JP3018360B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Description
(産業上の利用分野) 本発明は、磁気記録装置に使用される磁気記録媒体を
製造するのに利用される磁気記録媒体の製造方法に関す
るものである。 (従来の技術) 従来、この種の磁気記録媒体を製造するに際しては、
例えば、Al−Mgよりなる基板に、純Arガス中で、Crまた
はCr基合金よるなるターゲットを用いてスパッタリング
成膜することにより下地膜を形成したのち、同じく純Ar
ガス中で、CoまたはCo基合金よりなるターゲットを用い
てスパッタリング成膜することにより薄膜を形成する工
程を採用することがあった。 そしてこの場合、純Arガス中でのスパッタリング成膜
に際し、磁気記録媒体の保磁力(Hc)を向上させるため
に、前記基板の温度を250℃以上に高める必要があっ
た。 また、スパッタリング成膜をArガス:N2ガス=1:1の混
合ガス中で行ったのち、高温での熱処理を施して保磁力
(Hc)を向上させようとする例(例えば、特開昭61−15
3827号)もあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来の磁気記録媒体の製造方
法では、磁気記録媒体の保磁力(Hc)を向上させるため
に、基板の温度を250℃以上に高めたり、スパッタリン
グ成膜後に高温での熱処理を施したりするなど、いずれ
も加熱冷却という時間や手間のかかる工程を必要とする
と共に、高温であることから基板と薄膜との間で反応を
生ずることもありうるという問題点があった。 そして、このような反応を防止するために下地膜の厚
さを増加することも考えられるが、下地膜として使用す
る高価なCrまたはCr基合金の必要量が増大することから
コスト高につくという問題点があり、これらの問題点を
解決することが課題として存在していた。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、保磁力を向上させるために、スパッタリング
成膜時に基板温度を250℃以上の高温としたり、スパッ
タリング成膜後に高温での熱処理を行ったりする手段を
必らずしも採用しなくとも、高い保磁力を有する磁気記
録媒体を得ることが可能である磁気記録媒体の製造方法
を提供することを目的としている。
製造するのに利用される磁気記録媒体の製造方法に関す
るものである。 (従来の技術) 従来、この種の磁気記録媒体を製造するに際しては、
例えば、Al−Mgよりなる基板に、純Arガス中で、Crまた
はCr基合金よるなるターゲットを用いてスパッタリング
成膜することにより下地膜を形成したのち、同じく純Ar
ガス中で、CoまたはCo基合金よりなるターゲットを用い
てスパッタリング成膜することにより薄膜を形成する工
程を採用することがあった。 そしてこの場合、純Arガス中でのスパッタリング成膜
に際し、磁気記録媒体の保磁力(Hc)を向上させるため
に、前記基板の温度を250℃以上に高める必要があっ
た。 また、スパッタリング成膜をArガス:N2ガス=1:1の混
合ガス中で行ったのち、高温での熱処理を施して保磁力
(Hc)を向上させようとする例(例えば、特開昭61−15
3827号)もあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来の磁気記録媒体の製造方
法では、磁気記録媒体の保磁力(Hc)を向上させるため
に、基板の温度を250℃以上に高めたり、スパッタリン
グ成膜後に高温での熱処理を施したりするなど、いずれ
も加熱冷却という時間や手間のかかる工程を必要とする
と共に、高温であることから基板と薄膜との間で反応を
生ずることもありうるという問題点があった。 そして、このような反応を防止するために下地膜の厚
さを増加することも考えられるが、下地膜として使用す
る高価なCrまたはCr基合金の必要量が増大することから
コスト高につくという問題点があり、これらの問題点を
解決することが課題として存在していた。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たもので、保磁力を向上させるために、スパッタリング
成膜時に基板温度を250℃以上の高温としたり、スパッ
タリング成膜後に高温での熱処理を行ったりする手段を
必らずしも採用しなくとも、高い保磁力を有する磁気記
録媒体を得ることが可能である磁気記録媒体の製造方法
を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法は、Crまたは
Cr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合金の薄膜を設
けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成膜により製造
するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01
〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中でスパッタリン
グ成膜を行うことを特徴としており、このような磁気記
録媒体の製造方法の構成を前述した従来の課題を解決す
るための手段としている。 本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法において、基
板としては、Al,Al−Mg,Si,ガラス,セラミックス(Al2
O3など)等々の各種のものの中から選んで使用される
が、とくに限定はされない。 また、下地膜となるCrまたはCr基合金のうちCr基合金
としては各種の二元系(Cr−Ag,Cr−Zr等々)ないしは
三元系以上(Cr−Ag−Y,Cr−Zn−Sn等々)の合金が使用
されるが、とくに限定はされない。 さらに、薄膜となるCoまたはCo基合金のうちCo基合金
としては各種の二元系(Co−Ni,Co−Cr等々)ないしは
三元系以上(Co−Ni−Cr,Co−Cr−Ta等々)の合金が使
用されるが、とくに限定はされない。 そして、前記基板に、前記CrまたはCr基合金の下地膜
を介して前記CoまたはCo基合金の薄膜を設けた薄膜磁気
記録媒体をスパッタリング成膜により製造するに際して
は、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01〜0.1の
ガス分圧比を有する混合ガス中でスパッタリング成膜を
行うようにした。 この種のスパッタリング成膜において、基板上に、30
00Å厚さのCrよりなる下地膜と、500Å厚さのCo基合金
よりなる薄膜とをスパッタリング成膜によって設けるに
あたり、Arガス+N2ガスの混合ガス(O2ガス分圧<1×
10-7Torr)中でスパッタリング成膜を行い、この際のN2
ガス分圧を変化させたところ、第1図に示すように、高
い保磁力(Hc)が得られる適切なN2ガス分圧が存在する
ことが認められた。 また、Arガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッ
タリング成膜を行うに際し、O2ガス分圧を5×10-7Torr
と一定にしてN2ガス分圧を変化させたところ、第2図に
示すように、高い保磁力(Hc)が得られる適切なN2ガス
分圧が存在することが認められた。 さらに、Arガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパ
ッタリング成膜を行うに際し、N2ガス分圧を3×10-6To
rrと一定にしてO2ガス分圧を変化させたところ、第3図
に示すように、高い保磁力(Hc)が得られる適切なO2ガ
ス分圧が存在することが認められた。 そして、種々の実験の結果、混合ガスとしてArガス+
N2ガスを用いる場合には、Arガス:N2ガス=100:0.05〜
2の範囲のガス分圧比とすることが望ましく、混合ガス
としてArガス+N2ガス+O2ガスを用いる場合には、Arガ
ス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01〜0.1の範囲のガ
ス分圧比とすることが望ましいことが認められた。 そして、このようなスパッタリング成膜を行う実施態
様においては、CrまたはCr基合金の下地膜を形成するた
めのCrまたはCr基合金のターゲットと、CoまたはCo基合
金の薄膜を形成するためのCoまたはCo基合金のターゲッ
トとを前記所定のガス分圧比とした混合ガス中に設け、
前記混合ガス中で前記CrまたはCr基合金のターゲットに
対峙して前記CrまたはCr基合金の下地膜をスパッタリン
グ成膜したのち前記CoまたはCo基合金のターゲットに対
峙して前記CoまたはCo基合金の薄膜をスパッタリング成
膜するべく前記基板を移動可能とした二元スパッタリン
グによりスパッタリング成膜を行うようになすことも必
要に応じて望ましい。 (発明の作用) 本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法では、基板
に、CrまたはCr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合
金の薄膜を設けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成
膜により製造するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:
0.05〜2:0.01〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中で
スパッタリング成膜を行う構成としたから、磁気記録媒
体の保磁力(Hc)を高めるに際して、従来のように基板
の温度を250℃以上に高めたり、成膜後に高温での熱処
理を行ったりする格別の手段を必らずしも採用しなくと
も、高い保磁力の磁気記録媒体が製造されるようにな
る。 (実施例) 基板としてスライドガラスを用い、下地膜素材として
純Crを用い、磁気薄膜素材としてCo−30%Ni−7.5%Cr
(原子%)よりなるCo基合金を用いた。 そして、スパッタリング装置のチャンバー内において
基板を回転体に保持させ、前記回転体の一方の位置で前
記基板と対峙する位置に前記純Crよりなるターゲットが
位置するようにして、前記純Crをターゲットとするスパ
ッタリング成膜を行うことにより純Crよりなる下地膜が
形成されるようにし、次いで前記回転体を180゜回転さ
せた他方の位置で前記基板と対峙する位置に前記Co基合
金よりなるターゲットが位置するようにして、前記Co基
合金をターゲットとするスパッタリング成膜を行うこと
によりCo基合金よりなる磁気薄膜が形成されるように、
第1表に示すスパッタリング成膜条件により前記純Crと
Co基合金との二元スパッタリングを行い、これによっ
て、基板に厚さ3000Åの純Crよりなる下地膜を形成した
のちさらに厚さ500ÅのCo基合金よりなる磁気薄膜を形
成した磁気記録媒体を製造した。 そして、このスパッタリング成膜に際しては、第2表
に示すように、Arガス分圧,N2ガス分圧,O2ガス分圧を変
えて実施し、これにより得られたそれぞれの磁気記録媒
体の保磁力(Hc)および角形比を調べた。この結果を同
じく第2表に示す。 第2表に示した結果より明らかなように、スパッタリ
ング成膜を行うに際してArガス分圧,N2ガス分圧,O2ガス
分圧を適切に制御することによって、基板温度を250℃
以上に高めたり、成膜後に高温での熱処理を施したりし
なくとも、従来と同程度ないしは従来をかなり上回る高
い保磁力が得られると同時に角形比も良好なる磁気記録
媒体を製造できることが確かめられた。
Cr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合金の薄膜を設
けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成膜により製造
するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01
〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中でスパッタリン
グ成膜を行うことを特徴としており、このような磁気記
録媒体の製造方法の構成を前述した従来の課題を解決す
るための手段としている。 本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法において、基
板としては、Al,Al−Mg,Si,ガラス,セラミックス(Al2
O3など)等々の各種のものの中から選んで使用される
が、とくに限定はされない。 また、下地膜となるCrまたはCr基合金のうちCr基合金
としては各種の二元系(Cr−Ag,Cr−Zr等々)ないしは
三元系以上(Cr−Ag−Y,Cr−Zn−Sn等々)の合金が使用
されるが、とくに限定はされない。 さらに、薄膜となるCoまたはCo基合金のうちCo基合金
としては各種の二元系(Co−Ni,Co−Cr等々)ないしは
三元系以上(Co−Ni−Cr,Co−Cr−Ta等々)の合金が使
用されるが、とくに限定はされない。 そして、前記基板に、前記CrまたはCr基合金の下地膜
を介して前記CoまたはCo基合金の薄膜を設けた薄膜磁気
記録媒体をスパッタリング成膜により製造するに際して
は、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01〜0.1の
ガス分圧比を有する混合ガス中でスパッタリング成膜を
行うようにした。 この種のスパッタリング成膜において、基板上に、30
00Å厚さのCrよりなる下地膜と、500Å厚さのCo基合金
よりなる薄膜とをスパッタリング成膜によって設けるに
あたり、Arガス+N2ガスの混合ガス(O2ガス分圧<1×
10-7Torr)中でスパッタリング成膜を行い、この際のN2
ガス分圧を変化させたところ、第1図に示すように、高
い保磁力(Hc)が得られる適切なN2ガス分圧が存在する
ことが認められた。 また、Arガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッ
タリング成膜を行うに際し、O2ガス分圧を5×10-7Torr
と一定にしてN2ガス分圧を変化させたところ、第2図に
示すように、高い保磁力(Hc)が得られる適切なN2ガス
分圧が存在することが認められた。 さらに、Arガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパ
ッタリング成膜を行うに際し、N2ガス分圧を3×10-6To
rrと一定にしてO2ガス分圧を変化させたところ、第3図
に示すように、高い保磁力(Hc)が得られる適切なO2ガ
ス分圧が存在することが認められた。 そして、種々の実験の結果、混合ガスとしてArガス+
N2ガスを用いる場合には、Arガス:N2ガス=100:0.05〜
2の範囲のガス分圧比とすることが望ましく、混合ガス
としてArガス+N2ガス+O2ガスを用いる場合には、Arガ
ス:N2ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01〜0.1の範囲のガ
ス分圧比とすることが望ましいことが認められた。 そして、このようなスパッタリング成膜を行う実施態
様においては、CrまたはCr基合金の下地膜を形成するた
めのCrまたはCr基合金のターゲットと、CoまたはCo基合
金の薄膜を形成するためのCoまたはCo基合金のターゲッ
トとを前記所定のガス分圧比とした混合ガス中に設け、
前記混合ガス中で前記CrまたはCr基合金のターゲットに
対峙して前記CrまたはCr基合金の下地膜をスパッタリン
グ成膜したのち前記CoまたはCo基合金のターゲットに対
峙して前記CoまたはCo基合金の薄膜をスパッタリング成
膜するべく前記基板を移動可能とした二元スパッタリン
グによりスパッタリング成膜を行うようになすことも必
要に応じて望ましい。 (発明の作用) 本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法では、基板
に、CrまたはCr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合
金の薄膜を設けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成
膜により製造するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:
0.05〜2:0.01〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中で
スパッタリング成膜を行う構成としたから、磁気記録媒
体の保磁力(Hc)を高めるに際して、従来のように基板
の温度を250℃以上に高めたり、成膜後に高温での熱処
理を行ったりする格別の手段を必らずしも採用しなくと
も、高い保磁力の磁気記録媒体が製造されるようにな
る。 (実施例) 基板としてスライドガラスを用い、下地膜素材として
純Crを用い、磁気薄膜素材としてCo−30%Ni−7.5%Cr
(原子%)よりなるCo基合金を用いた。 そして、スパッタリング装置のチャンバー内において
基板を回転体に保持させ、前記回転体の一方の位置で前
記基板と対峙する位置に前記純Crよりなるターゲットが
位置するようにして、前記純Crをターゲットとするスパ
ッタリング成膜を行うことにより純Crよりなる下地膜が
形成されるようにし、次いで前記回転体を180゜回転さ
せた他方の位置で前記基板と対峙する位置に前記Co基合
金よりなるターゲットが位置するようにして、前記Co基
合金をターゲットとするスパッタリング成膜を行うこと
によりCo基合金よりなる磁気薄膜が形成されるように、
第1表に示すスパッタリング成膜条件により前記純Crと
Co基合金との二元スパッタリングを行い、これによっ
て、基板に厚さ3000Åの純Crよりなる下地膜を形成した
のちさらに厚さ500ÅのCo基合金よりなる磁気薄膜を形
成した磁気記録媒体を製造した。 そして、このスパッタリング成膜に際しては、第2表
に示すように、Arガス分圧,N2ガス分圧,O2ガス分圧を変
えて実施し、これにより得られたそれぞれの磁気記録媒
体の保磁力(Hc)および角形比を調べた。この結果を同
じく第2表に示す。 第2表に示した結果より明らかなように、スパッタリ
ング成膜を行うに際してArガス分圧,N2ガス分圧,O2ガス
分圧を適切に制御することによって、基板温度を250℃
以上に高めたり、成膜後に高温での熱処理を施したりし
なくとも、従来と同程度ないしは従来をかなり上回る高
い保磁力が得られると同時に角形比も良好なる磁気記録
媒体を製造できることが確かめられた。
本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法では、基板に
CrまたはCr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合金の
薄膜を設けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成膜に
より製造するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05
〜2:0.01〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中でスパ
ッタリング成膜を行う構成としたから、従来のようにス
パッタリング成膜に際して基板温度を250℃以上の高い
温度にしたり、成膜後に高温での熱処理を施したりする
手段を必らずしも採用しなくとも、従来程度ないしはそ
れ以上の高い保磁力(Hc)を有すると共に優れた角形比
を有する磁気記録媒体を製造することが可能であり、基
板温度を従来ほど高める必要がないため基板の制約がよ
り少なくなると共に、基板を加熱したり熱処理を施した
りするための加熱時間や手間を省くことが可能であり、
また、高温で熱処理する必要が必ずしもないため基板と
薄膜との間で反応を生ずるおそれがないので、下地膜を
薄くすることが可能であり、下地膜として用いるCrまた
はCr基合金の使用量を少なくすることができ、さらに
は、従来よりも保磁力を向上させることができることか
ら同じ保磁力とする場合には磁性薄膜の厚さを小さくす
ることが可能であって成膜時間も少なくてすむなどの著
しく優れた効果がもたらされる。
CrまたはCr基合金の下地膜を介してCoまたはCo基合金の
薄膜を設けた薄膜磁気記録媒体をスパッタリング成膜に
より製造するに際し、Arガス:N2ガス:O2ガス=100:0.05
〜2:0.01〜0.1のガス分圧比を有する混合ガス中でスパ
ッタリング成膜を行う構成としたから、従来のようにス
パッタリング成膜に際して基板温度を250℃以上の高い
温度にしたり、成膜後に高温での熱処理を施したりする
手段を必らずしも採用しなくとも、従来程度ないしはそ
れ以上の高い保磁力(Hc)を有すると共に優れた角形比
を有する磁気記録媒体を製造することが可能であり、基
板温度を従来ほど高める必要がないため基板の制約がよ
り少なくなると共に、基板を加熱したり熱処理を施した
りするための加熱時間や手間を省くことが可能であり、
また、高温で熱処理する必要が必ずしもないため基板と
薄膜との間で反応を生ずるおそれがないので、下地膜を
薄くすることが可能であり、下地膜として用いるCrまた
はCr基合金の使用量を少なくすることができ、さらに
は、従来よりも保磁力を向上させることができることか
ら同じ保磁力とする場合には磁性薄膜の厚さを小さくす
ることが可能であって成膜時間も少なくてすむなどの著
しく優れた効果がもたらされる。
第1図はArガス+N2ガスの混合ガス中でスパッタリング
成膜を行うことにより磁気記録媒体を製造した場合のN2
ガス分圧比を変化させたことによる保磁力(Hc)への影
響を調べた結果を例示するグラフ、第2図はArガス+N2
ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッタリング成膜を行う
ことにより磁気記録媒体を製造した場合のO2ガス分圧一
定でかつN2ガス分圧を変化させたことによる保磁力(H
c)への影響を調べた結果を例示するグラフ、第3図はA
rガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッタリング
成膜を行うことにより磁気記録媒体を製造した場合のN2
ガス分圧一定でかつO2ガス分圧を変化させたことによる
保磁力(Hc)への影響を調べた結果を例示するグラフで
ある。
成膜を行うことにより磁気記録媒体を製造した場合のN2
ガス分圧比を変化させたことによる保磁力(Hc)への影
響を調べた結果を例示するグラフ、第2図はArガス+N2
ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッタリング成膜を行う
ことにより磁気記録媒体を製造した場合のO2ガス分圧一
定でかつN2ガス分圧を変化させたことによる保磁力(H
c)への影響を調べた結果を例示するグラフ、第3図はA
rガス+N2ガス+O2ガスの混合ガス中でスパッタリング
成膜を行うことにより磁気記録媒体を製造した場合のN2
ガス分圧一定でかつO2ガス分圧を変化させたことによる
保磁力(Hc)への影響を調べた結果を例示するグラフで
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】基板に、CrまたはCr基合金の下地膜を介し
てCoまたはCo基合金の薄膜を設けた薄膜磁気記録媒体を
スパッタリング成膜により製造するに際し、Arガス:N2
ガス:O2ガス=100:0.05〜2:0.01〜0.1のガス分圧比を有
する混合ガス中でスパッタリング成膜を行うことを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】スパッタリング成膜時における基板温度を
200℃以下とする請求項第(1)項に記載の磁気記録媒
体の製造方法。 - 【請求項3】CrまたはCr基合金の下地膜を形成するため
のCrまたはCr基合金のターゲットと、CoまたはCo基合金
の薄膜を形成するためのCoまたはCo基合金のターゲット
とを混合ガス中に設け、前記混合ガス中で前記Crまたは
Cr基合金のターゲットに対峙して前記CrまたはCr基合金
の下地膜をスパッタリング成膜したのち前記CoまたはCo
基合金のターゲットに対峙して前記CoまたはCo基合金の
薄膜をスパッタリング成膜するべく前記基板を移動可能
とした二元スパッタリングによりスパッタリング成膜を
行う請求項第(1)項または第(2)項に記載の磁気記
録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1334081A JP3018360B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1334081A JP3018360B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03194727A JPH03194727A (ja) | 1991-08-26 |
JP3018360B2 true JP3018360B2 (ja) | 2000-03-13 |
Family
ID=18273307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1334081A Expired - Lifetime JP3018360B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3018360B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1639774A (zh) * | 2003-03-17 | 2005-07-13 | 富士通株式会社 | 磁记录介质及其制造方法 |
-
1989
- 1989-12-22 JP JP1334081A patent/JP3018360B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03194727A (ja) | 1991-08-26 |
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