JP3017067B2 - めっき液へのニッケルイオン供給方法および設備 - Google Patents

めっき液へのニッケルイオン供給方法および設備

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不溶性陽極を用い
る鋼帯などの金属帯のニッケル系連続電気めっき設備に
おいて、消費されるニッケルイオンをめっき液中に補給
するニッケル系めっき液へのニッケルイオンの供給方法
および設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品などにおいて耐
食性向上の要求が高まり、従来から使用されている亜鉛
めっき鋼板に加え、亜鉛−ニッケル系合金めっき鋼板な
どのニッケル含有合金めっき鋼板の需要が著しく増加し
ている。こうした需要増に対処するため、高能率生産の
可能な高電流密度による高速電気めっき法が採用されて
いるが、高速電気めっき法においては陽極交換を頻繁に
行わねばならない可溶性陽極方式よりも、陽極交換を必
要としないイリジウム系などの不溶性陽極を用い、消費
されるニッケルイオンなどの金属イオンを別途めっき液
中へ連続的に補給する方式の方が有利であることはいう
までもない。
【0003】めっき液中へのニッケルイオンなどの金属
イオンの補給方法としては、酸化ニッケル、炭酸ニッ
ケルなどの金属化合物の形で溶解する方法、電解設備
を設けて金属ニッケルを電気分解によって溶解する方法
(特開平1−234598号公報、特開平4−1390
0号公報、特開平4−99198号公報、特開平5−2
5700号公報参照)、および、金属ニッケルなどを
直接、酸性めっき液に接触させ、化学溶解する方法、と
がある。
【0004】前記の金属化合物を用いる方法において
は、炭酸ニッケルなどの金属化合物は高価な工業用薬品
であり、コスト低減を妨げる一因ともなっている上、微
粉であるため発塵等の環境問題もあり、さらにこれら金
属化合物に通常含有されるナトリウム、カルシウム、塩
素、珪素などの不純物により、次のような問題も発生し
ている。
【0005】すなわち、ナトリウムは、めっき浴の電気
伝導度を向上させるため、過剰に存在すると「めっき焼
け」などの異常めっきの原因となる。カルシウムは、め
っき操業において消費されないため、めっき浴中に蓄積
され、飽和状態となると石膏として析出して配管閉塞な
どのトラブルを引き起こす。塩素は、めっき浴中の濃度
が高くなると、めっき密着性を低下させる。
【0006】また、珪素は、めっき浴中の濃度が高くな
ると、めっき浴中の鉄分と反応し、付着性の高い化合物
を生成してカルシウムと同様に配管閉塞などのトラブル
を引き起こす。このため、ニッケルイオン源として金属
化合物を使用するニッケル系電気めっき設備では、これ
らの不純物を除去するための専用の設備を設けるのが一
般的であるが、設備が複雑で、また設備の保守が種々必
要であるという問題があった。
【0007】一方、前記、の金属ニッケルを用いる
方法においては、金属ニッケルは、金属化合物と比較し
てニッケル単位重量当たりの価格が50〜60%と安価であ
り、その分工業的に有利である。しかし、の電気分解
によって金属ニッケルを溶解する方法の場合、電力費が
大であるばかりでなく、設備自体が大掛かりなものにな
るという問題があった。
【0008】また、の金属ニッケルをめっき液に接触
させて直接、化学溶解する方法は、コストや作業環境面
では問題がないが、本発明の対象とするZn−Ni合金
電気めっきなどに用いられるニッケル系めっき液の酸濃
度においては溶解速度が小さく、短時間に多量の金属ニ
ッケルを溶解させることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決し、金属ニッケルを金属ニッケ
ル溶解槽を使用して化学溶解する際の溶解速度を大きく
し、ニッケル系連続電気めっき設備の生産性向上、さら
には金属ニッケル溶解槽およびその付帯設備の小型化が
可能な、ニッケル系めっき液へのニッケルイオンの供給
方法および設備の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、不溶性陽
極を用いる金属帯のニッケル系電気めっき設備における
めっき液へのニッケルイオン供給方法において、供給原
料として、比表面積が0.01 〜1.0 m2/gの粒状および/
または薄片状の金属ニッケルを用い、金属ニッケル溶解
槽内の液温が70〜100 ℃、pHが1〜2に保持された酸
性めっき液中に飽和溶解量の2〜20倍の前記金属ニッケ
ルを含有せしめ、該酸性めっき液を攪拌することを特徴
とするめっき液へのニッケルイオン供給方法である。
【0011】本第1の発明においては、前記金属ニッケ
ル溶解槽内から未溶解金属ニッケル含有めっき液を抜き
出し、フィルタに供給し、フィルタ濾過液であるめっき
液を、めっき液受槽を経由して電気めっき槽に供給し、
フィルタ濾過残である未溶解金属ニッケルまたは金属ニ
ッケル濃縮めっき液を金属ニッケル溶解槽に循環し、再
溶解に供することが好ましい。
【0012】また、本第1の発明においては、前記フィ
ルタが軸方向に複数本の液通路を有する多孔質体で構成
されるフィルタであることが好ましい。さらに、本第1
の発明においては、前記めっき液受槽に移送されためっ
き液中のニッケルイオン濃度を測定し、電気めっき槽で
消費されたニッケルイオン量に相当するめっき液を前記
めっき液受槽から電気めっき槽へ供給することが好まし
い。
【0013】第2の発明は、不溶性陽極を使用する金属
帯のニッケル系電気めっき設備に配設しためっき液への
ニッケルイオン供給設備であって、該ニッケルイオン供
給設備が、電気めっき槽1にめっき液を循環供給するめ
っき液循環槽2と、該めっき液循環槽2から移送される
めっき液に金属ニッケルを溶解する金属ニッケル溶解槽
5と、該金属ニッケル溶解槽5から抜き出した未溶解金
属ニッケル含有めっき液を濾過するためのフィルタ7
と、該フィルタ7からの濾過液であるめっき液を貯蔵
し、前記めっき液循環槽2にめっき液を供給するための
めっき液受槽9と、前記フィルタ7からのフィルタ濾過
残である未溶解金属ニッケルまたは金属ニッケル濃縮め
っき液を前記金属ニッケル溶解槽5に移送するための未
溶解金属ニッケル移送手段8と、前記めっき液受槽9の
めっき液のニッケルイオン濃度測定装置16を備えたこと
を特徴とするめっき液へのニッケルイオン供給設備であ
る。
【0014】本第2の発明においては、前記フィルタ7
が軸方向に複数本の液通路を有する多孔質体で構成され
るフィルタであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明は、Zn−Ni合金電気めっき、Zn−Ni−Cr合
金電気めっきなどNi系電気めっきにおける酸性めっき液
中へのニッケルイオンの供給方法として好ましく適用さ
れる。
【0016】また、本発明は、前記の金属化合物を用
いる方法、およびの金属ニッケル電気分解法の問題点
を解決するため、金属ニッケルをめっき液に化学溶解さ
せることで、経済的かつ簡易な方法、設備でめっき液中
にニッケルイオンを迅速に供給可能な方法および設備で
ある。図3に本発明に係わる電気めっき設備を示す。
【0017】図3において、1は電気めっき槽、2はめ
っき液循環槽、3は昇温槽、4は金属ニッケル貯蔵ホッ
パ、5は金属ニッケル溶解槽、6は攪拌機、7はフィル
タ、8は未溶解金属ニッケル移送手段、9はめっき液受
槽、10、11、12はめっき液送給ポンプ、13は攪拌機用モ
ータ、14は昇温用熱交換器、15は冷却用熱交換器、16、
17、18はめっき液のニッケルイオン濃度測定装置、19は
鋼帯などの金属帯、20は金属帯の進行方向、21はバック
アップロール、22はコンダクタロール、23、24は不溶性
陽極を示す。
【0018】なお、めっき液のニッケルイオン濃度測定
装置16、17、18は、めっき液試料採集装置またはセンサ
のみを個別にめっき液受槽9、めっき液循環槽2、昇温
槽3に付設し、測定装置本体は1台で兼用しても良く、
制限はされない。以下、図3に基づき本発明のめっき液
へのニッケルイオン供給方法および装置について説明す
る。
【0019】ニッケルイオン含有めっき液は、電気めっ
き槽1とめっき液循環槽2の間を循環する。鋼帯などの
金属帯19は、電気めっき槽1において下記式(1) の反応
に従って電気めっきを施され、その際めっき液中のニッ
ケルイオン濃度が減少する。 Ni2++2e- →Ni ・・・・(1) めっき液循環槽2から抜き出した硫酸酸性めっき液など
の酸性めっき液は、めっき液送給ポンプ10により、昇温
槽3へ移送し、蒸気ヒータ、電熱ヒータなどから構成さ
れる昇温用熱交換器14により昇温後、金属ニッケル溶解
槽(以下溶解槽と記す)5に供給する。
【0020】溶解槽5においては、金属ニッケル貯蔵ホ
ッパ4から投入した金属ニッケルをめっき液中でインペ
ラ型またはポンプ型などの攪拌機6による攪拌条件下、
下記式(2) 、(3) に従い化学溶解し、めっき液中にニッ
ケルイオンを供給する。 Ni→Ni2++2e- ・・・・(2) 2H+ +2e- →H2 ↑・・・(3) 溶解槽5から間隔をおいて、または連続的に抜き出した
未溶解金属ニッケル含有めっき液は、めっき液送給ポン
プ11により、フィルタ7に移送し、フィルタ濾過液であ
るめっき液は、めっき液受槽9、めっき液循環槽2を経
由してめっき液送給ポンプ12等により電気めっき槽1へ
供給する。
【0021】なお、めっき液はめっき液受槽9の冷却用
熱交換器15により、電気めっき槽1における好ましいめ
っき液温度まで冷却する。また、本発明においては、前
記めっき液受槽9に移送されためっき液およびめっき液
循環槽2のめっき液、各々のニッケルイオン濃度を、ニ
ッケルイオン濃度測定装置16、17により測定し、電気め
っき槽1で消費されたニッケルイオン量に相当するめっ
き液を、めっき液受槽9からめっき液循環槽2を経由し
て電気めっき槽1へ供給することが好ましい。
【0022】なお、めっき液循環槽2内のめっき液ニッ
ケルイオン濃度を測定する代わりに、昇温槽3内のめっ
き液ニッケルイオン濃度を、ニッケルイオン濃度測定装
置18により測定した方が、より精度良い濃度制御が可能
であり、より好ましい。一方、フィルタ濾過残である未
溶解金属ニッケルまたは未溶解金属ニッケル含有めっき
液(以下金属ニッケル濃縮めっき液と記す)は、コンベ
ア、スクリューフィーダまたはポンプなどの未溶解金属
ニッケル移送手段8により金属ニッケル溶解槽5に循環
し、再溶解に供する。
【0023】なお、金属ニッケル溶解槽5に循環する前
記未溶解金属ニッケルの状態としてはスラリー状のもの
も含む。以下、本発明の好適な態様およびその作用につ
いて述べる。前記したように、電気めっき槽の陽極とし
て不溶性陽極を用いた場合、ニッケルイオンを外部から
補給する必要があるが、そのニッケルイオンの補給を、
金属ニッケルの酸性めっき液への化学溶解により行うの
が本発明の方式である。
【0024】しかし、金属ニッケルは、例えばpH:1
〜2の酸性めっき液に対して、その溶解速度が小さいた
め、溶解速度を上げるために、本発明においては、比表
面積が 0.01 〜1.0m2/g の粒状および/または薄片状の
金属ニッケルを原料として用い、該金属ニッケルを、溶
解槽内の液温が70〜100 ℃、pHが1〜2に保持された
酸性めっき液中に投入、溶解する。
【0025】金属ニッケルの比表面積が 0.01m2/g 未満
の場合、金属ニッケルとめっき液との接触面積が小さ
く、目標とした溶解速度が得られず、逆に1.0m2/g を超
える金属ニッケルを製造することは難しく、また微粉金
属取扱い時の安全性の面および経済性の面から金属ニッ
ケルの比表面積を前記の範囲に限定した。金属ニッケル
溶解槽内のめっき液温度が70℃未満の場合、目標とした
溶解速度が得られず、逆に100 ℃を超える場合、めっき
液が沸騰し、溶解槽の構造の複雑化、溶解槽内壁などの
腐食が著しくなるため、金属ニッケル溶解槽5内のめっ
き液温度を前記の範囲に限定した。
【0026】なお、溶解槽内のめっき液温度を70〜100
℃に調節する方法としては、(1)前記の図3に示され
るとおり、溶解槽5の前段に昇温槽3または昇温装置
(図示せず)を配置し、予め70〜100 ℃に調節しためっ
き液を断熱材を施工した溶解槽内に供給する方式、
(2)溶解槽に加熱装置(図示せず)を設け、めっき液
温度を70〜100 ℃に調節する方法、および(3)溶解槽
の前段の昇温槽3または昇温装置でめっき液を予熱し、
かつ溶解槽5に加熱装置を設け、めっき液温度を70〜10
0 ℃に調節する方法などが例示され、好ましくは、
(1)の前記の図3に示される昇温槽方式が、温度制御
性に優れるため好ましい。
【0027】また、溶解槽5内のめっき液のpHは1〜
2に保持する。これは、めっき液のpHが1未満の場
合、該めっき液をめっき液循環槽2へ送液すると、電気
めっき槽のめっき液pHの低下を招きめっき効率が著し
く低下するためであり、2を超えた場合、金属Niの溶
解速度が著しく低下するためである。
【0028】めっき液のpH調節としては、硫酸など酸
の添加、蒸発法または電気透析法による濃縮法などを用
いることができ、特に制限はされない。溶解槽における
溶解操作は、(1)めっき液および金属ニッケルを所定
量溶解槽に仕込んだ後、攪拌、溶解し、溶解後、未溶解
金属ニッケル含有めっき液を溶解槽から抜き出しフィル
タリングするバッチ式、(2)めっき液および金属ニッ
ケルを連続的に供給し、並行して未溶解金属ニッケル含
有めっき液を溶解槽から抜き出しフィルタリングする連
続式、(3)溶解槽へのめっき液の供給、金属ニッケル
の投入、未溶解金属ニッケル含有めっき液の溶解槽から
の抜き出し及びフィルタリングの少なくともいずれか一
つを連続的に行い、他の少なくともいずれか一つを間隔
をおいて行う方式など種々の操作方式が可能である。
【0029】前記した種々の操作方式のうち、一定のニ
ッケル濃度のめっき液を連続して供給でき、しかも撹
拌、溶解、抜き出し、フィルタリングを同時に行うた
め、ロスタイムがなく効率がよいという理由で()の
方式が好ましいが、これらの溶解操作方式に制限される
ものではない。次に、めっき液中の金属ニッケル含有量
について述べる。
【0030】溶解槽における金属ニッケルの溶解におい
て、溶解操作前または溶解中の金属ニッケルの投入量
は、必要溶解量だけとし、全て溶解するまで攪拌するこ
とにより、未溶解金属ニッケルの残留を防止することも
可能であるが、前記のとおり金属ニッケルのめっき液へ
の溶解速度は小さく、金属ニッケルが全て溶解するには
相当の時間を要するため、本発明においては、金属ニッ
ケルは、必要溶解量に対して過剰量を投入する。
【0031】すなわち、溶解槽内の液温が70〜100 ℃、
pHが1〜2に保持された酸性めっき液中に飽和溶解量
の2〜20倍、さらに好ましくは5〜10倍の前記金属ニッ
ケルを含有せしめることが好ましい。溶解槽内のめっき
液中の金属ニッケルの含有量が飽和溶解量の2倍未満の
場合、溶解速度が低下し、逆に20倍を超えた場合、未溶
解金属ニッケルの分離・回収に時間を要し、好ましくな
い。
【0032】なお、溶解槽内のめっき液中に飽和溶解量
の2〜20倍の金属ニッケルを含有せしめるための金属ニ
ッケルの投入量は、下記のようにして求められる。すな
わち、前記バッチ方式、連続方式などいずれの場合も、
溶解時間をt(hr)、溶解槽の有効容積(=めっき液を保
有可能な容積)をV、溶解槽単位容積(=有効単位容
積)当たりの飽和溶解量をW0 (kg/m3 )としたとき、
初回の金属ニッケルの投入量W(kg)は下記式(4) で示さ
れる。
【0033】W=α×0 ×V ・・・・・(4)ここで、α=2〜20である。 バッチ式の場合、2回目以
降の投入量Wi (kg)は下記式(4−1)で示される。 W i =(a−a0 )×V ・・・・・・(4−1) ここで、a;めっき液受槽9内のめっき液ニッケルイオ
ン濃度(kg/m3) 、a0;電気めっき槽1内のめっき液ニ
ッケルイオン濃度(=めっき液循環槽2内のめっき液ニ
ッケルイオン濃度)または昇温槽3内のめっき液ニッケ
ルイオン濃度(kg/m3) である。
【0034】連続式の場合、溶解槽へ投入する金属ニッ
ケル投入速度VW (kg/hr) は下記式(4−2)で示される。 VW =(a−a0 )×f ・・・・・(4−2) ここで、f;溶解槽からフィルタ濾過されてめっき液受
槽9へ送り出されるめっき液流量(m3/hr) である。
【0035】すなわち、例えば前記バッチ方式、連続方
式などいずれの場合も、予め前記式(4) から導かれる金
属ニッケル量W(kg)が常に溶解槽内で一定となるよう
に、溶解前および/または溶解中に投入し、溶解時間t
の間に溶解を行う。溶解操作後にまたは溶解中に溶解槽
5から抜き出した未溶解金属ニッケル含有めっき液は、
めっき液送給ポンプ11によりフィルタ7に移送する。
【0036】本発明においては、未溶解金属ニッケルを
めっき液と共にフィルタに移送して分離し、金属ニッケ
ルを溶解槽へ循環、再溶解することにより、金属ニッケ
ルのロスおよびフィルタ内の詰まりを防止することが可
能となった。フィルタ濾過液であるめっき液は、めっき
液受槽9を経由し、またはめっき液受槽9に一旦貯蔵
し、必要量をめっき液循環槽2を経由して電気めっき槽
1に供給し、電気めっき槽中のめっき液のニッケルイオ
ン濃度の制御を行う。
【0037】また、フィルタ濾過残である未溶解金属ニ
ッケルまたは金属ニッケル濃縮めっき液は金属ニッケル
溶解槽5に循環し、再溶解に供する。なお、フィルタ7
としては、図4に例示する軸方向に複数本の液通路を有
する多孔質体で構成されるフィルタ(以下クロスフロー
方式のフィルタと記す)が好ましい。
【0038】図4は、クロスフロー方式のフィルタ25の
構造を示す斜視図である。図4において、26はフィルタ
エレメント、27は貫通孔(ルーメン)を示す。クロスフ
ロー方式のフィルタ25は、ポーラスなセラミックス製の
円柱体をなすフィルタエレメント26にその長手方向(=
軸方向)に複数の貫通孔(ルーメン)27を設けたもので
ある。
【0039】クロスフロー方式のフィルタ25に供給され
た未溶解金属ニッケル含有めっき液は、ルーメン27の中
を通過する間に、その一部がフィルタエレメント26によ
り濾過されてフィルタ濾過めっき液となるが、残りのめ
っき液はルーメン27中を未溶解金属ニッケルと共に素通
りしてフィルタ濾過残、すなわち金属ニッケル濃縮めっ
き液またはスラリーとして金属ニッケル溶解槽に循環さ
れる。
【0040】本発明においては、クロスフロー方式のフ
ィルタを採用することにより、未溶解の金属ニッケルは
フィルタ中に堆積しないでめっき液とともにルーメン27
中を通過するため、溶解槽5とフィルタ7との間を循環
する図3に示すような溶解槽5からフィルタ7への送液
経路および未溶解金属ニッケル移送手段8の経路を設け
ることにより、金属ニッケルの溶解と未溶解金属ニッケ
ルの分離・回収、再溶解を連続的に行うことが可能とな
り、設備を全体的にコンパクトにすることが可能とな
る。
【0041】また、フィルタで回収したフィルタ濾過残
である未溶解金属ニッケルまたは金属ニッケル濃縮めっ
き液は、金属ニッケル溶解槽5に循環し、再溶解に供す
ることにより、金属ニッケルのニッケルイオンへの歩留
りを100 %とすることが可能となる。クロスフロー方式
のフィルタの前記多孔質体としては、例えばアルミナお
よび/またはシリカを主成分とするセラミック材が好ま
しく、さらにはアルミナ系セラミック材が好ましい。
【0042】アルミナおよび/またはシリカを主成分と
するセラミック材の場合、フィルタ濾過液であるめっき
液への未溶解金属ニッケルの混入が防止可能となり、め
っき時の金属帯への金属ニッケル微粒子の付着が防止で
き、めっき品質が向上する。さらに、多孔質体として、
アルミナおよび/またはシリカを主成分とするセラミッ
ク材を用いた場合、微細な未溶解金属ニッケルの分離性
が向上し、溶解槽5に供給する金属ニッケルの粒径を従
来よりかなり小さくできるため、金属ニッケルの溶解速
度が上がり、効率のよい溶解作業が可能となる。
【0043】溶解操作後にまたは溶解中に、時間の間隔
をおいて、または連続的に溶解槽5より抜き出し、フィ
ルタにより濾過された濾液であるめっき液は、めっき液
受槽9に移送し、好ましくはめっき液受槽9に一旦貯蔵
し、めっき液中のニッケルイオン濃度を均一化し、めっ
き液受槽のめっき液中のニッケルイオンの濃度測定を行
った後、電気めっき槽1に必要量を供給し、電気めっき
槽1中のめっき液のニッケルイオン濃度の制御を行うこ
とが好ましい。
【0044】この場合、電気めっき槽1に供給するめっ
き液量v(m3)は下記式 (5)で算出する。 v=X/(a−a0 )・・・・・・・(5) ここで、X;ニッケルイオン減少量(kg)、a;めっき液
受槽9内のめっき液ニッケルイオン濃度(kg/m3) 、
0 ;電気めっき槽1内のめっき液ニッケルイオン濃度
(=めっき液循環槽2内のめっき液ニッケルイオン濃
度)または昇温槽3内のめっき液ニッケルイオン濃度(k
g/m3) である。
【0045】なお、前記Xは、後記に示すとおり、め
っき液循環槽2内のめっき液ニッケルイオン濃度の測定
値の経時変化と電気めっき槽1内のめっき液量および
めっき液循環槽2内のめっき液量の合計値の両者から求
めることができる。本発明によれば、ニッケルイオン供
給原料として、比表面積が 0.01 〜1.0m2/g の粒状およ
び/または薄片状の金属ニッケルを、金属ニッケル溶解
槽内の液温が70〜100 ℃、pHが1〜2に保持された酸
性めっき液中に飽和溶解量の2〜20倍含有せしめ、攪拌
下、化学溶解せしめることにより、目標とする高い溶解
速度を達成することが可能となった。
【0046】また、本発明においては、好ましくはアル
ミナおよび/またはシリカを主成分とする多孔質体、よ
り好ましくはアルミナを主成分とする多孔質体から構成
されるクロスフロー方式のフィルタを併用することによ
り、金属ニッケルの溶解と未溶解金属ニッケルの分離・
回収、再溶解を連続的かつ迅速に行うことが可能とな
り、設備を全体的にコンパクトにすることが可能となっ
た。
【0047】また、フィルタ濾過液であるめっき液への
未溶解金属ニッケルの混入が防止可能となり、めっき時
の金属帯への金属ニッケル微粒子の付着が防止でき、め
っき品質が向上する。さらに、微細な未溶解金属ニッケ
ルの分離性が向上し、溶解槽5に供給する金属ニッケル
の粒径を従来よりかなり小さくできるため、金属ニッケ
ルの溶解速度が上がり、効率のよい溶解作業が可能とな
った。
【0048】また、本発明においては、図3に示すよう
に、電気めっき槽1およびめっき液循環槽2と別個に設
けためっき液受槽9を用いてめっき液中のニッケルイオ
ン濃度の制御を行うことにより、例えば亜鉛−ニッケル
合金電気めっきなどのニッケル系合金電気めっきにおい
て、めっき品質に大きな影響を及ぼすめっき皮膜中のニ
ッケル含有率が極めて正確に制御でき、めっき品質の管
理が極めて容易となる効果を有する。
【0049】
【実施例】次に本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。 (実施例1)前記した図3の電気めっき設備において金
属ニッケルの溶解実験を行った。すなわち、金属ニッケ
ル溶解槽5へ投入する金属ニッケルの比表面積を種々変
えて、金属ニッケル比表面積と金属ニッケル溶解速度と
の関係を、溶解槽内めっき液温度:90℃、めっき液p
H:1.5 の条件下で調査した。
【0050】なお、比表面積;SA(m2/g)は、マイクロ
トラックで平均粒径を測定し、その結果から下記式(6)
により算出した。 SA=〔6/(Dp ・ρ)〕×10-6 ・・・・(6) ここで、Dp ;金属ニッケル平均粒径(m) 、ρ;金属ニ
ッケルの密度(g/cm3)である。
【0051】結果を図1に示す。図1より、比表面積が
大きくなる程、すなわち平均粒径が小さくなる程、金属
ニッケル溶解速度が大きくなること、また特に比表面積
が 0.01 m2/g以上となると急激に溶解速度が大きくなる
ことが分かる。また、目標溶解速度:4kg/m3・hrを得
るためには、比表面積を 0.01 m2/g以上とする必要があ
ることが分かった。
【0052】次に、溶解槽内のめっき液温度を種々変え
て、溶解槽内めっき液温度と金属ニッケル溶解速度との
関係を、めっき液pH:1.5 、金属ニッケル比表面積:
0.07m2/gの条件下で調査した。結果を図2に示す。図2
より、溶解槽内めっき液温度が高くなる程、金属ニッケ
ル溶解速度が大きくなり、溶解槽内めっき液温度を70℃
以上とすることにより、目標溶解速度:4kg/m3・hrを
得ることが可能であることが分かった。
【0053】(実施例2)実施例1で得られた実験結果
に基づく本発明の1実施例を、図3により説明する。先
ず、ニッケルイオン濃度が減少したpH:1〜2のめっ
き液(例えば、pH:1.5 、Ni:65wt%、Zn:25wt%、
H2SO4:10wt%のZn−Ni系合金電気めっき液)が、めっき
液循環槽2から昇温槽3へ、めっき液送給ポンプ10によ
り移送される。
【0054】昇温槽3に移送されためっき液は、蒸気ヒ
ータなどから構成される昇温用熱交換器14により、70〜
100 ℃の温度に昇温される。昇温槽3で昇温されためっ
き液は、金属ニッケル溶解槽5へ移送され、インペラ型
の攪拌機6で攪拌される。一方、比表面積が 0.01 〜1.
0m2/g の範囲内の金属ニッケル粉、例えば比表面積が
0.1m2/gの金属ニッケル粉が、めっき液の組成、温度に
よって決まる金属ニッケル飽和溶解量、例えば4〜10kg
/m3 の2〜20倍の量、例えば10倍の量になるように、初
回に金属ニッケル貯蔵ホッパ4より金属ニッケル溶解槽
5内のめっき液中に投入される。
【0055】金属ニッケル溶解槽5においては、金属ニ
ッケルが酸性めっき液中で前記式(2) 、(3) に従い化学
溶解し、めっき液中にニッケルイオンを供給する。金属
ニッケル溶解量、溶解時間は、金属ニッケル溶解槽5の
有効容積、投入金属ニッケル比表面積、投入金属ニッケ
ル量、溶解槽内めっき液温度、溶解槽内めっき液pHの
設定、投入金属ニッケルの種類の選択などによって目標
値を達成するように制御できる。
【0056】また、溶解槽内のめっき液中では、前記式
(2) の反応と同時に前記式(3) の反応が生じ、水素イオ
ンが消費され、水素イオンが全て消費されると未溶解金
属ニッケルが存在していても反応がそれ以上進まなくな
るので、水素イオン消費量によって決めてもよい。本発
明においては、例えば金属ニッケルの溶解槽有効単位容
積当たりの飽和溶解量が6 kg/m3、目標溶解所要時間が
15〜20min の場合、溶解槽5の有効容積:15m3、金属ニ
ッケル投入量:1000kg、溶解槽内めっき液温度:90℃、
めっき液pH:1.5 、投入金属ニッケル粉の比表面積:
0.1m2/g とすることにより、前記金属ニッケルの飽和溶
解量、目標溶解所要時間を達成することができる。
【0057】飽和量の金属ニッケル溶解完了後または溶
解操作中に、未溶解の金属ニッケルは、めっき液ととも
にめっき液送給ポンプ11によりフィルタ7へ移送する。
フィルタとしては、前記の図4に示すクロスフロー方式
のフィルタが好ましい。クロスフロー方式のフィルタ25
としては、例えばミリポアセラフロー(商品名、日本ミ
リポア(株)社製)が例示される。
【0058】表1に濾過条件を含めた仕様を示す。表1
に示すとおり、多孔質体としてアルミナ系セラミックス
材を用いることにより、高温、低pHのめっき液の条件
下でもニッケル系めっき液中の未溶解金属ニッケルが効
率良く濾過可能となった。フィルタ7で濾過されたフィ
ルタ濾過液であるめっき液は、めっき液受槽9へ移送す
る。
【0059】また、フィルタ7で捕集されたフィルタ濾
過残またはクロスフロー方式のフィルタの貫通孔27を通
過したフィルタ濾過残(粒径≧0.2 μm )である未溶解
金属ニッケルは、コンベアまたはスクリューフィーダま
たはポンプなどで構成される未溶解金属ニッケル移送手
段8で金属ニッケル溶解槽5へ循環し、再溶解に供せら
れる。
【0060】めっき液受槽9に貯蔵しためっき液は、冷
却用熱交換器15で電気めっき槽1での最適めっき液温度
まで冷却する。なお、電気めっき槽の最適めっき液温度
は、Zn−Ni系合金電気めっきの場合、50〜70℃、より好
ましくは55〜65℃である。また、別途、めっき液受槽9
内のめっき液およびめっき液循環槽2内のめっき液また
は昇温槽3内のめっき液、各々のニッケルイオン濃度
を、ニッケルイオン濃度測定装置16、17または18により
測定する。
【0061】ニッケルイオン濃度測定装置16、17、18の
測定方法は、例えば蛍光X線分析が例示されるが、特に
制限されるものではない。また、めっき液試料を必要に
応じて予め濾過し、比重測定を行いニッケルイオン濃度
を測定する方法を用いることもできる。得られためっき
液受槽9内およびめっき液循環槽2内または昇温槽3内
のめっき液のニッケルイオン濃度の測定結果から前記式
(5) に従って算出しためっき液量vのめっき液を、めっ
き液受槽9からめっき液送給ポンプ12によりめっき液循
環槽2を経由して電気めっき槽1へ供給する。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、めっき液へのニッケル
イオン供給源を比表面積 0.01 〜1.0m 2/g の金属ニッケ
ルとし、該金属ニッケルを70〜100 ℃に昇温した酸性め
っき液中に飽和溶解量の2〜20倍含有せしめ化学溶解す
ることにより、化学溶解する際の溶解速度を大きくで
き、ニッケル系連続電気めっき金属帯の生産性向上、さ
らには金属ニッケル溶解槽およびその付帯設備の小型化
が可能となり、経済的なニッケルイオンの供給が可能と
なった。
【0064】また、金属ニッケル溶解槽から抜き出した
未溶解金属ニッケル含有めっき液の濾過用フィルタとし
て、特に、セラミック材からなる多孔質体から構成され
るクロスフロー方式のフィルタを併用することにより、
下記〜の効果を得ることができた。 金属ニッケルの溶解と未溶解金属ニッケルの分離・回
収、再溶解を連続的、かつ迅速に行うことが可能とな
り、設備をさらに小型化することが可能となった。
【0065】フィルタ濾過液であるめっき液への未溶
解金属ニッケルの混入が防止可能となり、めっき時の金
属帯への金属ニッケル微粒子の付着が防止でき、めっき
品質が向上する。 微細な未溶解金属ニッケルの分離性が向上し、溶解槽
に供給する金属ニッケルの粒径を従来よりかなり小さく
できるため、金属ニッケルの溶解速度が上がり、さらに
効率のよい溶解作業が可能となった。
【0066】さらに、本発明によれば、電気めっき槽お
よびめっき液循環槽と別個に設けためっき液受槽を用い
てめっき液中のニッケルイオン濃度の制御を行うことに
より、例えば亜鉛−ニッケル合金電気めっきなどのニッ
ケル系合金電気めっきにおいて、めっき品質に大きな影
響を及ぼすめっき皮膜中のニッケル含有率が正確に制御
でき、めっき品質の管理が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属ニッケルの比表面積と金属ニッケル溶解速
度との関係を示すグラフである。
【図2】金属ニッケル溶解槽内のめっき液温度と金属ニ
ッケル溶解速度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係わる電気めっき設備の概略説明図で
ある。
【図4】クロスフロー方式のフィルタの構造を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 電気めっき槽 2 めっき液循環槽 3 昇温槽 4 金属ニッケル貯蔵ホッパ 5 金属ニッケル溶解槽 6 攪拌機 7 フィルタ 8 未溶解金属ニッケル移送手段 9 めっき液受槽 14 昇温用熱交換器 15 冷却用熱交換器 16、17、18 ニッケルイオン濃度測定装置 19 金属帯 21 バックアップロール 22 コンダクタロール 23、24 不溶性陽極 25 クロスフロー方式のフィルタ 26 フィルタエレメント 27 貫通孔(ルーメン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田野口 一郎 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平7−268696(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 21/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不溶性陽極を用いる金属帯のニッケル系
    電気めっき設備におけるめっき液へのニッケルイオン供
    給方法において、供給原料として、比表面積が 0.01 〜
    1.0 m2/gの粒状および/または薄片状の金属ニッケルを
    用い、金属ニッケル溶解槽内の液温が70〜100 ℃、pH
    が1〜2に保持された酸性めっき液中に飽和溶解量の2
    〜20倍の前記金属ニッケルを含有せしめ、該酸性めっき
    液を攪拌することを特徴とするめっき液へのニッケルイ
    オン供給方法。
  2. 【請求項2】 前記金属ニッケル溶解槽内から未溶解金
    属ニッケル含有めっき液を抜き出し、フィルタに供給
    し、フィルタ濾過液であるめっき液を、めっき液受槽を
    経由して電気めっき槽に供給し、フィルタ濾過残である
    未溶解金属ニッケルまたは金属ニッケル濃縮めっき液を
    金属ニッケル溶解槽に循環し、再溶解に供することを特
    徴とする請求項1記載のめっき液へのニッケルイオン供
    給方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタが軸方向に複数本の液通路
    を有する多孔質体で構成されるフィルタである請求項2
    記載のめっき液へのニッケルイオン供給方法。
  4. 【請求項4】 前記めっき液受槽に移送されためっき液
    中のニッケルイオン濃度を測定し、電気めっき槽で消費
    されたニッケルイオン量に相当するめっき液を前記めっ
    き液受槽から前記電気めっき槽へ供給することを特徴と
    する請求項2または3記載のめっき液へのニッケルイオ
    ン供給方法。
  5. 【請求項5】 不溶性陽極を用いる金属帯のニッケル系
    電気めっき設備に配設しためっき液へのニッケルイオン
    供給設備であって、該ニッケルイオン供給設備が、電気
    めっき槽1にめっき液を循環供給するめっき液循環槽2
    と、該めっき液循環槽2から移送されるめっき液に金属
    ニッケルを溶解する金属ニッケル溶解槽5と、該金属ニ
    ッケル溶解槽5から抜き出した未溶解金属ニッケル含有
    めっき液を濾過するためのフィルタ7と、該フィルタ7
    からの濾過液であるめっき液を貯蔵し、前記めっき液循
    環槽2にめっき液を供給するためのめっき液受槽9と、
    前記フィルタ7からのフィルタ濾過残である未溶解金属
    ニッケルまたは金属ニッケル濃縮めっき液を前記金属ニ
    ッケル溶解槽5に移送するための未溶解金属ニッケル移
    送手段8と、前記めっき液受槽9のめっき液のニッケル
    イオン濃度測定装置16を備えたことを特徴とするめっき
    液へのニッケルイオン供給設備。
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