JP3018854B2 - 自動車のドア構造 - Google Patents

自動車のドア構造

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JP3018854B2
JP3018854B2 JP5215130A JP21513093A JP3018854B2 JP 3018854 B2 JP3018854 B2 JP 3018854B2 JP 5215130 A JP5215130 A JP 5215130A JP 21513093 A JP21513093 A JP 21513093A JP 3018854 B2 JP3018854 B2 JP 3018854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の側面衝突時
に、ドア内に設けられたサイドインパクトビームが、衝
突による外力によって変形した際の変形量が小さくなる
ように、衝突時にドアへのサイドインパクトビームの支
持点を増やして、このサイドインパクトビームの変形量
を低減させるようにした自動車のドア構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車のサイドインパクトビームを備え
た従来のドア構造として、例えば図13ないし図15に
示すものがある。この構造では、鋼管からなる真直なパ
イプ1の両端にブラケット2をそれぞれ溶接したサイド
インパクトビーム3を、ドア4のアウタパネル5とイン
ナパネル6との間のドア内に、このドア4内の車体前後
方向両端のビーム取付用ステー(図示せず)に前記ブラ
ケット2,2をボルト締めして、前記アウタパネル5の
内面に接近した位置にほぼ水平に取付けられている(図
14参照)。
【0003】そして他の車両が、側面のドアの位置に衝
突した時に、前記サイドインパクトビーム3によって、
衝突車両の車室内への侵入を阻止するとともに、サイド
インパクトビーム3およびブラケット2やステーが変形
することよって衝撃を吸収するようになっているが、衝
突車両の速度が極端に速く、衝突により入力される外力
が特に大きい場合には、このサイドインパクトビーム3
が折れ曲がることによって衝撃が吸収される構造となっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のサイドインパクトビームを備えたドア構造において
は、サイドインパクトビーム3が、その両端のみを固定
されているため、側面衝突時に、ビームの中央部の曲げ
モーメントが最大となり、曲げ変形量が大きくなるとい
う不具合があった。
【0005】そこで、サイドインパクトビームの曲げモ
ーメントが最大となるビーム中央部を補強することが考
えられる。実開昭62−194117号公報には、長手
方向に2本のビードを形成した鋼板製のサイドインパク
トビームに付いて記載されている。このサイドインパク
トビームは、その中央部分の曲げ強度を高める補強材と
して、前記2本のビードの凹部内に、この凹部に内接す
る外径を有する鋼管を、所定寸法に切断して嵌装すると
ともに、凹部の開口側に鋼板を溶接して塞いだ構造とな
っている。したがって、この鋼板製のサイドインパクト
ビームをドア内に設けることによって、車両の側面衝突
時にサイドインパクトビームの中央部に曲げモーメント
が集中しても、2本の鋼管によってこの中央部の曲げ変
形を抑えるようになっている。
【0006】しかし、サイドインパクトビームの中間部
の曲げ変形を抑えるには、大きな強度を備えた補強用の
鋼管が必要とされるため、使用する鋼管の肉厚が厚くな
ったり大径となり、サイドインパクトビームが大型化
し、また重量も増加するという問題があった。
【0007】この発明は、上記の事情に鑑みなされたも
ので、側面衝突時に変形するサイドインパクトビームの
中間部の曲げ変形量を、ビーム断面積およびビーム重量
を増加させることなく、小さく抑えることのできる自動
車のドア構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段としてこの発明は、ドアアウタパネルとドアイ
ンナパネルとの間のドア内にパイプ状のサイドインパク
トビームを備えた自動車のドア構造において、前記サイ
ドインパクトビームは、その両端を気密に閉塞されて前
記ドアの車体前後方向両端部付近にそれぞれ支持して取
付けられるとともに、その中空のビーム内に、このサイ
ドインパクトビーム取付け位置への衝突が検出されると
着火して多量のガスを発生するガス発生装置を備え、更
にそのビーム外周壁に複数の貫通孔が形成され、この貫
通孔の外側には、前記ガス発生装置で発生して前記複数
の貫通孔から噴出するガスによって膨張し、サイドイン
パクトビームと前記ドアインナパネルとの間に展開して
サイドインパクトビームの新たな支持点を形成する可撓
性を有するブーツが収縮した状態で設けられていること
を特徴としている。
【0009】また、ドアアウタパネルとドアインナパネ
ルとの間のドア内にパイプ状のサイドインパクトビーム
を備えた自動車のドア構造において、前記サイドインパ
クトビームは、その両端を気密に閉塞され前記ドアの車
体前後方向両端部付近にそれぞれ支持して取付けられ、
そのビーム外周壁に貫通孔が形成され、かつこの貫通孔
を、容易に開口可能な閉塞部材で密閉し、その中空なビ
ーム内に高圧ガスが封入されるとともに、前記貫通孔の
内側に対向させて、サイドインパクトビームが変形する
と前記閉塞部材を破って封入されているガスを噴出させ
る針状部材を備え、さらに前記貫通孔の外側に、この貫
通孔から噴出するガスによって膨張し、サイドインパク
トビームと前記ドアインナパネルとの間に展開してサイ
ドインパクトビームの新たな支持点を形成する可撓性を
有するブーツが収縮した状態で設けられていることを特
徴としている。
【0010】
【作用】サイドインパクトビーム取付け位置への側面衝
突が衝突センサによつて検出されると、この衝突センサ
から直接または間接的にサイドインパクトビームの中空
部内に設けられたガス発生装置に着火信号が送られてガ
スが発生する。発生したガスは、両端を閉塞されたサイ
ドインパクトビーム内に充満した後、複数形成された貫
通孔から噴出し、貫通孔の外側を覆うブーツをそれぞれ
膨張させる。したがって、側面衝突による外力によって
サイドインパクトビームが変形して折れ曲がると、両端
を支持されたサイドインパクトビームの中間部分におい
て、インナパネルとの間に展開した前記ブーツが、イン
ナパネルの内面に当接することによって、サイドインパ
クトビームの中間部の新たな支持点となって外力による
折曲を抑制する。
【0011】また、両端を気密に閉塞した中空のサイド
インパクトビーム内に高圧ガスが封入されるとともに、
このサイドインパクトビームの外周壁に形成され、かつ
閉塞部材で気密に閉塞された貫通孔に対向配置した針状
部材が、サイドインパクトビームの変形に伴って前記貫
通孔を閉塞する閉塞部材を突き破ると、この貫通孔から
高圧ガスが噴出して、外側を覆うブーツを膨張させる。
したがって、側面衝突による外力によってサイドインパ
クトビームが変形して折れ曲がると、両端を支持された
サイドインパクトビームの中間部分において、インナパ
ネルとの間に展開した前記ブーツが、インナパネルの内
面に当接することによって、サイドインパクトビームの
中間部の新たな支持点となって外力による折曲を抑制す
る。
【0012】
【実施例】以下、この発明の自動車のドア構造を図1な
いし図12に基づいて説明する。
【0013】図1ないし図3はこの発明の第1実施例を
示すもので、車両のサイドドア10内に取付けられるサ
イドインパクトビーム11は、所定寸法に切断された鋼
管11a内のほぼ中央に、ガス発生剤が封入されたイン
フレータ12が配設されている。また、この鋼管11a
の両端寄りとなる中間点には、それぞれ複数の貫通孔1
3が同一円周上に形成されている。また、これら中間点
の2箇所に形成された複数の貫通孔13の外側には、可
撓性を有して膨張可能なブーツ14が、収縮した状態で
鋼管11aの前記両中間点の外周をそれぞれ気密に包む
ように取付けられている。そして鋼管11aの両端に
は、鋼製のブラケット15が、その取付孔15aに鋼管
11aの両端部をそれぞれ気密に嵌装して密封するとと
もに、溶接によって強固に結合して、サイドインパクト
ビーム11が構成されている。
【0014】そして、以上のように構成されるサイドイ
ンパクトビーム11は、サイドドア10のドアアウタパ
ネル10aとドアインナパネル10bとの間の内部空間
に、その両端のブラケット15,15を、サイドドア1
0の車体前後方向の両端部に取付けられたステー16,
16にボルト・ナット17によってそれぞれ締結され
て、前記ドアアウタパネル10a寄りに、このドアアウ
タパネル10aと平行かつ水平に取付けられている。
【0015】なお、図1において符号12aは、鋼管1
1a内から気密に延出されたインフレータ12のリード
線、15bはブラケット15の締結用のボルト孔であ
る。また図2において符号18は、ドアアウタパネル1
0aの内面に取付けられた衝突センサである。この側面
衝突検出用の衝突センサとしては、衝突をできる限り早
く検出してブーツ14,14を膨張させる必要があるた
め、側面衝突時に最初に変形するドアアウタパネル10
aに貼付して、これが一定以上歪むと衝突を検出する歪
ゲージが適しており、また、この歪ゲージは小型なた
め、狭いサイドドア10内に設置するのにも適してい
る。
【0016】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、車体側面のサイドドア10に他の
車両が衝突すると、この側面衝突を、先ずサイドドア1
0のアウタパネル10aの内面に配設された衝突センサ
18が検出して衝突検出信号を図示してない制御部に送
り、この制御部から着火信号(着火電流)がインフレー
タ12のリード線12aを介して図示してないスクイブ
(電気雷管)に流れてインフレータ12内のガス発生剤
に点火する。点火されたガス発生剤は、瞬間的に燃焼し
て大量のガスを発生し、発生したガスは、密閉状態の鋼
管11a内に充満した後、鋼管11aの中間点2箇所に
それぞれ形成された複数の貫通孔13から噴出して、外
側を覆っているブーツ13,13をそれぞれ瞬時に膨張
させる。
【0017】したがって、衝突センサ18が側面衝突を
検知してから極めて短い時間でブーツ14を膨張させ、
その結果、ブラケット15により両端のみを支持されて
いたサイドインパクトビーム11の中間点2箇所に膨張
したブーツ14による新たな支持点が形成されることと
なり、その結果、ブーツ14,14の膨張とほぼ同時か
あるいは若干遅れて、サイドインパクトビーム11が衝
突による外力によって変形する時点では、硬く膨張した
ブーツ14,14がドアインナパネル10bとサイドイ
ンパクトビーム11との間に介在するため、曲げ変形を
起こすスパンが短くなり、したがって、曲げ変形量も小
さく抑えられ、車室側への変位量も低減される(図3参
照)。
【0018】特に、膨張したブーツ14,14が、ドア
インナパネル10bの内側面に対して比較的広い面積で
当接するため、インパクトビーム11に加わる外力が広
い面積に分散され、ドアインナパネル10bの変形量も
小さく抑えることができる。
【0019】また、本実施例においては、ガスを噴出さ
せる複数の貫通孔13を、曲げモーメントが相対的に小
さい鋼管11aの両端寄りに形成したので、サイドイン
パクトビーム11の強度を低下させることを避けること
ができる。
【0020】また、図4ないし図6はこの発明の第2実
施例を示すもので、前記第1実施例においては電気的セ
ンサおよび電気着火式のインフレータを使用したのに対
して、電気を使用せずに機械的にガスを噴出させる方式
を採用したもので、以下、図面を参照して説明する。
【0021】車両のサイドドア20内に取付けられるサ
イドインパクトビーム21は、所定寸法に切断された鋼
管21aのほぼ中央で、ドア取付け時にドアインナパネ
ル20bに面する部分にガス噴出用の穴23が形成され
るとともに、この穴23は、針等で容易に穿孔可能なよ
うに薄膜23aによって気密に閉塞されている。また鋼
管21aには、前記薄膜23aに閉塞された穴23の内
方に対向して針23bが、ドアアウタパネル20a側と
なる鋼管21aの内壁面に、この鋼管21aの軸線に対
してほぼ垂直となるように立設されている。また、前記
鋼管21aの外周には、その両端部を除いてほぼ全長に
亘って覆うように可撓性を有するブーツ24が気密に装
着されており、このブーツ24の両端寄りの前記穴2
3,23と対応する2箇所には、予め膨張し易く成形さ
れた膨張部24a,24aが設けられている。
【0022】そして、前記鋼管21aの両端には、鋼製
のブラケット25が、その取付孔25aに鋼管21aの
端部をそれぞれ気密に嵌装して密封し、さらに溶接によ
って強固に連結するとともに、一方のブラケット25に
取付けられた逆止機能付きのガス充填用バルブ29から
鋼管21aの中空部分に、窒素ガス等の不燃性で無害の
高圧ガスを充填してサイドインパクトビーム21が構成
されている。
【0023】そして、以上のように構成されるサイドイ
ンパクトビーム21は、サイドドア20のドアアウタパ
ネル20aとドアインナパネル20bとの間に、その両
端のブラケット25,25をステー26,26を介して
サイドドア20の車体前後方向の両端部に取付けられて
いる。なお、図4において符号25aはブラケット25
をステー26に締結するボルト孔、図5において符号2
1bは、針23bのストロークを妨げないようにドアイ
ンナパネル20bに形成された穴である。
【0024】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、車体側面のサイドドア20に他の
車両が衝突すると、先ずサイドドア20のドアアウタパ
ネル20aが変形し、次いで、変形するドアアウタパネ
ル20aに押圧されてサイドインパクトビーム21が、
曲げモーメントの最大となる中央において二つ折り状に
変形する。二つ折りに変形するサイドインパクトビーム
21は、その中央部分が潰されて、内壁面に立設された
針23bが穴23に接近し、この穴23を塞いでいる薄
膜23aに刺さってこれを破断し、穴23から鋼管21
a内に充填されている高圧ガスが噴出する。そして、噴
出したガスは、ブーツ24内を両端に向けて分配され
て、両端の2箇所の膨張部24a,24aをそれぞれ瞬
時に膨張させる。
【0025】したがって、ブラケット25により両端の
みを支持されていたサイドインパクトビーム21の中間
点2箇所に膨張したブーツ24,24による新たな支持
点が形成されることとなる。その結果、変形途中のサイ
ドインパクトビーム21は、膨張したブーツ24,24
がドアインナパネル20bとサイドインパクトビーム2
1との間に介在するため、曲げ変形を起こすスパンが短
くなり、したがって、曲げ変形量も小さく抑えられ、車
室側への変位量も低減されることとなる(図6参照)。
【0026】特に、膨張したブーツ24,24が、ドア
インナパネル20bの内側面に対して比較的広い面積で
当接するため、インパクトビーム21に加わる外力が広
い面積に分散され、ドアインナパネル20bの変形量も
小さく抑えることができる。
【0027】また、本実施例においては、衝突を検知す
る電気的センサが不要であり、またガス発生剤およびス
クイブからなるインフレータが不要で、電気機器類およ
び電気回路を使用していないため、電気ノイズによる誤
作動の原因がなく、高い信頼性を有するとともに、低コ
スト化できる。また衝突時の断線や、電源部の破損によ
る作動不能状態が発生せず、安定した作動性能が得られ
る。さらに、異なるドアに対して次々に衝突されても、
各ドアごとにメカニズムが独立しているため、その都度
エアバッグを作動させることができる。
【0028】また、図7ないし図9はこの発明の第3実
施例を示すもので、前記第2実施例において高圧ガスを
噴出させる穴を鋼管の中央に1箇所形成したのを、鋼管
の両端寄りに2箇所形成したもので、前記第2実施例と
同一の構成部分には同一の符号を付してその詳細な説明
を省略し、以下図面に基づいて説明する。
【0029】車両のサイドドア30内に取付けられるサ
イドインパクトビーム31は、所定寸法に切断された鋼
管31aの両端寄りに、ドアインナパネル20aに面し
た側に、ガス噴出用の穴33,33が形成されるととも
に、この穴33,33は、針等で容易に穿孔可能なよう
に薄膜33aによって気密に閉塞されている。また、鋼
管31a内には、幅の狭い金属板を鋼管31aの全長寸
法より短く形成し、同一面の両端に針33b,33bを
それぞれ立設するとともに、この針33bが立設された
面が内側となるように中央でへの字状に折曲した押動バ
ー32が、その中央部分を、ドアアウタパネル20a側
となる鋼管内面の中央に溶接して取付けられており、こ
の押動バー32の両端に立設された前記針33b,33
bが、鋼管31aに形成されている前記穴33,33の
内側に、それぞれ接近配置されるようになっている。
【0030】また、鋼管31aの両端寄りにそれぞれ形
成され、かつ薄膜33a,33aによって塞がれた穴3
3,33の外側には、可撓性を有して膨張可能なブーツ
34がそれぞれ独立して設けられ、各ブーツ34は、収
縮した状態で鋼管31aの外周を気密に包むように取付
けられている。そして鋼管31aの両端には、鋼製のブ
ラケット25が、その取付孔25aに鋼管31aの各端
部をそれぞれ気密に嵌装して密封し、また溶接によって
強固に連結するとともに、一方のブラケット25に取付
けられた逆止機能付きのガス充填用バルブ29から鋼管
31aの中空部分に、窒素ガス等の不燃性で無害の高圧
ガスを充填してサイドインパクトビーム31が構成され
ている。
【0031】そして、以上のように構成されるサイドイ
ンパクトビーム31は、サイドドア30のドアアウタパ
ネル30aとドアインナパネル30bとの間に、その両
端のブラケット25,25をステー26,26を介して
サイドドア30の車体前後方向の両端部に取付けられて
いる。なお、図7において符号25aはブラケット25
の締結用のボルト孔である。
【0032】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を説明すると、車体側面のサイドドア30のほぼ
中央に他の車両が衝突すると、先ずサイドドア30のド
アアウタパネル20aが変形し、次いで、変形するドア
アウタパネル20aに押圧されてサイドインパクトビー
ム21が、曲げモーメントの最大となる中央において二
つ折り状に変形する。サイドインパクトビーム21が二
つ折り状に変形すると、その内部に取付けられた押動バ
ー32の両端に立設された針33b,33bが、それぞ
れ穴33,33に接近し、この穴33を塞いでいる薄膜
33aに刺さってこれを破断する。その結果、穴33か
ら鋼管31a内に充填されている高圧ガスが噴出してブ
ーツ34,34に流入してこれを瞬時に膨張させる。
【0033】したがって、前記第2実施例の場合と同様
に、ブラケット25により両端のみを支持されていたサ
イドインパクトビーム31の中間点2箇所に膨張したブ
ーツ34,34による新たな支持点が形成されることと
なり、その結果、変形途中のサイドインパクトビーム3
1が硬く膨張したブーツ34,34がドアインナパネル
30bとサイドインパクトビーム31との間に介在する
ため、支持点間のスパンが短くなり、したがって、曲げ
変形量も小さく抑えられ、車室側への変位量も低減され
ることとなる(図9参照)。
【0034】また、以上は、サイドドア30のほぼ中央
に側面衝突された場合、すなわち、サイドインパクトビ
ーム31のほぼ中央に外力が加わった場合について説明
したが、衝突箇所がサイドドア30の前後方向に偏った
位置の場合には、2つの穴33,33のうち、サイドイ
ンパクトビーム31の変形量の多い側に近い穴33が開
口されて、変形の大きな側のブーツ34が膨張するた
め、乗員の保護の観点から有利である。
【0035】さらに、図10ないし図12は、この発明
のドア構造の第4実施例を示すもので、前記第3実施例
において独立させて設けた2つのブーツの代わりに、一
体に形成したブーツ44を使用するもので、前記第3実
施例と同一の構成部分には同一の符号を付してその詳細
な説明を省略し、以下図面に基づいて説明する。
【0036】車両のサイドドア40内に取付けられるサ
イドインパクトビーム41は、所定寸法に切断された鋼
管31aの両端寄りには、ドアインナパネル30aに面
した側に、ガス噴出用の穴33,33が形成されるとと
もに、この穴33,33は、針等で容易に穿孔可能なよ
うに薄膜33aによって気密に閉塞されている。また、
鋼管31a内には、幅の狭い金属板の両端に針33b,
33bを立設し、この針33bが立設された面が内側と
なるように中央でへの字状に折曲した押動バー32が、
その中央部分を鋼管内面の中央に溶接して取付けられて
おり、この押動バー32の両端に立設された前記針33
b,33bが、前記穴33,33の内方側に、それぞれ
接近配置されるようになっている。また、前記鋼管31
aの外周には、両端を除いてほぼ全長に亘って覆うよう
に可撓性を有するブーツ44が気密に装着されており、
このブーツ44の両端寄りで、前記鋼管31aの穴3
3,33の外側には、予め膨張し易く成形された膨張部
44a,44aが配設されている。
【0037】そして、前記鋼管31aの両端には、鋼製
のブラケット25が、その取付孔25aに鋼管31aの
端部をそれぞれ気密に嵌装して密封し、さらに溶接によ
って強固に連結するとともに、一方のブラケット25に
取付けられた逆止機能付きのガス充填用バルブ29から
鋼管31aの中空部分に、窒素ガス等の不燃性で無害の
高圧ガスを充填してサイドインパクトビーム41が構成
されている。
【0038】そして、以上のように構成されるサイドイ
ンパクトビーム41は、サイドドア40のドアアウタパ
ネル30aとドアインナパネル30bとの間に、その両
端のブラケット25,25をステー26,26を介して
サイドドア40の車体前後方向の両端部に取付けられて
いる。
【0039】次に、上記のように構成されるこの実施例
の作用を、車体側面のサイドドアの中央から外れた位置
に他の車両が衝突した場合について説明すると、先ずサ
イドドア40の中央から外れた部分のドアアウタパネル
30aが変形し、この変形するドアアウタパネル30a
に押圧されてサイドインパクトビーム41が、その一端
側(図12において左端側)に偏った位置で折曲する。
そして、サイドインパクトビーム41が折曲すると、そ
の内部に取付けられた押動バー32の一端(図12にお
いて左端側)が押動されて、この端部に立設された針3
3bが、その対応する穴33に接近し、この穴33を塞
いでいる薄膜33aに刺さってこれを破断する。その結
果、穴33から鋼管31a内に充填されている高圧ガス
が噴出する。そして、噴出したガスは、ブーツ44内を
両端に向けて分配されて、両端の2箇所の膨張部44
a,44aをそれぞ4れ瞬時に膨張させる。
【0040】このように、両端の膨張部44a,44a
が連通しているため、鋼管31aの両端寄りに形成され
た穴33,33のいずれか一方から高圧ガスが噴出すれ
ば、両方の膨張部44a,44aをそれぞれ膨張させる
ことができる。
【0041】したがって、前記第3実施例の場合と同様
に、ブラケット25により両端のみを支持されていたサ
イドインパクトビーム41の中間部の2箇所に膨張した
ブーツ44,44による新たな支持点が形成されること
となり、その結果、変形途中のサイドインパクトビーム
41が膨張したブーツ44,44がドアインナパネル3
0bとサイドインパクトビーム41との間に介在するた
め、曲げ変形を起こすスパンが短くなり、その結果、曲
げ変形量も小さく抑えられ、車室側への変位量も低減さ
れることとなる(図12参照)。
【0042】なお、上記の説明においては、サイドドア
40の中央から外れた位置に側面衝突された場合につい
て説明したが、サイドドア40の中央付近に側面衝突さ
れた場合には、押動バー32の両端の針33b,33b
が、鋼管31aの両端寄りの2箇所に形成された穴3
3,33がそれぞれの開口させるため、穴33,33か
らそれぞれ噴出した高圧ガスが、2つの膨張部44a,
44aに直接充填されて膨張し、前記第3実施例の場合
と同様の効果が得られる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の自動車の
ドア構造は、両端を気密に閉塞したサイドインパクトビ
ーム内にガス発生装置を備えるとともに、そのビーム周
壁に複数の貫通孔が形成され、この貫通孔の外側に可撓
性を有するブーツが、ビーム外周を気密に覆うように設
けられているので、衝突時にガス発生装置から発生した
ガスが充填されて硬く膨張したブーツが新たな支持点と
なってサイドインパクトビームの曲げ変形量を、サイド
インパクトビームの重量および大きさを増すことなく小
さく抑えることができる。
【0044】また、両端を気密に閉塞したサイドインパ
クトビーム内に予め高圧ガスを充填しておき、衝突時に
サイドインパクトビームに穴を開け、このガスが噴出し
てブーツを膨張させるようにすれば、硬く膨張したブー
ツが新たな支持点となってサイドインパクトビームを支
持するため、曲げモーメントが作用するサイドインパク
トビームのスパンが短縮されて、サイドインパクトビー
ムの曲げ変形量が小さくなり、サイドインパクトビーム
の車室側への変位量も低減される。また、衝突センサや
スクイブを備えたインフレータ等の電気を使用する機器
や電気回路を使用しないため、配線の短絡による誤作動
や、衝突時の断線等による作動不良等の不具合の発生を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車のドア構造の第1実施例にお
けるサイドインパクトビームの側面図である。
【図2】第1実施例のドア構造を示すサイドドアの断面
平面図である。
【図3】図2のサイドドアに衝突による外力が加わった
状態を示す断面平面図である。
【図4】この発明の自動車のドア構造の第2実施例にお
けるサイドインパクトビームの側面図である。
【図5】第2実施例のドア構造を示すサイドドアの断面
平面図である。
【図6】図5のサイドドアに衝突による外力が加わった
状態を示す断面平面図である。
【図7】この発明の自動車のドア構造の第3実施例にお
けるサイドインパクトビームの側面図である。
【図8】第3実施例のドア構造を示すサイドドアの断面
平面図である。
【図9】図8のサイドドアに衝突による外力が加わった
状態を示す断面平面図である。
【図10】この発明の自動車のドア構造の第4実施例に
おけるサイドインパクトビームの側面図である。
【図11】第4実施例のドア構造を示すサイドドアの断
面平面図である。
【図12】図11のサイドドアに衝突による外力が加わ
った状態を示す断面平面図である。
【図13】従来のサイドインパクトビームを備えた自動
車ドアの側面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】従来のサイドインパクトビームの一部省略側
面図である。
【符号の説明】
10 サイドドア 10a アウタパネル 10b インナパネル 11 サイドインパクトビーム 12 インフレータ 13 貫通孔 14 ブーツ 21 サイドインパクトビーム 23 穴 23a 薄膜 23b 針 29 ガス充填用バルブ 32 押動バー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 5/00 B60R 21/02 B60R 21/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアアウタパネルとドアインナパネルと
    の間のドア内にパイプ状のサイドインパクトビームを備
    えた自動車のドア構造において、 前記サイドインパクトビームは、その両端を気密に閉塞
    されて前記ドアの車体前後方向両端部付近にそれぞれ支
    持して取付けられるとともに、その中空のビーム内に、
    このサイドインパクトビーム取付け位置への衝突が検出
    されると着火して多量のガスを発生するガス発生装置を
    備え、更にそのビーム外周壁に複数の貫通孔が形成さ
    れ、この貫通孔の外側には、前記ガス発生装置で発生し
    て前記複数の貫通孔から噴出するガスによって膨張し、
    サイドインパクトビームと前記ドアインナパネルとの間
    に展開してサイドインパクトビームの新たな支持点を形
    成する可撓性を有するブーツが収縮した状態で設けられ
    ていることを特徴とする自動車のドア構造。
  2. 【請求項2】 ドアアウタパネルとドアインナパネルと
    の間のドア内にパイプ状のサイドインパクトビームを備
    えた自動車のドア構造において、 前記サイドインパクトビームは、その両端を気密に閉塞
    され前記ドアの車体前後方向両端部付近にそれぞれ支持
    して取付けられ、そのビーム外周壁に貫通孔が形成さ
    れ、かつこの貫通孔を、容易に開口可能な閉塞部材で密
    閉し、その中空なビーム内に高圧ガスが封入されるとと
    もに、前記貫通孔の内側に対向させて、サイドインパク
    トビームが変形すると前記閉塞部材を破って封入されて
    いるガスを噴出させる針状部材を備え、さらに前記貫通
    孔の外側に、この貫通孔から噴出するガスによって膨張
    し、サイドインパクトビームと前記ドアインナパネルと
    の間に展開してサイドインパクトビームの新たな支持点
    を形成する可撓性を有するブーツが収縮した状態で設け
    られていることを特徴とする自動車のドア構造。
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