JP3020120U - 魚包装用仕切板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚の包装用箱内における冷気の流通をよくす
ることを目的とする。 【構成】 魚の包装用箱Ｂに嵌装して使用する発泡合成
樹脂製の仕切板Ａに、上下に貫通した通気孔３を複数形
成して、この考案の魚包装用仕切板を構成する。 【効果】 魚包装用箱の中に複数段の仕切板を装着した
場合、仕切板に貫通孔を設けたので、この貫通孔を経て
冷蔵庫の冷気が下段にも流入するので、下段の魚にも冷
気が直接触れて冷蔵、冷凍を急速に行なうことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、魚を冷蔵又は冷凍保存処理するのに適した魚包装用仕切板及び魚 包装用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

魚を輸送したり、冷蔵・冷凍処理を行なう際には、包装用箱に魚を詰めている 。そして、鰺や鰯などの小振りな魚はバラ詰めとしているが、鯖や鰹などの中振 りの魚はバラ詰めでは型崩れが大きく商品価値が下がるため、魚枕と呼ばれる仕 切板を使用している。 すなわち、包装用箱の底に仕切板を敷設してその上に魚を並べて載置した後、 その上にもう１枚仕切板を重ねて魚を並べている。 このような目的で使用する仕切板については、魚を整然と、ずれないように載 置する工夫がなされており、例えば実公平４−３９９１号のような提案がされて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記仕切板は、輸送中に包装用箱内で移動すると下段に収納された 魚との間で摩擦が生じて魚が痛んでしまう。そこで、移動しないように仕切板の 形状大きさは包装用箱の内寸とほぼ同等としてあり、仕切板の外縁と包装用箱の 内側面との間に間隙はほとんどない。 ところで、箱詰め状態で魚を冷蔵又は冷凍するためには、処理室内の冷気が魚 箱の上下を流通することが好ましい。そして、包装用箱が木製である場合には側 壁、底板の間隙を通して冷気が流通して箱内を通過した。 しかしながら、包装用箱が合成樹脂製であると、この包装用箱を複数積み重ね た状態において箱内は密閉され、冷気が通過せずに箱に滞留し、新鮮な冷気が箱 内に入りにくい。しかも、包装用箱の素材である発泡合成樹脂は断熱性に富むの で、魚の冷却効率がきわめて悪く、急速冷凍が困難であって、品質劣化の原因と もなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案の魚包装用仕切板は、魚包装用の箱に嵌装して使用するものであって 、この仕切板は前記包装用箱の内寸とほぼ同等の平面寸法とし、上下に貫通した 通気孔を複数形成して構成してある。 請求項２の考案は、前記通気孔を仕切板の縁部に形成したものである。請求項 ３の考案は、仕切板に断面凸弧状のリブを設け、このリブに通気孔を形成したも の、請求項４の考案は仕切板に通気孔を敷設面から離隔保持する脚を形成したも の、請求項５の考案は仕切板の少なくとも一側に魚の頭部を保持する凹部を有す る隆起部を形成し、この隆起部に通気孔を形成したものである。

【０００５】

【作用】

この考案において、仕切板に通気孔を設けてあるので、通気孔を介して冷気は 仕切板の上下を自由に流通する。したがって、底板に通気孔を有する包装用箱と 組合せて使用することにより、複数積み重ねられた包装用箱の中を上下にわたっ て冷気が流れ、滞留することがないので新鮮な冷気が流入して、冷却効率が向上 して急速冷凍も可能となる。 また、請求項２の考案のように通気孔の位置を仕切板の縁部とすると、通気孔 の位置に魚が載置されることがないので、通気孔が魚で塞がれるおそれがなく通 気性が確保されると共に、魚が押されて通気孔の輪郭に沿って魚が変形する（通 気孔の痕が付く）おそれもない。

【０００６】 請求項３ないし５の考案においては、通気孔の下側と仕切板敷設面との間に空 隙が得られるので、包装用箱に設けた通気孔と仕切板の通気孔の位置が完全に一 致しなくとも、包装用箱の通気孔が仕切板に塞がれることがなく、冷気の流通が 確保される。

【０００７】

【実施例】 図中符号Ａは魚包装用仕切板、符号Ｂは包装用容器である。 前記仕切板Ａは発泡合成樹脂製の平面長方形とした板であって、その大きさは 包装用容器Ｂ内に嵌装したときに横方向へ移動しないよう、包装用容器Ｂの内寸 とほぼ同等としてある。

【０００８】 前記仕切板Ａの対向する短縁に沿って、隆起部１が形成してあり、この隆起部 １に魚の頭部がはまる断面円弧状の凹部２が形成してあり、この凹部２によって 魚の頭を安定保持するようにしてある。

【０００９】 前記仕切板Ａの対向する長縁に沿って通気孔３が複数並設してある。この通気 孔は、冷気の流通を向上させるために開口面積が可及的に大きくなるように設け ることが好ましい。図においては円孔としてあるが、楕円、方形などその形状を 問わない。また図では１列に配置してあるが、内外２列ないし数列としてもよい 。更に、鎖線で示すように、前記隆起部１に沿って通気孔３を設けたることもで きる。

【００１０】 また、図３のように通気孔３を隆起部１の上面に形成することもできる。隆起 部１の裏面には空隙４が形成されているので、隆起部１に通気孔３を形成すると 共に包装用箱Ｂの短縁部に通気孔を形成すると、両者の通気孔の位置が一致しな くとも仕切板Ａによって箱Ｂの通気孔が塞がれることがない。 同様に、図４、図５のように仕切板Ａの長縁に沿って断面凸弧状のリブ５を設 けてここに通気孔３を設けたり、図６のように仕切板Ａの長縁に沿って脚６を設 けたり、図７のように魚の頭を保持する凹部２の底を仕切板の中央部底面よりも 下方に位置させる（凹部２が脚となる）等の構造によって、長縁に沿って設けら れた通気孔３が敷設面（箱の底板面）と離隔させると、箱Ｂの底板との間に空隙 ４が形成されるので、両通気孔の位置が一致しなくとも容器Ｂの通気孔が閉塞さ れることがなく、常に冷気の流通が確保される。

【００１１】 なお、通気孔３の位置は上記の様な縁部に限定されるものではなく、仕切板の 中央部に設けることもできるが、通気孔３の上に魚が載置されると通気孔３が塞 がれて冷気の流通が妨げられて所期の効果を得ることができず、また魚に通気孔 の痕がつき商品価値が下がるおそれがある。したがって、通気孔３の位置は魚が 載置されない仕切板の縁部とすることが好ましい。

【００１２】 前記図２に示す包装用箱Ｂは、発泡合成樹脂製で上方が開口した直方体状の箱 であり、底板７に通気孔８が複数形成してある。この通気孔８の位置は前記仕切 板Ａをこの箱Ｂに嵌装して使用する際に、仕切板Ａに形成された通気孔３の位置 と一致することが好ましいが、図４、図５、図６、図７のように仕切板Ａと箱Ｂ の底板７との間に空隙４が得られる場合は必ずしも両通気孔３，８の位置が一致 しなくともよい。

【００１３】 以上のように構成された仕切板Ａがこの考案の魚包装用仕切板であり、前記包 装用箱Ｂに装着して使用する。

【００１４】 図８はこの考案の使用状態を示すものであって、包装用箱Ｂの底に仕切板Ａを 敷設し、この上に魚９を載置し、魚９の上に更に仕切板Ａを乗せてこの上に魚９ を載置する。このように魚を二段に収納した包装用箱Ｂを複数積み重ねて冷凍庫 内の棚１０に載置する。 ここで、冷凍庫内の冷気は矢示のように通気孔３、８を経て上方の箱Ｂから下 方の箱Ｂへと流通するので、冷気が滞留することなく新鮮な冷気が魚９に常時触 れることとなる。

【００１５】

【考案の効果】

この考案によれば、魚包装用の仕切板に通気孔を設けたので、仕切板の上下に わたり冷気を流通させて、新鮮な冷気を常時魚に触れさせることができる。そし て、同じく通気孔を設けた魚包装用箱と組合せた魚包装用容器を使用することに より、発泡合成樹脂製の箱においても積み重ねた箱の中に冷気を流通させること が可能となり、冷却効率が向上する。したがって、急速冷凍も可能であり冷凍魚 の品質を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の仕切板の実施例の斜視図。

【図２】 この考案の魚包装用箱の実施例の斜視図。

【図３】 仕切板の隆起部に通気孔を設けた実施例の拡
大端面図。

【図４】 仕切板のリブに通気孔を設けた実施例の横拡
大端面図。

【図５】 仕切板のリブに通気孔を設けた実施例の縦一
部拡大端面図。

【図６】 仕切板の長縁に沿って脚を設けた実施例の横
拡大端面図。

【図７】 仕切板の凹部を下方に位置させた実施例の一
部拡大縦端面図。

【図８】 使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

Ａ 魚包装用仕切板 Ｂ 魚包装用箱 １ 隆起部 ２ 凹部 ３ 通気孔 ４ 空隙 ５ リブ ６ 脚 ７ 底板 ８ 通気孔 ９ 魚 １０ 棚

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚の包装用箱に嵌装して使用する発泡合
   成樹脂製の仕切板において、この仕切板は前記包装用箱
   の内寸とほぼ同等の平面寸法とされ、この仕切板には上
   下に貫通した通気孔が複数形成された、魚包装用仕切板
2. 【請求項２】 通気孔は仕切板の縁部に形成された、請
   求項１記載の魚包装用仕切板
3. 【請求項３】 仕切板には断面凸弧状のリブが形成さ
   れ、通気孔はこのリブに設けられた、請求項１又は２に
   記載の魚包装用仕切板
4. 【請求項４】 仕切板には通気孔部を敷設面から離隔保
   持する脚が形成された、請求項１又は２に記載の魚包装
   用仕切板
5. 【請求項５】 仕切板の少なくとも一側には魚の頭部を
   保持する凹部を有する隆起部が形成され、この隆起部に
   通気孔が形成された、請求項１ないし３の何れかに記載
   の魚包装用仕切板