JP3018599B2 - お供え餅用包装体の製造方法 - Google Patents

お供え餅用包装体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鏡餅などのお供え用に
用いる餅の包装体製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の包装体においては、図3
に示すように、包装体1の表材2に、その収納凸部3の
頂点から中央線を通るようにしてハーフカット部4が設
けられていて、このハーフカット部4を切断することに
よって開封し、中身の餅を取り出せるようにしている。
また実開昭61−183807号公報に示されているよ
うに、包丁などを添え易くする試みとして中央線に沿う
位置に溝部を設ける工夫もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように包装体の収納凸部の頂部から包装体の中央線を
通るようにしてハーフカット部を設けたものでは、お餅
を飾った場合に前記ハーフカット部が目立ってしまい外
観が損なわれるという問題がある。また溝部を設けたも
のではその溝部自体の肉厚も他の部分の肉厚とほぼ同じ
であり、この溝部の部分が切断し易いというものでもな
く、ハーフカット部のような開封容易なものではなかっ
た。
【0004】一方、ハーフカット部を有する上記包装体
に関して、これを製造する場合に、シート状の表材用材
料の収納凸部形成部位の中心を通るように、レーザー光
源からのレーザー光を前記表材用材料に照射して、ハー
フカット加工を施す手法が採られるようになる。しかし
ながら、現状において、シート状の表材用材料が、表材
となる部分を多数有する状態で成形面付されていてお
り、この表材用材料の各収納凸部それぞれの中央線に沿
って直線状にレーザー光を照射して直線状のハーフカッ
ト部を設けることは高い加工精度の管理が要求される。
すなわち、製造効率上、前述のシート状表材用材料の移
動中にレーザー光を照射させることになるが、表材用材
料が移動することからレーザー光照射のコントロールが
難しいという問題があり、前記表材用材料の搬送速度を
遅くする必要があるなど、多量生産には向かないもので
あった。
【0005】そこで本発明は上記した事情に鑑みて、包
装体の外観を低下させず、そして高い精度管理を必要と
せずにこのレーザー光照射によるハーフカット加工を施
すようにすることを課題とし、包装体の外観を向上さ
せ、容易に切断開封が行えるようにすることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を考慮してなされたもので、合成樹脂製の表材の収納凸
部内に餅を入れてこれを合成樹脂製の底材でシールした
お供え餅用包装体を得るに当たり、シート状の表材用材
料の成形面付に合わせて、かつ前記表材用材料の移動方
向に対して直角方向にレーザー光源を往復動させ、レー
ザー光を表材の収納凸部形成部位の中央から離れた箇所
を通り、この収納凸部形成部位の周縁における中心線側
を通る波型状に照射してハーフカット部を設け、この
後、前記収納凸部形成部位に収納凸部を突出形成して、
餅を充填し、前記底材をシールすることを特徴とするお
供え餅用包装体の製造方法であり、このお供え餅用包装
体の製造方法により包装体をを製造して、上記課題を解
消するものである。
【0007】
【作用】本発明においては、包装体を製造するに際し
て、収納凸部形成部位の中央を外した状態で往復動によ
りレーザー光を照射するため、曲線状(波型状)の加工
線、すなわちハーフカット部が表材用材料の進行方向に
亘って得られ、収納凸部形成後、ハーフカット部がこの
収納凸部の側面側に傾斜した状態で位置するようにな
る。
【0008】
【実施例】つぎに、本発明を図1と図2に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。なお、図3に示す従来例と構
成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略す
る。すなわち本発明においては、合成樹脂製(例えばP
P:ポリプロピレン)の表材2における収納凸部3に
は、その頂部30から離れた上面aを通るようにして、
収納凸部3の下縁31における収納凸部中心線側に亘る
ハーフカット部4が設けられている。よってこの収納凸
部3のハーフカット部4は、側面側に傾いた状態とな
り、この面を後側として包装体1を飾ることによってハ
ーフカット部4が見えないようになる。またこのハーフ
カット部4から切断することにより、大きな開口部分が
この包装体1に得られ、容易に内部の餅を取り出すこと
ができる。
【0009】この包装体を製造する場合には、図2に示
すように、まず表材となる部分を多数配列状態で成形面
付された表材用材料Aに対して、この表材用材料Aを移
動させながらレーザー光源(図示せず)からのレーザー
光を照射する。このレーザー光の照射は、成形面付に合
わせて、かつ前記表材用材料の移動方向(Y方向)に対
して直角方向(X方向)にレーザー光源それぞれを往復
動させて行われ、表材2における収納凸部形成部位5の
中央から離れた箇所を通るように波型状に照射し、この
照射によって表材用材料Aの表層を蒸発除去してハーフ
カット部4を設ける。図示するように表材用材料Aにお
けるハーフカット部4は、進行方向に亘って収納凸部形
成部位5のピッチに対応した波型状となっており、収納
凸部形成部位5の中央から外れ、かつこの収納凸部形成
部位5の周縁(収納凸部の下縁に対応する)における中
心線S側を通る。
【0010】つぎに、上記表材用材料Aを加熱して、収
納凸部形成部位5それぞれに対して金型を用いた真空成
型、圧空成型などによって収納凸部3を得る。
【0011】こののち収納凸部3に餅を充填し、収納凸
部3の周辺部と合成樹脂製(例えばPP:ポリプロピレ
ン)の底材6とをシールして収納凸部3を密封する。そ
して連続状態を分離して単体の包装体1を得る。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合成樹脂製の表材の収納凸部内に餅を入れてこれを合成
樹脂製の底材でシールしたお供え餅用包装体を得るに当
たり、シート状の表材用材料の成形面付に合わせて、か
つ前記表材用材料の移動方向に対して直角方向にレーザ
ー光源を往復動させ、レーザー光を表材の収納凸部形成
部位の中央から離れた箇所に照射してハーフカット部を
設け、この後、前記収納凸部形成部位に収納凸部を突出
形成して、餅を充填し、前記底材をシールするので、収
納凸部形成部位の中心線に合わせる高い精度のレーザー
光照射を行う必要が無く、このため、シート状の表材用
材料を比較的速い速度で移動させながらも、レーザー光
照射によるハーフカット加工が行え、上述した外観を損
なわない包装体の製造効率が高くでき、この包装体を大
量生産できる。そして、これにより得られたお供え餅用
包装体は、前記収納凸部の頂部から離れた上面から収納
凸部の下縁の中心線に亘る箇所にハーフカット部を有す
るようになり、ハーフカット部が後方となるようにお餅
を飾ると、このハーフカット部が正面から見えなくな
り、外観を損なわないようになる。またこのハーフカッ
ト部から包装体を切断するとその開口部分が大きく、容
易に中のお餅を取り出すことができるようになるなど
実用性に優れた効果を奏するものである。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るお供え餅用包装体の一実施例を示
す説明図である。
【図2】本発明に係るお供え餅用包装体の製造方法の一
実施例における表材用材料へのハーフカット加工を示す
説明図である。
【図3】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…包装体 2…表材 3…収納凸部 30…頂部 31…下縁 4…ハーフカット部 5…収納凸部形成部位 6…底材 A…表材用材料

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の表材の収納凸部内に餅を入れ
    てこれを合成樹脂製の底材でシールしたお供え餅用包装
    体を得るに当たり、 シート状の表材用材料の成形面付に合わせて、かつ前記
    表材用材料の移動方向に対して直角方向にレーザー光源
    を往復動させ、レーザー光を表材の収納凸部形成部位の
    中央から離れた箇所を通り、この収納凸部形成部位の周
    縁における中心線側を通る波型状に照射してハーフカッ
    ト部を設け、この後、前記収納凸部形成部位に収納凸部
    を突出形成して、餅を充填し、前記底材をシールするこ
    とを特徴とするお供え餅用包装体の製造方法。
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