JP3020926B2 - 重合体組成物からの揮発性物質の除去方法 - Google Patents

重合体組成物からの揮発性物質の除去方法

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JP3020926B2 JP10276249A JP27624998A JP3020926B2 JP 3020926 B2 JP3020926 B2 JP 3020926B2 JP 10276249 A JP10276249 A JP 10276249A JP 27624998 A JP27624998 A JP 27624998A JP 3020926 B2 JP3020926 B2 JP 3020926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体組成物に含ま
れる揮発性物質を除去する方法に関する。さらに詳しく
は未反応モノマーや溶剤などを含む重合体組成物に発泡
助剤を添加して、発泡助剤とともに揮発性物質を除去す
ることにより揮発性物質の減少した製品を提供する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、重合体組成物中に残留している揮
発牲物質が衛生・安全性の面で問題視されてきており、
揮発性物質の低減された製品としての重合体が要求され
るようになってきた。重合体組成物から揮発性物質を除
去する技術の中でも、特にモノマーの溶液から重合体を
製造する方法においては未反応モノマーや溶剤を最終生
成物である重合体組成物から除去する工程が必要であ
る。たとえばポリスチレン中の残留スチレンおよび残留
溶剤の合計が150ppm以下、ニトリル系単量体との
共重合体では残留ニトリル単量体が10ppm以下であ
るような製品が望まれている。ポリスチレンの塊状重合
においてはモノマーと揮発性物質を重合体組成物から単
離する方法としてポリマー溶液を減圧下で揮発性物質の
気化温度よりも高い温度に加熱することにより揮発性物
質を除去することが一般的に行われている。
【0003】しかしながら従来の技術では、たとえばポ
リスチレン中の残留スチレンおよび残留溶剤の合計が5
00ないし1000ppmまでは容易に除去できるが1
50ppm以下にするためには、単純に加熱することに
より揮発性物質を除去することでは達成できず、種々の
工夫が必要であった。例えば、溶融した重合体に水を注
入してから減圧下で水をフラッシュして水と共に残存揮
発分を除去する方法が公知である。例えば米国特許第3
773740号明細書には重合体溶融物に水を添加して
0.5ないし2.75重量%の水を注入して、その後溶
融物の圧力を20ないし40torrに低下させて水を
一気にフラッシュさせることにより残留芳香族モノマー
量を0.3重量%まで低下させる技術が開示されてい
る。しかしこの技術では今日要求されている水準までの
揮発性物質の高度除去は不可能である。さらに減圧度を
下げることにより揮発分の除去効率を高めることが考え
られるが、水の蒸気圧が4.579mmHg未満の圧力
では水を凝縮させるためには0℃未満に冷却しなければ
ならない。従ってコンデンサー内の圧力が5torr未
満では凝縮器内で水が凍結して、凝縮能力が低下してし
まうため連続的に低残留揮発分の重合体組成物を製造す
るためには10torr以上の圧力に維持する必要があ
る。
【0004】この問題を解決する方法として、たとえば
米国特許第5380822号明細書には、1種以上の重
合体、特にポリスチレンのようなビニル芳香族モノマー
の重合体またはビニル芳香族モノマーの重合体とポリフ
ェニレンオキサイドとのブレンド組成物からの残留モノ
マー、オリゴマー(例えば2量体、3量体)および溶剤
を500ppm、好ましくは150ppm以下に減少さ
せる方法が開示されている。この技術では200ないし
270℃で500ないし1500psiに維持された前
記重合体又は重合体組成物に、残留揮発分量すなわち1
重量%以上の水を注入して、5torr未満好ましくは
3torr未満に維持されている減圧域を有するフラッ
シュ室脱臓器に導入し、発泡した重合体をディストリビ
ュータートレーを通過させることにより揮発性物質の除
去を行っている。この例では残留揮発分を150ppm
以下にするためには脱揮槽内の圧力を5torr未満好
ましくは3torr未満に維持して、重合体組成物中の
水およびモノマーを暴露させる必要があるが、工業的に
は脱揮された水およびモノマーを凝縮して取り除くため
に、コンデンサーの上流にエジェクターを設置してコン
デンサー内での圧力を5torr以上になるようにして
水の凍結を防いでいる。また米国特許第5350813
号明細書には水の代わりに、アセトンやメタノールのよ
うな凝固点温度の低い有機溶剤を添加してこの問題を解
決している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の、コンデンサー
の上流にエジェクターを設置してコンデンサーでの水の
凍結を防ぐ方法は工業的にはエジェクターを設置すると
いう投資が必要であり、また技術的にはエジェクターの
運転が難しく定常的にコンデンサー内と脱揮発槽内の圧
力を最適の条件に維持することが難しく、またスケール
アップが困難である。従って水を使用する場合は、凝縮
器内での水の凍結を予防して、連続的に低揮発分の重合
体組成物を得るためにはコンデンサー内の圧力が5mm
Hg以下にならないように脱揮槽内の圧力を10mmH
g以上にする必要がある。一方上記のアセトンやメタノ
ールのような凝固点温度の低い有機溶剤を添加して、残
留揮発分を除去する方法では、添加したアセトンやメタ
ノールが重合体組成物に残留し易く、完全にこれらの添
加剤を取り除かないといけない。そこで脱揮槽内の圧力
を10mmHg以上に維持して揮発分を除去するために
は重合体の温度を上げる方法が考えられるが、重合液組
成物の温度を上げていくと残存単量体が予熱器等の中で
重合して、重合体中の低分子量重合体の量が増加し、成
形物の耐熱性が低下したり、成形時に金型に油状物質が
付着したり、重合体の色相を悪化させる事がある。また
重合体の温度を上げていくと熱的変性が起こり、ポリマ
ーが変色したり、劣化を引き起こす。特に重合体の分解
点近くでは、揮発成分の減少効果以上に重合体の分解に
よる分解ガスの生成が多くなり、好ましい方法とは言え
ない。本発明はこれらの問題を解決して、揮発性物質を
連続的に高効率で除去して、残留揮発性物質の非常に少
ない重合体組成物を提供する方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討したところ、溶融重合体組成物
と発泡助剤として水、水酸基あるいはカルボニル基の少
なくとも1つを含む沸点が未反応モノマーまたは残留し
ている溶剤よりも低い脂肪族炭化水素化合物あるいはこ
れらの混合物を均一に分散混合させ、さらに安定に発泡
させながら揮発性物質を取り除くことが重要であり、同
時にこれらの条件を満たすことにより残留する揮発性物
質の少ない重合体が得られるとの知見を得た。本発明は
これらの知見に基づいて完成された。すなわち本発明は
(1)揮発性物質を2重量%以下の量含む重合体組成物
に発泡助剤を添加し、静止型混合装置で混合後、この混
合物を押出装置によって脱揮槽に押出して発泡させ重合
体組成物から揮発性物質を除去する方法であって、 前記重合体組成物に発泡助剤を添加するにあたり、添
加ノズル装置において発泡助剤が重合体組成物の流れ方
向と反対方向に吐出、添加され、発泡助剤の常圧(大気
圧)における気化温度より高く、重合体の分解温度より
は低い温度領城において、重合体組成物が、その発泡が
起こらない圧力下で静止型混合装置に導入され、 静止型混合装置内で前記温度下において、前記の、発
泡助剤が添加された重合体組成物は発泡助剤の蒸気圧よ
り高い圧力を維持したまま混合して静止型混合装置内を
通過させられ、そして 鉛直方向下向きに設けられた、1つ以上の開口部を有
する前記押出装置を経由して、前記脱揮槽内に導入され
た、前記の、発泡助剤が添加された重合体組成物が押出
装置の開口部から押し出され、下記式(1)の、発泡係
数Bが1.4以上になるような温度と圧力下で重合体が
発泡体とされ、発泡助剤の放出と共に揮発性物質を取り
除かれた重合体として回収される事を特徴とする重合体
組成物から揮発性物質を除去する方法、式(1) B=A’/A (式中Aは押出装置の開口部断面積を示し、A’は開口
部の下部から鉛直方向に50cmないし1mの間に落下
した地点における発泡した重合体組成物の鉛直方向に対
して直角方向の平均断面積を示す。) (2)前記押出装置によって発泡助剤を含む重合体組成
物がストランド状で押出装置の開口部から押し出される
事を特徴とする(1)項に記載の重合体組成物から揮発
性物質を除去する方法、(3)前記静止型混合装置に達
するまでは発泡助剤が該添加ノズル装置に設置された配
管及び該添加ノズル装置と静止型混合装置を接続した配
管の管壁に接触しないように発泡助剤を添加し、重合体
組成物と発泡助剤を発泡助剤の蒸気圧より高い圧力を維
持したまま静止型混合装置内を通過させる事を特徴とす
る(1)または(2)項に記載の重合体組成物から揮発
性物質を除去する方法、(4)前記脱揮槽が10mmH
g以上の圧力下で操作される事を特徴とする(1)ない
し(3)項のいずれか1項に記載の重合体組成物から揮
発性物質を除去する方法、(5)前記発泡助剤が重合体
組成物に対して10重量%以下の量で添加される事を特
徴とする(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の
重合体組成物から揮発性物質を除去する方法、及び
(6)発泡助剤が、水、水酸基もしくはカルボニル基の
少なくとも1つを含む沸点が未反応モノマー及び溶剤よ
りも低い脂肪族炭化水素化合物並びにこれらの混合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴
とする(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載の重
合体組成物から揮発性物質を除去する方法を提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、除去される揮発
性物質とは重合体を含む重合液組成物中の揮発性成分で
あって、たとえば重合体を製造する時に用いられた未反
応モノマーと重合体を製造する際に用いられたヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメ
ンその他のアルキルベンゼン、ハロゲン化炭化水素、ハ
ロゲン化芳香族炭化水素、ニトリル化合物、アミン化合
物等、工業的に重合溶剤として用いられる有機溶剤およ
びオリゴマー(例えばモノマーの2量体、3量体)をい
う。
【0008】また本発明の重合体組成物とは重合体に対
し少なくとも、揮発性物質を少量ないし微量含有する重
合体をいう。ここで、本発明の重合体とは熱可塑性ポリ
マーのことであり、具体的にはポリエチレン、エチレン
・α−オレフィン共重合体、ポリスチレン、HIPS、
ABS、スチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・メ
タクリル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エ
ステル・メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリシロキサン等のシリコーンポリマー、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブタジエン−
スチレンゴム等が挙げられる。本発明は揮発性物質の含
有量が少量の重合体組成物をより精製できる点に特徴が
あり、処理される重合体組成物の揮発性物質の含有量
は、特に制限するものではないが、通常2重量%以下、
好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.0
5〜1.5重量%である。
【0009】本発明をさらに図面を用いて説明する。図
1は、本発明の一実施形熊を示す説明図である。ここで
は適宜ポリスチレンを例に採って、図1に従って説明す
る。ポリスチレンは一例であって、本発明はこれに限定
されるものではない。重合反応槽(図示しない)から移
送されたポリスチレンおよびスチレンモノマー並びに溶
剤からなる揮発性物質を含むポリスチレン組成物1が発
泡助剤の添加ノズル装置2に供給される。添加ノズル装
置は溶融ポリスチレンの流れ方向と反対方向に1つ以上
の開口部を有しており、開口部から発泡助剤が連続的に
溶融ポリスチレンの流れ方向と反対方向に吐出、添加さ
れる。揮発性物質が2重量%を越える場合には、静止型
混合装置に供給される前に、あらかじめ脱揮槽(図示し
ない)に供給され、該ポリスチレン重合体組成物中に2
重量%以下の揮発性物質が含まれるように脱揮槽の圧力
ないし温度条件を制御して処理される。一方、該ポリス
チレン組成物に対して10重量%未満の、水、水酸基或
いはカルボニル基の少なくとも一つを含む沸点が未反応
モノマー及び溶剤よりも低い脂肪族炭化水素化合物ある
いはこれらの混合物からなる群から選ばれた発泡助剤6
がライン10を通り、添加ノズル装置2に供給され、該
溶融ポリスチレンの流れ方向と逆向きの方向に吐出され
添加される。本発明では逆方向に発泡助剤が添加された
場合には該発泡助剤が該添加ノズルから溢れるように流
出し、該添加ノズルまわり全体に均一に広がっていくた
め、次の静止型混合機3における混合性能を著しく高め
ることができる。ここで発泡助剤を、重合体組成物の流
れ方向と反対方向に導入するとは、流れ方向に対し全く
逆方向に導入される場合の外、流れ方向に対し、所定の
角度をなすように立ち上げた方向から逆向きに導入され
ることも包含する。その角度は制限はないが、流れ方向
に対して好ましくは±45°(重合体組成物の流れ方向
に対する正反対の方向が0°である。)の範囲、より好
ましく±5°の範囲である。一方、本発明の方法とは逆
に該発泡助剤が該ポリスチレン組成物の流れ方向に添加
された場合、該発泡助剤は下流に設置された該静止型混
合機の一つの点に供給されることとなり、発泡助剤の分
散混合が均一に起こらないことになり、混合性能が低下
するので好ましくない。
【0010】添加ノズル装置2に供給された該溶融重合
体組成物(ポリスチレン)と該発泡助剤は、発泡助剤の
常圧における気化温度より高く、重合体の分解温度より
は低い温度領域において発泡が起こらないように圧力を
加えて、発泡助剤を添加する必要がある。より好ましく
はこの様にして添加された発泡助剤が連結して設置され
た静止型混合機に達するまでは、発泡助剤が該添加ノズ
ル装置が設置された配管及び該添加ノズル装置と静止型
混合装置を接続した配管の管壁に接触しないよう、添加
ノズル装置2の直後に接続された静止型混合装置3に導
入される。また、該発泡助剤が静止型混合機3に達する
までに、該添加ノズル装置が設置された配管および該添
加ノズル装置と静止型混合機を接続した配管に接触する
場合には、管壁部分の該ポリスチレン組成物の流速が非
常に遅いため、発泡助剤の厚い層が形成され、静止型混
合機の混合性能を低下させることとなる。配管の壁に接
触しない場合には厚い層は形成されず、静止型混合機の
性能を低下させない。このように発泡助剤が配管の壁に
接触しないようにすることは該添加ノズルを該ポリスチ
レン組成物の流れの中央部付近に設置して配管と接触さ
せないことにより実現できる。
【0011】添加される発泡助剤6の量が多ければ多い
ほど、その他の運転条件が同じであれば、脱揮槽後の最
終製品中の残留揮発性物質は少なくなるが、重合体組成
物に対してある限度以上多く添加しても顕著な効果の上
昇はみられないので、重合体組成物の量に対して、発泡
助剤の量の上限は10重量%程度、下限は通常0.1重
量%以上であり、好ましくは0.5〜3重量%である。
10重量%を超えて発泡助剤を添加しても、著しい効果
の上昇は見られず、また、発泡助剤6を蒸発させるため
の熱負荷および蒸発した発泡助剤6を回収するための熱
負荷が大きくなり、経済的に好ましくない。効果的に揮
発性物質を取り除くためには重合体組成物に含まれてい
る揮発性物質の量と同等以上の発泡助剤を添加すること
が好ましい。発泡助剤が重合体組成物に含まれている揮
発性物質の量よりも少なすぎると効果が少なく、発泡助
剤が重合体組成物に対して10重量%を超える量で添加
されると効果が上がらないだけでなく、前記のようにフ
ラッシュした発泡助剤を回収するためのエネルギーが増
加したり、脱揮槽を大型にしたり、真空ポンプを大型に
するなどの改良が必要になるため好ましくない。
【0012】本発明方法において揮発性物質を確実に取
り除くためには該重合体組成物と該発泡助剤は発泡助剤
の常圧における気化温度より高い温度に加熱溶融する。
但し重合体の分解温度より高い温度まで上げると重合体
の品質に悪影響を与えるので好ましくない。通常は重合
体の分解温度より5ないし150℃くらい低い温度に加
熱することが重合体の流動性と脱揮効果のバランスが良
いので好ましい。加熱温度は通常100℃ないし400
℃であり150℃ないし350℃くらいが好ましい。熱
的変性を起こしやすい重合体、例えば耐衝撃性ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS共
重合体等では260℃以下で取り扱うことが好ましい。
例えばポリスチレンでは150℃から300℃が好まし
く、さらに好ましくは180℃から280℃である。
【0013】本発明では発泡助剤の発泡を重合体組成物
が脱揮槽に導入されるまで実質的に起こさないことが好
ましい。したがって上記温度における発泡助剤の蒸気圧
以上の圧力を維持することか重要である。圧力が発泡助
剤の蒸気圧よりも低いと発泡が起こるためガス化した発
泡助剤と該重合体組成物との、密度、粘度差が大きくな
り、静止型混合装置内で分散混合がほとんど起こらなく
なり、その結果最終製品中の残留揮発性物質の量は、静
止型混合装置内で発泡助剤が発泡しない条件で運転され
た場合に比べ多くなる。従って静止型混合装置3内では
脱揮槽に導入されるまで発泡助剤を発泡が起こさない圧
力と温度、たとえばポリスチレン組成物では発泡助剤が
水である場合は245℃で40バール以上を維持したま
ま、静止型混合装置内で混合される。静止型混合装置は
構造が簡単で、圧力損失が少ない分、所要動力も少なく
てすみ、非常に経済的であり好ましい。また静止型混合
装置はインラインで多段で、流れを分割して混合を行え
る連続式の管状混合装置であれば特に制限はなく、一般
的にスタティックミキサーといわれているものが使用で
き、用いられているエレメントの構造の違いが製造され
るメーカーによりみられ、種々の構造のものが市販され
ている。
【0014】静止型混合装置3に導入された発泡助剤と
該ポリスチレン組成物は均一に分散混合された後、ライ
ン7を通り、脱揮槽4に導入される。この脱揮槽4は図
1では上下方向が鉛直方向に相当する正面図として描か
れており、上部に、重合体組成物の押出装置11を有
し、重合体組成物はライン7を通って押出装置11に設
けた1つ以上の開口部13の上部13aより導入され、
その下部13bより薄肉状、例えばストランド状発泡重
合体組成物12として鉛直方向(下向き)に押出され
る。押出装置は脱揮槽本体内部に設置してもよい。押出
装置は、開口部とともにコントロールバルブと加熱器を
有するのが好ましい。コントロールバルブで加熱器内圧
及び吐出流量をコントロールしながら開口部13を通し
て重合体組成物を脱揮槽に押出す。コントロールバルブ
はライン7及びその手前の静止型混合装置3内の圧力を
発泡助剤が発泡を起こさない圧力に維持するために必要
であるが、開口部のみでライン7及びその手前の静止型
混合装置3内の圧力を発泡助剤が発泡を起こさない圧力
に維持することができる場合には押出装置として上記コ
ントロールバルブは特に必要でなく省略する事ができ
る。コントロールバルブが設置される場所はライン7が
脱揮槽にはいる直前が好ましい。押出装置に含まれる加
熱器は熱交換器よりなり多管式熱交換器、プレートフィ
ン型熱交換器、スタティックミキサー型熱交換器など重
合体溶液を加熱するために一般的に使用されている熱交
換器であれば特に制限はない。この加熱器は脱揮槽の上
部フランジ上あるいは内部のいずれの位置に設置しても
良い。ライン7から送られてくる重合体組成物の温度が
発泡助剤が発泡したときの蒸発潜熱により冷却されても
十分流動性が保たれる温度であれば押出装置として上記
加熱器は特に必要でなく省略する事ができる。開口部は
各種のバルブや押出成形機に使用される各種のダイが用
いられる。たとえばバルブではニードル弁、パ−ジ弁、
ベントプラグ、ダイヘッドバルブ等が挙げられる。ダイ
としては造粒用のストランドダイのほかマニホールドダ
イ、フィッシュテールダイ、コートハンガーダイ、スク
リューダイ等のシート用Tダイ、ストレート型ダイ、ク
ロスヘッド型ダイ、オフセットダイなどのチューブ用サ
ーキュラダイ等が挙げられる。これらは1種あるいは2
種以上組み合わせて用いられる。開口部は溶融した重合
体組成物が脱揮槽に直接導入できるのであれば脱揮槽の
上部フランジ上あるいは内部のいずれの位置に設置して
も良い。ここで導入装置の開口部13の断面形状は特に
限定せず、円形、楕円形、角形、線状あるいはこれらの
組み合わせたものや不定形のものなど任意の形状のもの
が使用できる。脱揮槽の運転条件によっては開口部の手
前の押出装置内で多少発泡していても構わないが、通常
脱揮槽に導入されると同時に溶融状態のスチレン系重合
体に液体状態を維持できる温度と圧力で分散・混合され
ている例えば水が開口部から一気に脱揮槽で開放される
ことにより、均一な発泡が生じて、揮発性物質が取り除
かれるものと推定される。この時、溶融状態のスチレン
系重合体が開口部より鉛直方向下向きに供給され、開口
部13の下部13bより押し出された溶融樹脂の発泡の
仕方で揮発性物質の減少の割合が大きく異なることが見
いだされた。開口部より押し出された溶融樹脂は一定の
流速で速やかに鉛直方向に流下しながら発泡助剤が発泡
するに連れてその表面積を増大させ、揮発性分の蒸発分
離が促進される。すなわち開口部より押し出された発泡
状態の溶融樹脂の、鉛直方向に対して直角の方向の前記
重合体発泡物の前記の式(1)で表される発泡係数Bが
1.4以上である場合に揮発性物質の減少効果が大きく
なる。また発泡係数はある程度大きくなると、それ以上
発泡係数を大きくしても揮発性物質の減少効果は変わら
ず、不均一の発泡が起こり溶融樹脂が飛散して脱揮槽の
内壁に樹脂が付着したり、安定した断面形状を保持でき
ず、脱揮発効果が低下するため発泡係数としては50以
下が好ましい。前記式(1)においてA’は開口部下部
13bの近傍の脱揮槽壁に設置されたルッキンググラス
等から発泡状態を観察し、50cmないし1mの間の発
泡した重合体組成物の鉛直方向に対して直角方向の形状
から平均断面積を求めて得る。観察される発泡状態の重
合体組成物は連続的に供給されるため、開口部から垂れ
下がった状態になっているものや、ちぎれて発泡しなが
ら落下する状態になっているものがあるが、均一に発泡
して発泡係数が1.4以上であるのが好ましく特に直角
方向の形状は限定しない。発泡係数は具体的には開口部
より押し出された発泡状態の溶融樹脂を写真またはビデ
オフィルムに撮って発泡した重合体の形状から求めた断
面積の平均値を求めることにより決められる。またこの
様な発泡状態にするためには装置の運転条件として、押
出装置から押し出される重合体組成物の溶融粘度を発泡
の形状を維持できるような粘度にしておくことが必要で
ある。このような粘度の調整は、溶融樹脂温度をコント
ロールする事により行う事ができる、すなわち流動性と
脱揮効果のバランスの良い樹脂温度にコントロールして
開口部から押し出すことにより行うことができる。この
ような揮発性物質の除去処理中は、重合体は少なくとも
溶融状態である。
【0015】特に好ましい運転条件としては、押出装置
の開口部を通過する溶融樹脂の平均流量Sを開口部の単
位断面積あたりで表した時に式(2)で示される範囲で
操作することが好ましい。 式(2) 2g/mm2 ・hr<S<20kg/mm2 ・hr この範囲では溶融樹脂が導入開口部よりも手前にある時
と脱揮槽に導入された後の圧力の差が大きくなり、溶融
状態のスチレン系重合体に液体状態を維持できる温度と
圧力で分散・混合されている発泡助剤が開口部から一気
に脱揮槽で開放され易く、その結果、均一な発泡が生じ
て、揮発性物質が取り除かれる。平均流量が2g/mm
2 ・hrよりも少ないと発泡が連続的に行われず、結果
として脱揮効果が小さくなってしまう。平均流量はより
好ましくは20g/mm2 ・hr以上であり、さらに好
ましくは100g/mm2 ・hr以上である。また平均
流量が20kg/mm2 ・hrを越える場合には処理量
が多くなりすぎて均一に発泡させることが困難になるの
で好ましくない。より好ましくは10kg/mm2 ・h
r以下の流量である。
【0016】平均流量をこれらの好ましい範囲に保つた
めには、開口径はストランドダイや各種のバルブを開口
部に用いた場合には細孔あるいはオリフィスの開口径は
0.1ないし50mmの範囲で選ばれ、好ましくは1な
いし30mmである。その他のダイではスリットの幅が
0.1ないし30mm、好ましくは0.5ないし20m
mである。ストランドダイや各種のバルブを開口部に用
いた場合に、さらに、開口部の手前での発泡がほとんど
ない条件でノズル状の開口部を有する押出装置11から
脱揮槽4に導入されると、発泡助剤の常圧における気化
温度より高く、重合体の分解温度よりは低い温度領域で
発泡が起こらない圧力に維持された発泡助剤を含む重合
体組成物は発泡が一気に生じるため均一に発泡したスト
ランド状で押し出される。発泡助剤が発泡すると同時に
揮発性物質の蒸発が起こるため、重合体組成物は発泡し
てストランドの径が大きくなる。脱揮効果を上げるため
に発泡助剤の15%以上が発泡して揮発するまではスト
ランドの形状を維持できるように脱揮槽の構造を押出装
置の開口部から脱揮槽底部までの距離を充分取れるよう
に設計しておくことが好ましい。ここで発泡助剤の発泡
割合は脱揮槽の底部に取り付けたサンプリング孔から発
泡している重合体組成物を取り出して、発泡助剤の量を
定量して求めることができる。ストランドが均一にでき
る条件として導入ノズルを通過する溶融樹脂の平均流量
Sをノズル状の開口部の単位断面積あたりで表した時に
上記式(2)で示される範囲で操作することが特に好ま
しい。
【0017】ストランドが均一にできていなかったり、
吹き抜けるようにちぎれたりする場合は発泡が不均一に
なっているため揮発性物質の減少効果が小さくなる場合
がある。ストランドが均一に発泡して発泡係数Bが1.
4以上の時は発泡が均一に起こって、脱揮槽では均一に
分散された発泡助剤がさらに均一に発泡することにより
ポリマー自体の境膜が薄くなり揮発性物質が揮発しやす
くなっているものと推定される。溶融樹脂中で発泡する
発泡助剤、例えば水の形成するセルの状態を直接観察す
ることは不可能であるが、開口部より押し出された溶融
樹脂のストランドの発泡状態はこの溶融樹脂中で発泡す
る水の形成するセルの状態と大きな相関があるためにス
トランドの径(肉厚)を制御することにより揮発性物質
のを減少できるものと考えられる。ここで開口部より押
し出された溶融樹脂のストランドの発泡係数Bを直接制
御する方法として脱揮槽の温度や圧力、あるいはノズル
より押し出される前の溶融樹脂温度や圧力を前述の範囲
で調整することで制御することが可能である。
【0018】以上説明したように、前記発泡助剤6は静
止型混合機3に導入され、混合された後、重合体組成物
はライン7を通り、1つ以上の開口部13を有する押出
装置11を経由して脱揮槽4に導入され、発泡処理され
る。最終段の脱揮槽4では、この図には記載されていな
い真空装置、例えばエジェクター、ブロワー、真空ポン
プ等によってライン8から真空が保持される。脱揮槽は
8mmHg以上の圧力、好ましくは10mmHg以上、
通常50mmHg未満の圧力下で操作される。温度は発
泡した溶融樹脂は蒸発潜熱により冷却されて発泡したま
ま高粘度状態になるため流動性を維持するために脱揮槽
の温度を重合体の分解温度より5ないし150℃低い温
度に加熱する必要がある。好ましくは100℃ないし4
00℃でありより好ましくは150℃ないし350℃で
ある。保持される圧力は8mmHg未満であってもよい
が、前記のようにフラッシュした発泡助剤としての水を
回収する時のトラップ内での水の凍結を防止するための
工夫が必要であり、そのためのエネルギーが増加するた
め好ましくない。以上の条件下で取り扱われたポリスチ
レンは、ポンプ5により脱揮槽4から排出されライン9
を通り、造粒機(図示しない)に供給され残留揮発性物
質の含有濃度が非常に少ない製品となる。
【0019】また本発明において、添加して用いられる
発泡助剤(発泡剤)としては水または水酸基あるいはカ
ルボニル基の少なくとも一つを含む、沸点が未反応モノ
マーおよび溶剤よりも低い脂肪族炭化水素化合物が用い
られる。この様な脂肪族炭化水素化合物としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類を挙
げることができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明をさらに詳しく
説明する。尚、本発明は以下の具体例に限定されること
がないことは言うまでもないことである。
【0021】実施例1 本実施例では図1に示したものと同様の装置を使用し
て、重合体組成物としてスチレンの重合体であるポリス
チレン(以下GPPSと称す)を、重合溶剤としてエチ
ルベンゼンを含むものを選択した。重合反応槽で重合し
て得られたポリスチレンを、図には示されていないが、
この図の上流側に設置された脱揮槽で230℃、350
mmHgの条件下で脱揮して残留揮発性物質の量を2重
量%以下にしたのち、添加ノズル装置2に供給した。添
加ノズル装置2では発泡助剤として水を用いて、ポリス
チレンの流れ方向に対して流れ方向と全く逆向きの方向
(流れ方向に対して角度0°)に添加されるようにライ
ン10を通して添加ノズル装置2に供給した。水の添加
位置はポリスチレンの流れのほぼ中央であり、水が該添
加ノズルから溢れるように流出し、該添加ノズルまわり
全体に均一に広がるよう水の常圧における気化温度より
高く、重合体の分解温度よりは低い温度領域において発
泡が起こらないように圧力を加えながら、その直後に接
続された静止型混合装置3に導入された。静止型混合機
3でも水の発泡が起こらないように、温度と圧力を維持
した。水が均一に分散されたポリスチレン組成物は、つ
いで鉛直方向下向きに設置された幅2mm、長さ200
mm(断面積399.14mm2 )の複数の開口部を有
する押出装置11に導入され脱揮槽4に押し出された。
脱揮槽4の温度は230℃で、圧力は10mmHgに維
持されており、ポリスチレン組成物は開口部の単位面積
当り0.2kg/mm2 ・hrの処理量で脱揮槽に押し
出されると同時に混合されている水が開口部から一気に
脱揮槽で開放されて、泡立ったシート状の溶融樹脂が出
てきた。開口部近傍に設置された複数のルッキンググラ
スからこのシート状の発泡した溶融樹脂をビデオフィル
ムにとって観察し、開口部下50cmないし1mの間の
発泡した重合体組成物の鉛直方向に対して直角方向の断
面積の平均値を求めて前記式(1)から発泡係数Bの値
を求めた。製品中の残留揮発性物質量はガスクロマトグ
ラフ法で求めた。表1及び表2にこれらの運転条件と結
果を併記した。
【0022】実施例2 水が均一に分散されたポリスチレン組成物を、鉛直方向
下向きに設置された直径2mm(断面積3.14mm
2 )の複数のノズルからなる開口部を有する押出装置1
1に供給し、脱揮槽4の温度を245℃、圧力を10m
mHgに維持した以外は実施例1と全く同様にして処理
した。ポリスチレン組成物はノズルの単位面積当り0.
2kg/mm2 ・hrの処理量で脱揮槽に押し出される
と同時に混合されている水がノズルから一気に脱揮槽で
開放されて、泡状の溶融樹脂が出てきた。ノズル近傍に
設置されたルッキンググラスからこの泡状の溶融樹脂を
ビデオフィルムにとって観察し、ノズル下50cmない
し1mの間の発泡した重合体組成物の鉛直方向に対して
直角方向の径の平均値を求めて式(1)による発泡係数
Bの値を求めた。製品中の残留揮発性物質量はガスクロ
マトグラフ法で求めた。表1及び表2にこれらの運転条
件と結果を併記した。
【0023】実施例3 実施例2において、ポリスチレンの代わりにブタジエン
ゴムで変性された高衝撃性ポリスチレン(HIPS)を
用いて表1及び表2に示した条件で実施した。結果を同
様に表1及び表2に示す。
【0024】実施例4 実施例2において、ポリスチレンの代わりにスチレン−
アクリロニトリル共重含体(SAN)を用いて表1及び
表2に示した条件で実施した。結果を同様に表1及び表
2に示す。
【0025】実施例5 実施例2において、水の添加量を減量したほかは実施例
2と同様に表1及び表2に示した条件で実施した。結果
を同様に表1及び表2に示す。
【0026】実施例6 実施例2において、運転条件を表1及び表2に示した条
件に変えた以外は実施例2と同様に表1及び表2に示し
た条件で実施した。結果を同様に表1及び表2に示す。
【0027】実施例7 実施例2において、脱揮槽の運転条件を表1及び表2に
示した条件に変えた以外は実施例2と同様に表1及び表
2に示した条件で実施した。結果を同様に表1及び表2
に示す。
【0028】実施例8 実施例1において、重合溶剤としてエチルベンゼンの代
わりにキシレンを用いて重合したポリスチレンを用いて
表1及び表2に示した条件で実施した。結果を同様に表
1及び表2に示す。
【0029】実施例9 実施例2において、水の代わりにメタノールを用いて表
1及び表2に示した条件で実施した。結果を同様に表1
及び表2に示す。
【0030】実施例10 実施例2において、水の代わりにアセトンを用いて表1
及び表2に示した条件で実施した。結果を同様に表1及
び表2に示す。
【0031】比較例1 実施例1において、水の添加方向をポリスチレンの流れ
と同じ方向に代えた以外は実施例1と同様に表1及び表
2に示した条件で実施した。結果を同様に表1及び表2
に示す。
【0032】比較例2 実施例2において、ライン7の圧力を表1及び表2に示
した条件で実施した以外は同様に実施した。結果を同様
に表1及び表2に示す。
【0033】比較例3 実施例2において、添加ノズル装置2に導入されるポリ
スチレン中の残留揮発性物質の量を表1及び表2に示し
た様に2重量%を越える条件で実施した。結果を同様に
表1及び表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の改良された揮発性物質を除去す
る方法を実施することにより、次の様な優れた効果が得
られる。 (1)重合体組成物からの揮発性物質の除去を連続的に
行うことができ、揮発性物質の極めて少ない重合体が、
重合体組成物に重合体組成物の流れ方向とは逆向きの方
向に発泡助剤を添加し、従来よりも高い圧力下、すなわ
ち10mmHg以上で、開口部より押し出された溶融樹
脂の発泡状態を調整することにより得られる。また、発
泡助剤として水を用いる場合に水を凝縮して回収する際
には水の凍結を防ぐための特別な工夫や装置を必要とし
ないという効果がある。 (2)重合体組成物中に含まれる揮発性物質の量を極め
て少なくするための運転条件が同じであれば、従来より
も低い温度で、熱劣化、変色、分解の少ない低揮発性物
質の重合体組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置の1実施形態を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 重合体組成物 2 添加ノズル装置 3 静止型混合機 4 脱揮槽 5 ポンプ 6 発泡助剤 7〜10 ライン 11 押出装置 12 発泡状態の重合体組成物 13 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 祥也 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化 学株式会社内 (72)発明者 岩本 宗 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内 (72)発明者 緒續 士郎 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化 学株式会社内 (72)発明者 松葉 健一郎 千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘町2529− 1−109 (72)発明者 前田 徹男 千葉県浦安市弁天3−2−44−7 (72)発明者 前田 陽造 千葉県千葉市若葉区桜木町315−8 (56)参考文献 特開 平6−345810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性物質を2重量%以下の量含む重合
    体組成物に発泡助剤を添加し、静止型混合装置で混合
    後、この混合物を押出装置によって脱揮槽に押出して発
    泡させ重合体組成物から揮発性物質を除去する方法であ
    って、(1)前記重合体組成物に発泡助剤を添加するに
    あたり、添加ノズル装置において発泡助剤が重合体組成
    物の流れ方向と反対方向に吐出、添加され、発泡助剤の
    常圧における気化温度より高く、重合体の分解温度より
    は低い温度領城において、重合体組成物が、その発泡が
    起こらない圧力下で静止型混合装置に導入され、(2)
    静止型混合装置内で前記温度下において、前記の、発泡
    助剤が添加された重合体組成物は発泡助剤の蒸気圧より
    高い圧力を維持したまま混合して静止型混合装置内を通
    過させられ、そして(3)鉛直方向下向きに設けられ
    た、1つ以上の開口部を有する前記押出装置を経由し
    て、前記脱揮槽内に導入された、前記の、発泡助剤が添
    加された重合体組成物が押出装置の開口部から押し出さ
    れ、下記式(1)の、発泡係数Bが1.4以上になるよ
    うな温度と圧力下で重合体が発泡体とされ、発泡助剤の
    放出と共に揮発性物質を取り除かれた重合体として回収
    される事を特徴とする重合体組成物から揮発性物質を除
    去する方法。 式(1) B=A’/A (式中Aは押出装置の開口部断面積を示し、A’は開口
    部の下部から鉛直方向に50cmないし1mの間に落下
    した地点における発泡した重合体組成物の鉛直方向に対
    して直角方向の平均断面積を示す。)
  2. 【請求項2】 前記押出装置によって発泡助剤を含む重
    合体組成物がストランド状で押出装置の開口部から押し
    出される事を特徴とする請求項1に記載の重合体組成物
    から揮発性物質を除去する方法。
  3. 【請求項3】 前記静止型混合装置に達するまでは発泡
    助剤が該添加ノズル装置に設置された配管及び該添加ノ
    ズル装置と静止型混合装置を接続した配管の管壁に接触
    しないように発泡助剤を添加し、重合体組成物と発泡助
    剤を発泡助剤の蒸気圧より高い圧力を維持したまま静止
    型混合装置内を通過させる事を特徴とする請求項1また
    は2に記載の重合体組成物から揮発性物質を除去する方
    法。
  4. 【請求項4】 前記脱揮槽が10mmHg以上の圧力下
    で操作される事を特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の重合体組成物から揮発性物質を除去する
    方法。
  5. 【請求項5】 前記発泡助剤が重合体組成物に対して1
    0重量%以下の量で添加される事を特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか1項に記載の重合体組成物から揮発
    性物質を除去する方法。
  6. 【請求項6】 発泡助剤が、水、水酸基もしくはカルボ
    ニル基の少なくとも1つを含む沸点が未反応モノマー及
    び溶剤よりも低い脂肪族炭化水素化合物並びにこれらの
    混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の重合体組成物から揮発性物質を除去する方法。
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