JP3019385B2 - 電子ドラム - Google Patents

電子ドラム

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JP3019385B2
JP3019385B2 JP2238342A JP23834290A JP3019385B2 JP 3019385 B2 JP3019385 B2 JP 3019385B2 JP 2238342 A JP2238342 A JP 2238342A JP 23834290 A JP23834290 A JP 23834290A JP 3019385 B2 JP3019385 B2 JP 3019385B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子ドラムに関するものであり、詳しく
は、スティックやペダル等の打撃によるヘッドの実際の
振動振幅及び振動周期に基づいて発生すべき楽音の音量
及び音色を生成するようにした電子ドラムに係るもので
ある。
〔従来の技術〕
一般に、従来の電子ドラムは、タムタムやバス・ドラ
ム等の通常の生楽器に見られるような空洞状の共鳴空間
をもたず、パッドと呼ばれる生楽器のヘッドに相当する
部位を中心に構成されている。このパッドは、所定の厚
みを有するラバー等の合成樹脂素材によりほぼ円形状に
形成されており、その各部位の内層には、スティックや
ペダル等によりパッドが打撃されたときの圧力を電気信
号に変換する圧電素子や磁気回路等の打撃センサが複数
埋設されている。そして、これらの複数の打撃センサを
用いて構成された従来の電子ドラムは、通常の生楽器の
ヘッドの中央部付近と周縁部付近とをそれぞれ打撃した
ときに発生される楽音の音色は、ヘッドの張力状態や共
鳴空間とヘッドとの振動状態等に起因して異なり、ヘッ
ドの中央部付近では軟らかい音色であり、周縁部付近で
は硬い音色であることに鑑み、こうした音色の相違を模
倣するために、個々の打撃センサを以てってパッドの何
れの部位が打撃されたかを検出し、これにより検出され
たパッドの打撃位置に応じて、発生すべき楽音の音色を
生楽器のように異ならせる制御を行っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来の電子ドラムは、その形態が
タムタムやバス・ドラム等の通常の生楽器の形態とは著
しく異なるものであり、パッドの各部位の内層に埋設さ
れた打撃センサをスティックやペダル等の打撃による破
壊から保護するために、パッドの形成に際しては固くて
厚みのあるラバー等の合成樹脂素材を使用する必要があ
った。このため、従来の電子ドラムを演奏する場合に
は、通常の生楽器の演奏に用いられているスティック・
ワーク等の奏法をそのまま流用することは困難であり、
パッドをスティック等で実際に打撃したときの感触も生
楽器のそれとは著しく異なるものであった。
また、上述したように、従来の電子ドラムでは、生楽
器のヘッドの中央部付近と周縁部付近とをそれぞれ打撃
した際の楽音の音色の相違を模倣するためにパッドの各
部位の内層に多数の打撃センサを埋設する必要があった
ことから、このことが、従来の電子ドラムを製造する際
のコストを大幅に上昇させる原因となっていた。
本発明は、こうした実情に鑑みて為されたものであ
り、その目的は、通常の生楽器の形態や素材を模倣して
打撃演奏による打撃音の発生を通常の生楽器のそれと同
様に行えるようにするとともに、製造コストを大幅に低
減した電子ドラムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の手段は以下に示すとおりである。
ドラム本体は、一部に開口面を有する空洞状のケース
である。
振動板は、ドラム本体の開口面に所定の張力を以って
張設されたヘッドであり、例えば、レーザー光線を反射
する反射膜を内面に設置して成る。
距離測定手段は、ドラム本体に形成された空洞内部の
所定位置から振動板の内面の所定位置までの距離を測定
するものであり、例えば、レーザー・パルスがドラム本
体の空洞内部の所定位置から振動板の内面の所定位置に
発射されてから振動板の内面の反射膜で反射されてドラ
ム本体の空洞内部の所定位置で受光されるまでの時間に
基づいて距離を測定する。
振幅測定手段は、距離測定手段により測定された距離
が振動板の振動に伴って、距離測定手段により測定され
た静止時位置と振動板の振動によって生じた変位位置と
の距離が減少から増加に転じる極小点又は増加から減少
に転じる極大点との距離差から振動板の振動振幅を測定
する。
周期測定手段は、距離測定手段により測定された距離
が振動板の振動に伴って静止時位置から変位したときの
振動板の振動周期を測定するものであり、例えば、距離
測定手段により測定された距離が位置測定手段により測
定された静止時位置から極小点及び極大点を経由して再
び位置測定手段により測定された静止時位置に復帰する
までの時間を1周期として振動板の振動周期を測定す
る。
楽音制御データ生成手段は、振動測定手段により測定
された振動板の振動振幅と周期測定手段により測定され
た振動板の振動周期とに基づいて楽音の特性を制御する
楽音制御データを生成するものである。
楽音発生指示手段は、楽音制御データ生成手段によっ
て生成された楽音制御データに基づいて楽音の発生を指
示するものである。
ミュート指示手段は、周期測定手段が測定する振動周
期が所定時間を超えているか否かを判定して、当該振動
周期が所定時間を超えていると判定した場合は、楽音発
生指示手段に対して、ミュート指示する。
〔作用〕
本発明の作用は以下に示すとおりである。
まず、距離測定手段により、例えばレーザー・パルス
がドラム本体の空洞内部の所定位置から振動板の内面の
所定位置に発射されてから振動板の内面の反射膜で反射
されてドラム本体の空洞内部の所定位置で受光されるま
での時間に基づいて、ドラム本体の空洞内部の所定位置
から振動板の内面の所定位置までの距離が測定される。
そして、測定された距離に基づいて振動板が無振動状態
のときの静止時位置が測定される。
次に、振幅測定手段により、振動板の静止位置が減少
から増加に転じる極小点又は増加から減少に転じる極大
点との距離差から振動中の振動板の振動振幅が測定され
る。そして、周期測定手段により、例えば、距離測定手
段により測定された距離が振動板の静止時位置から極小
点及び極大点を経由して再び振動板の静止時位置に復帰
するまでの時間を1周期として振動中の振動板の振動周
期が測定される。
さらに、楽音制御データ生成手段によって、測定され
た振動板の振動振幅と振動板の振動周期とに基づいて楽
音の特性を制御する楽音制御データが生成される。そし
て、楽音発生指示手段により、生成された楽音制御デー
タに基づいて振動板の振動に対応した楽音が発生され
る。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。
{構成} 第1図は、本発明の一実施例に係る電子ドラムの構造
を示す断面図である。
同図に示すように、この電子ドラムは、空洞状に形成
されたドラム本体としてのケース1と、スティックやペ
ダル等の打撃により振動するドラムの振動板としてのヘ
ッド2とを中心に構成されており、通常の生楽器のタム
タムやバス・ドラム等とほぼ同等な形態を有している。
すなわち、ケース1は、例えば、ウッド、金属、合成
樹脂等の材料を空洞状に加工することにより、空洞内部
に共鳴空間を形成するとともに一部に開口面を形成した
ものとなっている。また、ヘッド2は、例えば、皮革や
プラスティック・フィルム等の材料から成り、上述のよ
うに形成されたケース1の開口面に対して所定の張力を
以って張設されたものとなっている。そして、ケース1
の開口面に対するヘッド2の張設及びその張設強度の調
整には、通常の生楽器と同様に、ボルト3の締めつけに
応じてヘッド2の周縁部の複数箇所をケース1の開口面
の周縁部に押さえつける複数のヘッド押さえ4が用いら
れている。
このように、生楽器とほぼ同等な形態に形成された電
子ドラムには、ケース1の内面底部のほぼ中央部にレー
ザー測距回路5が設置されている。レーザー測距回路5
は、後述するように、所定周期でレーザー・パルスを送
受する発光部及び受光部を有しており、ある時刻におい
て、発光部からレーザー・パルスがヘッド2の内面のほ
ぼ中央部に対して発射されてから、そのレーザー・パル
スがヘッド2の内面で反射されて受光部で受光されるま
での時間に基づいて、レーザー測距回路5の設置位置か
らヘッド2の内面までの距離を測定するものである。詳
しくは、このレーザー測距回路5による距離の測定は、
信号ケーブル6を介して外部に接続された制御ユニット
7とともに行われており、この制御ユニット7の制御に
より、後述するヘッド2の振動振幅及び振動周期が算出
されるようになっている。
なお、ヘッド2の内面には、金属粒子等を蒸着して成
る薄膜の反射膜8が設置されており、この反射膜8によ
り、レーザー測距回路5から発射されるレーザー・パル
スの反射が確実なものとされ、かつ、レーザー・パルス
の照射によるヘッド2の損傷が防止されるようになって
いる。
次に、制御ユニット7の詳細について説明する。
第2図は、第1図に示した制御ユニット7の内部回路
を示すブロック図である。
同図に示すように、まず、第1図に示したレーザー測
距回路5は、レーザー・パルスをヘッド2の内面の反射
膜8に対して発射(発光)する半導体レーザー等から成
る発光部5aと、反射膜8で反射されたレーザー・パルス
を受光するフォト・トランジスタ等から成る受光部5bと
を具備している。そして、発光部5a及び受光部5bから成
るレーザー測距回路5を除外した以下に説明する各ブロ
ックから成る制御ユニット7は、レーザー測距回路5か
らヘッド2の内面の反射膜8までの距離を測定し、この
測定の手法によりヘッド2が無振動状態のときの静止時
位置を測定し、双方の測定結果に基づいてヘッド2が振
動中のときの振動振幅及び振動周期を測定し、その測定
結果に基づいて楽音を発生する機能を具備している。
まず、レーザー測距回路5からヘッド2の内面の反射
膜8までの距離を測定する際のレーザー・パルスの発光
タイミングを生成するために、この制御ユニット7には
基準クロック発生器9が具備されている。基準クロック
発生器9は、自らが発生する基準クロックを発光タイミ
ング・パルス発生回路10とCLKカウンタ(クロック・カ
ウンタ)11とに与え、その基準クロックにより発光タイ
ミング・パルス発生回路10及びCLKカウンタ11を作動さ
せている。
発光タイミング・パルス発生回路10は、基準クロック
発生器9から与えられた基準クロックに基づいて発光タ
イミング・パルスsyncを所定周期で発生し、その発生し
た発光タイミング・パルスsyncを発光制御部12とD端子
及びPR端子(プリセット端子)がHレベル(ハイ・レベ
ル)に保持されたD−FF(Dタイプ・フリップ・フロッ
プ)13のCK端子(クロック端子)とに与える。このと
き、発光制御部12は、与えられた発光タイミング・パル
スsyncに同期してレーザー測距回路5の発光部5aを駆動
し、レーザー・パルスをヘッド2の内面の反射膜8に対
して発射させる。また、D−FF13は、与えられた発光タ
イミング・パルスsyncの立ち上がり時にQ端子にHレベ
ル信号を出力し、その出力したHレベル信号をCLKカウ
ンタ11のスタート端子に与える。
すなわち、CLKカウンタ11は、発光タイミング・パル
ス発生回路10が発生した発光タイミング・パルスsyncに
応じて発光制御部12がレーザー測距回路5の発光部5aを
駆動し、この発光制御部12の駆動により発光部5aがレー
ザー・パルスをヘッド2の内面の反射膜8に対して発射
したと同時に計時を開始する。
一方、発光タイミング・パルス発生回路10が発生した
発光タイミング・パルスsyncに応じてレーザー測距回路
5の発光部5aからレーザー・パルスが発射され、そのレ
ーザー・パルスがヘッド2の内面の反射膜8で反射され
てレーザー測距回路5の受光部5bで受光されると、受光
部5bは、受光したレーザー・パルスの光度に応じた受光
信号dを出力し、その出力した受光信号dを信号増幅・
受光フラグ出力部14に与える。信号増幅・受光フラグ出
力部14は、与えられた受光信号dを所定のレベルにまで
増幅した受光フラグrecを出力し、その出力した受光フ
ラグrecをCLKカウンタ11のストップ端子と制御部15の受
光フラグ端子とに与える。そして、受光フラグrecの入
力に伴い、CLKカウンタ11は計時を停止し、制御部15は
制御信号contを発生してこれを発光タイミング・パルス
発生回路10に与える。
詳しくは、CLKカウンタ11については、D−FF13のQ
端子からHレベル信号が与えられて計時を開始してか
ら、信号増幅・受光フラグ出力部14から受光フラグrec
が入力されて計時を停止するまでの間、Hレベル信号を
制御部15のデータ端子に与える。また、制御部15につい
ては、受光フラグ端子に受光フラグrecを入力したと同
時に、発光タイミング・パルス発生回路10に制御信号co
ntを与えて新たな発光タイミング・パルスsyncを発生さ
せるとともに、CLKカウンタ11から制御部15のデータ端
子に与えられたHレベル信号がHレベルを継続している
時間、すなわち、レーザー測距回路5の発光部5aからレ
ーザー・パルスが発射されてから受光部5bで受光される
までの時間と、光速値c(秒速30万km)とに基づき、演
算部16で演算を行ってレーザー測距回路5の設置位置か
らヘッド2の内面(厳密には反射膜8)までの距離を算
出する。
なお、制御部15は、制御信号contをタイミング・パル
ス発生回路10に与えて発光タイミング・パルスsyncを発
生させるのに先立ち、Hレベルの割込信号intをCLKカウ
ンタ11のリセット端子とD−FF13のCLR端子(クリア端
子)とに与えてCLKカウンタ11及びD−FF13を作動状態
とするようになっている。
次に、上述した各ブロックによりレーザー測距回路5
の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離を
測定し、この測定の手法によりヘッド2が無振動状態の
ときの静止時位置を測定するために、この制御ユニット
7にはヘッド静止時位置データ記憶部17が具備されてい
る。ヘッド静止時位置データ記憶部17は、電源投入時に
おけるヘッド2が無振動状態のときの静止時位置をヘッ
ド静止時位置データとして記憶するものであり、詳しく
は、制御部15により演算部16において行われるレーザー
測距回路5の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8ま
での距離の演算を任意の回数だけ繰り返し、その任意の
回数だけ繰り返した演算結果の平均値をヘッド静止時位
置データとしている。
次に、ヘッド2が振動中のときにレーザー測距回路5
からヘッド2の内面の反射膜8までの距離の変化を測定
し、その測定結果に基づいてヘッド2の振動振幅及び振
動周波数を測定するために、この制御ユニット7には制
御部15とともに作動する振動周期測定用タイマ18とリア
ルタイム・クロック発生器19とが具備されている。制御
部15及び振動周期測定用タイマ18は、リアルタイム・ク
ロック発生器19から与えられるリアルタイム・クロック
により作動し、ヘッド2の振動振幅及び振動周期を測定
する。このとき、制御部15は、測定したヘッド2の振動
振幅及び振動周期に基づき、発生すべき楽音の音量及び
音色を指定するデジタルのMIDIデータ(MIDIは、Musica
l Instrument Digital Interface)を生成し、さらに、
測定したヘッド2の振動振幅の大きさに応じてMIDIのノ
ートONデータとノートOFFデータとを生成する。
次に、ヘッド2の振動振幅及び振動周期に基づいて制
御部15が生成したデジタルのMIDIデータからアナログの
楽音信号を発生するために、この制御ユニット7には楽
音発生部20が具備されている。楽音発生部20は、楽音発
生回路20aとアンプ20bとスピーカ20cとから成り、楽音
発生回路20aはデジタルのMIDIデータからアナログの楽
音信号を発生し、アンプ20bはアナログの楽音信号を所
定のレベルにまで増幅し、スピーカ20cは増幅された楽
音信号を外部に放音する。
以上のように制御ユニット7を構成することにより、
レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の内面の反
射膜8までの距離を測定し、この測定した距離の変化に
基づいてヘッド2の打撃時の振動振幅及び振動周期を測
定し、さらに、その測定したヘッド2の振動振幅及び振
動周期に応じた音量及び音色を有する楽音を発生する機
能が電子ドラムに具備される。
{動作} 続いて、以上のように構成された電子ドラムの動作に
ついて説明する。
全体動作 まず、この電子ドラムの全体動作について説明する。
第3図は、本発明の一実施例に係る電子ドラムの全体
動作を示すフロー・チャートである。
同図に示すように、この電子ドラムにおいては、制御
部15は、後述するレーザー測距回路5の設置位置からヘ
ッド2の内面の反射膜8までの距離の測定手法により電
源の投入とともにヘッド2が無振動状態のときの静止時
位置を測定し、その測定した静止時位置を、ヘッド静止
時位置データとしてヘッド静止時位置データ記憶部17に
記憶させる(S21)。
なお、このヘッド2の静止時位置の測定処理及び記憶
処理は後に詳しく説明する。
次に、制御部15は、ヘッド2の静止時位置を測定して
ヘッド静止時位置データをヘッド静止時位置データ記憶
部17に記憶させると、そのヘッド静止時位置データを用
いてヘッド2の振動の有無を検出するとともに、ヘッド
2の振動振幅及び振動周期を測定する(S22)。
この測定の様子を、第4図のヘッド2の振動振幅及び
振動周期を示す図により説明すれば以下のようになる。
すなわち、制御部15は、演算部16において演算される
レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の内面の反
射膜8までの距離を発光タイミング・パルスsyncの周期
ごとに逐次比較することにより、ヘッド2の振動振幅の
下方振幅値(極小点)又は上方振幅値(極大点)を得
る。また、振動周期測定用タイマ18は、ヘッド2を打撃
したときのレーザー測距回路5の設置位置からヘッド2
の内面の反射膜8までの距離がヘッド2の静止時位置か
ら減少を開始して増加に転じ、再び増加から減少に転じ
て静止時位置に復帰するまでの時間をリアルタイム・ク
ロック発生器19から発生されるリアルタイム・クロック
により計時し、この計時した時間をヘッド2の1周期分
の振動同期として制御部15に与える。
なお、このヘッド2の振動の有無の検出処理を含むヘ
ッド2の振動振幅及び振動周期の測定処理は後に詳しく
説明する。
次に、制御部15は、処理S22において測定されたヘッ
ド2の振動振幅の下方振幅値(第4図参照)が、不感帯
領域内にあるか否かを判別する(S23)。なお、不感帯
領域は、ヘッド2の不要な外部振動をキャンセルするた
めに制御部15に設定されたスレッショルド・レベルであ
る。そして、ヘッド2の振動振幅の下方振幅値が不感帯
領域にない場合には、制御部15は、処理S22において測
定された振動振幅及び振動周期に基づいて、発生すべき
楽音のベロシティ(音量)や音色等を示すMIDIの音量デ
ータ及び音色データを算出する(S24)。そして、MIDI
の音量データ及び音色データを算出すると、制御部15
は、ヘッド2の打撃開始に伴ってMIDIのノートONデータ
を生成するとともに、ヘッド2の振動中には振動振幅の
大きさに見合うMIDIのアフター・データを生成し、それ
らの生成したノートONデータ及びアフター・データを音
量データ及び音色データとともに楽音発生部20に送出す
る(S25)。
以上の処理により、ヘッド2の振動振幅及び振動周期
に応じた音量及び音色を有するアナログの楽音信号が楽
音発生部20の楽音発生回路20aで発生され、以下、アン
プ20b、スピーカ20cを介して、ヘッド2の打撃に応じた
楽音が外部に放音されることになる。
楽音発生部20により楽音が外部に放音されると、制御
部15は、処理S22を再び実行してヘッド2の振動の有無
を検出処理を含むヘッド2の振動振幅及び振動周期を測
定処理を行い、次いで、処理S23においてヘッド2の振
動振幅の下方振幅値が不感帯領域内にあるか否かを再び
判別する。そして、ヘッド2の振動振幅の下方振幅値が
不感帯領域にある場合には、制御部15は、楽音発生部20
において楽音が発音中(発生中、放音中と同義)である
か否かを判別し(S26)、発音中でない場合には、ヘッ
ド2の振動の有無が未だ検出されていないものとして処
理S22を実行する。一方、楽音が発音中である場合に
は、制御部15は、ヘッド2の振動が収束したものとして
楽音発生部20にMIDIのノートOFFデータを送出し(S2
7)、処理を終了する。
以上の処理により、処理S25において発生されていた
ヘッドの振動振幅及び振動周期に応じた音量及び音色を
有するアナログの楽音信号が停止することになる。
なお、このMIDIデータの生成の様子を、第5図のヘッ
ド2の振動振幅に伴うMIDIデータの生成を示す図により
説明すれば次のようになる。
すなわち、制御部15は、ヘッド2が打撃されてレーザ
ー測距回路5の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8
までの距離がヘッド2の静止時位置から減少を開始し、
不感帯領域を脱して増加に転じた時点(極小点)でノー
トONデータを生成し、ヘッド2の打撃時のアタック・レ
ベル、すなわち、MIDIの音量データを得る。そして、レ
ーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の内面の反射
膜8までの距離が極小点から極大点に到り、再びヘッド
2の静止時位置に達した時点でヘッド2の1周期分の振
動周期が得られ(第4図参照)。制御部15は、得られた
1周期分の振動周期からMIDIの音色データを生成する。
そして、ヘッド2の振動が時間の経過とともに次第に減
衰し、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の内
面の反射膜8までの距離の極小点が不感帯領域内に到っ
た時点でノートOFFデータを生成する。
距離測定動作 次に、ヘッド2の静止時位置の測定処理(処理S21)
やヘッド2の振動振幅及び振動周期の測定処理(処理S2
2)の際に行われるレーザー測距回路5の設置位置から
ヘッド2の内面の反射膜8までの距離を測定する動作に
ついて説明する。
第6図は、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド
2の内面の反射膜8までの距離を測定する動作を説明す
るためのタイム・チャートである。なお、このタイム・
チャートは、反射膜8までの距離を測定するために必要
なレーザー・パルスの反射時間を測定する状況を示して
いる。
同図に示すように、発光タイミング・パルス発生回路
10による発光タイミング・パルスsmncの発生(T1)に先
立ち、制御部15は、Hレベルの割込信号intをCLKカウン
タ11のリセット端子とD−FF13のCLR端子とに与え(T
6)、CLKカンウンタ11及びD−FF13を作動状態とする。
すなわち、制御部15は、CLKカウンタ11及びD−FF13を
作動状態とすることにより、以降に行われるレーザー・
パルスの反射の時間τを測定するための準備を行う。
次に、CLKカウンタ11及びD−FF13を作動状態とする
と、制御部15は、制御信号contを発光タイミング・パル
ス発生回路10に与えることにより発光タイミング・パル
スsyncを発生させる(T1)。そして、この発光タイミン
グ・パルスsyncの立ち上がりに応じ、発光制御部12は、
レーザー測距回路5の発光部5aを駆動してヘッド2の内
面の反射膜8に対してレーザー・パルスを発射させ(T
2)、同時に、D−FF13は、Q端子からHレベル信号を
出力してこれをCLKカウンタ11のスタート端子に与える
ことにより(T4)、CLKカウンタ11は、レーザー・パル
スが発光部5aから発射されてから反射膜8で反射されて
受光部5bで受光されるまでの時間τの計時を開始する
(T5)。
この計時が開始された状態において微小時間が経過
し、レーザー測距回路5の発光部5aが発射したレーザー
・パルスが反射膜8で反射されて受光部5bで受光される
と、信号増幅・受光フラグ出力部14は、受光部5bが受光
した受光信号dを所定のレベルにまで増幅した受光フラ
グrecを出力し(T3)、この受光フラグrecをCLKカウン
タのストップ端子と制御部15の受光フラグ端子とに与え
る。そして、この受光フラグrecの立ち上がりに応じ、C
LKカウンタ11は、レーザー・パルスが発光部5aから発射
されてから反射膜8で反射されて受光部5bで受光される
までの時間τの計時を停止する(T5)。
このとき、CLKカウンタ11は、計時を開始してから停
止するまでの間、Hレベル信号を制御部15のデータ端子
に与え、また、制御部15は、受光フラグ端子に受光フラ
グrecを入力してから所定の微小時間が経過した後に、C
LKカウンタ11のリセット端子とD−FF13のCLR端子とに
与えていたHレベルの制御信号intをLレベルとし(T
6)、CLKカウンタ11をリセットするとともに、D−FF13
のQ端子から出力されていたHレベル信号をLレベル信
号としてD−FF13もリセットする(T4)。
以上の動作により、制御部15は、データ端子を介して
CLKカウンタ11から与えられたHレベル信号がHレベル
を継続している時間、すなわち、レーザー測距回路5の
発光部5aからレーザー・パルスが発射されてから受光部
5bで受光されるまでの時間τを得ることになり、以下、
演算部16において所定の演算(距離D=光速値c×時間
τ/2)を行ってレーザー測距回路5の設置位置からヘッ
ド2の内面の反射膜8までの片道の距離Dを算出する。
静止時位置測定処理 次に、第3図のフロー・チャートに示したヘッド2の
静止時位置の測定処理(処理S21)について説明する。
なお、このヘッド2の静止時位置の測定処理は、例え
ば、電子ドラムの未使用時におけるヘッド2の交換、温
度や温度等の周囲環境の変化又は経時変化等により、電
子ドラムの使用時にヘッド2の張設状態が以前の状態か
ら変化している場合に、電子ドラムの演奏者自らがヘッ
ド2の静止時位置の再調整を行う必要が生じないよう
に、電源を投入して電子ドラムを使用するごとに、その
ときのヘッド2の張設状態に応じた静止時位置を自動的
に測定する処理である。
第7図は、静止時位置測定処理を説明するためのフロ
ー・チャートである。
同図に示すように、この静止時位置測定処理では、制
御部15における特に図示していないレジスタNをヘッド
2の静止時位置を所定回数だけ繰り返して測定するため
のループ・カウンタとして用い、レジスタSをレジスタ
Nにより繰り返して測定されたヘッド2の静止時位置を
累計するためのデータ・スタックとして用い、さらに、
レジスタXをヘッド2の静止時位置の測定回数を設定す
るための領域として用いる。そして、制御部15は、レジ
スタN及びレジスタSにそれぞれ「0」を設定し、さら
に、レジスタXにヘッド2の静止時位置の測定回数であ
る適当なサンプル回数(例えば、数十回)を設定する
(S28)。
次に、制御部15は、先に第6図において説明した手法
によりレーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の内
面の反射膜8までの距離Dを測定し、その測定した距離
Dを制御部15の特に図示していない任意の記憶領域に記
憶させ(S29)、その記憶させた距離Dをデータ・スタ
ックであるレジスタSに加算して距離Dを累計する(S3
0)。そして、制御部15は、ループ・カウンタであるレ
ジスタNに「1」を加算し(S31)、そのレジスタNが
レジスタXに設定されたサンプル回数に達しているか否
かを判別する(S32)。ここで、レジスタNがレジスタ
Xのサンプル回数に達していない場合には、制御部15
は、ヘッド2の静止時位置の変化を有効に測定するため
に適当な時間だけウエイトをかけた後に(S33)、処理S
29から処理S31までの処理を再び実行し、処理S32におい
てレジスタNがレジスタXのサンプル回数に達するまで
前記処理を繰り返す。
以上の処理により、レジスタXに設定されたサンプル
回数分だけ、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド
2の内面の反射膜8までの距離Dが測定され、その測定
された距離Dがデータ・スタックであるレジスタSに累
計される。
次に、処理S32においてレジスタNがレジスタXのサ
ンプル回数に達し、レジスタXに設定さたサンプル回数
に応じたレーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の
内面の反射膜8までの距離DがレジスタSに累計される
と、制御手段15は、その累計をレジスタXに設定された
サンプル回数で除算することにより測定距離の平均値D
を算出し(S34)、その算出した平均値Dを、ヘッド静
止時位置データとしてヘッド静止時位置データ記憶部17
に記憶させる(S35)。
このように、ヘッド2の静止時位置(ヘッド静止時位
置データ)は、レジスタXのサンプル回数に応じて高精
度で測定され、後述する振動振幅・周期測定処理におけ
るヘッド2の振動振幅及び振動周期の測定に適用される
ことになる。
振動振幅・周期測定処理 次に、第3図のフロー・チャートに示したヘッド2の
振動振幅及び振動周期の測定処理(処理S22)について
説明する。
第8図(a)及び(b)は、振動振幅・周期測定処理
を説明するためのフロー・チャートである。
同図に示すように、この振動振幅・周期測定処理は、
第6図において説明した手法により、レーザー測距回路
5の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離
Dをリアルタイム・クロック発生器19が所定周期で発生
するリアルタイム・クロックのサンプリング周期に応じ
て測定することにより開始される(S36)。そして、制
御部15は、ヘッド静止時位置データ記憶部17に記憶され
ているヘッド静止時位置データを参照することにより、
測定した距離Dが静止時位置よりも下であるか否かを判
別し(S37)、距離Dが静止時位置よりも下でない場合
には、スティックやペダル等によりヘッド2が打撃され
ていないものとして処理S36を繰り返し実行する。
次に、ヘッド2の打撃が開始され、レーザー測距回路
5の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離
Dがヘッド2の静止時位置よりも下となると、制御部15
は、振動周期測定用タイマ18をスタートさせ(S38)、
リアルタイム・クロック発生器19が次の周期に発生する
リアルタイム・クロックによりレーザー測距回路5の設
置位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離Dを測
定し(S39)、さらに、ヘッド静止時位置データ記憶部1
7に記憶されているヘッド静止時位置データを参照する
ことにより、処理S39で測定したヘッド2の距離Dがヘ
ッド2の静止時位置よりも下であるか否かを判別する
(S40)。
この場合、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド
2の内面の反射膜8までの距離Dは必然的にヘッド2の
静止時位置よりも下であるので、制御部15は、ヘッド2
の距離Dが前回の測定距離よりも下であるか否かを判別
する(S41)。そして、この場合も、ヘッド2の距離D
は前回の測定距離よりも下であるので、制御部15は、処
理S39において測定してヘッド2の距離Dを下方振幅値
として特に図示していない所定の記憶領域に記憶させる
(S42)。
次に、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2の
内面の反射膜8までの距離Dを下方振幅値として記憶領
域に記憶させると、制御部15は、振動周期測定用タイマ
18のタイマ値が0.1秒を越えたか否かを判別する(S4
3)。なお、この振動周期測定用タイマ18のタイマ値の
判別処理は、例えば、電子ドラムの演奏者が誤って手で
ヘッド2を深く押圧したとき等のように、ヘッド2が不
適正な手段により変位したときに楽音発生部20により楽
音が発生されないように制御するためにある。そして、
仮にヘッド2が不適正な手段により変位し、振動周期測
定用タイマ18のタイマ値が0.1秒を越えた場合には、制
御部15は、上方振幅値及び下方振幅値を初期化するとと
もに振動周期測定用タイマ18のタイマ値をリセットし
(S44)、楽音発生部20において楽音が発生中である場
合には(S45)、楽音のミュート動作を行って処理を終
了し(S46)、楽音が発生中でない場合には直ちに処理
を終了する。
一方、処理S43において、振動周期測定用タイマ18の
タイマ値が0.1秒を越えておらず、ヘッド2が適正な手
段により変位、すなわち、スティックやペダル等により
打撃されている場合には、制御部15は、処理S39から処
理S43までを繰り返し実行し、処理S41でレーザー測距回
路5の設置位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距
離Dが前回の測定距離よりも下でないと判別するまで、
処理S42で所定の記憶領域に記憶させた下方振幅値を更
新し続ける。そして、制御部15は、処理S41でヘッド2
の距離Dが前回の測定距離よりも下でないと判別したと
きに処理S42で得られた下方振幅値をヘッド2の振動振
幅の極小点として所定の記憶領域に記憶させる。なお、
以上の処理S39から処理S43の実行は、制御部15が処理S4
0においてヘッド2の距離Dがヘッド2の静止時位置よ
りも下でなく上であると判別するまで繰り返される。
次に、処理S40において、レーザー測距回路5の設置
位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離Dがヘッ
ド2の静止時位置よりも下でなく上であると判別した場
合には、制御部15は、処理S42で記憶させたヘッド2の
下方振幅値が不感帯領域よりも大きいか否かを判別する
(S47)。
ここで、仮にヘッド2の下方振幅値が不感帯領域より
も大きくない(すなわち、不感帯領域内)と判別した場
合には、制御部15は、処理S44から処理S46までを実行し
て処理を終了するが、この場合、ヘッド2の下方振幅値
は必然的に不感帯領域よりも大きいので、次いで、ヘッ
ド2の距離Dが前回の測定距離よりも上であるか否かを
判別する(S48)。そして、この場合も、ヘッド2の距
離Dは前回の測定距離よりも上であるので、制御部15
は、処理S39において測定したヘッド2の距離Dを下方
振幅値として特に図示していない所定の記憶領域に記憶
させ(S49)、さらに、リアルタイム・クロック発生器1
9が次の周期に発生するリアルタイム・クロックにより
ヘッド2の距離Dを測定する(S50)、なお、制御部15
は、処理S48においてヘッド2の距離Dが前回の測定距
離よりも上でないと判別するまで処理S44及び処理S50を
繰り返し実行し、処理S49で所定の記憶領域に記憶させ
た上方振幅値を更新し続ける。そして、制御部15は、処
理S48でヘッド2の距離Dが前回の測定距離よりも上で
ないと判別したときに処理S49で得られた上方振幅値を
ヘッド2の振動振幅の極大点として所定の記憶領域に記
憶させる。
次に、処理S48において、レーザー測距回路5の設置
位置からヘッド2の内面の反射膜8までの距離Dがヘッ
ド2の静止時位置よりも上でなく下であると判別した場
合には、制御部15は、処理S49で記憶させたヘッド2の
上方振幅値がヘッド2の静止時位置と同じ又は下である
か否かを判別する(S51)。そして、ヘッド2の距離D
がヘッド2の静止時位置と同じ又は下でなく上であると
判別した場合には、制御部15は、処理S50を実行してヘ
ッド2の距離Dを再び測定した後に処理S48及び処理S51
を実行し、ヘッド2の距離がヘッド2の静止時位置と同
じ又は下であると判別したときに振動周期測定用タイマ
18をストップさせ(S52)、処理を終了する。
なお、以上説明した振動振幅・周期測定処理の様子
を、第9図(a)及び(b)のヘッド2の振動振幅及び
振動周期の測定手法を示す図によりさらに詳細に説明す
れば以下のようになる。ただし、本図では、不感帯領域
を上方距離方向には設定せず下方距離方向のみに設定し
ている場合を示している。
まず、同図(a)に示すように、ヘッド2が打撃に応
じて所定の振動振幅及び所定の振動周期を以って大きく
振動している場合について考察する。この場合におい
て、ヘッド2の振動振幅を示す下方振幅値及び上方振幅
値は、リアルタイム・クロック発生器19が発生するサン
プリング周期tのリアルタイム・クロックにより測定さ
れ、例えば、A点に示すように、レーザー測距回路5の
設置位置からのヘッド2の内面の振動膜8までの距離D
がヘッド2の静止時位置を下回ったときに、制御部15が
振動振幅測定用タイマ18による計時をスタートさせてヘ
ッド2の振動周期(T)の測定を開始する。すなわち、
以上の動作は、制御部15が処理S38(第8図参照)まで
を実行することにより実現される。
次に、制御部15は、リアルタイム・クロック発生器19
が発生するリアルタイム・クロックのサンプリング周期
tごとに、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2
の内面の振動膜8までの距離Dを順次に測定する。そし
て、制御部15は、ヘッド2の距離Dがサンプリング周期
tごとに減少してこれが増加に転じる直前の値をヘッド
2の振動振幅の下方振幅値とする。すなわち、以上の動
作は、制御部15が処理S43(第8図参照)までを実行す
ることにより実現される。また、制御部15は、ヘッド2
の距離Dがサンプリング周期tごとに増加してこれが減
少する直前の値をヘッド2の振動振幅の上方振幅値とす
る。すなわち、以上の動作は、制御部15が処理S50(第
8図参照)までを実行することにより実現される。
そして、レーザー測距回路5の設置位置からヘッド2
の内面の振動膜8までの距離Dが減少し、例えば、B点
において、そのヘッド2の距離Dがヘッド2の静止時位
置を下回ると、制御部15は、振動振幅測定用タイマ18に
よる計時をストップさせてヘッド2の振動周期Tを得
る。すなわち、以上の動作は、制御部15が処理S52(第
8図参照)まで実行することにより実現される。
また、同図(b)に示すように、ヘッド2の振動が収
束に到り、例えば、不感帯領域内のC点でレーザー測距
回路5の設置位置からヘッド2の内面の振動膜8までの
距離Dが測定され、以降、ヘッド2の距離Dが減少して
不感帯領域を下方に脱しないまま増加し、さらに、ヘッ
ド2の静止時位置であるD点に到った場合には、制御部
15は、ヘッド2の振動振幅及び振動周期の測定を停止
し、このとき、楽音発生部20にMIDIのノートOFFデータ
を送出する。すなわち、以上の動作は、制御部15が処理
S44から処理S46(第8図参照)までを実行することによ
り実現される。
以上の動作により、ヘッド2の振動振幅及び振動周期
が測定され、そのヘッド2の振動振幅に応じてMIDI等の
音量データが生成され、ヘッド2の振動周期に応じてMI
DI等の音色データが生成される。そして、その生成され
た音量データ及び音色データに基づいてヘッド2の打撃
に伴う楽音が発生され、これにより、タムタムやバス・
ドラム等の通常の生楽器とほぼ同等な形態を採る電子ド
ラムが得られることになる。
なお、本実施例においては、制御部15が生成する音量
データや音色データ等をMIDIデータとして説明したが、
勿論、MIDIデータによらない通常の楽音データとしても
差し支えない。
また、本実施例においては、ヘッド2の内面に設置さ
れた反射膜8は金属粒子等の蒸着により形成されるもの
として説明したが、例えば、裏面に粘着剤を塗布して成
るシール状の反射膜を個別に形成し、このシール状の反
射膜をその粘着面を以ってヘッド2の内面に貼付するよ
うにしてもよい。そして、このようにして形成したシー
ル状の反射膜を通常の生楽器のヘッドの内面に貼付し、
かつ、その反射膜を貼付した生楽器にレーザー測距装置
5を含む制御ユニット7を取り付ければ、本実施例で示
した電子ドラムと同等な機能を有する電子ドラムを容易
に構成することができる。
さらに、本実施例においては、ケース1の空洞内部の
所定位置からヘッド2の内面の所定位置までの距離を測
定するためにレーザー測距回路5とこれを制御する制御
ユニット7とを用いているが、例えば、レンズ等を用い
て光線の指向特性を向上させるなどすれば、レーザー測
距回路5の発光部5bに代えて発光ダイオード等の安価な
発光素子を使用することも可能である。また、レーザー
光や通常光等の光線による測距ではなく、例えば、超音
波等の音波による測距も可能である。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明したように、ドラム本体の開口面に
張設された振動板の内面と前記ドラム本体に形成された
空洞内部の所定位置との間の距離を距離測定手段により
測定し、この測定された距離に応じて、発生すべき楽音
の特性を制御するようにしているので、本発明を通常の
生ドラム楽器に直接適用して使用することができ、従っ
て、特殊な振動板を用いることなく、従来と同等な打撃
感触で打撃演奏を行うことができる。
また、ドラム本体の形態をタムタムやバス・ドラム等
の通常の生楽器のドラム本体と同等な形態に構成し、か
つ、振動板の素材も通常の生楽器の振動板の素材と同等
な素材を用い、スティックやペダル等による打撃に伴う
振動板の振動振幅及び振動周期をレーザー・パルス等に
より測定できるようにしたことから、振動板の打撃時の
振動に応じて楽音が忠実に再現され、振動板の振動時に
ミュート操作をすることによって、ミュート効果が得ら
れるなど通常の生楽器を演奏する際に用いられているス
ティック・ワーク等の奏法をそのまま流用することが可
能となり、また、振動板をスティック等で打撃したとき
にも通常の生楽器を打撃したときと同様な感触が得られ
るようになり、さらに、従来品のように、打撃位置に応
じて、異なる音色をもつ楽音を発生させるための多数の
打撃センサを用いる必要がないので、その製造コストを
大幅に低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る電子ドラムの構造を示
す断面図、 第2図は第1図に示した制御ユニットの内部回路を示す
ブロック図、 第3図は本発明の一実施例に係る電子ドラムの全体動作
を示すフロー・チャート、 第4図はヘッドの振動振幅及び振動周期を示す図、 第5図はヘッドの振動振幅に伴うMIDIデータの生成を示
す図、 第6図はレーザー測距回路の設置位置からヘッドの内面
の反射膜までの距離を測定する動作を説明するためのタ
イム・チャート、 第7図は静止時位置測定処理を説明するためのフロー・
チャート、 第8図(a),(b)は振動振幅・周期測定処理を説明
するためのフロー・チャート、 第9図はヘッドの振動振幅及び振動周期の測定手法を示
す図である。 1……ドラム本体、 2……振動板、 5……レーザー測距回路、 7……制御ユニット.

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム本体と、 該ドラム本体に張設され、演奏操作に応答して振動する
    振動板と、 前記ドラム本体の所定位置から前記振動板の所定位置ま
    での距離を測定する距離測定手段と、 該距離測定手段により測定された距離が前記振動板の振
    動に伴って変位したときの振動振幅を測定する振幅測定
    手段と、 前記距離測定手段により測定された距離が前記振動板の
    振動に伴って変位したときの振動周期を測定する周期測
    定手段と、 前記振幅測定手段により測定された前記振動板の振動振
    幅と前記周期測定手段により測定された前記振動板の振
    動周期に基づいて楽音の特性を制御する楽音制御データ
    を生成する楽音制御データ生成手段と、 該楽音制御データ生成手段によって生成された前記楽音
    制御データに基づいて楽音の発生を指示する楽音発生指
    示手段と、 前記周期測定手段が測定する前記振動周期が所定時間を
    超えているか否かを判定して、当該振動周期が所定時間
    を超えていると判定した場合は、前記楽音発生指示手段
    に対して、ミュート指示するミュート指示手段と、 を具備することを特徴とする電子ドラム。
  2. 【請求項2】前記振幅測定手段は、前記距離測定手段に
    より測定された静止時の距離と測定された距離が減少か
    ら増加に転じる極小点又は増加から減少に転じる極大点
    との距離差から前記振動板の振動振幅を測定し、前記周
    期測定手段は、前記距離測定手段により測定された静止
    時の距離から前記極小点及び前記極大点を経由して再び
    静止時の距離に復帰するまでの時間を1周期として前記
    振動板の振動周期を測定することを特徴とする請求項1
    記載の電子ドラム。
  3. 【請求項3】前記振動板は、レーザー光線を反射する反
    射膜を内面に設置して成り、前記距離測定手段は、レー
    ザー・パルスが前記ドラム本体の所定位置から前記振動
    板の所定位置に発射されてから前記振動板の前記反射膜
    で反射されて前記ドラムの所定位置で受光されるまでの
    時間に基づいて距離を測定することを特徴とする請求項
    1、又は2記載の電子ドラム。
  4. 【請求項4】前記距離測定手段は、前記ドラム本体の所
    定位置から静止時における前記振動板の所定位置までの
    距離を複数回測定して平均値を求め、この平均値を静止
    時の距離として決定することを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の電子ドラム。
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