JP3018349U - ボウルフィーダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動源からの騒音並びに発塵をなくしクリー
ンルーム用としても最適で、ボウル内に投入された部品
の仕様毎に最適な振動条件を設定することが可能なボウ
ルフィーダの提供。 【構成】 下部中心が基台２に垂直で大径のカラー４を
有する回動軸３で軸支されて水平方向に回動可能なボウ
ル１の直径方向にある２点の接線方向にコイルばね７と
直動型のボイスコイル型アクチュエータ１０のアーム１
８が接続され、可動コイル１５に所要電流を印加して左
回りまたは右回りの揺動力を発生して、ばね力と合成さ
れて、所定の周波数の振動がボウル１に加えられ、ボウ
ル１内に投入する部品が所要方向に整列移動する。 【効果】 ボウルの回動軸に直接接続するアクチュエー
タ自体の可動コイルの駆動は磁気回路部とは非接触であ
り、駆動源からの騒音を著しく低減でき、可動コイルへ
の印加電力を調整して振動周期制御が容易に実施でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一般産業用の小物部品搬送供給に使用されるボウルフィーダの改 良に係り、駆動源に直動または揺動する可動コイルを有する、いわゆる直動型ま たは揺動型のボイスコイル型アクチュエータを使用した構成とすることにより、 発生する振動音（騒音）を大幅に低減し、また、被搬送部品に応じて振動条件を 容易に適宜選定できるボウルフィーダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

装置の組立てに要する小物部品を搬送供給したり、あるいは自動組立装置に小 物部品を供給するための所謂キャリアテープなどに小物部品を収納するために、 当該小物部品を所定方向に並べて１個ずつ供給するためのパーツフィーダとして 、従来よりボウルフィーダが多用されている。

【０００３】 ボウルフィーダは構成の概略を図８に示すごとく、多数の部品を収納可能なボ ウル１内面にらせん状のトラックを設けて、このボウル１に所定の揺動やねじり 振動を加えることにより、部品を所定方向に並べて１個ずつ移動させるものであ る。

【０００４】 ボウルフィーダには部品を移動させるためにボウルに所定の振動を加える振動 源が不可欠であり、例えば、ボウルの下面に設けた可動コアとベース間を所定間 隔で配置する複数の傾斜板ばねで結合し、ベース上に配置した電磁石を励磁して ボウルにねじり振動を加える電磁石型の構成からなるボウルフィーダ（特開平４ −４５０１１号）が提案されている。

【０００５】 また、ボウルの下面に設けたアーム先端部にコイルばねを設けて付勢し、アー ム最先端のカムフォロワーにモーターで回転駆動させる偏心カムを当接させて揺 動させる偏心カム型の構成からなるボウルフィーダ（特公昭６３−２４８９１号 ）が提案されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来のボウルフィーダの振動駆動方法は、電磁石型又は偏芯カム型の２通りの 機械的な往復運動伝達であるが、いずれの方法も、ボウルの中に供給されている 部品同士がすれる音以外に、駆動源の振動により低いうなり音を発生しており、 騒音問題とともに、該振動により発塵の問題があり、例えばクリーンルーム内で の使用ができない問題があった。

【０００７】 対象とする部品を正確に搬送するには、ボウル内に投入された部品の仕様毎に 最適な振動条件を設定することが望ましいが、従来のボウルフィーダの振動駆動 方法では、電磁石型及び偏芯カム型も印加する電流やモーターの周波数の変更に て対応することとなり、調整できる範囲が極めて狭く、被搬送部品に応じて使用 するばねやカムなどの変更が必要であり、容易には対応できるものではなく、実 質的に対象とする部品の仕様の頻繁な変更は不可能であった。

【０００８】 この考案は、従来のボウルフィーダの振動源の問題を解消することを目的とす るもので、具体的には駆動源からの騒音並びに発塵をなくして、騒音、塵をきら うクリーンルーム用としても最適なボウルフィーダの提供、並びにボウル内に投 入された部品の仕様毎に最適な振動条件を設定することが可能なボウルフィーダ の提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案は、 軸支して水平方向に回動可能なボウルに揺動を加えてボウル内の被搬送品を所定 方向に移送させるボウルフィーダにおいて、ボウルの回動軸の１接線方向に、直 動する可動コイルを有するボイスコイル型アクチュエータの該可動コイルに連結 するアームを接続したことを特徴とするボウルフィーダである。

【００１０】 また、この考案は、上記の構成において、 ボウルの回動軸の他の接線方向に、ばねあるいは、直動する可動コイルを有する ボイスコイル型アクチュエータの該可動コイルに連結するアームを接続したボウ ルフィーダを併せて提案する。

【００１１】 また、この考案は、 軸支して水平方向に回動可能なボウルに揺動を加えてボウル内の被搬送品を所定 方向に移送させるボウルフィーダにおいて、ボウルの回動軸に、揺動する可動コ イルを有するボイスコイル型アクチュエータの可動コイルに連結するアームを少 なくとも１つ接続したことを特徴とするボウルフィーダである。

【００１２】

【作用】

この考案によるボウルフィーダは、ボウルの振動駆動源に直動または揺動する 可動コイルを有するボイスコイル型アクチュエータを用いることを特徴とし、該 アクチュエータ自体の可動コイルの駆動はヨーク等の磁気回路部とは非接触であ り、該アクチュエータの可動コイルとボウルの回動軸とは可動コイルに連結する アームを介して直接接続することから、当該駆動源からの騒音を著しく低減する ことが可能であり、また、可動コイルへの印加電力を調整することでボウルの振 動周期、加速度の制御が容易に実施でき、ボウル内に投入する部品の仕様に応じ て振動条件の設定が可能になる。

【００１３】 この考案のボウルフィーダを構成するボイスコイル型アクチュエータとしては 、公知の種々の構成が採用できる。 例えば、図３及び図４（図３の縦断面図）に示すボイスコイル型アクチュエー タ１０の構成は、角柱のセンターヨーク１１と、該センターヨーク１１との対向 面側に板状の永久磁石１３，１３を配置した一対の板状外部ヨーク１２，１２と をサイドヨーク１４にて一体に組み立てたいわゆるＥ型の磁気回路を有し、前記 センターヨーク１１に外遊嵌する角筒状の空芯可動コイル１５を配置した構成か らなるものである。

【００１４】 図５に示すボイスコイル型アクチュエータ２０の構成は、図３、図４の構成に おいてさらにサイドヨーク１６を設け、いわゆる日型の磁気回路を有する構成か らなるものである。これら図３、図４、図５に示すボイスコイル型アクチュエー タにおいては、可動コイル１５の寸法、形状とともに支持手段を選定することに よって、該可動コイル１５を直動または揺動のいずれにも作用させることが可能 となる。

【００１５】 図６に示すボイスコイル型アクチュエータ３０の構成は、縦断面が図４と同様 なＥ型の磁気回路構成を有するが、各々のヨークの形状が異なり円柱状のセンタ ーヨーク３１と内側に永久磁石３３を環状に配置した円筒状の外ヨーク３２を同 心状に配置し、これらをサイドヨーク３４にて一体に組み立て、さらにセンター ヨーク３１に外遊嵌する円筒状の空芯可動コイル３５を配置した構成からなるも のである。この構成においては可動コイル３５は直動する。

【００１６】 図７に示すボイスコイル型アクチュエータ４０は、一対の板状ヨーク４１，４ ２の各々内側対向面に一対の板状永久磁石４３，４４及び４５，４６を配置し、 互いの対向する板状永久磁石間に偏平状の可動コイル４７を配置した構成からな り、該構成においては可動コイル４７を揺動することができる。図中４８は板状 ヨーク４１，４２を所定間隔で保持する非磁性部材である。

【００１７】 以上に示すボイスコイル型アクチュエータ１０，２０，３０，４０は、いずれ も公知の構成であり、必要に応じてヨーク形状や磁石形状を変更することができ る。 すなわち、この考案においてはボイスコイル型アクチュエータの本来的な長所 、すなわち可動コイルがヨーク等の磁気回路部と非接触の状態で駆動すること、 可動コイルへの印加電力の調整によって容易に作動（移動）条件を調整可能であ る等の長所を有する構成であれば、目的が達成できる。 ボウルフィーダの寸法や振動条件等に応じてボイスコイル型アクチュエータの 特性や可動コイルの直動または揺動を選定することが望ましい。

【００１８】

【実施例】

実施例１ 図１に示すこの考案によるボウルフィーダは、図３及び図４に示した直動型の ボイスコイル型アクチュエータ１０を用いた例であり、図１は概略を示す上面説 明図である。 ボウル１は図８と同様の内周面に所定のらせん状トラックを設けた構成からな り、ボウル１はその下部中心が基台２に垂直な回動軸３で軸支されて水平方向に 回動可能である。

【００１９】 回動軸３には大径のカラー４が同軸に固着され、その一直径方向に係止爪５， ６が突設され、一方の係止爪５には基台２に一端を固着して水平配置するコイル ばね７の他端が接続されている。カラー４の他の係止爪６には、ボイスコイル型 アクチュエータ１０の可動コイル１５に連結するアーム１８が接続されている。 アーム１８の一方端は可動コイル１５を支持するボビン１７に固着され、アー ム１８の他端は前述のごとくボウル１の回動軸３の接線方向に接続してあり、ア ーム１８自体は基台２に固定される直動軸受１９に支持されて、直動自在になっ ている。

【００２０】 以上の構成からなる駆動源を有するボウルフィーダのボウル１は、コイルばね ７により図で左回りに付勢されて、直動型のボイスコイル型アクチュエータ１０ の可動コイル１５に所要電流を印加すると、磁気回路空隙内の磁界との相互作用 により所要方向に直動して図で左回りまたは右回りの揺動力を発生して、ばね力 と合成されて、所定の周波数の振動がボウル１に加えられ、ボウル１内に投入す る部品が所要方向に整列移動する。 また、コイルばね７に変えてさらに直動型のボイスコイル型アクチュエータ１ ０を設けて、一対のアクチュエータ１０，１０の揺動にてボウル１内に投入する 部品の仕様に応じた振動条件の設定を行うこともできる。

【００２１】 実施例２ 図２に示すこの考案によるボウルフィーダは、図７に示した揺動型のボイスコ イル型アクチュエータ４０を用いた例であり、図２は概略を示す横断上面説明図 である。 ボウル１は図８と同様の内周面に所定のらせん状トラックを設けた構成からな り、ボウル１はその下部中心が基台２に垂直な回動軸３で軸支されて水平方向に 回動可能である。 回動軸３には回動軸３を中心に一直径方向に延出したアーム５０が固着され、 その両先端にはそれぞれ揺動型のボイスコイル型アクチュエータ４０，４０の可 動コイル４７，４７のボビン４９，４９が接続してある。

【００２２】 以上の構成からなる駆動源を有するボウルフィーダのボウル１は、一対の揺動 型のボイスコイル型アクチュエータ４０，４０の各可動コイル４７，４７に所要 電流を印加すると、磁気回路空隙内の磁界との相互作用により所要方向に揺動し て図で左回りまたは右回りの揺動力を発生して、所定の周波数の振動がボウル１ に加えられ、ボウル１内に投入する部品が所要方向に整列移動する。

【００２３】 図２の構成においては、回動軸３から延出したアーム５０の両先端に揺動型の ボイスコイル型アクチュエータ４０，４０を配置した構成を示したが、必ずしも この構成に限定されることなく、アーム５０の一方端にのみ揺動型ボイスコイル 型アクチュエータを配置した構成でも、この考案の目的を達成できる。 しかし、図示の構成の場合は振動源としての機械的バランスが良好となり、よ り望ましい特性を得ることが可能となる。また、図２の構成では図７に示すボイ スコイル型アクチュエータ４０を使用した場合で説明したが、図３〜５に示した Ｅ型または日型の磁気回路を用い、可動コイルを揺動するように支持した構成に おいても同様な作用効果を得ることができる。

【００２４】

【考案の効果】 この考案によるボウルフィーダは、可動コイルが非接触駆動であるボイスコイ ル型アクチュエータを有効的に配置することにより駆動源からの騒音をなくし、 無塵構造のパーツフィーダとして提供でき、騒音、塵をきらうクリーンルーム用 としても最適である。 また、可動コイルへの印加電力を調整することにより、ボウルの振動周期、加 速度の制御が可能で、ボウル内に投入する部品の仕様に応じて最適な振動条件に 設定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による直動型のボイスコイル型アクチ
ュエータを用いたボウルフィーダの概略を示す上面説明
図である。

【図２】この考案による揺動型のボイスコイル型アクチ
ュエータを用いたボウルフィーダの概略を示す横断上面
説明図である。

【図３】Ｅ型の磁気回路を有するボイスコイル型アクチ
ュエータの断面説明図である。

【図４】図３の縦断説明図である。

【図５】日型の磁気回路を有するボイスコイル型アクチ
ュエータの断面説明図である。

【図６】円筒状磁気回路を有するボイスコイル型アクチ
ュエータの断面説明図である。

【図７】揺動型のボイスコイル型アクチュエータの断面
説明図である。

【図８】従来のボウルフィーダの構成例を示す斜視説明
図である。

【符号の説明】

１ ボウル ２ 基台 ３ 回動軸 ４ カラー ５，６ 係止爪 ７ コイルばね １０，２０，３０，４０ ボイスコイル型アクチュエー
タ １１，３１ センターヨーク １２ 板状外部ヨーク １３，３３ 永久磁石 １４，３４ サイドヨーク １５，３５，４７ 可動コイル １６ サイドヨーク １７，４９ ボビン １８，５０ アーム １９ 直動軸受 ３２ 外ヨーク ４１，４２ 板状ヨーク ４３，４４，４５，４６ 板状永久磁石 ４８ 非磁性部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸支して水平方向に回動可能なボウルに
   揺動を加えてボウル内の被搬送品を所定方向に移送させ
   るボウルフィーダにおいて、ボウルの回動軸の１接線方
   向に、直動する可動コイルを有するボイスコイル型アク
   チュエータの該可動コイルに連結するアームを接続した
   ことを特徴とするボウルフィーダ。
2. 【請求項２】 請求項１において、ボウルの回動軸の他
   の接線方向に、ばねあるいは、直動する可動コイルを有
   するボイスコイル型アクチュエータの該可動コイルに連
   結するアームを接続したことを特徴とするボウルフィー
   ダ。
3. 【請求項３】 軸支して水平方向に回動可能なボウルに
   揺動を加えてボウル内の被搬送品を所定方向に移送させ
   るボウルフィーダにおいて、ボウルの回動軸に、揺動す
   る可動コイルを有するボイスコイル型アクチュエータの
   該可動コイルに連結するアームを少なくとも１つ接続し
   たことを特徴とするボウルフィーダ。