JP3021015U - シュリンク加工用包装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】連接された把持部の変形や対象物面上の表示の
隠蔽等の弊害が生じることなく、包装した対象物を安定
状態で支持できる把持部を備えるシュリンク加工用の包
装材を提供するにある。 【構成】包装材１は熱収縮性の透明性フィルム材を筒状
に形成した包袋部２と把持部５とからなる。把持部５は
片面全体に粘着剤を有し中央線の両側で対象形をなすシ
ート材からなる。このシート材をその中央線に沿って曲
折して重ね合わせその有する粘着剤を介して相互に接着
すると共に、このシート材の両至端縁部分で包袋部２の
上縁部分を挾持固定することによって、把持部５は包袋
部２上に連接されてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、把持部を備えるシュリンク加工用包装材に関する。さらに詳しくは シュリンク加工時に把持部を安定的に保持させ得る包装材の改良構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、簡易的な包装形態として、熱収縮性のフィルム材を筒状に形成して包袋 部として形成し、この包袋部内に対象物を収納しこれにシュリンク加工を施こす 包装方法が汎用化されている。

【０００３】 即ち、上記した包袋部は一般にある程度の剛性を有する基板シート材上に安定 的に固定あるいは係合されており、シュリンク加工に際しこの包袋部のフィルム 材が熱収縮して対象物面上に密着状となって、この対象物を基板シート材面上に 固定することによるものである。

【０００４】 また、最近、包装形態につきより簡易化を図るため、前記した包袋部上に把持 部を単に連接した包装材が用いられるに至っている。この包装材の従来例を図６ に示した。

【０００５】 この図示した従来の包装材１１は、熱収縮性のフィルム材を筒状に形成し、さ らにその一至端縁部を融着した閉止縁部１３を有する包袋部１２と、この包袋部 １２の閉止縁部１３寄りの片面部に粘着剤１６を介して固定された把持部１５と からなる。なお、１４は包袋部１２の収納部、また１７は把持部１５上の係止孔 を示す。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の包装材１１では、把持部１５について十分な固定強度を得るた めに、包袋部１２面上へ比較的に広い接着面積が必要となる。従って、対象物が 図７に示すようなチューブ容器９である場合には、このチューブ容器９下部の曲 壁面に沿って包袋部１２が収縮した状態となるため把持部１５の下縁端部分が曲 折状態１５ａ、１５ａとなってしまう欠点、さらにはチューブ容器９面上に掲載 された表示の一部が把持部１５の接着部分により隠されてしまうという欠点があ る。

【０００７】 また、図８及び図９に示すように、対象物がステック状の口紅や糊剤を収容す る円柱状の容器１０である場合には、上記した欠点に加えて、把持部１５を形成 するシート材がこの容器１０の周面形に沿って全体的に変形してしまう、という 欠点も生じる。なお、１５ｂは把持部１５の曲折した変形部分を示す。

【０００８】 また、この従来の包装材１１では、包袋部１２に対しその片面上に接着される ため、この包袋部１２の一至端縁部は必ず閉止縁部１３として閉止されていなけ れば、対象物の安定的な包装形態が得られない。

【０００９】 そこで、本考案では上記した従来品における諸欠点を解消すると共に、包装し た対象物を安定状態で支持することができる把持部を備えるシュリンク加工用の 包装材の提供を目的とした。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するため、本考案ではシュリンク加工用包装材につき、次 のように構成した。即ち、熱収縮性の透明性フィルム材を筒状に形成した包袋部 とこの包袋部上に連接された把持部とからなる包装材において、前記把持部が片 面全体に粘着剤を有し中央線の両側で対称形をなすシート材からなり、このシー ト材をその中央線に沿って折曲して重ね合わせその有する粘着剤を介して相互に 接着すると共に、このシート材の両至端縁部分で前記包袋部の上縁部を挾持固定 してなることを特徴とする。

【００１１】 上記した構成特徴において、包袋部の熱収縮性の透明性フィルム材は従来品同 様にポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルム材によるものを適用する ことができ、また従来同様にフィルム材の対応する両端縁部分を重ね合わせて相 互に融着あるいは接着剤により接着することによって筒状に形成し、これを収納 される対象物の大きさに応じて寸断することにより包袋部とすることができる。 なお、この包袋部はその両至端が開放されていてもよいし、またその一至端が閉 止されていてもよい。またフィルム材の透明性は半透明性を含む。

【００１２】 また、前記把持部のシート材は重層状態で把持部の機能を発揮するに十分な強 度を有する、例えば、紙材、柔軟質樹脂材等のものを適用することができる。こ のシート材、即ち、把持部の大きさ、形状については特に制限はないが、前記包 袋部の上縁部の幅に応じる挾持幅を得ることができる大きさ、形状の把持部であ ることが、その接合状態を安定化させ得る点から好ましい。またこの把持部面上 には陳列用のフック上に引掛けるのに適した係止孔を設けておくことができる。

【００１３】 また、この把持部の前記した包袋部上への挾持に係る、そのシート材の両端縁 部を波状形状に形成しておくことができる。この波状形状は、包袋部に対する挾 持面積をより小さくして対象物による引張方向について同一の接合力が得られる と共に、把持部を包袋部から剥れ難くし接合状態の安定化を図る作用が生じ、ま た外観上の装飾的効果も生じる点で有利である。

【００１４】

【考案の実施の形態】

本考案に係る実施の形態を図１に示した。図示した包装材１は、熱収縮性の透 明性フィルム材からなる包袋部２と、この包装材２上に連接された把持部５とか らなる。

【００１５】 包袋部２は、矩形状のフィルム材についてその対応する両端縁部分を重ね合わ せて相互に融着することによって筒状に形成したものである。なお、３はこの融 着部を示す。また４はこの筒状内の収納部である。このように加工された包袋部 ２は筒状をなすが予め扁平状に成形されている。

【００１６】 また、把持部５は図２に示すように、中央線の両側で対称形をなし、その一片 面全体に粘着剤６が塗布されたシート材からなる。このシート材をその中央線に 沿って折曲して粘着剤６を介して相互に重ね合わせて相互に接着し、またこの際 、このシート材の両端縁部分を上記扁平状の包袋部２の上縁部上に粘着剤６を介 して挾持固定してなる。この固定に係る挾持部を７で示した。なお、８は係止孔 である。

【００１７】 従って、把持部５は粘着剤６によって相互に接着された状態の重層シート材と して形成されそれ自体補強される。また把持部５は扁平状の包袋部２に対しその 表裏両面上に粘着剤６によって挾持状態で連接されるから、包袋部２の扁平面に 対し接合部７面が占める面積がより小さくてよい。また包袋部２の上縁の開口端 は上記重層シート材の粘着剤６による挾持状態での接着によって閉止状態となる 。

【００１８】 この包装材１によるチューブ容器９に対するシュリンク加工後の包装構成を図 ３に示した。即ち、包袋部２の下部開口端を開いてチューブ容器９をその底部側 から挿入してシュリンク加工を施こすことによって、チューブ容器９のほぼ全体 密着状に包囲される状態で包装される。

【００１９】 この包装構成において、チューブ容器９は挾持部７にて一開口端が閉止されて いることと相俟って包袋部２内に安定保持される。この場合、把持部５を介する 支持状態において、拡幅状のチューブ容器９底部が上位にあって、その収納状態 はより安定的に保持される。

【００２０】 次に、円筒状容器１０を対象物として包装材１で包装した場合の形態を図４及 び図５に示した。この場合においても、包装材１によれば把持部５について何ら 変形を伴うことなく容器１０は、シュリンク加工された包袋部２内に安定的に保 持される。また把持部５を介する支持状態において、容器１０はその下位に位置 する底部面上にまで包袋部２の開口縁部が及んだ状態で密着状の包袋部２内に収 納保持されている。

【００２１】

【実施例】

包装材１の形態で次の仕様により構成した。 （１）包袋部２；透明性のポリエチレンフィルム（３０μm厚）を扁平化して大 き さ６０×１２８mmの筒状材として形成した。 （２）把持部５；粘着層を有する合成紙（１５０μm厚）を中央線に沿って曲折 し 重ね合わせて、その重ね合わせ面上に有する粘着剤を介して相互に接着し ５ ４×４９〜５２mmの大きさのものとした。 （３）挟持部７の面積；（５４×６mm² ）×２ 上記した仕様の包装材１にチューブ容器９（１００ｇ）を包袋部２内に収 納しシュリンク加工を施こした。

【００２２】 これを把持部５を介して吊り下げて支持した場合において、安定して支持され ると共に容器９の十分な収納保持状態が得られた。

【００２３】

【考案の効果】

上述したように本考案は構成されることから、次のような効果を奏する。 本考案の包装材によれば、把持部の接合面が狭小で足りることから、包袋部内 に収納された対象物が隠蔽されることがない。従って、対象物の面上に表示され た記号等がそのまま外面上に現われる状態で包装できる。

【００２４】 また、上記した把持部の接合面が狭小で足りることから、包装時に把持部につ いて変形を生じさせない。このため、多様な形状の対象物について包装状態を常 に一定にすることができる。

【００２５】 また、把持部はシート材の重ね合わせからなることから、このシート材につい て比較的に薄厚のものを用いることができる。従って、その取り扱いが容易とな るから、製造の自動機械化に適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の包装材の斜視図

【図２】同の部分縦断面図

【図３】同の包装形態の斜視図

【図４】同の包装形態の斜視図

【図５】同の包装形態の平面図

【図６】従来の包装材の斜視図

【図７】同の包装形態の斜視図

【図８】同の包装形態の斜視図

【図９】同の包装形態の平面図

【符号の説明】

１ 包装材 ２ 包袋部 ５ 把持部 ６ 粘着剤 ７ 挾持部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱収縮性の透明性フィルム材を筒状に形成
   した包袋部とこの包袋部上に連接された把持部とからな
   る包装材において、前記把持部が片面全体に粘着剤を有
   し中央線の両側で対称形をなすシート材からなり、この
   シート材をその中央線に沿って折曲して重ね合わせその
   有する粘着剤を介して相互に接着すると共に、このシー
   ト材の両至端縁部分で前記包袋部の上縁部を挾持固定し
   てなることを特徴とするシュリンク加工用包装材。
2. 【請求項２】前記把持部を形成するシート材の両至端縁
   部が、それぞれ波状形に形成されてなることを特徴とす
   る請求項１のシュリンク加工用包装材。