま
っているので、液自体の光学的特性は既知である。例え
ば測定対象液自体が完全に透明で、液中の懸濁物質によ
る光ビームの散乱のみに基づく散乱光を検出する理想状
態について説明すれば以下の通りである。
【0017】光ビームとして細く収束されたレーザービ
ームを用い、光ビームが液相中を進む間に進行方向の或
る微少距離の光柱体積中に存在する粒子によって散乱を
受けるものとすれば、光ビームが或る距離Lを進む時の
透過光の強度Jは以下の数1で表される。
ームを用い、光ビームが液相中を進む間に進行方向の或
る微少距離の光柱体積中に存在する粒子によって散乱を
受けるものとすれば、光ビームが或る距離Lを進む時の
透過光の強度Jは以下の数1で表される。
【0018】
【数1】
【0019】但し、J0 は距離L=0における光強度、
αは粒子の反射率や粒子数によって定まる吸収率で、粒
子の吸収断面積をσα、同じく散乱断面積をσs、粒子
数をNとすれば、α=N(σα+τs)で表される。
αは粒子の反射率や粒子数によって定まる吸収率で、粒
子の吸収断面積をσα、同じく散乱断面積をσs、粒子
数をNとすれば、α=N(σα+τs)で表される。
【0020】粒子性状に大きな変化がなければ、その吸
収断面積及び散乱断面積にも変化がない。尚、この仮定
があればこそ、人が測る透視度に意味があると言える。
従って、距離Lの位置で微少距離dLの光柱体積中から
の散乱エネルギーJsは以下の数2で表される。
収断面積及び散乱断面積にも変化がない。尚、この仮定
があればこそ、人が測る透視度に意味があると言える。
従って、距離Lの位置で微少距離dLの光柱体積中から
の散乱エネルギーJsは以下の数2で表される。
【0021】
【数2】
【0022】散乱光はこの距離Lを折り返してくること
になるので、二次散乱を無視して受光器の受光面積をJ
rとすると、微少距離dLの光柱体積からの散乱光の受
光強度Jrは以下の通りとなる。
になるので、二次散乱を無視して受光器の受光面積をJ
rとすると、微少距離dLの光柱体積からの散乱光の受
光強度Jrは以下の通りとなる。
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】
【0025】従って液中の深さ1mm〜10mの範囲か
ら得られる総反射光の強度は以下の数5のように示され
る。
ら得られる総反射光の強度は以下の数5のように示され
る。
【0026】
【数5】
【0027】例えば粒子数N=10n (n=1,2,
3,・・・7)、σα=0.00001、σs=0.0
0001、Sr=25×10-6(5mm四方)とし、数
5から粒子数Nと受光器に入射する総散乱光強度Jrn
(J0 =1との相対値)との関係を求めてグラフにする
と図2の通りである。この場合、総散乱光強度Jrn
は、それぞれの粒子数Nについて数5に従い1mm〜1
mの距離範囲で得られる散乱光強度の総和(積分値)で
ある。図2から、懸濁粒子の吸収と散乱断面積が一定の
場合、散乱光の強度は粒子数にほぼ比例することが判
る。
3,・・・7)、σα=0.00001、σs=0.0
0001、Sr=25×10-6(5mm四方)とし、数
5から粒子数Nと受光器に入射する総散乱光強度Jrn
(J0 =1との相対値)との関係を求めてグラフにする
と図2の通りである。この場合、総散乱光強度Jrn
は、それぞれの粒子数Nについて数5に従い1mm〜1
mの距離範囲で得られる散乱光強度の総和(積分値)で
ある。図2から、懸濁粒子の吸収と散乱断面積が一定の
場合、散乱光の強度は粒子数にほぼ比例することが判
る。
【0028】図2の場合と同じ条件で粒子数Nをパラメ
ータとして深さ1mまでの到達距離Lと散乱光強度(相
対値)との関係を求めると図3の通りである。図3から
明らかなように、粒子数Nが107 個では光強度が10
%になる距離は約1cm、106 個では約10cm、1
05 個では約1mのオーダーとなる。
ータとして深さ1mまでの到達距離Lと散乱光強度(相
対値)との関係を求めると図3の通りである。図3から
明らかなように、粒子数Nが107 個では光強度が10
%になる距離は約1cm、106 個では約10cm、1
05 個では約1mのオーダーとなる。
【0029】本発明の好ましい別の特徴によれば、発光
器と受光器および遮光フードは一体のセンサーユニット
として構成され、それにより容器に対するセンサーの着
脱および保守点検がワンタッチで行えるようになってい
る。
器と受光器および遮光フードは一体のセンサーユニット
として構成され、それにより容器に対するセンサーの着
脱および保守点検がワンタッチで行えるようになってい
る。
【0030】本発明の更に別の特徴によれば、遮光フー
ドは発光器を収容した第1の遮光フードと受光器を収容
した第2の遮光フードとからなっている。この場合、第
1の遮光フードと第2の遮光フードはそれぞれ独立した
別体構造であってもよいが、好ましくは両者を一体に構
成して遮光手段自体が一つのセンサーユニットとして構
成されるようにすれば発光器と受光器の向きの調整が殆
ど不要となり、容器への装着に余分な光路調整作業が不
要となるので有利である。
ドは発光器を収容した第1の遮光フードと受光器を収容
した第2の遮光フードとからなっている。この場合、第
1の遮光フードと第2の遮光フードはそれぞれ独立した
別体構造であってもよいが、好ましくは両者を一体に構
成して遮光手段自体が一つのセンサーユニットとして構
成されるようにすれば発光器と受光器の向きの調整が殆
ど不要となり、容器への装着に余分な光路調整作業が不
要となるので有利である。
【0031】本発明はまた、以上に述べたような特徴を
有する水質測定センサーと、発光器を駆動する駆動手段
と、受光器の電気的出力を検出する検出手段と、検出手
段で検出された受光器出力の強度に基づいて測定対象液
の透視度を演算する演算手段とを備えた水質測定装置を
も提供する。この場合、測定用の容器は下部に測定対象
液の入口を、上部に測定対象液の溢流出口を備えたもの
とし、この容器に水質測定センサーを装着することで容
器に連続的に流入する液体の流れに対して連続的または
断続的な水質測定が可能となる。
有する水質測定センサーと、発光器を駆動する駆動手段
と、受光器の電気的出力を検出する検出手段と、検出手
段で検出された受光器出力の強度に基づいて測定対象液
の透視度を演算する演算手段とを備えた水質測定装置を
も提供する。この場合、測定用の容器は下部に測定対象
液の入口を、上部に測定対象液の溢流出口を備えたもの
とし、この容器に水質測定センサーを装着することで容
器に連続的に流入する液体の流れに対して連続的または
断続的な水質測定が可能となる。
【0032】本発明の水質測定装置において、駆動手段
は例えば発振器によるパルス信号により発光器のレーザ
ー出力を変調してパルス状の光ビームを発生させる変調
器を含むことができ、この場合、検出手段は受光器の出
力を増幅する受光アンプと、受光アンプからの出力を発
振器からのパルス信号に同期してサンプリングする検出
部とを含み、演算手段は検出部でサンプリングされたパ
ルス強度から前記数5に従う演算式で散乱光強度をデジ
タル演算し、種々の液体および懸濁粒子について予め収
集された図2および図3に従うデータテーブルに基づい
て光強度から透視度を出力する電子計算機(パーソナル
コンピュータ)で構成可能である。
は例えば発振器によるパルス信号により発光器のレーザ
ー出力を変調してパルス状の光ビームを発生させる変調
器を含むことができ、この場合、検出手段は受光器の出
力を増幅する受光アンプと、受光アンプからの出力を発
振器からのパルス信号に同期してサンプリングする検出
部とを含み、演算手段は検出部でサンプリングされたパ
ルス強度から前記数5に従う演算式で散乱光強度をデジ
タル演算し、種々の液体および懸濁粒子について予め収
集された図2および図3に従うデータテーブルに基づい
て光強度から透視度を出力する電子計算機(パーソナル
コンピュータ)で構成可能である。
【0033】尚、図4に透視度とSS濃度との関係を、
また図5に透視度とBOD値との関係を示すが、これら
は当業者に既知であり、これらの既知データから下記の
表1に示すようなデーターテーブルを作成してコンピュ
ータの記憶ファイルに格納しておけば、このデータテー
ブルに基づいて、SS濃度、BOD値などの推定値を透
視度の演算結果からパーソナルコンピュータで出力させ
ることもできる。
また図5に透視度とBOD値との関係を示すが、これら
は当業者に既知であり、これらの既知データから下記の
表1に示すようなデーターテーブルを作成してコンピュ
ータの記憶ファイルに格納しておけば、このデータテー
ブルに基づいて、SS濃度、BOD値などの推定値を透
視度の演算結果からパーソナルコンピュータで出力させ
ることもできる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施形態の一例を
示す。この実施例では、容器として遮光性をもつ深さ1
m強の円筒容器1を用い、その内面は光学的な黒体表面
とし、容器下部側壁に測定対象液の入口2を、容器上部
側壁に同じく溢流出口3を設け、容器頂部にセンサーユ
ニット4を取りつけている。
示す。この実施例では、容器として遮光性をもつ深さ1
m強の円筒容器1を用い、その内面は光学的な黒体表面
とし、容器下部側壁に測定対象液の入口2を、容器上部
側壁に同じく溢流出口3を設け、容器頂部にセンサーユ
ニット4を取りつけている。
【0036】センサーユニット4は第1遮光フード5と
第2遮光フード6とを一体に構成した遮光部材であり、
各遮光フードは下部にのみ貫通開口を備え、第1遮光フ
ード5内にはレーザー発光器7が下向き斜めの射出光軸
で取りつけられ、第2遮光フード6内には入射光軸を真
下に向けて受光器8が取りつけられている。
第2遮光フード6とを一体に構成した遮光部材であり、
各遮光フードは下部にのみ貫通開口を備え、第1遮光フ
ード5内にはレーザー発光器7が下向き斜めの射出光軸
で取りつけられ、第2遮光フード6内には入射光軸を真
下に向けて受光器8が取りつけられている。
【0037】センサーユニット4は、内部の発光器7と
受光器8が気中に位置するように、且つ各遮光フード
5,6の下部開口縁が数mmの深さで液面下に没入する
ように容器1に装着されており、また発光器7は、射出
ビームがフード5,6の壁および縁と光学的に干渉する
ことなくフード6の真下を下向き斜めに横切って液中の
ビームの深さ約5mm〜1mの範囲が受光器8の視野に
入るように光軸を定められてフード5内に固定されてい
る。
受光器8が気中に位置するように、且つ各遮光フード
5,6の下部開口縁が数mmの深さで液面下に没入する
ように容器1に装着されており、また発光器7は、射出
ビームがフード5,6の壁および縁と光学的に干渉する
ことなくフード6の真下を下向き斜めに横切って液中の
ビームの深さ約5mm〜1mの範囲が受光器8の視野に
入るように光軸を定められてフード5内に固定されてい
る。
【0038】容器1の外部には測定用ボード10と接続
されたパーソナルコンピュータ20が設けられており、
このパーソナルコンピュータ20はデータ処理用のワー
クステーションでもよい。
されたパーソナルコンピュータ20が設けられており、
このパーソナルコンピュータ20はデータ処理用のワー
クステーションでもよい。
【0039】測定用ボード10は、駆動手段を構成する
発振器11およびこの発振器11からのパルス信号によ
り発光器7のレーザー出力を変調してパルス状の光ビー
ムを発生させる変調器12と、検出手段を構成する受光
アンプ13およびこの受光アンプ13からの出力を発振
器11からのパルス信号に同期してサンプリングする検
出部14と、これらの制御および得られたサンプリング
データをパーソナルコンピュータ20へ転送するADコ
ンバータ15とを備えている。
発振器11およびこの発振器11からのパルス信号によ
り発光器7のレーザー出力を変調してパルス状の光ビー
ムを発生させる変調器12と、検出手段を構成する受光
アンプ13およびこの受光アンプ13からの出力を発振
器11からのパルス信号に同期してサンプリングする検
出部14と、これらの制御および得られたサンプリング
データをパーソナルコンピュータ20へ転送するADコ
ンバータ15とを備えている。
【0040】コンピュータ20は演算手段を構成し、測
定用ボード10から送られてくるサンプリングデータの
パルス強度から所定の演算式で散乱光強度をデジタル演
算して、予め種々の液体および懸濁粒子について収集さ
れている内部格納データテーブルに基づいて透視度を出
力する。
定用ボード10から送られてくるサンプリングデータの
パルス強度から所定の演算式で散乱光強度をデジタル演
算して、予め種々の液体および懸濁粒子について収集さ
れている内部格納データテーブルに基づいて透視度を出
力する。
【0041】この実施形態の装置は、例えば自然の湖
沼、河川、遠隔地の水処理施設など、野外現場の水質監
視においては、センサーユニット4を装着した容器1を
測定現場に定置しておき、データが必要になった時だけ
測定用ボード10を装備した携帯用のパーソナルコンピ
ュータ20を現場に持ち込み、測定用ボード10と発光
器7および受光器8との接続を行って測定を実行するこ
とができる。また、向上施設内のプロセス流体の液質監
視などでは、容器1からコンピュータ20までの全ての
構成を対象設備に浮体設置しておくことにより、常時も
しくは定期的な自動測定に対応可能である。
沼、河川、遠隔地の水処理施設など、野外現場の水質監
視においては、センサーユニット4を装着した容器1を
測定現場に定置しておき、データが必要になった時だけ
測定用ボード10を装備した携帯用のパーソナルコンピ
ュータ20を現場に持ち込み、測定用ボード10と発光
器7および受光器8との接続を行って測定を実行するこ
とができる。また、向上施設内のプロセス流体の液質監
視などでは、容器1からコンピュータ20までの全ての
構成を対象設備に浮体設置しておくことにより、常時も
しくは定期的な自動測定に対応可能である。
【0042】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
液中の浮遊物質や懸濁物質による散乱光を検出して透視
度を測定する光電式センサー、特に汚水中での使用時に
も生物膜や懸濁物質による特性劣化を起こさず、従って
自動洗浄機能を付加する必要もなく、長時間に亘って高
い信頼性と耐久性を保持して連続測定を可能とする水質
測定センサー及びそれを用いた水質測定装置を提供する
ことができる。
液中の浮遊物質や懸濁物質による散乱光を検出して透視
度を測定する光電式センサー、特に汚水中での使用時に
も生物膜や懸濁物質による特性劣化を起こさず、従って
自動洗浄機能を付加する必要もなく、長時間に亘って高
い信頼性と耐久性を保持して連続測定を可能とする水質
測定センサー及びそれを用いた水質測定装置を提供する
ことができる。
【図1】本発明の実施形態の一例を示す水質測定装置の
構成図である。
構成図である。
【図2】液中懸濁粒子の粒子数と受光散乱光の相対強度
との関係を示す線図である。
との関係を示す線図である。
【図3】液中懸濁粒子の粒子数を変数とする深さと受光
散乱光の相対強度との関係を示す線図である。
散乱光の相対強度との関係を示す線図である。
【図4】透視度とSS濃度との関係を示す線図である。
【図5】透視度とBODとの関係を示す線図である。
1:容器 4:センサーユニット 5:第1遮光フード 6:第2遮光フード 7:発光器 8:受光器 10:測定用ボード 11:発振器 12:変調器 13:受光アンプ 14:検出部 15:ADコンバータ 20:パーソナルコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61
Claims (5)
- 【請求項1】 容器内に導入された測定対象液の液面上
から液中に光ビームを照射する発光器と、光ビームによ
る液中からの散乱光を液面上で検出する受光器と、外光
及び発光器からの光ビームによる液面反射光から受光器
を遮蔽する遮光フードとを備え、遮光フードは発光器か
らの光ビームの照射領域と受光器による受光領域との少
なくとも一方を囲んで液面直下の液中まで延在し、発光
器と受光器がそれらの前面を液面に直接露呈して遮光フ
ード内に配置されていることを特徴とする水質測定セン
サー。 - 【請求項2】 発光器と受光器および遮光フードが一体
のセンサーユニットとして構成されていることを特徴と
する請求項1に記載の水質測定センサー。 - 【請求項3】 遮光フードが発光器を収容した第1の遮
光フードと受光器を収容した第2の遮光フードとからな
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の水質測定セ
ンサー。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水
質測定センサーと、発光器を駆動する駆動手段と、受光
器の電気的出力を検出する検出手段と、検出手段で検出
された受光器出力の強度に基づいて測定対象液の透視度
または透明度を演算する演算手段とを備えたことを特徴
とする水質測定装置。 - 【請求項5】 下部に測定対象液の入口を、上部に測定
対象液の溢流出口を備えた容器に前記水質測定センサー
が装着されていることを特徴とする請求項4に記載の水
質測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9345747A JP3021406B2 (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 水質測定センサー及び水質測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9345747A JP3021406B2 (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 水質測定センサー及び水質測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11160237A JPH11160237A (ja) | 1999-06-18 |
JP3021406B2 true JP3021406B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=18378706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9345747A Expired - Fee Related JP3021406B2 (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 水質測定センサー及び水質測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3021406B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2670844A1 (en) * | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Jung-Pil Kwak | Apparatus for sensing precipitation density of sludge in waste water treatment tank and method therefor |
JP2013108928A (ja) * | 2011-11-24 | 2013-06-06 | Disco Abrasive Syst Ltd | 液体濃度計 |
JP6322388B2 (ja) * | 2013-11-13 | 2018-05-09 | 株式会社錢高組 | 流動体の充填状況を検出する検出装置及び当該検出装置が取り付けられた中空管 |
JP2017072395A (ja) * | 2015-10-05 | 2017-04-13 | 株式会社デンソー | 微細藻類生成物含有量測定装置 |
JP6672876B2 (ja) * | 2016-02-22 | 2020-03-25 | 栗田工業株式会社 | 接液部材への付着物検出装置及び検出方法 |
-
1997
- 1997-12-02 JP JP9345747A patent/JP3021406B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11160237A (ja) | 1999-06-18 |
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