JP3015885U - 折り畳み式簡易便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 収納・運搬・設置が容易であり、水や電気の
供給が停止した際にも利用し得る折り畳み式簡易便器を
安価にて提供すること。 【構成】 ２つの支柱を回動自在に組み合わせて折り畳
み可能とした脚部と、底部にシートフレームを備えた便
座とからなり、前記支柱の一方は前記シートフレーム又
は便座と回動可能に連結し、前記シートフレームには前
記支柱の他方と係合する係止片が取り付けられており、
更に、前記シートフレーム又は便座にはネット又は籠が
張設され、且つ、該ネット又は籠には交換可能な汚物収
納袋が備えてある構成の折り畳み式簡易便器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、災害の被災地やキャンプ場など、公衆トイレが存在せず、或いは、 存在しても使用が不可能な状態にある場面において、特に利用される折り畳み式 簡易便器に係る。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、様々な簡易便器や仮設トイレが建築現場やイベント会場などにおい て設置し利用されているが、その多くはトイレボックスの組み立てが必要なもの であったり、汚物の洗浄に水洗式を採用するものであるため、これを組み立て、 他所から水を引き、或いは、貯水タンクを併設しなければならないなど、その設 置に多くの手間や時間を要するものばかりであった。しかしながら、最近発生し た阪神大地震が示すように、水道、電気、ガスといった公共資源の供給が完全に ストップした場面においては、このような従来の簡易便器や仮設トイレでは全く 対応することはできなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題とするところは、設置や運搬、収納が容易であり、万が一、水や 電気の供給がストップした場合であっても、トイレ内だけでなく、家庭や病院、 キャンプ地などいかなる場面においても、直ちに利用に資することのできる折り 畳み式の簡易便器を、安価にて提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る折り畳み式簡易便器では、前記課題を解決するための手段として 、第１及び第２の支柱を同一回転軸上で回動可能に連結してなる折り畳み可能な 脚部と、底部にシートフレームを備えた便座とからなり、前記第１又は第２の支 柱の一方は前記シートフレーム又は便座の一部とで回動可能に連結しており、前 記シートフレームには前記脚部を開脚した際に前記第１又は第２の支柱の他方と 係合する係止片が取り付けられている折り畳み式簡易便器、また、前記シートフ レーム又は便座のいずれか一方には、便座の開口部全体を囲繞するネット又は籠 が張設されている前記の折り畳み式簡易便器、更に、前記ネット又は籠には交換 可能な汚物収納袋が備え付けられている前記の折り畳み式簡易便器を提案するも のである。

【０００５】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示す概略斜視図、図２は便座とネットの取付位置関係 を示す概略斜視図、図３はネットを取り付けた便座と汚物収納袋の取付位置関係 を示す概略斜視図である。１は脚部、２は第１の支柱、３は第２の支柱、４は連 結片、５は便座、６はフック、７はシートフレーム、８は係止片、９はネット、 １０は受具、１１は汚物収納袋、１２はネジである。

【０００６】 本考案で提案する折り畳み式簡易便器は、図１に示すとおり、第１の支柱２と 第２の支柱３の組み合わせからなる折り畳み可能な脚部１と、底部にシートフレ ーム７を備えた便座５、及び、シートフレーム７に取り付けられた係止片８を基 本的な構成とするものである。先ず、脚部１を構成する第１の支柱２及び第２の 支柱３は、図では略コ字状に形成されているが、結果として脚部１を開閉し得る ものであれば、その形状については限定しない。また、その材質については、強 度の点から鉄やアルミなどの採用が望ましいが、ステンレスや木材を用いること も可能であり、格別これに限定するものではない。第１の支柱２の一部にはシー トフレーム７と回動可能に連結するための連結片４が取り付けられている。便座 ５の底部にはシートフレーム７が備え付けてあり、シートフレーム７には脚部１ を開脚した際に第２の支柱３の一部と係合して、開脚を支持するための係止片８ が取り付けられている。便座５については、その材質は限定しないが、重量や肌 触りの点から木製やプラスチック製が望ましい。シートフレーム７については、 前記脚部１と同様、強度の点から鉄やアルミの採用を予定しているが、ステンレ スや木材でも構わない。シートフレーム７を備えた便座５は、図ではシートフレ ーム７の一部と第１の支柱２に取り付けられた連結片４とで、ネジ１２によって 回動可能に連結されているが、便座５に連結具（図示しない）を設け、これと第 １の支柱２を直接連結することも可能である。また、便座の向きによっては、第 ２の支柱３上に連結片４を取り付け、シートフレーム７の一部とネジ１２によっ て連結することも可能であり、その場合は、当然のことながら、係止片８は第１ の支柱２の一部と係合することになる。

【０００７】 本考案に係る折り畳み式簡易便器では、図２に示すとおり、便座５の開口部全 体を囲繞するようなネット９を張設した構成も実施を予定している。図では、便 座５の底部に設けた合計４個のフック６に、ネット９の開口部付近に設けた受具 １０を引っかける構成としてあるが、フック６をシートフレーム７上に設けたり 、また、受具１０を設けず、ネット９を便座５の底部に直接ビス止めすることも 可能であり、その取り付け方法については、図示したものに限定しない。ネット ９については、汚物収納袋１１の落下を防止し得るものであれば良く、その材質 や形状については限定しない。また、図ではネット９が張設されているが、これ に代わる籠を張設しても良い。

【０００８】 本考案に係る折り畳み式簡易便器では、図３に示すとおり、ネット９を取り付 けた便座５の開口部に汚物収納袋１１をセットした構成についても実施を予定し ている。汚物収納袋１１は便座５から容易に取外し、交換することが可能であり 、図に示すように、開口部を広げ、便座５の表面全体を覆うようにセットして使 用することが望ましい。そうすることで、便座５と直接肌を接することがないた め、他人の肌との接触を回避し、常に清潔を維持することができる。汚物収納袋 １１については、ポリ塩化ビニールや防水加工を施した紙袋などの採用を予定し ているが、汚物の漏洩を防止し得るものであれば、格別これに限定するものでは ない。なお、図示しないが、現実の利用に際しては、汚物収納袋１１の内部に防 臭・防菌効果を有する凝固材を封入しておくことも予定している。

【０００９】 次に、本考案に係る折り畳み式簡易便器を用いて、用を足す場合の手順につい て説明すると、以下のとおりである。先ず、折り畳んである本考案の便器を取り 起こし、図１の矢印が示すように、第１の支柱２と第２の支柱３を開脚し、便座 ５を倒しながら、シートフレーム７上に取り付けられた係止片８を第２の支柱３ の一部とで係合させて、脚部１の開脚を安定的に支持させる。その際、便座５の 底部に備え付けられたシートフレーム７の一部が、第１の支柱２に設けられた連 結片４とでネジ１２によって回動可能に連結しているため、便座５はネジ１２を 中心として係止片８が第２の支柱３の一部と係合するまで回転することになる。 かくして、使用可能な状態に立設されたら、使用者は便座５上に腰を下ろし、用 を足すことになる。

【００１０】 また、ネット９を張設し、汚物収納袋１１をセットした場合の本考案に係る折 り畳み式簡易便器では、前記したように、便器本体を使用可能な状態に立設した ところで、先ず、図２に示すように、便座５の底部に設けられたフック６にネッ ト９の受具１０を引っかける。次いで、図３に示すように、汚物収納袋１１を便 座５の開口部内部に落とし込み、汚物収納袋９の開口部を広げて便座５の表面全 体を覆うようにセットする。かくして、使用可能な状態となったところで、使用 者は便座５の表面全体を覆う汚物収納袋１１上に腰を下ろし、用を足すことにな る。その際、ネット９が便座５の開口部全体を囲繞するように張設されているた め、誤って汚物収納袋１１の便座５から外れた場合であっても、その落下を防止 することができる。また、汚物収納袋１１を便座５の表面全体を覆うようにセッ トするため、他人の肌との接触を回避することができ、常に清潔を維持すること ができる。また、汚物収納袋１１内に防臭・防菌効果を有する凝固剤（図示しな い）を封入しておくことも可能である。更に、汚物収納袋１１の開口部付近に接 着テープ等の閉止手段（図示しない）を設けることで、使用後、汚物収納袋１１ を捨てた際に、汚物の漏洩を防止することができる。かくして、用便が終了した ところで、汚物収納袋１１を便座５から取り外し、汚物が漏洩しないよう、開口 部を閉止して捨てるだけでよい。なお、防臭・防菌効果を有する凝固材（図示し ない）を用いた場合は、通常の生ごみとして捨てることができるため、汚物処理 の問題をも解消することができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る折り畳み式簡易便器は、収納や組立が容易 な折り畳み可能な構成としたことで、従来の簡易便器や仮設トイレには見られな い高い利便性を発揮することができた。また、ネット９と汚物収納袋１１を用い ることで、水道や電気の供給が完全にストップした場合であっても、直ちに使用 することが可能であり、災害などの非常時に即座に対応することができる。また 、汚物収納袋１１のセットにより、便座５への汚物の付着や、他人の肌との接触 を回避することができるため、このような非常時においても、常に清潔な状態を 維持することが可能である。また、１回の使用毎に汚物収納袋５を交換するため 、他人への汚物の露呈や臭気の発散に気を遣う必要もない。更に、便座５又はシ ートフレーム７のいずれかにネット９が張設されているため、誤って汚物収納袋 １１が外れても、便座５の下部への落下や、それによる汚物の漏洩を防止するこ とができる。なお、本考案に係る折り畳み式簡易便器は、水道や電気の供給がス トップした場合において、トイレ内部の便器に蓋をし、その上にセットして使用 することで、他人の目を気にせずに用を足すことができる。また、このような非 常時のみならず、寝たきりのお年寄りや障害者を抱える家庭や病院、更に、キャ ンプなどの娯楽においても利用することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略斜視図である。

【図２】便座とネットの取付位置関係を示す概略斜視図
である。

【図３】ネットを取り付けた汚物収納袋の取付け位置関
係を示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１ 脚部 ２ 第１の支柱 ３ 第２の支柱 ４ 連結片 ５ 便座 ６ フック ７ シートフレーム ８ 係止片 ９ ネット １０ 受具 １１ 汚物収納袋 １２ ネジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１及び第２の支柱を同一回転軸上で回
   動可能に連結してなる折り畳み可能な脚部と、底部にシ
   ートフレームを備えた便座とからなり、前記第１又は第
   ２の支柱の一方は前記シートフレーム又は便座の一部と
   で回動可能に連結しており、前記シートフレームには前
   記脚部を開脚した際に前記第１又は第２の支柱の他方と
   係合する係止片が取り付けられていることを特徴とする
   折り畳み式簡易便器。
2. 【請求項２】 前記シートフレーム又は便座のいずれか
   一方には、便座の開口部全体を囲繞するネット又は籠が
   張設されていることを特徴とする請求項１の折り畳み式
   簡易便器。
3. 【請求項３】 前記ネット又は籠には交換可能な汚物収
   納袋が備え付けられていることを特徴とする請求項１又
   は請求項２の折り畳み式簡易便器。