JP3015513U - 消音器付きインフレータ - Google Patents

消音器付きインフレータ

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JP3015513U
JP3015513U JP1995002613U JP261395U JP3015513U JP 3015513 U JP3015513 U JP 3015513U JP 1995002613 U JP1995002613 U JP 1995002613U JP 261395 U JP261395 U JP 261395U JP 3015513 U JP3015513 U JP 3015513U
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俊一 沖中
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センサー・テクノロジー株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動音を低減することが可能な消音器付きイ
ンフレータを提供する。 【構成】 エアバッグを膨張させるための高圧ガスを内
部で発生させ又は内部に備えるガス室(8)と、該ガス
室(8)の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出する第1
ガス孔(10)と、該第1ガス孔(10)に接続され、
前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスをエアバ
ッグに供給する消音器(3)とを有する消音器付きイン
フレータ(1)であって、前記消音器(3)は、一方の
端面に前記第1ガス孔(10)が開口し、該第1ガス孔
(10)から放出されるガスを膨張させる筒状の空洞
(20)と、該空洞(20)の他方の端面に開口し、前
記第1ガス孔より大きい断面積を有し、前記空洞で膨張
したガスをエアバッグに供給するための第2ガス孔(2
1)とを備えるものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車のエアバッグ装置に使用されるインフレータに係わり、特に 消音器を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグ用インフレータは、車両の衝突時にエアバッグにガスを供給して膨 張させ、車両と乗員との間に展開させるものである。従来、自動車に搭載される エアバッグ装置は前方衝突に対するものが一般的であり、この場合、エアバッグ 用のインフレータは、エアバッグとともにステアリングの中央部や助手席のダッ シュボード等の乗員から比較的遠い部分(50〜100cm)に装着されていた 。また、ガス発生器タイプのインフレータでは、これまでアジ化ソーダ系のガス 発生剤を使用しており、このガス発生剤を使用する場合はスラグが発生し、かつ 発生ガスの温度が高いため、スラグ除去及びガス冷却のためにその内部にフィル タ及びクーラントを内蔵していた。従って、これらのフィルタ及びクーラントが 吸音材として作用していること、及び乗員からある程度(50〜100cm)離 れていることからインフレータがガス発生剤燃焼時に発生する音が乗員の耳に与 える影響を考慮する必要はほとんどなかった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、最近、側面衝突用のサイドエアバッグ装置も上市され始め、ま た後方衝突用エアバッグ装置も種々提案されている。この場合、乗員に近い位置 でエアバッグを展開させることになる。また、最近、ガス発生剤として、従来の アジ化ソーダ系のものに代えて、ガス化率が高くスラグ発生の少ないニトロセル ロースの系ものが採用されるようになってきた。この場合、従来のようにインフ レータにフィルタを内蔵させる必要がない。また、圧縮ガスを圧力容器中に備え 、スクイブ等でガスを放出させるハイブリッドタイプのインフレータではフィル タやクーラントを内蔵させる必要がない。そこで、従来問題とならなかったイン フレータの作動音が乗員の耳に与える影響を考慮する必要が生じてきた。
【0004】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、作動音を低減することが可能な消音器付きインフレ ータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本考案の消音器付きインフレータは、エアバッグを 膨張させるための高圧ガスを内部で発生させ又は内部に備えるガス室と、該ガス 室の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出する第1ガス孔と、該第1ガス孔に接続 され、前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスをエアバッグに供給する消 音器とを有する消音器付きインフレータであって、前記消音器は、一方の端面に 前記第1ガス孔が開口し、該第1ガス孔から放出されるガスを膨張させる筒状の 空洞と、該空洞の他方の端面に開口し、前記第1ガス孔より大きい断面積を有し 、前記空洞で膨張したガスをエアバッグに供給するための第2ガス孔とを備える ものである。
【0006】 また、前記消音器付きインフレータは、両端が閉鎖された第1の円筒部材に一 端が閉鎖された第2の円筒部材が後述する第1ガス孔を覆うように直列に接続さ れてなり、前記第1の円筒部材は、内部が連通孔を有する仕切り部材で反第2円 筒部材側から順に前記ガス室と点火室とに直列に区画され、前記ガス室には燃焼 により高圧ガスを発生するガス発生剤が収納され、前記点火室には前記ガス発生 剤を点火する点火手段が収納され、第2円筒部材側の端面に前記第1ガス孔が開 口し、 前記第2の円筒部材は、内部が前記空洞を構成し、反第1円筒部材側の端面に 前記第2ガス孔が開口するものとすることができる。
【0007】 また、前記第1ガス孔に、前記ガス発生剤の燃焼の大部分が完了するに充分な 前記ガス室の内圧で破裂する破裂板を設けたものとすることができる。
【0008】 また、前記ガス発生剤が、C,H,N,O等のガス化元素のみからなる燃料を 主成分とするものであるとすることができる。
【0009】 また、前記消音器付きインフレータは、車両のシート又は車室側面に設置され るものとすることができる。
【0010】 また、前記消音器付きインフレータは、車両のヘッドレストに設置されるもの とすることができる。
【0011】 また、前記消音器に代えて、前記消音器は、前記第1ガス孔からの放出ガスを 直進させる第1の通路と、前記第1ガス孔からの放出ガスを分流して迂回させる 第2の通路とを有し、両通路からのガスを合流させて干渉させるものとすること ができる。
【0012】 また、前記消音器に代えて、前記消音器は、前記第1ガス孔からの放出ガスが 内面に衝突する空洞を有し、該空洞はこの衝突により前記放出ガスに起因する音 に共鳴するよう構成されてなるものとすることができる。
【0013】 また、前記消音器に代えて、前記消音器は、前記第1ガス孔からの放出ガスを 通過させるダクトと、該ダクトの内面に配設された吸音材とを備えてなるものと することができる。
【0014】
【作用】
上記構成によれば、ガス室から放出されるガスは、消音器の空洞で膨張して圧 力が低下するので、該放出ガスに起因する音圧が低減される。この際、放出ガス は筒状の空洞中を第1ガス孔から第2ガス孔に向けて軸方向に沿ってスムーズに 流れるので、より効果的にその音圧が低減される。
【0015】 また、前記消音器付きインフレータは、両端が閉鎖された第1の円筒部材に一 端が閉鎖された第2の円筒部材が第1ガス孔を覆うように直列に接続されてなり 、前記第1の円筒部材は、内部が連通孔を有する仕切り部材で反第2円筒部材側 から順に前記ガス室と点火室とに直列に区画され、前記ガス室には燃焼により高 圧ガスを発生するガス発生剤が収納され、前記点火室には前記ガス発生剤を点火 する点火手段が収納され、第2円筒部材側の端面に前記第1ガス孔が開口し、前 記第2の円筒部材は、内部が前記空洞を構成し、反第1円筒部材側の端面に前記 第2ガス孔が開口するものとすると、全体が細長い筒状となりコンパクトなもの となる。また、例えば圧力依存性の高いガス発生剤を自由燃焼させてガス室から 特別に高圧のガスを放出させるような場合にも、その放出ガスに起因する音圧を 低減することができるので、最適なガス発生器タイプのインフレータとなる。
【0016】 また、前記第1ガス孔に、前記ガス発生剤の燃焼の大部分が完了するに充分な 前記ガス室の内圧で破裂する破裂板を設けたものとすると、ガス発生剤の燃焼初 期時に内圧を保持してガス発生剤の燃焼を促進させるとともに、ガス発生剤が消 音器に流出して該消音器内で燃焼することによりその消音機能を損なうのを防止 することができる。
【0017】 また、前記ガス発生剤が、C,H,N,O等のガス化元素のみからなる燃料を 主成分とするものであるすると、フィルタを内蔵しなくても作動音を低減するこ とができるので、ガス化率の高いガス発生剤を使用する場合に最適なインフレー タとなる。
【0018】 また、前記消音器付きインフレータは、車両のシート又は車室側面に設置され るものとすると、作動音が低減されるため乗員までの距離が近くても乗員の耳に 悪影響を及ぼさないので、最適なサイドエアバッグ用インフレータとなる。
【0019】 また、前記消音器付きインフレータは、車両のヘッドレストに設置されるもの とすると、作動音が低減されるため乗員までの距離が近くても乗員の耳に悪影響 を及ぼさないので、最適な後突用エアバッグ用インフレータとなる。
【0020】 また、前記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスを直進させ る第1の通路と、前記第1ガス孔からの放出ガスを分流して迂回させる第2の通 路とを有し、両通路からのガスを合流させて干渉させるものとすると、直進する 放出ガスと迂回する放出ガスの音圧の位相がなるべく180°ずれるように構成 することによりその音圧を低減することができる。
【0021】 また、前記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスが内面に衝 突する空洞を有し、該空洞はこの衝突により前記放出ガスに起因する音に共鳴す るよう構成されてなるものとすると、共鳴により放出ガスの音のエネルギが消音 器内で放出されるので、その音圧を低減することができる。
【0022】 また、前記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスを通過させ るダクトと、該ダクトの内面に配設された吸音材とを備えてなるものとすると、 放出ガスの音は吸音材に吸収され、その音圧が低減される。
【0023】
【実施例】
以下、本考案の実施例について図面を参照しつつ説明する。まず第1実施例を 図1により説明する。図1は本考案の消音器付きインフレータの構成を示す断面 図である。
【0024】 まず構成を説明する。図1において、消音器付きガス発生器1は、両端が閉鎖 された円筒容器状の第1ハウジング2からなるガス発生部の側面に、段付き円筒 状の第2ハウジング5からなる消音器が接続されてなる。第1ハウジング2は、 有底円筒4の開口側内面に段部4aが設けられ、該段部4aからやや離れた位置 から先端にかけてネジが設けられている。そして、前記段部4aに当接するよう に、底部に伝火孔11を有する有底円筒状の仕切り部材6が嵌挿され、該仕切り 部材6を保持するように円筒状のスクイブケース16が螺合され、さらに該スク イブケース16が、中央に貫通孔18を有する円板状のスクイブ押さえ7により 螺止されている。この有底円筒4、スクイブケース16及びスクイブ押さえ7が 第1ハウジング2を構成する。そして、仕切り部材6と底部(側面)4bとの間 に形成された空間が燃焼室8(ガス室)を構成し、該燃焼室8にガス発生剤12 が収納され、前記底部4bの中央に小径のガス孔10(第1ガス孔)が開口して いる。また、仕切り部材6の内部8に伝火薬13が配置され、スクイブケース1 6中にスクイブ15が炎道14で前記伝火薬13に連通するように、且つ埋め込 むようにして収納され、該スクイブ15のリード線19がスクイブ押さえ73の 貫通孔18から外部に導出されている。前記スクイブ15と伝火薬13とが点火 手段を構成する。スクイブ15をスクイブケース16中に埋め込むようにして収 納したのは第1ハウジング全体の耐圧性を考慮したものである。そして、第1ハ ウジング2と第2ハウジング5との間には、アルミ等の材質で厚みが約0.1〜 0.2mmのラプチュアディスク(破裂板)60が介装されている。このラプチ ュアディスク60は、燃焼室8がガス発生剤12の燃焼の大部分が完了するに充 分な内圧に至ると破裂するようになっている。また、ラプチュアディスク60は ガス孔10の手前に設けてもよい。なお、このようにラプチュアディスク60を 使用する場合には伝火薬13を省略してもよい。
【0025】 ガス孔10の開口面積は、ガス発生剤12が爆発的燃焼をしない程度であって 、ガス発生剤12の大部分が燃焼する間は燃焼室8の内圧を上昇させるように激 しく燃焼する(自由燃焼する)ような所定の小さな値に設定される。一方、第1 ハウジング2は、このガス発生剤12の自由燃焼による内圧P1に耐えられるよ うにするため、ステンレス等の材料で構成するとともに全体を耐圧強度上有利な 円筒状とし、また、同一肉厚とした場合には内径/外径比が大きい方が耐圧強度 上有利なことから外径Dをできるだけ小さく従って細長い形状としている。そし て、第1ハウジング21の肉厚dは、好ましくはガス発生剤34を燃焼させて生 じる全てのガスを燃焼室に閉じ込めたと仮定した場合に生じる爆発的燃焼による 内圧にも耐えられるような厚みに設定されている。
【0026】 そして、ガス発生剤12には、例えばトリアミノグラニジンナイトレート(T AGN)、5−アミノテトラゾール(5−ATZ)、アゾジカルボンアミド(A DCA)等のガス化元素で構成される非アジ化系の薬剤が使用される。
【0027】 第2ハウジング5は、ステンレス等の耐熱性材料からなる段付き円筒であって 、大径部5aは第1ハウジングより大きい径を有し、その内部は空洞であり、小 径部5bは図示されないエアバッグに接続されるガス放出孔(第2ガス孔)21 を構成している。大径部5aの反小径部側の側面5dには中央に第1ハウジング 2のガス孔10に対応する孔5cが開口しており、この側面5dをボルト22で 第1ハウジング4の側面4bに固定することにより、第2ハウジング3が第1ハ ウジング2に接続されている。そして、ガス放出孔21の開口面積はガス孔10 の開口面積より大きく設定されている。これは、燃焼室8の内圧P1が実質的に ガス孔10で拘束されるようにするためであり、またガス放出孔21からエアバ ッグに供給されるガスの圧力が乗員の耳に及ぼす障害程度に直接影響を与えるこ とからこの部分における圧損をできるだけ小さくするためである。
【0028】 このように、全体が細長い筒状となりコンパクトなものとなるため、収納スペ ースの狭いシートの側面に内蔵させるタイプのサイドエアバッグ装置用や、ヘッ ドレストに内蔵される後突用エアバッグ装置用に最適なものとなる。なお、第2 ハウジング5は、図示するような直管状に限らず、例えばインフレータ1とエア バッグの位置関係等、その必要に応じて曲管状としてもよい。
【0029】 つぎに、作動を説明する。図1において、車両の側面衝突が発生すると図示さ れない衝突検知部からの信号によりスクイブ15が発火し、これにより伝火薬1 3が着火し、この着火による熱でガス発生剤12が燃焼を開始する。すると、ガ ス発生剤12は、圧力依存性が高く、イフレータ燃焼初期時に内圧を保持するよ うに設置したラプチュアディスク60が破裂するまで、燃焼室8の内圧P1は急 速に上昇して高いピークを生じるように推移する。そして、矢印で示すように、 このガスはガス孔10から消音器3の空洞20に放出されるが、この空洞で膨張 してその圧力P2は低下し、これにより、この放出ガスに起因する音圧が低減さ れる。そして、この音圧が低減されたガスがエバッグに供給され、該エアバッグ がシートに着座する乗員とドアとの間に展開して乗員が保護される。
【0030】 この際に、実験結果によれば、従来の消音器がない場合に比べて、インフレー タの作動による音圧が約4dB低減された(略半減した)。従って、本例の如く 乗員の近くにインフレータが設置されるサイドエアバッグ装置用であり、加えて フィルタを内蔵しないガス化率の高いガス発生剤12を使用するインフレータで あり、さらに、燃焼室8内でガス発生剤を自由燃焼させて特別高圧なガスを噴出 するインフレータあっても、乗員の耳に障害を与えるのを防止することができる 。また、放出ガスは筒状の空洞20中をガス孔10からガス放出孔21に向けて 軸方向に沿って流れるので、より効果的にその音圧が低減される。
【0031】 つぎに、本考案の消音器付きインフレータの第2実施例を図2により説明する 。図2は消音器の構成を示す断面図である。図2において、図1と異なる点は消 音器33の構造である。すなわち、消音器33は段付き円筒状の第2ハウジング の内部が第1〜第3室38〜40の3室に区画されており、その中心部に第1室 38のガス孔10を過ぎた辺りから第3室40のガス放出孔21の手前に直接至 る第1の通路37が形成されている。一方、第1室38と第2室39の間、及び 第2室39と第3室40との間をそれぞれ連通する通路35、36が周方向の1 80°反対側の位置に設けられ、これら通路35、36を通って第1室38から 第3室40に迂回して至る第2の通路41が形成されている。そして、両者の距 離差は、第1の通路37を直進する放出ガスと第2の通路41を迂回する放出ガ スの音圧の位相が略180°ずれるように設定されている。従って、ガス孔10 からガスが放出されると、一部は第1の通路を直進し、残りは分流して第2の通 路41を迂回し、両車がガス放出孔21の手前で合流して相互に干渉し、その音 圧が低減される。なお、図1の場合と同様に、ガス放出孔21からエアバッグに 供給されるガスの圧力が乗員の耳に及ぼす障害程度に直接影響を与えることから 、第1、第2の通路37、41等の設定に際し消音器33における圧損ができる だけ小さくなるように配慮するのが望ましい。
【0032】 つぎに、本考案の消音器付きインフレータの第3実施例を図3により説明する 。図3は消音器の構成を示す断面図である。図3において、図1と異なる点は消 音器43の構造である。すなわち、消音器43は円筒容器状の第2ハウジングに その中心部を貫通する中空円筒45が設けられ、その一端がガス孔10に接続さ れ、他端が円筒容器の側面から突出してガス放出孔21を構成している。そして 、中空円筒45の軸方向中央部には多数の小孔46が開口しており、また、中空 円筒45と第2ハウジング44との間は空洞となっている。従って、ガス孔10 からガスが放出されるとその一部が小孔46から抜けてハウジング内面44aに 衝突し、その後中空円筒45内に戻る。そして、この衝突により第2ハウジング 44(空洞)が放出ガスに起因する音に共鳴するように、その固有振動数が設定 されている。従って、この第2ハウジングの共鳴により放出ガスの音のエネルギ が消音器内で放出されてその音圧が低減される。
【0033】 つぎに、本考案の消音器付きインフレータの第4実施例を図4により説明する 。図4は消音器の構成を示す断面図である。図4において、図1と異なる点は消 音器53の構造である。すなわち、消音器53は、一端がガス孔10に接続され 、他端にガス放出孔21が形成された円筒状のダクト54の内面に○○等からな る吸音材55が配設されてなる。従って、ガス孔10から放出されたガスがこの ダクトを通過すると、該放出ガスに起因する音が吸音材55に当たり(矢印56 )、これに吸収されて低減される。なお、ダクト54は、図示するような直管で なく、曲がり管とすると、さらに音の低減率を向上させることができる。
【0034】 なお、上述の実施例は例示であり、本考案はこれらに限定されるものではない 。すなわち、上述の実施例では小径のガス孔10を有しガス発生剤が自由燃焼可 能な耐圧容器で構成されるガス発生部2への適用例を説明したが、通常強度の容 器中で燃焼速度及び内圧を制御しながらガス発生剤を燃焼させる通常タイプのガ ス発生部に対しても全く同様に本考案を適用することができる。
【0035】 また、上述の実施例ではガス発生器タイプのインフレータへの適用例を説明し たが、圧縮ガスを圧力容器中に備え、該圧力容器に設けられた常時閉鎖のガス放 出部を衝突時にスクイブ等で開口させてガスを放出させるハイブリッドタイプの インフレータに対しても、前記ガス放出部に上述の消音器を接続することにより 、上記同様に本考案を適用することができる。
【0036】
【考案の効果】
本考案の消音器付きインフレータは、上述のように、ガス発生部と、このガス 発生部から放出されるガスに起因する音圧を低減して該ガスをエアバッグに供給 する消音器とを有するものであるので、インフレータの作動音を低減することが でき、エアバッグを展開させる際に乗員の耳へ悪影響を与えるのを防止すること が可能となる。
【0037】 特に、消音器を、一方の端面に第1ガス孔が開口し、該第1ガス孔から放出さ れるガスを膨張させる筒状の空洞と、該空洞の他方の端面に開口し、前記第1ガ ス孔より大きい断面積を有し、前記空洞で膨張したガスをエアバッグに供給する ための第2ガス孔とを備えるものとすると、放出ガスは、空洞で膨張して圧力が 低下し、その音圧が低減されるとともに、放出ガスが筒状の空洞中をスムーズに 流れるので、より効果的にその音圧が低減される。
【0038】 また、消音器付きインフレータは、両端が閉鎖された第1の円筒部材に一端が 閉鎖された第2の円筒部材が第1ガス孔を覆うように直列に接続されてなり、前 記第1の円筒部材は、内部が連通孔を有する仕切り部材で反第2円筒部材側から 順に前記ガス室と点火室とに直列に区画され、前記ガス室には燃焼により高圧ガ スを発生するガス発生剤が収納され、前記点火室には前記ガス発生剤を点火する 点火手段が収納され、第2円筒部材側の端面に前記第1ガス孔が開口し、前記第 2の円筒部材は、内部が前記空洞を構成し、反第1円筒部材側の端面に前記第2 ガス孔が開口するものとすると、全体が細長い筒状となりコンパクトなものとな り、収納スペースの狭い箇所へ設置することが可能となる。また、圧力依存性の 高いガス発生剤を自由燃焼させてガス室から特別に高圧のガスを放出させるよう な場合にも、その放出ガスに起因する音圧を低減することができるので、最適な ガス発生器タイプのインフレータとなる。
【0039】 また、第1ガス孔に、ガス発生剤の燃焼の大部分が完了するに充分な前記ガス 室の内圧で破裂する破裂板を設けたものとすると、ガス発生剤の燃焼初期時に内 圧を保持してガス発生剤の燃焼を促進させるとともに、ガス発生剤が消音器に流 出して該消音器内で燃焼することによりその消音機能を損なうのを防止すること ができる。
【0040】 また、ガス発生剤が、C,H,N,O等のガス化元素のみからなる燃料を主成 分とするものであるすると、フィルタを内蔵しなくても作動音を低減することが できるので、ガス化率の高いガス発生剤を使用する場合に最適なインフレータと なる。
【0041】 また、消音器付きインフレータは、車両のシート又は車室側面に設置されるも のとすると、作動音が低減されるため乗員までの距離が近くても乗員の耳に悪影 響を及ぼさないので、最適なサイドエアバッグ用インフレータとなる。
【0042】 また、消音器付きインフレータは、車両のヘッドレストに設置されるものとす ると、作動音が低減されるため乗員までの距離が近くても乗員の耳に悪影響を及 ぼさないので、最適な後突用エアバッグ用インフレータとなる。
【0043】 また、上記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスを直進させ る第1の通路と、前記第1ガス孔からの放出ガスを分流して迂回させる第2の通 路とを有し、両通路からのガスを合流させて干渉させるものとすると、直進する 放出ガスと迂回する放出ガスの音圧の位相がなるべく180°ずれるように構成 することによりその音圧を低減することができる。
【0044】 また、上記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスが内面に衝 突する空洞を有し、該空洞はこの衝突により前記放出ガスに起因する音に共鳴す るよう構成されてなるものとすると、共鳴により放出ガスの音のエネルギが消音 器内で放出されるので、その音圧を低減することができる。
【0045】 また、上記消音器に代えて、消音器は、第1ガス孔からの放出ガスを通過させ るダクトと、該ダクトの内面に配設された吸音材とを備えてなるものとすると、 放出ガスの音は吸音材に吸収され、その音圧が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の消音器付きインフレータの第1実施例
の構成を示す断面図である。
【図2】本考案の消音器付きインフレータの第2実施例
の構成を示す断面図である。
【図3】本考案の消音器付きインフレータの第3実施例
の構成を示す断面図である。
【図4】本考案の消音器付きインフレータの第4実施例
の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2 第1ハウジング(第1の円筒部材) 3 消音器 5 第2ハウジング(第2の円筒部材) 6 仕切り部材 8 燃焼室(ガス室) 9 点火室 10 第1ガス孔(ガス孔) 12 ガス発生剤 13 伝火薬(点火手段) 15 スクイブ(点火手段) 20 内面(空洞) 21 第2ガス孔(ガス放出孔) 37 第1の通路 41 第2の通路 44a 内面(空洞) 54 ダクト 55 吸音材 60 ラプチュアディスク(破裂板)

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグを膨張させるための高圧ガス
    を内部で発生させ又は内部に備えるガス室(8)と、該
    ガス室(8)の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出する
    第1ガス孔(10)と、該第1ガス孔(10)に接続さ
    れ、前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスをエ
    アバッグに供給する消音器(3)とを有する消音器付き
    インフレータ(1)であって、 前記消音器(3)は、一方の端面に前記第1ガス孔(1
    0)が開口し、該第1ガス孔(10)から放出されるガ
    スを膨張させる筒状の空洞(20)と、該空洞(20)
    の他方の端面に開口し、前記第1ガス孔より大きい断面
    積を有し、前記空洞で膨張したガスをエアバッグに供給
    するための第2ガス孔(21)とを備えるものである消
    音器付きインフレータ。
  2. 【請求項2】 前記ガス室(8)は、内部に収納するガ
    ス発生剤(12)の燃焼により前記高圧ガスを発生させ
    るものであり、前記第1ガス孔(10)に、前記ガス発
    生剤(12)の燃焼の大部分が完了するに充分な前記ガ
    ス室の内圧で破裂する破裂板(60)を設けた請求項1
    に記載の消音器付きインフレータ。
  3. 【請求項3】 前記消音器付きインフレータ(1)は、
    両端が閉鎖された第1の円筒部材(2)に一端が閉鎖さ
    れた第2の円筒部材(5)が後述する第1ガス孔(1
    0)を覆うように直列に接続されてなり、 前記第1の円筒部材(2)は、内部が連通孔を有する仕
    切り部材(6)で反第2円筒部材側から順に前記ガス室
    (8)と点火室(9)とに直列に区画され、前記ガス室
    (8)には燃焼により高圧ガスを発生するガス発生剤
    (12)が収納され、前記点火室(9)には前記ガス発
    生剤を点火する点火手段(13、15)が収納され、第
    2円筒部材側の端面に前記第1ガス孔(10)が開口
    し、 前記第2の円筒部材(5)は、内部が前記空洞(20)
    を構成し、反第1円筒部材側の端面に前記第2ガス孔
    (21)が開口するものである請求項1に記載の消音器
    付きインフレータ。
  4. 【請求項4】 前記第1ガス孔(10)に、前記ガス発
    生剤(12)の燃焼の大部分が完了するに充分な前記ガ
    ス室(8)の内圧で破裂する破裂板(60)を設けた請
    求項3に記載の消音器付きインフレータ。
  5. 【請求項5】 前記ガス発生剤(12)が、C,H,
    N,O等のガス化元素のみからなる燃料を主成分とする
    ものである請求項4に記載の消音器付きインフレータ。
  6. 【請求項6】 車両のシート又は車室側面に設置される
    ものである請求項5に記載の消音器付きインフレータ。
  7. 【請求項7】 車両のヘッドレストに設置されるもので
    ある請求項5に記載の消音器付きインフレータ。
  8. 【請求項8】 エアバッグを膨張させるための高圧ガス
    を内部で発生させ又は内部に備えるガス室(8)と、該
    ガス室(8)の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出する
    第1ガス孔(10)と、該第1ガス孔(10)に接続さ
    れ、前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスをエ
    アバッグに供給する消音器(33)とを有する消音器付
    きインフレータであって、 前記消音器(33)は、前記第1ガス孔(10)からの
    放出ガスを直進させる第1の通路(37)と、前記第1
    ガス孔(10)からの放出ガスを分流して迂回させる第
    2の通路(41)とを有し、両通路(37、41)から
    のガスを合流させて干渉させるものである消音器付きイ
    ンフレータ。
  9. 【請求項9】 エアバッグを膨張させるための高圧ガス
    を内部で発生させ又は内部に備えるガス室(8)と、該
    ガス室(8)の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出する
    第1ガス孔(10)と、該第1ガス孔(10)に接続さ
    れ、前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスをエ
    アバッグに供給する消音器(43)とを有する消音器付
    きインフレータであって、 前記消音器(43)は、前記第1ガス孔(10)からの
    放出ガスが内面に衝突する空洞(44a)を有し、該空
    洞(44a)はこの衝突により前記放出ガスに起因する
    音に共鳴するよう構成されてなる消音器付きインフレー
    タ。
  10. 【請求項10】 エアバッグを膨張させるための高圧ガ
    スを内部で発生させ又は内部に備えるガス室(8)と、
    該ガス室(8)の壁に設けられ、前記高圧ガスを放出す
    る第1ガス孔(10)と、該第1ガス孔(10)に接続
    され、前記放出ガスに起因する音圧を低減して該ガスを
    エアバッグに供給する消音器(53)とを有する消音器
    付きインフレータであって、 前記消音器(53)は、前記第1ガス孔(10)からの
    放出ガスを通過させるダクト(54)と、該ダクトの内
    面に配設された吸音材(55)とを備えてなる消音器付
    きインフレータ。
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KR20190074716A (ko) * 2017-12-20 2019-06-28 비앤알(주) 인플레이터용 소음기
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