JP3016556B2 - 磁気記憶装置及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記憶装置及び磁気記録媒体の製造方法

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JP3016556B2 JP10128607A JP12860798A JP3016556B2 JP 3016556 B2 JP3016556 B2 JP 3016556B2 JP 10128607 A JP10128607 A JP 10128607A JP 12860798 A JP12860798 A JP 12860798A JP 3016556 B2 JP3016556 B2 JP 3016556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び
それを用いた磁気記憶装置に係り、さらに詳細には、ハ
ードディスク、フロッピーディスク等のようにヘッドが
一時的あるいは定常的に接触するタイプの磁気記録媒体
及び磁気記憶装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】たとえば、大型計算機、パーソナルコン
ピュータ、ネットワークサーバ、ムービーサーバ、モバ
イルPC等の大容量記憶装置として使用される磁気記録
ディスク(以下、磁気ディスクと称する)は、円板状の
基板の上にコバルト合金などの強磁性薄膜がスパッタ法
などにより形成され、その上に、耐摺動性、耐食性を高
めるために、保護膜、潤滑膜が形成されている。
【0003】近年、磁気記憶装置の大容量化にともなっ
て、磁気ディスクの記録密度の向上が求められている。
現在用いられている薄膜面内磁気記憶装置では、一般
に、高速回転する磁気記録円板と、回転時に起きる空気
の流れを用いた、いわゆるエアベアリングによって一定
の浮上量を保ちつつ、書き込み読み出し動作を行う磁気
記録再生ヘッド(以下、記録再生ヘッドと称する)を備
えている。これらの磁気記憶装置では、記録再生動作を
行う素子と、磁性膜の間隔が狭くなるほど、記録再生信
号のS/N比(ノイズ強度に対する信号強度比)が向上
することが知られている。そのため、結果的に面記録密
度を高くすることができ、大容量の磁気記憶装置が可能
となる。
【0004】しかし、浮上量を下げることは、記録再生
ヘッドの浮上姿勢や浮上量を不安定にし、結果的に部分
的に磁気ディスクと打撃的に接触し、発生した電磁的な
衝撃により読み取り用の磁気抵抗効果型ヘッド(以下、
MRヘッドと称する)を壊したり、瞬間的に上がる温度
(フラッシュ温度)によってノイズが発生するなどの弊
害があった。特に、磁気ディスクの回転速度を上げるこ
とにより、読み取り、書き込みの動作時間を短くするこ
とができるが、磁気ディスクの回転速度を上げて、安定
な低浮上量を実現することは困難であった。
【0005】この様な問題を解決する手段として、たと
えば特開平9−180148号公報に開示されるよう
に、接触パッドを備えた磁気ヘッドスライダとそれを支
持するサスペンション、サスペンションを支持するばね
支持機構を備えた接触式磁気ディスク装置が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術(特
開平9−180148号公報)では、サスペンションば
ねの長さを5mm以下にすることによって、シーク時に
発生する振動の振幅を低減でき、平均摩耗厚さと最大跳
躍量を低減することができる。しかし、10000rp
m以上の高速回転領域では、跳躍量が増大し、安定な浮
上姿勢は困難になる傾向があった。また、高速回転領域
では磁気ヘッドスライダの摩耗損傷が激しくなり、フラ
ッシュ温度によるノイズも増大する傾向があった。
【0007】本発明の目的は、10000rpm以上の
高速回転領域においても安定な低浮上量を保ち、良好な
記録再生特性を持つ磁気記録媒体を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、20ギガビット/平方インチ
の高い記録密度においても高い装置S/Nと低いビット
エラー数を持つ磁気記憶装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、部分
的(間欠的)に接触する記録再生ヘッドに一定の制御さ
れた上下動を行わせ、高速回転時には一定の低浮上量を
保つことで前記目的を達成する。すなわち、本発明の磁
気記録媒体は、摩擦係数が略一定波長、略一定振幅で変
動するような潤滑膜層を持ち、記録再生ヘッドが部分接
触状態(断続的に接触する状態)で走行することによ
り、微小な水平方向の変動が支持バネによって、磁気記
録媒体に対して垂直方向の変動に変換され、安定した低
浮上状態となる。
【0009】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板の上
に設けられた磁気記録膜と、保護膜と、潤滑膜層とを備
える磁気記録媒体において、潤滑膜層は、摩擦係数がト
ラック方向に位置の関数として変動することを特徴とす
る。潤滑膜層の摩擦係数は、磁気記録媒体の回転状態で
磁気ヘッドから見たとき、トラック方向に略一定周期、
かつ略一定振幅で変動するものとすることができる。摩
擦係数の周期あるいは振幅は、5%以下の変化率で一定
であるのが好ましい。
【0010】磁気記録媒体のトラック方向に変動する摩
擦係数の変動波長は、磁気記録媒体の停止状態で2μm
以下であることが望ましい。摩擦係数の変動波長が2μ
mを超えると、磁気記録媒体を高速で回転させても、記
録再生ヘッドの垂直方向の変動の振動数が十分に高くな
らず、安定な浮上状態が得られない。磁気記録媒体のト
ラック方向に変動する摩擦係数としては、その振幅の2
分の1が、摩擦係数の平均値の5%以上95%以下であ
ることが望ましい。5%未満であると、もともとの平均
値の長周期の揺らぎ(円周方向の表面状態や多層膜の膜
厚のばらつきによる)の中に摩擦力の変動による振動が
埋もれてしまい、記録再生ヘッドの垂直方向の振動が安
定な振動状態とならない。また、振幅の2分の1が平均
値の95%より高いような表面の摩擦係数の分布は、現
実的に作成することが困難である。なぜならば、摩擦係
数の平均値が小さいときに、振幅の極小点は0に近くな
ってしまうからである。振幅の2分の1のさらに望まし
い範囲としては、その平均値の20%以上、50%以下
である。これは、この範囲が表面の摩擦係数の分布の形
成のしやすさと安定な振動状態の両立の最もしやすい範
囲であるからである。
【0011】磁気記録媒体のトラック方向に略一定波
長、かつ略一定振幅で摩擦係数が変動するような潤滑膜
層は、保護膜上に均一に形成された潤滑膜に、摩擦係数
の変動位置に合わせてレーザー光を照射することによっ
て、例えば直径1μm以下に集光したレーザー光をトラ
ック方向に2μm以下の中心間隔で照射することによっ
て形成される。これは、あらかじめ潤滑剤溶液に保護膜
まで形成した磁気記録媒体を浸漬し、一定速度で引き上
げることにより、まず保護膜上に均一な潤滑剤薄膜を形
成しておき、レーザー光を集光照射することで、局所的
に反応させ、保護膜に固定する。そして、その磁気記録
媒体をフッ素系溶剤でリンス処理すると、レーザー光の
照射されたところのみが、周りに比べて摩擦係数の低い
表面となるわけである。
【0012】ここで、磁気記録媒体の基板は、アルミニ
ウム・マグネシウム合金基板、ガラス基板、グラファイ
ト基板などの非磁性基板が使用される。アルミニウム・
マグネシウム合金基板には、表面をニッケル・リンでメ
ッキしてもよい。基板を回転させながら、ダイヤモンド
砥粒や研磨用テープを押し当てることにより、基板上を
平坦にし、ヘッドの走行特性を向上させる処理を行って
もよい。ここで、表面の中心線粗さRaとしては、保護
膜のレベルで、1nm以下であることが望ましい。ガラ
ス基板においては、強酸などの薬品により表面を化学的
にエッチングして、平坦化することなどが行われる。
【0013】磁気記録媒体の基板上には、磁気記録膜を
成膜する前に記録膜の磁気特性を良好なものにするため
に、クロムなどの下地膜をスパッタ法などで成膜しても
よい。また、ガラス基板やセラミック基板を使うときに
は、磁化容易軸を面内配向させ、磁気特性を向上させる
ために、下地膜成膜の前にコバルト・クロム合金を5n
m以下の膜厚でプリコートさせることも有効である。
【0014】磁気記録膜は、コバルト・ニッケル、コバ
ルト・クロム、コバルト・クロムにプラチナ、タンタ
ル、バナジウム、サマリウムなどを少量混ぜたものが使
われる。磁気記録膜の形成法としては、これらの合金タ
ーゲットをアルゴンを使ったスパッタ法で基板に形成す
る方法が一般的である。磁気記録膜の膜厚としては、磁
気特性の点から10nm以上、40nm以下がよい。媒
体は、保護膜が2kOe(エルステッド)以上で、磁性
層膜厚tと残留磁束密度Brの積であるBr・tが10
〜130G・μm(ガウス・ミクロン)の範囲にあるこ
とが望ましい。保磁力が1.8kOeよりも小さくなる
と、高記録密度(150kFCI以上)での出力が小さ
くなり、好ましくない。また、Br・tが130G・μ
mより大きくなると、分解能が低下し、10G・μmよ
りも小さくなると出力が小さくなりすぎるため、20ギ
ガビット/平方インチの高記録密度を行ったときに十分
な記録再生特性が得られない。
【0015】保護膜としては、非晶質炭素、ケイ素含有
非晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭
素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び立方晶窒化ホウ
素のいずれかが好適に使用される。これら非晶質炭素保
護膜の形成方法としては、グラファイトをターゲットと
した不活性ガス中、あるいは不活性ガスとメタンなどの
炭化水素ガスの混合ガス中のスパッタリングによって形
成する方法や、炭化水素ガス、アルコール、アセトン、
アダマンタンなどの有機化合物を単独あるいは水素ガ
ス、不活性ガスなどを混合してプラズマCVDにより形
成する方法、あるいは有機化合物をイオン化して電圧を
かけて加速し、基板に衝突させて形成する方法などがあ
る。さらには、出力の高いレーザー光をレンズで集光
し、グラファイト等のターゲットにあてるアブレーショ
ン法によって保護膜を形成してもよい。
【0016】保護膜の上には、耐摺動特性を良好なもの
にするために、潤滑剤が塗布される。潤滑剤としては、
フッ素を含有するポリエーテル系高分子、なかでも主鎖
構造が炭素、フッ素、酸素の3つの元素からなるパーフ
ルオロポリエーテル系高分子潤滑剤が用いられる。フッ
素置換アルキル化合物を潤滑剤として用いることもでき
る。安定な摺動と耐久性のあるものならば、他の有機系
潤滑剤や無機系潤滑剤を用いてもよい。これらの潤滑剤
は、溶液塗布が一般的である。さらに、地球温暖化を防
ぐため、あるいは工程簡略化のために、溶剤を使わない
光CVD法によって潤滑膜を形成してもよい。光CVD
法は、フッ化オレフィンと酸素の気体原料に紫外光を照
射することによって行われる。潤滑剤の膜厚としては、
平均値として0.5〜3nmが適当である。それより薄
いと、潤滑特性が低下するし、厚くなるとメニスカス力
が大きくなり、ヘッドと磁気記録媒体の静摩擦力(ステ
ィクション)が大きくなって好ましくない。
【0017】本発明の磁気記録媒体と、記録トラックの
法線方向からみてクランク型あるいはZ字型の形を有す
る支持バネによって磁気記録媒体に押さえつけられてい
る記録再生ヘッドを組み合わせ、記録再生ヘッドが部分
接触状態で走行させることによって、一定周期の摩擦係
数の変動が微小な水平方向の制御された変動となり、そ
れが支持バネの形状によって磁気記録媒体に対して垂直
方向の一定周期、一定振幅の変動に変換される。磁気記
録媒体を高速で回転させることにより、この垂直方向の
変動は、安定な浮上状態となる。ここでクランク型とは
曲げ角度が90°のものをいい、Z字型とは曲げ角度が
鋭角になっているものをいう。
【0018】すなわち、本発明による磁気記憶装置は、
磁気記録媒体と、記録部と再生部とを備える記録再生ヘ
ッドと、記録再生ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運
動させる駆動手段と、記録再生信号処理手段とを含む磁
気記憶装置において、磁気記録媒体は、非磁性基板の上
に設けられた磁気記録膜と、保護膜と、磁気記録媒体の
回転状態で磁気ヘッドから見たとき、摩擦係数がトラッ
ク方向に略一定周期、かつ略一定振幅で変動する潤滑膜
層とを備え、記録再生ヘッドは、トラックの法線方向か
らみてクランク型あるいはZ字型の形を有する支持バネ
によって磁気記録媒体に押さえつけられていることを特
徴とする。
【0019】磁気ヘッドスライダの磁気記録媒体に接す
る面の形状としては、曲率半径5mm以上100mm以
下の球面あるいは楕円面がよい。磁気ヘッドスライダの
材質といては、酸化アルミニウム・チタンカーバイドが
よいが、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、チタン酸カル
シウムなどを用いてもよい。さらに、磁気ヘッドスライ
ダの磁気記録媒体に接する面には、より耐摺動特性を良
好にするために非晶質炭素、水素化非晶質炭素、窒素、
ホウ素の含有した非晶質炭素などを10nm以下の膜厚
で形成することも行われる。
【0020】磁気ヘッドを磁気記録媒体に押さえつける
荷重としては、5mN以下がよい。それよりも荷重が高
いと、安定した垂直方向の変動が得られず、また、磁気
記録媒体の表面に摩耗が生じる。磁気記録媒体は、記録
再生時において、3500rpm以上100000rp
m以下の回転数で回転するものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、磁気記録媒体として
は、磁気ディスク(ハードディスク)を用いたが、本発
明は、フロッピーディスク、光磁気ディスク、磁気テー
プなど部分接触状態で記録ヘッドと記録媒体が接してい
るような記録媒体にも適用できる。 <実施の形態1>図1は、本発明による磁気記録媒体の
一例である磁気ディスクと磁気記録ヘッドの概略図であ
り、(a)は平面摸式図、(b)は磁気ディスクの一部
分の拡大図(概念図)である。磁気ディスク1の上に
は、同心円状の記録トラックが形成されており、支持バ
ネ4によって支持された磁気記録再生ヘッド3を用いて
その情報の記録再生動作を行う。このトラックの一部分
2を拡大したものが図1(b)であり、トラック上に
は、摩擦係数の低い領域5が一定間隔で形成されてい
る。
【0022】図2は、トラックの法線方向、つまり、磁
気ディスクを水平にしたときの半径方向から見た磁気デ
ィスクと磁気記録再生ヘッドの摸式図を示した。磁気記
録再生ヘッドのスライダは、材質が酸化アルミニウム−
チタンカーバイドで表面に水素化非晶質炭素が4nmの
膜厚でコーティングされ、曲率半径30mmの球面状形
状を持っている。静止状態では、磁気記録再生ヘッドの
スライダは、磁気ディスク1に荷重2.5mNで接して
いる。支持バネ4は、クランクあるいZ字型である。ク
ランク型とは、図示の角度θが90°の支持バネをい
い、Z字型とは、図示の角度θが鋭角である支持バネを
いう。このような形状の支持バネ4は、7のようなトラ
ック方向の変動をうけて、8のように変動し、さらにZ
字型の形状によって9のように垂直成分の変動に変換す
ることができる。この結果、磁気記録再生ヘッド3は、
垂直方向に微小な変動をするようになる。
【0023】この例の磁気ディスクは、次のような方法
で製造した。まず、周知の連続スパッタ装置により、直
径65mmのガラス基板上に厚さ30nmのCr−15
at%Ti下地膜、厚さ25nmのCo−16at%C
r−4at%Ta合金磁性膜、厚さ20nmのスパッタ
カーボン保護膜を順次形成した。磁気ディスクの表面の
中心線粗さRaは、保護膜のレベルで、0.5nmであ
った。このように作成した磁気ディスクの静磁気特性
は、保磁力が2.9kOe、残留磁束密度・膜厚積は8
2G・μm、保磁力角形比は、0.65であった。
【0024】その後、磁気ディスクを連続成膜装置から
取り出して、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を2n
mの厚さで溶液塗布した。その後、ネオジウム−イット
リウム・アルミニウム・ガーネット(Nd:YAG)固
体レーザーの三倍高調波(波長355nm)を直径1μ
mに集光して2μmの中心間隔でトラック上に照射し
た。その後、当該磁気ディスクをフッ素系溶剤でリンス
した。その後、高感度反射赤外分光法によって潤滑剤層
の平均膜厚を測定すると、1nmであった。
【0025】図3に、当該磁気ディスクのトラック方向
の摩擦力の変動を摩擦力顕微鏡でみた結果を示す。図3
からわかるように、当該磁気ディスクのトラック方向に
1μmの摩擦力の低い部分が中心間隔2μmで連続して
いる。そのトラック方向に変動する摩擦係数の振幅の2
分の1は、摩擦係数の平均値の29%であった。この磁
気ディスクを回転速度1rpmで回転させたときの磁気
記録再生ヘッドの浮上量をレーザー干渉計によって測定
し、その出力をオシロスコープで観測した結果を図4に
示す。図4からわかるように、磁気記録再生ヘッドは、
約1.1kHzの振動数で垂直方向に変動している。当
該磁気ディスクの回転数をさらに10000rpmにあ
げて、磁気記録再生ヘッドの浮上量を同様に観測した結
果を図5に示した。高速に回転したことによって、もは
や図4のような変動は見えず、4nmの安定な浮上状態
になることがわかった。
【0026】図6は、本発明による磁気記憶装置の一例
を示す概略図であり、図6(a)は平面摸式図、図6
(b)はそのAA’縦断面摸式図である。この磁気記憶
装置は、磁気記録媒体10と、これを回転駆動する駆動
部11と、磁気ヘッド12及びその駆動手段13と、磁
気ヘッド12の記録再生信号処理手段14を有してなる
周知の構造を持つ磁気記憶装置である。
【0027】この磁気記憶装置に用いた磁気ヘッド素子
12の構造の摸式図を図7に示す。この磁気ヘッドは、
基体21の上に形成された記録用の電磁誘導型磁気ヘッ
ドと再生用の磁気抵抗効果型ヘッドを組み合わせた録再
分離型ヘッドである。磁気抵抗センサ15を下部シール
ド層16と上部シールド記録磁極兼用層17で挟んだ部
分が再生ヘッドとして働き、コイル18を挟む上部シー
ルド記録磁極兼用層17と上部記録磁極19が記録ヘッ
ドとして働く。磁気抵抗センサ15からの出力信号は電
極パターンを介して外部に取り出す。
【0028】図8に、磁気抵抗センサの縦断面構造を示
す。この磁気抵抗センサは、シールド層と磁気抵抗セン
サ間のギャップ層22の上に形成された強磁性材料の薄
膜磁気抵抗性導電層24と、この薄膜磁気抵抗性導電層
を単磁区とするための反強磁性磁区制御層23と、上記
薄膜磁気抵抗性導電層の感磁部25における薄膜磁気抵
抗性導電層と反強磁性磁区制御層の間の交換相互作用を
断ち切るための非磁性層26と、感磁部25に対するバ
イアス磁界を発生できる手段として軟磁性層もしくは永
久磁石バイアス層28と、軟磁性層もしくは永久磁石バ
イアス層28と薄膜磁気抵抗性導電層24の間の電流分
流比を調節するための高抵抗層27を含む。
【0029】この磁気ディスクと磁気記録再生ヘッドか
らなる磁気記憶装置を用いて、磁気記録再生特性を測定
した。トラック方向の線記録密度500kBPI、トラ
ック密度40kTPI(面記録密度20ギガビット/平
方インチ)で面内記録を行った結果、装置S/N比とし
て4.5を達成した。本磁気記憶装置の内部データ転送
速度は、最大114Mバイト/秒であった。内周から外
周までのヘッドシーク試験10億回後のビットエラー数
は10ビット面であり、平均故障間隔は30万時間であ
った。 <実施の形態2>本実施の形態では、実施の形態1と同
様の磁気ディスクと記録再生ヘッドを用いた。ただし、
ヘッドの荷重を3mNとした。
【0030】実施の形態1と同様に回転速度10000
rpmで浮上量をレーザー干渉計で測定すると、4.5
nmであった。実施の形態1と同様の面記録密度で記録
再生試験を行ったところ、装置のS/N比4.3を達成
した。本磁気記憶装置の内部データ転送速度は、最大1
14Mバイト/秒であった。内周から外周までのヘッド
シーク試験10億回後のビットエラー数は10ビット面
であり、平均故障間隔は30万時間であった。 <実施の形態3>本実施の形態では、実施の形態1と同
様の磁気ディスクと記録再生ヘッドを用いた。ただし、
磁気ディスクの回転数を20000rpmとした。
【0031】実施の形態1と同様に浮上量をレーザー干
渉計で測定すると、5nmであった。実施の形態1と同
様の面記録密度で記録再生試験を行ったところ、装置の
S/N比4.1を達成した。内周から外周までのヘッド
シーク試験10億回後のビットエラー数は10ビット面
であり、平均故障間隔は30万時間であった。本磁気記
憶装置の内部データ転送速度は、最大202Mバイト/
秒であった。本実施の形態は、とくに高速のデータ転送
が必要な用途に使用される磁気記憶装置に最適である。
【0032】<比較例1>保護膜までは、実施の形態1
と同等の磁気ディスクを形成し、潤滑膜はパーフルオロ
ポリエーテル系潤滑剤を1nmの厚さで溶液塗布した。
この磁気ディスクとエアベアリング型のスライダ(酸化
アルミニウム−チタンカーバイト製、水素化非晶質炭素
4nmコート付)に直線型の支持バネをつけた磁気記録
再生ヘッドを組み合わせて磁気記憶装置を作製した。実
施の形態1と同等の面記録密度、回転速度で磁気記録再
生特性を測定すると、装置S/Nは2.2であった。本
磁気記憶装置の内部データ転送速度は、最大85Mバイ
ト/秒であった。内周から外周までのヘッドシーク試験
10億回後のビットエラー数は800ビット面であり、
平均故障間隔は4万時間であった。
【0033】<比較例2>本比較例では、比較例1と同
様の磁気ディスク、磁気記録再生ヘッドを組み合わせて
磁気記憶装置を形成した。ただし、ヘッドの荷重を3m
Nとした。実施の形態2と同等の面記録密度、回転速度
で磁気記録再生特性を測定すると、装置S/Nは1.9
であった。本磁気記憶装置の内部データ転送速度は、最
大80Mバイト/秒であった。内周から外周までのヘッ
ドシーク試験10億回後のビットエラー数は900ビッ
ト面であり、平均故障間隔は4万時間であった。
【0034】<比較例3>本比較例では、比較例1と同
様の磁気ディスク、磁気記録再生ヘッドを組み合わせて
磁気記憶装置を形成した。ただし、磁気ディスクの回転
数を20000rpmとした。実施の形態3と同等の面
記録密度、回転速度で磁気記録再生特性を測定すると、
装置S/Nは1.6であった。本磁気記憶装置の内部デ
ータ転送速度は、最大109Mバイト/秒であった。内
周から外周までのヘッドシーク試験10億回後のビット
エラー数は1000ビット面であり、平均故障間隔は
2.2万時間であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によると、高速回転領域において
も安定な低浮上量を保ち、良好な記録再生特性が実現で
き、また20ギガビット/平方インチの高い記録密度に
おいても高い装置S/N比と低いビットエラー数を持つ
磁気記憶装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ディスクと磁気記録再生ヘッ
ドの説明図であり、(a)は平面摸式図、(b)はトラ
ックの一部分の拡大図(概念図)。
【図2】トラックの法線方向からみた磁気ディスクと磁
気記録再生ヘッドの摸式図。
【図3】摩擦力顕微鏡で見た磁気ディスクのトラック方
向の摩擦力の変動を示す図。
【図4】回転速度1rpm時のレーザー干渉計による磁
気記録ヘッド浮上量の変動を示す図。
【図5】回転速度10000rpm時のレーザー干渉計
による磁気記録ヘッド浮上量の変動を示す図。
【図6】本発明による磁気記憶装置の一例を示す概略図
であり、(a)は平面摸式図、(b)はそのAA’縦断
面摸式図。
【図7】磁気ヘッド素子付近の断面構造を示す立体摸式
図。
【図8】磁気ヘッドの磁気抵抗センサ部の縦断面構造の
摸式図。
【符号の説明】
1…磁気ディスク、2…トラックの一部分、3…磁気記
録再生ヘッド、4…支持バネ、5…トラック上の摩擦係
数の低い領域、6…磁気ディスクの回転方向、7…磁気
記録再生ヘッドの摩擦係数の変動による水平方向の微動
の方向、8…支持バネの微動の方向、9…支持バネのク
ランク部の微動の方向、10…磁気記録媒体、11…磁
気記録媒体駆動部、12…磁気ヘッド、13…磁気ヘッ
ド駆動部、14…記録再生信号処理系、15…磁気抵抗
センサ、16…下部シールド層、17…上部シールド記
録磁極兼用層、18…コイル、19…上部記録磁極、2
0…導体層、21…基体、22…シールド層と磁気抵抗
センサ間のギャップ層、23…反強磁性磁区制御層。2
4…薄膜磁気抵抗性導電層、25…薄膜磁気抵抗性導電
層の感磁部、26…非磁性層、27…高抵抗層、28…
軟磁性層もしくは永久磁石バイアス層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−57245(JP,A) 特開 昭64−82321(JP,A) 特開 昭63−188821(JP,A) 特開 平10−49803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/82 G11B 5/72 G11B 5/84 G11B 11/105 G11B 21/21

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体と、記録部と再生部とを備え
    る記録再生ヘッドと、前記記録再生ヘッドを前記磁気記
    録媒体に対して相対運動させる駆動手段と、記録再生信
    号処理手段とを含む磁気記憶装置において、 前記記録再生ヘッドは前記磁気記録媒体に部分接触状態
    で走行し、前記磁気記録媒体は、非磁性基板の上に設け
    られた磁気記録膜と、保護膜と、 磁気記録媒体の回転状
    態で磁気ヘッドから見たとき、摩擦係数がトラック方向
    に略一定周期、かつ略一定振幅で変動する潤滑膜層とを
    備えることを特徴とする磁気記憶装置
  2. 【請求項2】前記トラック方向に変動する摩擦係数の変
    動波長が2μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記憶装置
  3. 【請求項3】前記トラック方向に変動する摩擦係数の振
    幅の2分の1が、前記摩擦係数の平均値の5%以上95
    %以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    気記憶装置
  4. 【請求項4】磁気記録媒体と、記録部と再生部とを備え
    る記録再生ヘッドと、前記記録再生ヘッドを前記磁気記
    録媒体に対して相対運動させる駆動手段と、記録再生信
    号処理手段とを含む磁気記憶装置において、 前記磁気記録媒体は、非磁性基板の上に設けられた磁気
    記録膜と、保護膜と、磁気記録媒体の回転状態で磁気ヘ
    ッドから見たとき、摩擦係数がトラック方向に略一定周
    期、かつ略一定振幅で変動する潤滑膜層とを備え、 前記記録再生ヘッドは、トラックの法線方向からみてク
    ランク型あるいはZ字型の形を有する支持バネによって
    前記磁気記録媒体に押さえつけられていることを特徴と
    する磁気記憶装置。
  5. 【請求項5】前記記録再生ヘッドは、5mN以下の荷重
    によって押さえつけられていることを特徴とする請求項
    記載の磁気記憶装置。
  6. 【請求項6】前記記録再生ヘッドの前記磁気記録媒体に
    接する面が、曲率半径5mm以上100mm以下の球面
    あるいは楕円面であることを特徴とする請求項4又は5
    記載の磁気記憶装置。
  7. 【請求項7】前記磁気記録媒体が、記録再生時におい
    て、3500rpm以上100000rpm以下の回転
    数で回転することを特徴とする請求項4,5又は6記載
    の磁気記憶装置。
  8. 【請求項8】非磁性基板の上に設けられた磁気記録膜
    と、保護膜と、潤滑膜層とを備え、前記潤滑膜層は、磁
    気記録媒体の回転状態で磁気ヘッドから見たとき、摩擦
    係数がトラック方向に略一定周期、かつ略一定振幅で変
    動する磁気記録媒体の製造方法において、 保護膜上に潤滑膜を形成する工程と、前記潤滑膜に摩擦
    係数の変動位置に合わせてレーザー光を照射する工程と
    を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記レーザー光を照射する工程は、前記潤
    滑膜に直径1μm以下に集光したレーザー光をトラック
    方向に2μm以下の中心間隔で照射する工程を含むこと
    を特徴とする請求項記載の磁気記録媒体の製造方法。
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