JP3017276U - 空気清浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、空気清浄化装置に関し、各種空気
汚染原因物質に対してそれぞれ優れた除去性能を有する
単位フィルターを組合せて、幅広い汚染を十分に除去で
きることを目的とする。 【構成】 箱体１内に設置された送風機４により箱体１
の空気吸込口２から吹出口３へ空気流５を形成し、この
空気流５中に空気清浄化用の、活性炭素繊維、イオン交
換樹脂繊維、キレート樹脂、シリカ粉末を電着した単位
フィルターを組合せた複合フィルターを配置するように
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気中に含まれる悪臭、有機、無機系溶剤のミスト、蒸気、更には 水銀封入、マンガン操作、アンチモニー、鉛作業等により生じる大気の重金属汚 染物質等を除去する空気清浄化装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の空気清浄化装置、例えば、脱臭装置としては、箱体内に送風機を設置し て、箱体内に空気の吸入口から吹出口に至る空気流を形成し、この空気流の中に 脱臭フィルターを配置したものが用いられ、上記脱臭フィルターの脱臭剤として 粒状活性炭（以下、略して活性炭という）が多用されていた。このような構成に より、吸込口から吸い込まれた空気は脱臭フィルターを通ることによって、空気 中に含まれる悪臭が除去されるようになっていたが、除去効果が十分ではなかっ た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

特に、活性炭の吸着能力は、初期の吸着能力は優れているが、時間の経過と共 にその能力は著しく減少することは周知のとおりである。更に、活性炭は脱臭や 有機溶剤の吸着能力は優れているが、重金属類や油脂類の吸着能力は期待できな いという問題点もあった。

【０００４】 本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、各種汚染物質 に対してそれぞれ優れた除去性能を有するフィルターを組合せて、活性炭よりも 幅広い大気汚染物質対応能力を有し、かつフィルター部材の交換が容易に行える 空気清浄化装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る空気清浄化装置は、箱体内に設置された送風機により前記箱体の 空気吸込口から空気吹出口へ空気流を形成し、この空気流中に空気清浄化フィル ターを配置した空気清浄化装置であって、前記フィルターは、活性炭素繊維を植 毛したフィルター、イオン交換樹脂繊維を植毛したフィルター、キレート樹脂を 付着させたフィルター、シリカ粉末を付着させたフィルターのうち、少なくとも 一つのフィルターを選択するように構成したことを特徴とする。 また、前記フィルターの基材は木質材料で形成されることを特徴とする。 また、前記フィルターの基材は焼却可能な材料で形成したことを特徴とする。 また、前記送風機は空気吸入口と前記フィルターとの間に設けられたことを特 徴とする。 また、前記送風機は前記フィルターと空気吹出口との間に設けられたことを特 徴とする。

【０００６】 本考案の空気清浄化装置に使用するフィルターは、悪臭、有機溶剤や無機溶剤 のミストや蒸気、更に水銀、鉛などの大気を汚染する有害物質を最大限に吸着除 去するために、単一機能のフィルターを処理対象の汚染空気の有害物質の種類に あわせて適宜選択、組合せて使用する。 なお、必要に応じて、上記の単位フィルターのほかに、殺菌シート、抗菌シー ト、防微シート、抗かびシート、防錆シート、除湿シートなどを適宜単独で、ま たは組合せて、適宜枚数を選択して前記単位フィルターを組合せた複合フィルタ ーの後、前または中間に挿入してもよい。

【０００７】 活性炭素繊維を、例えば、電気植毛によって吸着性のある再生パルプ紙や布地 に電着したフィルターは、特に悪臭や煙霧、有機溶剤などの大気汚染物質の吸着 除去に適する。このフィルターは長さ０．８ｍｍ程度の活性炭素繊維を電気植毛 によって接着剤を塗布した上記再生パルプ紙などの支持基材上に植毛したもので ある。繊維状であるため、通常の粒状活性炭に比べて比面積が大きく、有害物質 との接触面積が大きくなり、吸着効果が大きくなる。このフィルターは、処理対 象有害物質の種類や濃度に応じて、使用枚数を増減させる。

【０００８】 イオン交換樹脂繊維を電気植毛したフィルターは、特に無機および有機の有害 物質、特に金属の除去に効果を有する。そして、従来の粒状樹脂を繊維化したこ とにより吸着性が一段と大きくなり、特にＮａ，Ｋ，Ｃａの吸着性が強くなる。 また、大気中では繊維の劣化が早まる傾向があるので、多少の湿気を補給するこ とにより耐久性を得るようにする。

【０００９】 キレート樹脂を電着させたフィルターは、有害な重金属の除去に特に効果を有 する。各種のキレート樹脂、例えば、スチレンとビニールベンゼンの共重合体に イミノジ酢酸基、または、ポリアミンを導入したものを適宜選択または併用して 用いることにより、所望の除去効果を得ることができる。なお、微粒状の粒子の フィルター基材への付着は、必ずしも電着によらなくても可能であるが、均一な 付着を行うためには電着によることが好ましい。

【００１０】 シリカ粉末を電着させた紙葉状フィルターは、シンナー、トルエン等の有機溶 剤、油球、煤煙の除去に特に効果的である。シリカ粉末としては、珪砂やオイル シリカの粉末が挙げられ、また前記のキレート樹脂と同様にフィルター基材への 付着は、必ずしも電着によらなくてもよい。

【００１１】 本考案の空気清浄化装置に使用するフィルターは、上記フィルターの選択とそ の順序および枚数の組合せにより、大気汚染物質の除去に際して、悪臭、重金属 、窒素、硫黄、塩化水素に由来する有害物質、有機、無機溶剤のミストや蒸気、 油滴など全ての汚染原因物質を効率的に除去できるばかりでなく、各汚染物質別 に構成、装着することができるという特徴を有する。

【００１２】 例えば、作業環境全体として汚染濃度が低くなっている作業室全体の空気清浄 化と、汚染濃度が高い発生源近くの局所の空気清浄化を行う場合とでは、使用フ ィルターの種類と枚数とは当然ながら相違する。一例として、有機溶剤の除去を 目的とした場合のフィルターの構成を下記に示す。 全体排気の場合： 活性炭素繊維、キレート樹脂、オイルシリカ、カチオン交換樹脂繊維、アニオ ン交換樹脂繊維の順序の各１葉の計５枚のフィルターで構成する。 局所排気の場合： オイルシリカ３葉、キレート樹脂、活性炭素繊維、カチオン交換樹脂繊維、ア ニオン交換樹脂繊維の順序に各１葉の計７枚のフィルターで構成する。

【００１３】 本考案に係るフィルターを構成するフィルターは、接触面積を大きくとり、か つ各吸着用物質と汚染物質との接触頻度を増大させるために、開孔率が２０〜３ ０％の非平面状の形状を有することが好ましい。非平面状の形状としては波形、 うね形、ひだ付き形等適宜の形状を選択できる。また、フィルター全体を三角柱 、三角錐、紡錘形などの形状にすることが、前記の２０〜３０％の開孔率のラン ダムに形成された小孔による乱流形成に伴う汚染物質と吸着材との接触効率の向 上のために望ましい。

【００１４】 更に、フィルター基材の材質としては、焼却可能な木質材料である新聞紙や段 ボール古紙等からの再生パルプ紙であることが、産業廃棄物としての二次汚染を 防止すること、焼却可能であること、適宜な形状に形成しやすい点から好ましい 。又、溶融によって再生可能な高分子化学材料を用いるようにしてもよい。 なお、各フィルターをカートリッジ方式に構成することにより、各フィルター の交換を容易に行うことができる。

【００１５】

【作用】

本考案によれば、各汚染物質の吸着除去に効果的なフィルターが組合わされる と、相乗効果が発揮されて、全ての汚染原因物質を効率的に除去できるばかりで なく、汚染源に対応した構成を選択できる。

【００１６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案に係る空気清浄化装置の一実施例を示す模式図であり、図２は 、別の実施例を示す図である。なお、実施例を説明する全図において、同一機能 を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。

【００１７】 実施例１ 図１において、１は箱体で、空気の吸込口２および吹出口３を有している。４ は吸込口２と吹出口３間に空気流５を形成する送風機である軸流ファンモータで ある。吸込口２と軸流ファンモータ４の間には防塵フィルター６が、また前記モ ータ４と吹出口３の間には気相整流室７、複合フィルター８（Ａは硅砂、Ｂは活 性炭素繊維、Ｃはアニオン樹脂繊維、Ｄはカチオン樹脂繊維、Ｅはキレート樹脂 をそれぞれ電気植毛又はリシンガン吹き塗着した各単位構成フィルターで、Ｆは 抗菌シートである）、次いで、消臭用中和剤である天然植物性液化消臭剤が順に 配置されており、吹出口３には排気用可動整流羽１０が設置されている。なお、 吸込口２の手前には吸気ダクト１１を箱体１に取付けるための吸気用ダクトアタ ッチメント１２が、一方、吹出口３には排気ダクト１３を取付けるための排気用 ダクトアタッチメント１４がそれぞれ設置されている。

【００１８】 以上のように構成された空気清浄化装置において、軸流ファンモータ４が運転 されると、箱体１内に空気流５が形成され、汚染した空気は吸込口２から吸い込 まれた複合フィルター８を通り、各フィルターＡ〜Ｅにより汚染物質を除去され て抗菌シートＦにより殺菌された後パンコンベヤ９により消臭されて吹出口３か ら清浄な空気が気流５として排出される。

【００１９】 実施例２ 図２は、図１における軸流ファンモータ４により汚染空気流５を複合フィルタ ー８に吹き込む代わりに、送風機である遠心ブロアモータ１５により汚染空気流 ５を複合フィルター８に吸い込む方式の空気清浄化装置の模式図である。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば、気体状、粒子状、霧滴状、水滴状、蒸気状、粉塵状で存在す る空気汚染原因物質に対してそれぞれ効率的な除去効果を有するフィルターを組 合せた複合フィルターを使用しているので、各汚染原因物質を十分に除去でき、 幅広い汚染空気の清浄化を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る空気清浄化装置の一実施例の内部
構成を示す模式図である。

【図２】別の実施例の内部構成を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 箱体 ２ 吸込口 ３ 吹出口 ４ 軸流ファンモータ（送風機） ８ 複合フィルター １５ 遠心ブロアモータ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 箱体内に設置された送風機により前記箱
   体の空気吸込口から空気吹出口へ空気流を形成し、この
   空気流中に空気清浄化フィルターを配置した空気清浄化
   装置であって、前記フィルターは、活性炭素繊維を植毛
   したフィルター、イオン交換樹脂繊維を植毛したフィル
   ター、キレート樹脂を付着させたフィルター、シリカ粉
   末を付着させたフィルターのうち、少なくとも一つのフ
   ィルターを選択するように構成したことを特徴とする空
   気清浄化装置。
2. 【請求項２】 前記フィルターの基材は木質材料で形成
   されることを特徴とする請求項１記載の空気清浄化装
   置。
3. 【請求項３】 前記フィルターの基材は焼却可能な材料
   で形成したことを特徴とする請求項１記載の空気清浄化
   装置。
4. 【請求項４】 前記送風機は空気吸入口と前記フィルタ
   ーとの間に設けられたことを特徴とする請求項１，２又
   は３記載の空気清浄化装置。
5. 【請求項５】 前記送風機は前記フィルターと空気吹出
   口との間に設けられたことを特徴とする請求項１，２又
   は３記載の空気清浄化装置。