JP3019714B2 - 磁性鋼板の増分透磁率計測装置 - Google Patents

磁性鋼板の増分透磁率計測装置

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JP3019714B2
JP3019714B2 JP6023893A JP2389394A JP3019714B2 JP 3019714 B2 JP3019714 B2 JP 3019714B2 JP 6023893 A JP6023893 A JP 6023893A JP 2389394 A JP2389394 A JP 2389394A JP 3019714 B2 JP3019714 B2 JP 3019714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は大型の磁性鋼板の増分
透磁率の計測装置に関し、例えば磁気シールドルームに
使用するPCパーマロイ板などの大型の磁性鋼板の増分
透磁率を原板のまま計測できる計測装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】磁気シールドルームの変動磁場のシール
ド性能は、側壁に使用される磁性鋼板の増分透磁率によ
り決まる。したがって鋼板の製造工程に於ける増分透磁
率の計測、管理はきわめて重要である。これに対して、
鋼板の透磁率の計測、管理は従来JISC2531に定
める方法により行われてきた。これは製品鋼板の同じ製
造過程をたどった小リング片により初透磁率を計測する
ものである。
【0003】しかしながら、JISC2531の方法に
は次の問題点がある。 1)直流の磁気シールド性能を決定する初透磁率の計測
法であり、増分透磁率の定量評価ではない。 2)小リング片は大型鋼板と熱処理時の雰囲気条件が異
なり、透磁率が一致しないことがある。 一方、小型鋼板を計測する方法としては従来よりaエプ
スタイン試験法、b単板試験法がある。しかしながら、
本方法は小型鋼板サンプルの計測を前提としており、大
型鋼板の計測を行なうにあたっては次の問題点がある。 a)の方法は複数の鋼板サンプルを井形に組んで計測す
るために大きな場所が必要であり、鋼板の個別管理がで
きない。 b)の方法はヨークを組み合わせて計測するために装置
が重くなり、また大型鋼板とヨークのギャップ管理が困
難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかかる問題
点を解決するためになされたもので、磁性鋼板を励磁用
コイルの内部に挿入して交流を通電し、該磁性鋼板の表
面から夫々異なった距離に配置された少なくとも2個の
磁界検出器により磁界の強さを計測し、磁束検出用コイ
ルにより鋼板を透過する磁束を検出し、磁性鋼板近傍の
磁界の強さは磁性鋼板表面からの距離の1次関数となる
ことを利用して、磁界検出器の出力信号と磁束検出用コ
イルの出力信号とに基づいて増分透磁率を求めることに
より、ヨークなどを伴わない単純な装置で、大型の磁性
鋼板の増分透磁率を原板のまま計測することができる磁
性鋼板の増分透磁率計測装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る磁性鋼板
の増分透磁率計測装置は、磁性鋼板を内部に挿入して交
流を通電し、磁界を発生させる励磁用コイルと、磁性鋼
板と励磁用コイルの間において、該磁性鋼板の一方の面
から夫々異なった距離に配置された少なくとも2個の磁
界検出器と、磁性鋼板内を透過する磁束を検出するため
に磁性鋼板と交叉して配置された磁束検出用コイルと、
前記複数の磁界検出器の出力信号から磁性鋼板内の磁界
の強さを求め、その値と磁束検出用コイルの出力信号か
ら得られる磁性鋼板内を透過する磁束の磁束密度とから
該磁性鋼板の増分透磁率を求める演算装置とを備えたも
のである。
【0006】また、磁界検出器は磁性鋼板の両側に夫々
少なくとも2個ずつ配置するものである。
【0007】さらに、磁性鋼板を内部に挿入して交流を
通電し、磁界を発生させる励磁用コイルと、磁性鋼板と
励磁用コイルの間において、該磁性鋼板の表面から垂直
方向に移動可能に配置された磁界検出器と、磁性鋼板内
を透過する磁束を検出するために磁性鋼板と交叉して配
置された磁束検出用コイルと、磁界検出器を移動させて
磁性鋼板の表面からの距離が夫々異なった少なくとも2
個所で得られる該磁界検出器の出力信号から磁性鋼板内
の磁界の強さを求め、その値と磁束検出用コイルの出力
信号から得られる磁性鋼板内を透過する磁束の磁束密度
とから該磁性鋼板の増分透磁率を求めるものである。
【0008】また、励磁用コイルにより発生させる磁界
の強さは10-2Oe以下とするものである。
【0009】さらに、励磁用コイルの長さを磁性鋼板の
長さと同等又はこれをより大きくし、磁界検出器及び磁
束検出用コイルを、磁性鋼板の長手方向を3等分したそ
の中央部内に配置し、磁界検出器は磁性鋼板と励磁用コ
イルとの間の磁性鋼板側の3分の1の空間内に配置する
ものである。
【0010】
【作用】この発明においては、磁性鋼板を励磁用コイル
の内部に挿入して交流を通電し、磁界を発生させ、磁性
鋼板の一方の面から夫々異なった距離に配置された少な
くとも2個の磁界検出器の出力信号、あるいは磁界検出
器を移動させて磁性鋼板の表面からの距離が夫々異なっ
た少なくとも2個所で得られる磁界検出器の出力信号か
ら磁性鋼板内の磁界の強さを求め、その値と磁束検出用
コイルの出力信号から得られる磁性鋼板内を透過する磁
束の磁束密度とから増分透磁率を求めるから、大型の磁
性鋼板の増分透磁率を原板のまま計測することができ
る。
【0011】また、磁界検出器は磁性鋼板の両側に夫々
少なくとも2個ずつ配置することにより、磁性鋼板の厚
さ方向に磁界分布の偏差が生じた場合、その偏差を検出
できる。
【0012】さらに、励磁用コイルにより発生させる磁
界の強さは10-2Oe以下とすることにより、磁気シー
ルドルームが設置される場所、例えば大都市の病院等に
おける微弱な磁気雑音に対する特性がわかる。
【0013】また、磁界検出器及び磁束検出用コイル
を、磁性鋼板の長手方向を3等分したその中央部分内に
配置し、磁界検出器は磁性鋼板と励磁用コイルとの間の
磁性鋼板側の3分の1の空間内に配置することにより、
磁界検出器の設置される位置が磁性鋼板の長手方向中央
からずれていても増分透磁率の計測ができる。
【0014】
【実施例】
実施例1.先ず、この発明の原理について説明する。図
1はこの発明の実施例1における励磁部及びセンサ部を
示す正面図、図2は図1のA−A線断面図である。図に
おいて、1は増分透磁率が計測される大型の磁性鋼板
(以下、単に鋼板と記す)で、例えばPCパーマロイの
原板である。2は被試験材である鋼板を交流で励磁する
励磁用コイルで、鋼板1を内部に挿入して励磁するのに
充分な横断面(長手方向に直交する断面)と長さを有
し、かつ横断面が方形のコイルである。方形のコイルに
したのは、鋼板1の幅方向に均一な磁界を発生させるた
めである。従って、鋼板1は、方形のコイルの内部中央
に、方形のコイルの幅W方向の導線が鋼板1に平行とな
るように、挿入して計測する。3は鋼板内を透過する磁
束を検出するために鋼板1と交叉して配置された磁束検
出用コイル、4a,4bは磁界検出器で、ガウスメータ
等の磁力計である。2個の磁力計は鋼板1の表面、即ち
一方の面から異なる位置の磁界の強さを計測するもので
ある。そして、励磁用コイル2により励磁部が構成さ
れ、磁束検出用コイル3及び磁力計4a,4bによりセ
ンサ部が構成されている。
【0015】磁力計4a,4b及び磁束検出コイル3
は、励磁用コイル2に挿入された鋼板1の長手方向中央
に配置され、かつ、磁力計4aと4bは鋼板1の表面、
即ち一方の面から夫々異なった距離に配置されている。
また、励磁用コイル1、磁束検出用コイル3及び磁力計
4a,4bは夫々上述の位置を保って周知の手段により
固定されている。励磁用コイル2は、巻枠に巻かれてお
り、その外形寸法は、長さL=1800mm、幅W=8
50mm、高さH=400mmである。鋼板1は、幅W
=600mm、厚さT=1.2mm、長さLは励磁コイ
ル2の長さと同等又はこれより小である。
【0016】上記のように構成して、鋼板1を励磁コイ
ル2の内部に挿入して交流を通電し、微弱な磁界を発生
させ、磁力計4a,4bにより磁界を測定し、磁束検出
用コイル3の出力信号に基づいて磁束密度を求め増分透
磁率を計測するのであるが、最大の問題点は、被試験材
である鋼板を含む磁路に大ギャップが存在するため鋼板
端部に反磁界が発生し、表面も含めた鋼板内部と鋼板の
表面(以下、鋼板面と記す)近傍とで磁界の強さが異な
ることである。そこで、発明者は磁場解析及び実験によ
り下記の事実を確認した。即ち、「励磁用コイル中心部
において鋼板面近傍の磁界の強さは、鋼板面からの距離
の1次関数となり鋼板面及び鋼板内部にて最小とな
る。」
【0017】以下、本事実を大型計算機を使用した磁場
解析計算にて明らかにする。解析は図1及び図2に示す
装置の1/10のモデルを前提とし、鋼板の幅方向の磁
場分布がほぼ一様であるとして積分要素法解析計算のう
ちベクトルポテンシャル法(A−φ法)2次元線形静磁
場解析を用いた。対称性を考えて、図3に示す模型の1
/4の部分(第1象限)について解析した。コイル2a
(第1象限)は紙面上から下に向う方向に電流が流れて
いる。対象軸Xは磁位の固定境界、対象軸Zは磁位の自
由境界、その他の境界(−で示される部分)は積分境界
とする。μΔ(比透磁率)を10,000で計算した結
果を図4に示す。図4からわかるように、磁界の強さ
(X方向成分)は、鋼板(PCパーマロイ)1aの表面
から直線で変化し、鋼板内では一定の値である。なお、
鋼板1の長さL方向をX軸、幅W方向をY軸、鋼板に垂
直方向をZ軸とする。実験結果については後述する。
【0018】そして、上記の解析結果に基づいて、鋼板
面からの距離を変えて鋼板面近傍の2点の磁界の強さ
(交流分)を計測し、その値と2点の距離から鋼板面上
の磁界の強さを計算する方法を導いた。図5は鋼板面上
及び内部の磁界の強さを求める方法の原理を説明する説
明図で、図5(a)は鋼板1に対し磁力計4a,4bを
配置する位置を示す図であり、図5(b)は上記解析結
果に基づいた鋼板面近傍の磁界の強さ(X方向成分)は
鋼板面からの距離の1次関数となることを示すグラフで
ある。なお、(a)図の磁力計4a,4bの位置Z1
2 と(b)図の縦軸のZ1,Z2 とは対応している。
ここで、 Z1 :鋼板面と磁力計1との距離 Z2 :鋼板面と磁力計2との距離 H1 :磁力計1の計測データ(磁界の強さ) H2 :磁力計2の計測データ(磁界の強さ) とすると、鋼板からzのところにある点の磁界の強さH
(z)は (H(z)−H1 )/(z−z1 )=(H2 −H1 )/(z2 −z1 ) …(1) であらわせる。鋼板面上(z=0)の磁界の強さは、 H(0)=(−z1 ・H2 +z2 ・H1 )/(z2 −z1 ) …(2) である。一方、 τ:鋼板の厚さ w:鋼板の幅 V:磁束検出用コイルの出力 n:磁束検出用コイルの巻き数 とすれば、鋼板の内部を透過する磁束の磁束密度は
【0019】
【数1】 これより増分透磁率μΔは、 μΔ=B/H(0) …(4) で求まる。以上のことから、この発明は少なくとも2個
の磁力計で鋼板近傍の2点の磁界の強さを計測し、その
情報を演算装置で処理して鋼板面、つまり鋼板内の磁界
の強さを求め、同時に計測した鋼板の磁束密度との比を
とることにより増分透磁率を計測するものである。
【0020】図6はこの発明の実施例1による増分透磁
率計測装置の構成図である。図6において、2は励磁コ
イル、3は磁束検出用コイル、4a,4bは磁力計であ
り、図1及び図2に示すものを構成図として示したもの
である。なお、鋼板1は図示を省略してある。5は励磁
用交流を発生する発振器、6は発振器5の出力を増幅し
て励磁用コイル2へ出力する増幅器、7は比例・積分演
算プロセッサ、8は加減乗除演算プロセッサである。
【0021】次に、動作を説明する。励磁用コイル2
は、増幅器6の出力により励磁を行う。周波数は被試験
材である鋼板1に渦電流が発生しない範囲であり、1m
m厚さのPCパーマロイの場合は0.1〜10Hz程度
である。周波数の下限は0.1Hzとする。これは、磁
気シールドルームの主な用途としては医療用で人体から
発生する磁場の強さの測定を行う場の提供であり、この
ようなシールドルームに使用する材料を評価するために
は、人体から発生する磁場の周波数帯に対応した0.1
Hz程度における増分透磁率がわかればよいからであ
る。なお、現在の測定器の性能等からすると、0.01
Hz位迄の範囲で測定が可能である。磁界の強さは、1
-2Oe以下で計測を行う。これは、都市に於ける磁気
変動のレベルが10-3Oeのオーダであることによる。
即ち、上述の人体から発生する磁場の強さの測定を行う
ための磁気シールドルームが、都市の病院に設置された
場合のことを考えると10-3Oeクラスの磁気雑音をシ
ールドする必要がある。従って、材料としてのPCパー
マロイも10-3Oeクラスの微弱な磁界での特性を評価
する必要がある。以上のことから磁界の強さは10-2
e以下とする。一方、鋼板1を完全に励磁するために励
磁コイル2の長さは鋼板の長さより小さくならないよう
にする。
【0022】周波数、磁界の強さは増幅器6の前段にあ
る発振器5にて調整する。磁力計4a,4b及び磁束検
出用コイル3の出力信号は比例・積分演算プロセッサ7
で処理される。磁力計4a,4bの2信号は比例演算に
より磁界の強さH1 ,H2 の値に変換され加減乗除演算
プロセッサ8に送られる。磁束検出用コイル3の出力信
号は積分演算により磁束密度Bの値に変換され加減乗除
算演算プロセッサ8に送られる。加減乗除演算プロセッ
サ8には、予め磁力計4a,4bの位置Z1 ,Z2 の情
報がインプットされており、式(2)に基づいて鋼板面
上の磁界の強さが計算され、式(4)に基づいて増分透
磁率μΔが計算され出力される。
【0023】実施例2.上記実施例1は、磁力計4a,
4b及び磁束検出用コイル3を鋼板1の長手方向中央に
配置したものであるが、中央からずれた位置に配置して
も計測は可能である。実施例2は磁力計及び磁束検出用
コイルを鋼板の長手方向を3等分したその中央部内に配
置し、磁力計を鋼板と励磁用コイルとの間の鋼板側の3
分の1の空間内に配置するものである。以下、図2と同
じ位置で断面した図7を用いて説明する。図7は励磁コ
イル内の高さ方向、つまり鋼板面に垂直方向の磁界分布
を知るための実験を説明する説明図で、(a)は1個の
磁力計4の位置を変えて磁界の強さを計測する構成を示
す図、(b)は鋼板1の一部を励磁用コイル2から出し
て計測する状態を示し、(c)は鋼板1を励磁用コイル
2の中央におき、鋼板1の長手方向端部近傍の磁界を計
測する状態を示す図である。
【0024】実験1は、(b)図に示すように鋼板1を
励磁用コイル2から250mmだけ出し、励磁用コイル
の端から200mmの所で、1個の磁力計4をZ方向に
位置を変えて計測した。その結果を図8に示す。実験2
は、(c)図に示すように、鋼板1の端部のZで示す位
置において、1個の磁力計をZ方向に位置を変えて計測
した。その計測結果を図9に示す。実験1及び2何れの
場合も、鋼板1からの距離が90mmまでは磁界分布に
直線性があるが、90〜200mmの所では非線形にな
る。この結果に基づいて、鋼板1からの距離が90mm
までの範囲に磁力計を置けば、磁力計の鋼板1の長手方
向に対する位置は中央からずれても直線性が得られるこ
とがわかる。
【0025】そこで、実施例2は、安全性を考慮して、
鋼板1と励磁用コイル2との間の鋼板側の3分の1の空
間内の位置に磁力計4a,4bを配置し、長手方向の位
置は、鋼板の長手方向を3等分したその中央部内に配置
するものである。この実施例2によれば、磁力計を配置
する上で、鋼板の長手方向については、必ずしも中央に
配置しなくてよいから、装置を製作する上で有利であ
る。
【0026】実施例3.上記実施例2の実験結果によれ
ば、磁界検出器は1個であってもよい。この場合は、磁
界検出器を鋼板1の表面、即ち一方の面から垂直方向に
移動させ、鋼板1からZ1 の距離において得られる出力
信号と、鋼板1からZ2 の距離において得られる出力信
号とに基づいて、比例・積分演算プロセッサ7により比
例演算して磁界の強さH1 及びH2 を求めれば、実施例
1と同様に増分透磁率を求めることができる。
【0027】実施例4.実施例1及び2では、磁力計は
鋼板の片側に2個配置しているが、磁力計を鋼板の両側
に2個ずつ配置すれば、鋼板の両面における磁界の強さ
u (0),Hd (0)を計測できる。実施例3による
と鋼板の厚さ方向に磁界分布の偏差が生じた場合に、そ
の検出と補正(平均処理)が可能である。
【0028】実施例5.実施例1〜3では、磁界検出器
として磁力計を用いているが、磁力計のかわりに、ピッ
クアップコイル(空心コイル)を用い、比例・積分演算
プロセッサ7で積分処理を行ってH1 ,H2 を計算して
もよい。
【0029】
【発明の効果】この発明は以上説明したとおり、磁性鋼
板を励磁用コイルの内部に挿入して交流を通電し、磁界
を発生させ、磁性鋼板の一方の面から夫々異なった距離
に配置された少なくとも2個の磁界検出器の出力信号、
あるいは磁界検出器を移動させて磁性鋼板の表面からの
距離が夫々異なった少なくとも2個所で得られる磁界検
出器の出力信号から磁性鋼板内の磁界の強さを求め、そ
の値と磁束検出用コイルの出力信号から得られる磁性鋼
板内を透過する磁束の磁束密度とから増分透磁率を求め
るから、大型の磁性鋼板の増分透磁率を原板のまま計測
することができる。従って、 1)特に、磁気シールドルームなどに使用する大型磁性
板の増分透磁率計測が可能となり、従来の試験サンプル
片による計測に置ける代替計測のずれ、即ちサンプルと
実際の製品との間の特性の差が無くなる。 2)単板試験法、エプスタイン試験法のような装置の大
型化、重量化、ギャップ管理の困難性の問題が解消す
る。
【0030】また、磁界検出器は磁性鋼板の両側に夫々
少なくとも2個ずつ配置することにより、磁性鋼板の厚
さ方向に磁界分布の偏差が生じた場合、その偏差を検出
できる。従って、厚さ方向の磁界分布の偏差の有無の評
価ができる。
【0031】さらに、励磁用コイルにより発生させる磁
界の強さは10-2Oe以下とすることにより、磁気シー
ルドルームが設置される場所、例えば都市の病院等にお
ける微弱な磁気雑音に対する特性がわかる。従って、微
弱な磁気雑音をシールドする磁気シールドルームの材料
として適しているか否かの評価ができる。
【0032】また、磁界検出器及び磁束検出用コイル
を、磁性鋼板の長手方向を3等分したその中央部内に配
置し、磁界検出器は磁性鋼板と励磁用コイルとの間の磁
性鋼板側の3分の1の空間内に配置することにより、磁
界検出器の設置される位置が磁性鋼板の長手方向中央か
らずれていても増分透磁率の計測ができる。従って、磁
界検出器を配置する上で寸法的な余裕があるから、装置
を製作する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における励磁部及びセンサ
部を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】解析のための模型を示す説明図である。
【図4】解析結果の一例を示す線図である。
【図5】鋼板面上及び内部の磁界の強さを求める方法の
原理を説明する説明図である。
【図6】この発明の実施例1による増分透磁率計測装置
の構成図である。
【図7】鋼板面に垂直方向の磁界分布を知るための実験
を説明する説明図である。
【図8】実験1の結果を示す線図である。
【図9】実験2の結果を示す線図である。
【符号の説明】
1 磁性鋼板 2 励磁用コイル 3 磁束検出用コイル 4a,4b 磁界検出器 5 発振器 6 増幅器 7 比例・積分演算プロセッサ 8 加減乗除演算プロセッサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18 G01N 27/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性鋼板を内部に挿入して交流を通電
    し、磁界を発生させる励磁用コイルと、 前記磁性鋼板と励磁用コイルの間において、該磁性鋼板
    の一方の面から夫々異なった距離に配置された少なくと
    も2個の磁界検出器と、 前記磁性鋼板内を透過する磁束を検出するために前記磁
    性鋼板と交叉して配置された磁束検出用コイルと、 前記複数の磁界検出器の出力信号から前記磁性鋼板内の
    磁界の強さを求め、その値と前記磁束検出用コイルの出
    力信号から得られる前記磁性鋼板内を透過する磁束の磁
    束密度とから該磁性鋼板の増分透磁率を求める演算装置
    とを備えた磁性鋼板の増分透磁率計測装置。
  2. 【請求項2】 前記磁界検出器は前記磁性鋼板の両側に
    夫々少なくとも2個ずつ配置することを特徴とする請求
    項1記載の磁性鋼板の増分透磁率計測装置。
  3. 【請求項3】 磁性鋼板を内部に挿入して交流を通電
    し、磁界を発生させる励磁用コイルと、 前記磁性鋼板と励磁用コイルの間において、該磁性鋼板
    の表面から垂直方向に移動可能に配置された磁界検出器
    と、 前記磁性鋼板内を透過する磁束を検出するために前記磁
    性鋼板と交叉して配置された磁束検出用コイルと、 前記磁界検出器を移動させて前記磁性鋼板の表面からの
    距離が夫々異なった少なくとも2個所で得られる該磁界
    検出器の出力信号から前記磁性鋼板内の磁界の強さを求
    め、その値と前記磁束検出用コイルの出力信号から得ら
    れる前記磁性鋼板内を透過する磁束の磁束密度とから該
    磁性鋼板の増分透磁率を求める演算装置とを備えた磁性
    鋼板の増分透磁率計測装置。
  4. 【請求項4】 前記励磁用コイルにより発生させる磁界
    の強さは10-2Oe以下であることを特徴とする請求項
    1、2又は3の何れかに記載の磁性鋼板の増分透磁率計
    測装置。
  5. 【請求項5】 前記励磁用コイルの長さを前記磁性鋼板
    の長さと同等又はこれより大きくし、前記磁界検出器及
    び磁束検出用コイルを、前記磁性鋼板の長手方向を3等
    分したその中央部分内に配置し、前記磁界検出器は前記
    磁性鋼板と励磁用コイルとの間の磁性鋼板側の3分の1
    の空間内に配置することを特徴とする請求項1、2、3
    又は4の何れかに記載の磁性鋼板の増分透磁率計測装
    置。
JP6023893A 1994-02-22 1994-02-22 磁性鋼板の増分透磁率計測装置 Expired - Lifetime JP3019714B2 (ja)

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