JP3016354U - 植樹壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 自然環境を破壊することなく、構築後には山
林のように充分な緑で覆われ、しかも防音効果、遮音効
果あるいは吸音効果が考慮され、かつ長期間にわたって
強固に構築される植樹壁を提供する。 【構成】 原型傾斜部１の下端部外側に埋設形成された
基礎２上に設けられ、原型傾斜部１の傾斜角と略同等に
傾斜する基底面３を有する基底部材４と、基底部材上
に、複数個積み重ねられる植樹壁形成ユニット５とを備
えて植樹壁基本体となし、上側に積み重ねる植樹壁形成
ユニットは、下側の植樹壁形成ユニットと同等の大きさ
か小型の大きさとされてなり、積み重ねられた植樹壁形
成ユニットの中央空隙部には土砂類１０が充填されると
共に、外側に露出する土砂類１０には複数の草木１１が
植樹される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植樹壁構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より各種擁壁の構造が提案され、構築されているが、自然環境を破壊する ことなく、構築後には山林のように充分な緑で覆われ、しかも防音効果が考慮さ れ、かつ長期間にわたって強固に構築されてなる等の要求を満たすいわゆる植樹 壁構造は提案されておらず、そのような要求を満たす植樹壁構造の開発が要請さ れていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かくして、本考案は前記従来からの要請に答えるべく開発されたものであり、 自然環境を破壊することなく、構築後には山林のように充分な緑で覆われ、しか も防音効果、遮音効果あるいは吸音効果が考慮され、かつ長期間にわたって強固 に構築される植樹壁構造を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる植樹壁構造は、原型傾斜部１の下端部外側に埋設形成された基 礎２と、 該基礎２上に設けられ、前記原型傾斜部１の傾斜角と略同等に傾斜する基底面 ３を有する基底部材４と、 前記基底部材４上に、複数個積み重ねられる植樹壁形成ユニット５と、 を備えて植樹壁基本体１３となし、 前記植樹壁形成ユニット５は、平行に並設され、略下駄の刃状をなす一対の脚 部６、６と、 該一対の脚部６、６と連結し、該脚部６、６の両端上面から脚部６、６と略直 交する方向に延出し、かつ幅方向先端側に向かって上り勾配で立ち上がる立ち上 がり部７を有する一対の張り出し片８ａ、８ｂと、を有して形成され、 上側に積み重ねる植樹壁形成ユニット５は、下側の植樹壁形成ユニット５と同 等の大きさか小型の大きさとされてなり、 積み重ねられた植樹壁形成ユニット５の中央空隙部９には土砂類１０が充填さ れると共に、外側に露出する前記充填された土砂類１０には複数の草木１１が植 樹されて、該草木１１が植樹壁形成ユニット５における外側の張り出し片８ａの 覆い隠しを可能とし、かつ草木の根は前記空隙部９内で前記基底部材４近傍位置 まで延出可能とされたことを特徴として構成されている。

【０００５】

【作用】

本考案にかかる植樹壁構造では、特殊な形状をなす植樹壁形成ユニット５・・ ・を積み重ねて植樹壁基本体１３となしている。 そして、その植樹壁基本体１３に土砂類１０を充填して、該土砂類１０に複数 本の草木１１・・・を植樹してある。

【０００６】 ここで、積み重ねられた植樹壁形成ユニット５・・・は最適な日射が得られる 様、また上方からの雨水がスムーズに下方へ流れ、全体に行き渡るように構築さ れており、これにより、植樹された草木１１は短期間で生育する。よって、短期 間で植樹壁形成ユニット５・・・覆い尽くし、一般の山林と全く変わらない自然 環境となる。

【０００７】 また、生育した草木１１・・・が騒音を吸収することとなり、防音壁、遮音壁 あるいは吸音壁の役目をも果たすことにもなる。

【０００８】

【実施例】

以下、図に基づいて本考案に係る実施例を説明する。 図１において、符号１は原型傾斜部を示す。該原型傾斜部１は予め形成されて いるものであり、既設の上り急勾配を有して形成されている。 そして、この原型傾斜部１の下端部外側にはコンクリートで形成された基礎２ が設けられている。

【０００９】 この基礎２は図１から理解されるように、原型傾斜部１側は厚く、その外側に 向かっては薄く形成されている。 また、この基礎２上にはコンクリート等で形成された基底部材４が設けられて いる。 該基底部材４には、前記原型傾斜部１の上り急勾配をなす傾斜角と略同等の傾 斜角を有する基底面３がその上端に形成されている。

【００１０】 しかして、この基底面３上には複数の植樹壁形成ユニット５・・・が積み重ね られて載置される。 ここで、前記植樹壁形成ユニット５は図２から理解されるように、平行に並設 され、かつその基端から下端側に向かって略下駄の刃状をなす一対の脚部６、６ が設けられ、またこの一対の脚部６、６と一体に形成され、該脚部６、６の両端 の上面から脚部６と略直交する方向に延出し、かつ幅方向先端側に向かって上り 勾配で立ち上がる立ち上がり部７を有する一対の張り出し片８ａ、８ｂを備えて 形成されている。

【００１１】 よって、この植樹壁形成ユニット５にはその中央部に上方から下方側に向かっ て貫通する中央空隙部９が設けられることとなる。 さらに、該植樹壁形成ユニット５は、図１のように積み重ねられるが、積み重 ねられる上方の植樹壁形成ユニット５は下方に位置する植樹壁形成ユニット５よ り小型のものかあるいは同等の大きさのものとしてある。

【００１２】 そして、複数段積み重ねられた植樹壁形成ユニット５・・・は、図１から理解 されるように、前述した原型傾斜部１の傾斜と略同等の傾斜を有するものとされ ている。 さらに、植樹壁形成ユニット５の積み重ねにおいては、傾斜する原型傾斜部１ 側は略直線状に揃えられ、外側は略階段状になるよう積み重ねてある。

【００１３】 この様な積み重ねにより、植樹壁基本体１３の重心は原型傾斜部１側へより、 原型傾斜部１とこの植樹壁基本体１３との間に土砂類１０が充填され、その土砂 類１０により外側へ押圧されても、前記植樹壁形成ユニット５・・・を積み重ね て形成した植樹壁基本体１３が倒壊することがない。 以上において次に、積み重ねられた植樹壁形成ユニット５・・・で形成された 植樹壁基本体１３内の中央空隙部９、外側張り出し片８ａの内側位置１２及び前 述の如く積み重ねられた植樹壁形成ユニット５・・・と原型傾斜部１との間に土 砂類１０を充填する。

【００１４】 次いで図１から理解されるように、外側に露出する前記充填した土砂類１０に 複数本の草木１１・・・が植樹される。 しかして、前記の様に植樹壁基本体１３の外側は略階段状とされていることか ら、充填された土砂類１０は外側部で充分その露出面積が確保され、そこに多く の草木１１を植樹出来ると共に、その草木１１に良好な日射を与えることが出来 る。

【００１５】 この様に、本考案では、植樹された草木１１・・・が良好な日照が得られるよ う考察された傾斜角が考えられ、かつ降雨時には上方からの雨水がスムーズに下 方側に流れ、植樹された草木１１全体に行き渡るよう構成されているのである。 よって、植樹された草木１１は短期間のうちに、積み重ねられた植樹壁形成ユ ニット５・・を覆い尽くし、特に植樹壁形成ユニット５・・・の外側張り出し片 ８ａは全く外部から認識できない様になる。

【００１６】 しかして、この様な植樹壁であると、各種騒音を反射させることなく、前記草 木１１が吸収することになり、防音壁、遮音壁あるいは吸音壁との機能も有する ことになる。 また、自然環境を破壊することなく、緑に富んだ自然的な植樹壁にしうる。 さらに、植樹された複数本の草木１１・・・は基底部材４の近傍位置まで深く 根をはるものとなり、それにより一層強固な植樹壁を構築できる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の植樹壁によれば、自然環境を破壊することなく、 構築後には短期間で山林のように充分な緑で覆われ、しかも前記草木での防音効 果、遮音効果あるいは吸音効果が考慮され、かつ長期間にわたって強固に構築さ れる等の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の概略構成説明図である。

【図２】 植樹壁形成ユニットを示す概略構成説明図で
ある。

【図３】 植樹壁の構築状態を示す説明図（その１）で
ある。

【図４】 植樹壁の構築状態を示す説明図（その２）で
ある。

【図５】 植樹壁の構築状態を示す説明図（その３）で
ある。

【図６】 植樹壁の構築状態を示す説明図（その４）で
ある。

【図７】 植樹壁基本体の構成を説明する説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 原型傾斜部 ２ 基礎 ３ 基底面 ４ 基底部材 ５ 植樹壁形成ユニット ６ 脚部 ７ 立ち上がり部 ８ａ 外側張り出し片 ８ｂ 内側張り出し片 ９ 中央空隙部 １０ 土砂類 １１ 草木 １２ 外側張り出し片の内側位置 １３ 植樹壁基本体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原型傾斜部（１）の下端部外側に埋設形
   成された基礎（２）と、 該基礎（２）上に設けられ、前記原型傾斜部（１）の傾
   斜角と略同等に傾斜する基底面（３）を有する基底部材
   （４）と、 前記基底部材（４）上に、複数個積み重ねられる植樹壁
   形成ユニット（５）と、 を備えて植樹壁基本体（１３）となし、 前記植樹壁形成ユニット（５）は、平行に並設され、略
   下駄の刃状をなす一対の脚部（６、６）と、 該一対の脚部（６、６）と連結し、該脚部（６、６）の
   両端上面から脚部（６、６）と略直交する方向に延出
   し、かつ幅方向先端側に向かって上り勾配で立ち上がる
   立ち上がり部（７）を有する一対の張り出し片（８ａ、
   ８ｂ）と、を有して形成され、 上側に積み重ねる植樹壁形成ユニット（５）は、下側の
   植樹壁形成ユニット（５）と同等の大きさか小型の大き
   さとされてなり、 積み重ねられた植樹壁形成ユニット（５）の中央空隙部
   （９）には土砂類（１０）が充填されると共に、外側に
   露出する前記充填された土砂類（１０）には複数の草木
   （１１）が植樹されて、該草木（１１）が植樹壁形成ユ
   ニット（５）における外側の張り出し片（８ａ）の覆い
   隠しを可能とし、かつ草木の根は前記空隙部（９）内で
   前記基底部材（４）近傍位置まで延出可能とされたこと
   を特徴とする植樹壁構造。