JP3019493B2 - 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法 - Google Patents

新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法

Info

Publication number
JP3019493B2
JP3019493B2 JP3185208A JP18520891A JP3019493B2 JP 3019493 B2 JP3019493 B2 JP 3019493B2 JP 3185208 A JP3185208 A JP 3185208A JP 18520891 A JP18520891 A JP 18520891A JP 3019493 B2 JP3019493 B2 JP 3019493B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
reaction
producing
polytetramethylene glycol
hexacarboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3185208A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH059156A (ja
Inventor
貫剛 藤谷
幹郎 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Japan Chemical Co Ltd filed Critical New Japan Chemical Co Ltd
Priority to JP3185208A priority Critical patent/JP3019493B2/ja
Publication of JPH059156A publication Critical patent/JPH059156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3019493B2 publication Critical patent/JP3019493B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリテトラメチレング
リコールの両末端にカルボキシル基を有した新規なヘキ
サカルボン酸及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気に放出する溶剤の規制が強化
され、ポリエステル系水性塗料の用途が広がっている。
これに伴い、樹脂に対して水性を付与する多様な技術の
開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
要求に応えるべく鋭意検討した結果、(1)両末端に特定
構造のカルボキシル基を有する水溶性ポリマーが所定の
効果を有し、且つこのものは文献未記載の新規化合物で
あること、(2)原料の仕込み比率を特定の範囲内に調整
することにより、当該化合物を工業的に製造し得ること
を見い出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0004】即ち、本発明は、新規なヘキサカルボン酸
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヘキサカル
ボン酸は、一般式(I)で表されることを特徴とする。
【化1】
【0006】本発明に係るヘキサカルボン酸は、ポリテ
トラメチレングリコールと1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸(以下「BTC」と略称する。)とを、要すれば
触媒の存在下に脱水縮合することにより調製される。
【0007】原料のポリテトラメチレングリコールとし
ては、分子量400〜20000程度のものが用いら
れ、特に、600〜2000程度の分子量であるものが
推奨される。分子量が600を越えるポリテトラメチレ
ングリコールを使用して得たヘキサカルボン酸は、室温
において流動性があり、溶剤と混合するに際しても比較
的低温下、即ち室温か若干の加温で混合可能であるた
め、作業性に優れている一方、分子量が600以下のポ
リテトラメチレングリコールを使用した場合には、得ら
れるヘキサカルボン酸の流動点が高くなり、移送や樹脂
溶媒との混合攪拌が困難となる傾向が認められる。又、
分子量が20000を越えた場合には、単位重量当たり
のカルボキシル基の含有量が少なくなりすぎ、ヘキサカ
ルボン酸としての所定の効用が低下する。
【0008】BTCの使用量は、ポリテトラメチレング
リコールの水酸基に対するBTC類のカルボキシル基の
当量比率(Z)が3〜12、好ましくは4〜6程度とな
るように設定する。Zが小さすぎるとポリテトラメチレ
ングリコールの水酸基が残存するし、反応生成物が著し
く増粘して攪拌や反応缶からの取り出しができなくな
る。一方、このZが大きすぎると末端カルボキシル基の
付与には問題がないが、生成物に過剰のBTCが残存
し、しかも反応系が不均一となって反応の進行が阻害さ
れる場合があり、経済的にも好ましいものではない。
【0009】本発明にかかる縮合反応は、後処理を簡略
にするためには無触媒で完結することが好ましい。一
方、触媒を適用する場合には、通常のエステル化触媒を
使用することができる。かかる触媒の具体例として、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、
炭酸塩や硫酸、塩酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等
の鉱酸類、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、メチルスルホン酸等の有機スルホン酸類、酸性白
土、硫酸バン土、シリカアルミナ、γーアルミナ、リン
タングステン酸、リンモリブデン酸等の固体酸、三フッ
化ホウ素、塩化亜鉛、塩化錫等のルイス酸や、酸化錫、
酸化チタン、ジブチル錫オキシド等の金属酸化物及びこ
れらの低級アルコールとのアルコキシド等が挙げられ
る。
【0010】触媒の添加量は、BTCに対し0.001
〜50重量%、好ましくは0.01〜10%重量程度で
ある。
【0011】反応温度は、60〜250℃、好ましくは
120〜180℃程度である。60℃未満の温度では反
応速度が小さいし、反応系の粘度が著しく高く攪拌困難
な状態になる。一方、250℃を越える温度では、生成
物の着色や分解反応が惹起する可能性が高く、好ましく
ない。
【0012】酸成分としてBTCを用いる場合、かかる
反応は脱水縮合反応であるにもかかわらず、特に反応の
初期において、BTCに対して5〜200重量%程度の
水を添加しておくことにより、反応の系を均一化せし
め、反応の進行を促進することができる。5重量%未満
の水分では添加の効果がみられない。一方、200重量
%を越える水を添加しても効果上の優位性が認められ
ず、逆に水分を留去するために多大の時間と熱量が必要
となって生産性が悪化して経済的にも意味が無い。又、
その添加時期としては、原料と共に仕込んでも良いし、
反応開始後、適宜添加しても良い。
【0013】反応は、常圧のみならず、必要に応じて減
圧下で行われる。特に、5〜200mmHg程度の減圧下で
反応することは、反応を速やかに完結させる意味で好ま
しい。
【0014】エントレーナーとしてベンゼン、トルエ
ン、キシレン等を使用することは、場合によって有効で
ある。
【0015】反応時間は、通常、20分から20時間程
度である。
【0016】反応終了後、触媒を使用した場合は、中和
あるいは濾過等の適当な処置によって目的のヘキサカル
ボン酸を得る。
【0017】又、このものは、ポリテトラメチレングリ
コールとBTCの一無水物とを同様な条件下で付加反応
することによっても調製可能である。
【0018】かくして得られるヘキサカルボン酸は、
水、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キサイド、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等の極性溶媒に任意に溶解する特性を有し、ポリエステ
ル骨格とエステル結合して水性と適度な架橋結合を与え
ることができる有用な化合物である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を掲げて、本発明を詳しく説明
する。 実施例1 ポリテトラメチレングリコール#650(n=8.8)
65g(水酸基0.2当量)、BTC58.5g(カルボ
キシル基1.0当量、Z=5)及び水20gを300ml
の攪拌機付き反応器に仕込み、減圧下、150℃で5時
間反応することにより120gの粘稠な液体を得た。こ
のとき生成物の水酸基価は痕跡量となり、ポリテトラメ
チレングリコールの末端ヒドロキシル基が消滅したこと
を示した。ここで得た生成物を高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)により、過剰のBTCと分離した。
【0020】得られたヘキサカルボン酸の特性は、以下
のとおりであった。 中和価:315(理論値311)、 元素分析値:C 57.1%(理論値56.9%)、 H 8.0%(理論値 7.8%)、 O 34.9%(理論値35.3%) 核磁気共鳴(NMR)、赤外線吸収(IR)のそれぞれ
のスペクトルを図1、図2に示す。
【0021】実施例2 ポリテトラメチレングリコール#1000(n=13.
6)100g(水酸基0.2当量、Z=5)を使用した
以外は実施例1と同じ操作を施すことにより、室温でも
比較的流動性のある154gの液体を得た。本生成物の
水酸基価は痕跡量となり、ポリテトラメチレングリコー
ルの末端ヒドロキシル基が消滅したことを示した。
【0022】ここで得た生成物を実施例1と同様に処理
し、得られた生成物の特性を測定したところ、以下のと
おりであった。 中和価:232(理論値235)、 元素分析値:C 59.7% (理論値59.3%)、 H 8.8% (理論値 8.6%)、 O 31.5% (理論値32.1%) IRの吸収位置は実施例1のスペクトルと特に変化が認
められなかった。NMRは積分値を除き、吸収位置は実
施例1のスペクトルと特に変化が認められなかった。
【0023】比較例1 BTC23.4g(カルボキシル基0.4当量、Z=2)
を使用した以外は実施例1と同様な操作を行ったとこ
ろ、著しく高粘性になり、攪拌不能となった。その反応
混合物の水酸基価は42であり、HPLCで分析した結
果ではヘキサカルボン酸は検出されなかった。
【0024】比較例2 BTC175.5g(カルボキシル基3.0当量、Z=1
5)、水170gを使用した以外は実施例1と同様な操
作を行ったところ、反応系は不均一化して、更にスラリ
ーの析出が激しく攪拌できなくなった。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る方法により、ポリエステル
系水性塗料用樹脂に対する水性化付与改質剤として新規
有用なヘキサカルボン酸を工業的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたヘキサカルボン酸の核磁気
共鳴スペクトル図である。
【図2】実施例1で得られたヘキサカルボン酸の赤外線
吸収スペクトル図である。特許出願人 新日本理化株式
会社
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/34 C08G 65/321 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されることを特徴とす
    るヘキサカルボン酸。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリテトラメチレングリコールと1,2,3,
    4−ブタンテトラカルボン酸とを脱水縮合し、又はポリ
    テトラメチレングリコールと1,2,3,4−ブタンテトラカ
    ルボン酸の一無水物とを付加反応せしめることを特徴と
    する請求項1記載のヘキサカルボン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリテトラメチレングリコール及び1,2,
    3,4−ブタンテトラカルボン酸に由来するカルボキシル
    基/水酸基の当量比率が3〜12であることを特徴とす
    る請求項2記載のヘキサカルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸に対
    して5〜200重量%の水を添加することを特徴とする
    請求項2又は請求項3に記載のヘキサカルボン酸の製造
    方法。
JP3185208A 1991-06-28 1991-06-28 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3019493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3185208A JP3019493B2 (ja) 1991-06-28 1991-06-28 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3185208A JP3019493B2 (ja) 1991-06-28 1991-06-28 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH059156A JPH059156A (ja) 1993-01-19
JP3019493B2 true JP3019493B2 (ja) 2000-03-13

Family

ID=16166767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3185208A Expired - Fee Related JP3019493B2 (ja) 1991-06-28 1991-06-28 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3019493B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH059156A (ja) 1993-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2463314A1 (de) Herstellung von Kammpolymeren durch Veresterung
EP0723951A1 (en) Process to prepare bis (2-hydroxyethyl) terephthalate
JP2001501570A (ja) セメント添加剤
JPH0155254B2 (ja)
WO1992014773A1 (en) Preparation of polytetramethylene ether glycol using an acidic zirconia catalyst
JP3019493B2 (ja) 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法
EP0146277A2 (en) Cellulosic products
EP0477347B1 (en) Process for preparing cellulose esters by use of carboxylic acids
JP2001521957A (ja) 部分結晶性ポリエーテルポリオールの製造方法
US5019624A (en) Polyvinyl acetals and their use
JP3109145B2 (ja) 新規なヘキサカルボン酸及びその製造方法
DE10060776A1 (de) Katalysatorsystem auf Basis von Silasesequioxan-Metallkomplexe aufweisenden Polymerverbindungen
CN111440280A (zh) 一种酮醛树脂基反应型阴离子乳化剂及其制备方法
US4608422A (en) Preparation of hydroxyl-containing polymers
JP2000239317A (ja) ポリビニルアルコールの部分エステル化方法
JP2604186B2 (ja) 新規エステル化合物
CN109970572B (zh) 一种双键封端化合物的合成方法
JPH059203A (ja) でんぷん脂肪族エステル、その組成物及び調製法
JPH0768167B2 (ja) 耐乳化性ジペンタエリスリトールポリアクリレートの製造方法
CN115572379B (zh) 一种含叠氮聚酯多元醇的制备方法及其在后交联单组分水性聚氨酯中的应用
JP3651014B2 (ja) スピログリコールの製造方法
JP2611614B2 (ja) ラクトン変性アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法
KR930006256B1 (ko) 폴리에스테르 결합제의 제조방법
Patel et al. Optimized esterification of glycol glycosides and argemone oil for polyol synthesis
WO1997013745A1 (en) High temperature epoxy resins

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees