JP3015206B2 - ポリアミド組成物 - Google Patents
ポリアミド組成物Info
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- JP3015206B2 JP3015206B2 JP4247156A JP24715692A JP3015206B2 JP 3015206 B2 JP3015206 B2 JP 3015206B2 JP 4247156 A JP4247156 A JP 4247156A JP 24715692 A JP24715692 A JP 24715692A JP 3015206 B2 JP3015206 B2 JP 3015206B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明はポリアミド組成物、特
に自己潤滑性及び耐摩耗性に優れ、軸受、歯車等の機械
的部品を得るのに好適な、モノマーキャストナイロン組
成物に係わるものである。
に自己潤滑性及び耐摩耗性に優れ、軸受、歯車等の機械
的部品を得るのに好適な、モノマーキャストナイロン組
成物に係わるものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
ミド、特にモノマーキャストナイロンは自己潤滑性があ
り、摩耗に耐えるので、無給油で使用する軸受等の材料
として用いられている。ところが、高速、高荷重の摩耗
が加わる使用条件下では、軸受等が摩滅したり、摩擦熱
で焼付けを起こしたりし、ポリアミド自体が有する潤滑
性では実用上、不充分となる。これらの問題を解決する
ため、従来、ε−カプロラクタムの重合時に滑剤（例え
ば二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオ
ロエチレン、鉱油、シリコン油、石油系ワックス等）を
添加することが提案されている。
ミド、特にモノマーキャストナイロンは自己潤滑性があ
り、摩耗に耐えるので、無給油で使用する軸受等の材料
として用いられている。ところが、高速、高荷重の摩耗
が加わる使用条件下では、軸受等が摩滅したり、摩擦熱
で焼付けを起こしたりし、ポリアミド自体が有する潤滑
性では実用上、不充分となる。これらの問題を解決する
ため、従来、ε−カプロラクタムの重合時に滑剤（例え
ば二硫化モリブデン、グラファイト、ポリテトラフルオ
ロエチレン、鉱油、シリコン油、石油系ワックス等）を
添加することが提案されている。
【０００３】しかしながら、このようなものは、或る程
度、耐摩耗性、潤滑性の効果は有しているものの、滑剤
の分散が不均一になる場合がある。滑剤の分散が不均一
になった場合、製品単体内において、耐摩耗性や潤滑性
の程度が部分的に不均一になったり、或いは外観の異な
る部位が発生したりする。また同品種の製品同士の間で
も、耐摩耗性や潤滑性の度合いに、ばらつきが生じた
り、或いは外観の異なる製品が発生したりし、さらに製
品単体自体の耐摩耗性、潤滑性の効果が低下したりす
る。また、滑剤の分離が容易に起ってしまうので、成形
条件が制約される不都合も起る。
度、耐摩耗性、潤滑性の効果は有しているものの、滑剤
の分散が不均一になる場合がある。滑剤の分散が不均一
になった場合、製品単体内において、耐摩耗性や潤滑性
の程度が部分的に不均一になったり、或いは外観の異な
る部位が発生したりする。また同品種の製品同士の間で
も、耐摩耗性や潤滑性の度合いに、ばらつきが生じた
り、或いは外観の異なる製品が発生したりし、さらに製
品単体自体の耐摩耗性、潤滑性の効果が低下したりす
る。また、滑剤の分離が容易に起ってしまうので、成形
条件が制約される不都合も起る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記従来の問
題点を解消し、高速、高荷重の摩耗負荷を受けても充分
これに耐え、向上した自己潤滑性を示すポリアミド組成
物を得ることを目的として検討を重ね、この目的を達成
する本発明に到達した。
題点を解消し、高速、高荷重の摩耗負荷を受けても充分
これに耐え、向上した自己潤滑性を示すポリアミド組成
物を得ることを目的として検討を重ね、この目的を達成
する本発明に到達した。
【０００５】本発明の要旨とするところはポリ−ε−カ
プロラクタム１００重量部に、ポリエチレンワックスを
１〜９重量部、及び末端又は側鎖にカルボキシル基を有
するポリエチレンワックスを０．１〜１．５重量部の割
合で分散、配合してなるポリアミド組成物に存する。
プロラクタム１００重量部に、ポリエチレンワックスを
１〜９重量部、及び末端又は側鎖にカルボキシル基を有
するポリエチレンワックスを０．１〜１．５重量部の割
合で分散、配合してなるポリアミド組成物に存する。
【０００６】本発明で用いられるポリエチレンワックス
（以下、これをＰＥワックスと略記する）は分子量８０
０〜５０００のように、比較的低分子量であり、融点は
通常９０〜１４０℃であって、例えばエチレンを重合し
てポリエチレンを製造する際の副生品として、又はポリ
エチレンの分解或いは直接重合等によって得られる。
（以下、これをＰＥワックスと略記する）は分子量８０
０〜５０００のように、比較的低分子量であり、融点は
通常９０〜１４０℃であって、例えばエチレンを重合し
てポリエチレンを製造する際の副生品として、又はポリ
エチレンの分解或いは直接重合等によって得られる。
【０００７】本発明で用いられるカルボキシル基を末端
又は側鎖に有するポリエチレンワックスは分子量８００
〜５０００程度、融点が通常９０〜１４０℃であり、既
知の方法によって得られ、ＰＥワックス１分子の末端な
いし側鎖に１〜３個程度のカルボキシル基を有するもの
が挙げられる。
又は側鎖に有するポリエチレンワックスは分子量８００
〜５０００程度、融点が通常９０〜１４０℃であり、既
知の方法によって得られ、ＰＥワックス１分子の末端な
いし側鎖に１〜３個程度のカルボキシル基を有するもの
が挙げられる。
【０００８】本発明において、ＰＥワックスの配合割合
はポリ−ε−カプロラクタム１００重量部に対し、１〜
９重量部であり、好ましくは２〜６重量部である。この
割合が１重量部未満であると、潤滑効果が乏しく、また
９重量部を越えると、組成物の機械的強度の低下が生じ
る。
はポリ−ε−カプロラクタム１００重量部に対し、１〜
９重量部であり、好ましくは２〜６重量部である。この
割合が１重量部未満であると、潤滑効果が乏しく、また
９重量部を越えると、組成物の機械的強度の低下が生じ
る。
【０００９】本発明において、末端又は側鎖にカルボキ
シル基を有するＰＥワックス（以下、これを変性ＰＥワ
ックスと略記することがある）の配合割合はポリ−ε−
カプロラクタム１００重量部に対し、０．１〜１．５重
量部、好ましくは０．３〜１重量部である。この割合が
０．１重量部未満であると滑剤の分散効果が乏しく、一
方１．５重量部を越えると、ε−カプロラクタムの重合
が阻害され、組成物の機械的強度が低下する。
シル基を有するＰＥワックス（以下、これを変性ＰＥワ
ックスと略記することがある）の配合割合はポリ−ε−
カプロラクタム１００重量部に対し、０．１〜１．５重
量部、好ましくは０．３〜１重量部である。この割合が
０．１重量部未満であると滑剤の分散効果が乏しく、一
方１．５重量部を越えると、ε−カプロラクタムの重合
が阻害され、組成物の機械的強度が低下する。
【００１０】本発明組成物は、従来から知られているア
ニオン重合法により製造することができる。即ち無水の
ε−カプロラクタムにＰＥワックス及び変性ＰＥワック
スを加え、アニオン重合触媒及び重合助触媒の存在下
で、ε−カプロラクタムの融点以上、ポリ−ε−カプロ
ラクタムの融点以下（通常１３０〜１８０℃）に加熱し
てε−カプロラクタムをアニオン重合させる。
ニオン重合法により製造することができる。即ち無水の
ε−カプロラクタムにＰＥワックス及び変性ＰＥワック
スを加え、アニオン重合触媒及び重合助触媒の存在下
で、ε−カプロラクタムの融点以上、ポリ−ε−カプロ
ラクタムの融点以下（通常１３０〜１８０℃）に加熱し
てε−カプロラクタムをアニオン重合させる。
【００１１】重合触媒及び重合助触媒は通常用いられて
いるものでよく、重合触媒としては、例えばアルカリ金
属、アルカリ土類金属及びこれら金属の水素化物、水酸
化物、酸化物等、また重合助触媒としては、例えばイソ
シアネート類、トリアジン類、置換尿素類を、通常０．
０５〜２モル％の範囲内で用いる。本発明のポリアミド
組成物は、無給油で使用される軸受、歯車、スライドプ
レート等の機械部品の材料として用いられ、優れた機械
強度と潤滑性を併せもった製品が得られる。
いるものでよく、重合触媒としては、例えばアルカリ金
属、アルカリ土類金属及びこれら金属の水素化物、水酸
化物、酸化物等、また重合助触媒としては、例えばイソ
シアネート類、トリアジン類、置換尿素類を、通常０．
０５〜２モル％の範囲内で用いる。本発明のポリアミド
組成物は、無給油で使用される軸受、歯車、スライドプ
レート等の機械部品の材料として用いられ、優れた機械
強度と潤滑性を併せもった製品が得られる。
【００１２】
【実施例】以下の実施例及び比較例では、それぞれの組
成物について、限界ＰＶ値（単位はｋｇ／ｃｍ2 ・ｍ／
分）及び引張強度（単位はｋｇ／ｃｍ2 ）を測定した。
限界ＰＶ値は潤滑性及び耐摩耗性の評価を示すものであ
り、この値は東洋ボールドウイン社製鈴木式摩擦，摩耗
試験機により、ポリアミド成形品とＳ−４５Ｃ鋼とを種
々の面圧Ｐ（ｋｇ／ｃｍ2 ）及び摩擦速度Ｖ（ｍ／分）
で摩擦させ、３分間異常摩耗を起さないＰＶの最大値を
示す。引張強度は、ＡＳＴＭ規格のＤ−６３８法を常温
で行って得られた値である。
成物について、限界ＰＶ値（単位はｋｇ／ｃｍ2 ・ｍ／
分）及び引張強度（単位はｋｇ／ｃｍ2 ）を測定した。
限界ＰＶ値は潤滑性及び耐摩耗性の評価を示すものであ
り、この値は東洋ボールドウイン社製鈴木式摩擦，摩耗
試験機により、ポリアミド成形品とＳ−４５Ｃ鋼とを種
々の面圧Ｐ（ｋｇ／ｃｍ2 ）及び摩擦速度Ｖ（ｍ／分）
で摩擦させ、３分間異常摩耗を起さないＰＶの最大値を
示す。引張強度は、ＡＳＴＭ規格のＤ−６３８法を常温
で行って得られた値である。
【００１３】実施例１〜８及び比較例１〜９ ステンレス鋼製ビーカーに無水のε−カプロラクタム５
０重量部を採り、１６０℃に調整する。これに重合助触
媒のトリレンジイソシアネート０．５重量部を入れ、更
に予め溶融しておいたＰＥワックス（分子量４０００、
融点１３２℃）及びそのＰＥワックスの分子片末端に１
個、側鎖に１〜２個のカルボキシル基を導入した変性Ｐ
Ｅワックスを、後記表１に記載した種々の重量部の割合
で加え、均一に攪拌する。
０重量部を採り、１６０℃に調整する。これに重合助触
媒のトリレンジイソシアネート０．５重量部を入れ、更
に予め溶融しておいたＰＥワックス（分子量４０００、
融点１３２℃）及びそのＰＥワックスの分子片末端に１
個、側鎖に１〜２個のカルボキシル基を導入した変性Ｐ
Ｅワックスを、後記表１に記載した種々の重量部の割合
で加え、均一に攪拌する。
【００１４】別のステンレス鋼製ビーカーに無水のε−
カプロラクタム５０重量部を採り、これに重合触媒の水
素化ナトリウム（油性６３％）０．２重量部を加え、１
５０℃に調整する。これを上記のＰＥワックス等を含有
する混和物と混合し、その系を均一にした後、１６０℃
の金型に注入し、潤滑剤などが分散したポリ−ε−カプ
ロラタクム組成物を得た。
カプロラクタム５０重量部を採り、これに重合触媒の水
素化ナトリウム（油性６３％）０．２重量部を加え、１
５０℃に調整する。これを上記のＰＥワックス等を含有
する混和物と混合し、その系を均一にした後、１６０℃
の金型に注入し、潤滑剤などが分散したポリ−ε−カプ
ロラタクム組成物を得た。
【００１５】得られたポリ−ε−カプロラクタム組成物
に用いたＰＥワックス及び変性ＰＥワックスの量（単位
は重量部）、それぞれの組成物の限界ＰＶ値（単位はｋ
ｇ／ｃｍ2 ・ｍ／分）及び引張強度（単位はｋｇ／ｃｍ
2 ）を表１に示す。表中、備考の＊印は添加したワック
スが重合物の上部に分離浮上したことを示す。また、表
１における比１は比較例１、実１は実施例１を表わし、
以下、同様に表示する。
に用いたＰＥワックス及び変性ＰＥワックスの量（単位
は重量部）、それぞれの組成物の限界ＰＶ値（単位はｋ
ｇ／ｃｍ2 ・ｍ／分）及び引張強度（単位はｋｇ／ｃｍ
2 ）を表１に示す。表中、備考の＊印は添加したワック
スが重合物の上部に分離浮上したことを示す。また、表
１における比１は比較例１、実１は実施例１を表わし、
以下、同様に表示する。
【００１６】
【表１】
【００１７】上記表１の結果から、次のことが理解され
る。ＰＥワックスを１重量部以上（ポリ−ε−カプロラ
クタム１００重量部当りの量、以下同じ）加えると、限
界ＰＶ値が向上するが、９重量部を越えると限界ＰＶ値
の低下が認められ、かつＰＥワックスの配合量増加に伴
い、引張強度は低下する（実１〜実５と比６、比７との
結果）。
る。ＰＥワックスを１重量部以上（ポリ−ε−カプロラ
クタム１００重量部当りの量、以下同じ）加えると、限
界ＰＶ値が向上するが、９重量部を越えると限界ＰＶ値
の低下が認められ、かつＰＥワックスの配合量増加に伴
い、引張強度は低下する（実１〜実５と比６、比７との
結果）。
【００１８】また、比２、比３、比７におけるように、
ＰＥワックスを単独配合したとき、又は、変性ＰＥワッ
クスを配合してもＰＥワックスの配合割合が大きいとき
は、ＰＥワックスが分離してくる。比４及び比５にみら
れるように変性ＰＥワックスを単独配合するときは、限
界ＰＶ値が大きく低下し、また重合反応が阻害される。
本発明の要件を満たす配合割合によれば、限界ＰＶ値が
１０００以上を示し、かつ引張強度が５００以上を示
し、バランスよく、良好な物性を示す。
ＰＥワックスを単独配合したとき、又は、変性ＰＥワッ
クスを配合してもＰＥワックスの配合割合が大きいとき
は、ＰＥワックスが分離してくる。比４及び比５にみら
れるように変性ＰＥワックスを単独配合するときは、限
界ＰＶ値が大きく低下し、また重合反応が阻害される。
本発明の要件を満たす配合割合によれば、限界ＰＶ値が
１０００以上を示し、かつ引張強度が５００以上を示
し、バランスよく、良好な物性を示す。
【００１９】
【発明の効果】本発明によれば、単独では分散困難なＰ
Ｅワックスに末端又は側鎖にカルボキシル基を有するＰ
Ｅワックスを併せ配合することにより、機械的強度の低
下を起すことなく、上記配合物をε−カプロラクタム内
に均一に分散させ、自己潤滑性、耐摩耗性の向上した組
成物を得ることができる。
Ｅワックスに末端又は側鎖にカルボキシル基を有するＰ
Ｅワックスを併せ配合することにより、機械的強度の低
下を起すことなく、上記配合物をε−カプロラクタム内
に均一に分散させ、自己潤滑性、耐摩耗性の向上した組
成物を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項１】 ポリ−ε−カプロラクタム１００重量部
に、ポリエチレンワックスを１〜９重量部、及び末端又
は側鎖にカルボキシル基を有するポリエチレンワックス
を０．１〜１．５重量部の割合で分散、配合してなるポ
リアミド組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247156A JP3015206B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ポリアミド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247156A JP3015206B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ポリアミド組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0673287A JPH0673287A (ja) | 1994-03-15 |
| JP3015206B2 true JP3015206B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17159273
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4247156A Expired - Fee Related JP3015206B2 (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | ポリアミド組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3015206B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19834853A1 (de) * | 1998-08-01 | 2000-02-03 | August Neuhoff Fa | Trägermaterial und dessen Verwendung sowie Verfahren zur Kaltumformung |
| JP6951075B2 (ja) | 2016-03-16 | 2021-10-20 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアミド樹脂組成物および成形品 |
| JP6827815B2 (ja) * | 2016-03-16 | 2021-02-10 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアミド樹脂組成物および成形品 |
| CN111690255A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-09-22 | 淮安市建工尼龙制品有限公司 | 一种尼龙材料及其应用 |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP4247156A patent/JP3015206B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0673287A (ja) | 1994-03-15 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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