JP3015043U - 食器などの洗浄装置 - Google Patents

食器などの洗浄装置

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JP3015043U
JP3015043U JP1995002124U JP212495U JP3015043U JP 3015043 U JP3015043 U JP 3015043U JP 1995002124 U JP1995002124 U JP 1995002124U JP 212495 U JP212495 U JP 212495U JP 3015043 U JP3015043 U JP 3015043U
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憲秀 山田
浩二 丹生
清英 平田
弘 杉田
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株式会社中西製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被洗浄物を効率よく洗浄することができ、か
つ衛生状態の維持が容易な回転ブラシを備えた食器など
の洗浄装置をうる。 【構成】 約5mmの棒状に形成されたシリコンゴムから
なる線状材3を基体2に立設して回転ブラシ1が構成さ
れ、基体2を貫通した水噴出孔7に連通して、全長に給
水路9を設けたシャフト8を基体2に装着し、シャフト
8の他端に水力タービン11の回転翼12を取付ける。水を
溜めることが可能なケーシング18内に回転翼12を収容
し、回転翼12に水を衝突させるノズル21をケーシング18
に設けて水力タービン11を構成し、かつシャフト8の給
水路9の端部とケーシング18とを連通させる導水道26が
形成されている。ノズル21が噴出する水量とケーシング
18から排出する水量とをほぼ一致させ、かつケーシング
18内に水を滞留させて、その滞留した水中で回転翼18を
回転させて、その加圧水の一部を導水道26と給水路9を
経て水噴出孔7から噴出させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、陶器やガラス、プラスチック、アルミニウムやステンレススチール などからなる皿や茶碗などの食器のように、食事または調理などに使用した断面 が凹形状などの被洗浄物を洗浄する洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食器などのように食事または調理などに使用される断面がほぼ凹形状の被洗浄 物の洗浄装置として、例えば、特開昭64−37920号公報に開示されたもの が知られている。この食器などの洗浄装置は、洗浄する食器などのほぼ凹形状の 内面に接触する形状に形成された回転ブラシが、その繊維を上向きにしかつ前記 回転ブラシを支持したシャフトをインナースプラインで支持し、前記シャフトを 上下動させるシリンダーを設ける。また、前記インナースプラインをギアを介し て回転させるモータを設けて前記回転ブラシを回転させる。そして、前記回転ブ ラシの上側に、重ねた複数枚の食器の1枚ずつを落下させる食器自動分離供給装 置が配置されるとともに、回転ブラシで洗浄した前記1枚ずつの食器を所要の場 所に移送する搬出シュートが配置されている。前記搬出シュートには、回転ブラ シが通過する開口部が設けられるとともに、その開口部を開閉する開閉板が設け られたものである。
【0003】 前記回転ブラシを用いた洗浄装置は、回転ブラシを上昇させ開いた開口部から 搬出シュートの上側に位置させて、その回転ブラシに前記食器自動分離供給装置 が1枚の食器を供給する。そして、回転ブラシの回転で前記食器を洗浄する。食 器の洗浄が終わると、回転ブラシが降下するとともに、開閉板が開口部を閉鎖す るから、洗浄が終わった食器を搬出シュートが搬出することを反復する。
【0004】 前記公開公報には前記回転ブラシの構成について、図面に示された回転ブラシ の表面に細かい点が表示されているのみであるが、実開昭59−171661号 公報に食器洗浄用回転ブラシが開示されている。この回転ブラシは、食器の洗浄 面にほぼ適合する形状の円形の基体の全表面に束状にした繊維をやや間隔をおい て立植してなるものである。この回転ブラシは、前記繊維を食器の洗浄面に接触 させた状態で回転させて、食器洗浄面の付着物を分離する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前記特開昭64−37920号公報に開示された食器などの洗浄装置は、食器 などの洗浄面に付着した物の分離を回転ブラシで行うから、洗浄液を食器などに 吹付けるのみの洗浄装置に比して、付着物を効率よく分離することができる。し かし、回転ブラシが、実開昭59−171661号公報に開示されたように、か なり多数本の繊維を束状にし基体に立植したものであり、かつ前記束状の各繊維 はかなり小さい間隔で密植されている。したがって、食器などから分離した食品 などが各繊維間などにはまり込むことが生じ、かつこのように各繊維間などに分 離した食品などがはまり込むと、その食品などを細い多数の各繊維が挾持する状 態になる。このため、回転ブラシを洗浄する程度では、前記はまり込んだ食品な どを回転ブラシから十分に分離することが困難であるから、回転ブラシの洗浄な どに要する手間が多くなり、また、雑菌の発生などのおそれが大きくて非衛生的 になる課題がある。各繊維は糸状に細いものであるから、食器などの洗浄を反復 すると倒伏して洗浄効果が低下しやすく寿命が比較的短い課題もある。
【0006】 前記回転ブラシの駆動をモータで行っており、かつ回転ブラシで食器などを洗 浄しても、回転ブラシで洗浄した食器の仕上げ洗浄などに洗浄液を使用する。そ して、前記モータは湿気を嫌うから、モータに防水処理をして、モータが湿気で 影響されることをなくすることが必要であって、その構成が複雑になるなどの課 題がある。
【0007】 本考案は、食器などの洗浄面に付着した食品などの付着物を食器から分離した ときに、その分離した食品などが食器に再付着することなく、順次に容易に分離 して衛生状態の維持が容易な回転ブラシを備え、かつこの回転ブラシの駆動を水 力タービンで行うことが可能な食器などの洗浄装置をうることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の食器などの洗浄装置は、搬送手段で被洗浄物を間欠搬送する間に上下 動して前記被洗浄物に接触、回転し、その被洗浄物を洗浄する回転ブラシを備え た食器などの洗浄装置において、径または厚さが2mm程度よりも大きく形成され た柔軟性を有し弾性変形が可能なゴム系またはプラスチック系からなる線状材を 基体に立植して前記回転ブラシが構成され、パイプ状にして軸線方向の全長に給 水路が形成されたシャフトの端部が前記基体に取付けられるとともに、前記基体 の線状材立植面に開口させて基体に設けた水噴出孔にシャフトの給水路を連通さ せて、前記シャフトの他端に水力タービンの回転翼が直接固着されて、水を溜め ることが可能なケーシング内に前記回転翼が収容され、そのケーシングの側壁を 貫通して回転翼に水を衝突させるノズルが配置されて、ケーシングに排水部が設 けられ、前記ケーシングの開口部がふた板で閉鎖されて、ケーシング内の水をシ ャフトの回転翼側の給水路の端部に供給する導水路が形成され、前記ノズルから ケーシング内に噴出する水量と排水部から排出する水量とをほぼ一致させて、ケ ーシング内に水を滞留させ、その滞留した水中で回転翼を回転させて、ケーシン グ内の加圧水を前記導水路を経てシャフトの回転翼側の給水路の端部に供給し、 その加圧水を回転ブラシの水噴出孔から噴出させることを特徴とする。
【0009】 前記回転ブラシの線状材を構成するゴム系としては、例えば、ブチルゴム、シ リコンゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロ ロプレンゴムなどの適度の柔軟性を有して弾性変形が可能な任意のゴムを使用す ることができる。プラスチック系としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ プロピレンなどの適度の柔軟性を有して弾性変形が可能な任意のプラスチックを 使用することが可能である。前記ゴム系またはプラスチック系で形成する線状材 の断面形状は、丸またはほぼ正方形や長方形の板状、三角形、五角形、六角形な どの角形にするなど任意であり、その大きさは直径または厚さが2〜12mm程度で あり、好ましくは3mmまたは4〜8mm程度である。2mmよりも小さくなると、回 転時の遠心力で倒伏して洗浄効果が低下する。この線状材の硬度は、前記のよう に45〜70度であって、その直径などが小さいときは高く、大きいときは低く するものであり、好ましくは45〜55度程度である。
【0010】 線状材の長さは、被洗浄物の洗浄面に接触してわん曲させるのに適する長さに 設定するものであって、線状材の硬度や大きさなどの条件に対応して任意に設定 する。線状材を複数本まとめて基体に立植するときは、各独立した線状材の複数 を揃えて立植できるが、線状材を形成する素材のブロックを、その端部を残して 平行状に切断して複数の線状材を形成する。そして、前記切断していないブロッ クの端部を基体に立植することも可能である。
【0011】 前記線状材を立植する基体の形状は、被洗浄物の形状に対応させるものであっ て、断面台形や球面状または棒状などに形成して、その表面に立植した線状材を 被洗浄物の洗浄面全体にむらなく接触させることが可能な形状に形成する。基体 は硬質系のプラスチックまたはアルミニウムなどの金属や木材で形成する。
【0012】 前記回転ブラシの基体に対する前記線状材の立植の位置と本数は、被洗浄物を むらなく洗浄することが可能に設定するものであり、1本ずつまたは複数本ずつ をまとめて間隔をおいて立植する。線状材を複数本ずつをまとめて立植するとき の本数は、2〜15本程度を間隔をおいて立植、または更に多数本の線状材、例 えば、20〜30本をまとめて基体の1箇所または数箇所に立植するなど任意で ある。また、大きさが異なる線状材を組合わせて使用することも可能である。こ のように、線状材の複数本をまとめて立植するときにおいて、まとめる本数は、 線状材の硬度や大きさ、長さなど、または被洗浄物の形状などの諸条件に対応し て選定するものであって、皿などの食器その他を洗浄するときに、その被洗浄物 の洗浄面に弾性変形で沿うことが可能な本数を選定する。
【0013】 基体に対する線状材の立植手段は任意で、例えば、基体に設けた有底の孔に二 つ折りにするなどした線状材の端部を緊密に挿入または挿入接着する。また、基 体に貫通孔を設けて、その貫通孔に線状材を挿通し、かつ線状材端部の係止用大 径部を貫通孔の端部に係止して取付けることも可能である。基体をプラスチック で形成するときは、その成形用金型に線状材の端部をインサートする。そして、 プラスチックによる基体の成形と同時に、その基体に線状材の端部を固着するこ とも可能である。
【0014】 前記ケーシングに設ける排水部は1箇所または2箇所などの複数にすることも 可能であり、かつ排水部を設けるケーシングの位置は任意である。そして、ケー シング内に滞留させる水の量は、回転翼のほぼ全体が水中にある深さに、または 回転翼の一部が水から出る深さにするなど任意である。回転翼の回転によるケー シング内に滞留した水の乱流を防いで、回転翼の回転効率をよくするため、回転 翼の周縁に沿って、その必要な範囲に円筒状などの水案内壁を設けることもでき る。前記水案内壁は、ケーシングの一部で構成することもできる。
【0015】
【作用】
本考案の食器などの洗浄装置は、回転ブラシの基体に立植された2mm程度より も大きい線状材を、皿その他の被洗浄物の洗浄面に接触わん曲させる。この状態 で、被洗浄物を回転させることなく回転ブラシを回転させて、前記各線状材で被 洗浄物の付着物を除去する。各線状材の径が、前記従来の回転ブラシを構成した 糸状に細い繊維の径に比してかなり大きくて、各線状材の被洗浄物に対する接触 面積が大きくなり、かつ被洗浄物に接して弾性変形した線状材の反発弾性が大き くなるから、被洗浄物の付着物を効率よく分離することができる。
【0016】 線状材を1本ずつ間隔をおいて基体に立植した回転ブラシでは、被洗浄物に線 状材を接触させて各線状材がわん曲した状態で各線状材にほぼ間隔が生じる。線 状材の複数本をまとめて立植した回転ブラシでも、その各線状材の本数は、前記 従来の回転ブラシに束状にして立植された糸状に細い繊維の本数に比して極めて 少ないから、被洗浄物に圧接されてわん曲した各線状材にはほぼ間隔が生じて、 各線状材が互いに圧接状態になることは少なく、各線状材はある程度の自由度を 保持する。したがって、被洗浄物から分離した付着物は遠心力などで被洗浄物と 回転ブラシから容易に分離することが可能であり、かつ被洗浄物の洗浄面に洗浄 液を噴出させれば、その洗浄液で前記分離した付着物を一層容易に被洗浄物と回 転ブラシから分離することが可能である。また、洗浄が終了したときに被洗浄物 から分離した付着物が回転ブラシの線状材に再付着している場合でも、その線状 材に水などの洗浄液を吹付けることなどで、線状材から付着物を容易に分離させ ることができる。このため、回転ブラシの衛生状態を常によい状態に維持するこ とが容易である。
【0017】 前記水力タービンは、水などの洗浄液が影響することによる故障などの支障は 生じない。したがって、モータを使用する場合のように、モータの収容部を水封 するようなことが不要である。そして、回転翼に衝突させた水は、回収して被洗 浄物の洗浄などに再利用することが可能であり、経済的に回転ブラシを回転させ ることが可能である。
【0018】 水力タービンは、そのケーシング内に噴出して回転翼を回転させる水量と、そ のケーシングから排出する水量とをほぼ一致させて、ケーシング内に水を滞留さ せ、この滞留水中で回転翼を回転させるから、回転翼と共に前記滞留水が回転し て、回転翼の回転に対して滞留水が抵抗になるから、回転翼の回転数が低下して トルクが大きくなる。したがって、減速装置を特別に設けることが不要であるか ら、水力タービンの構成を簡素にすることが可能であり、かつ回転翼の回転に伴 って回転翼に振動が生じることがなくなり、回転翼が静かにかつスムーズに回転 する。
【0019】 前記ケーシング内に噴出して回転翼を回転させた水を、導水路と給水路を経て 水噴出孔から、回転ブラシが洗浄している被洗浄物の洗浄部に洗浄水として噴出 する。したがって、回転ブラシの線状材による前記被洗浄物の付着物の分離を回 転ブラシから噴出した前記水が促進するとともに、被洗浄物から分離した付着物 を前記水が流動させて、それを被洗浄物と回転ブラシから除去し、回転ブラシに 付着物が再付着することを防止する。そして、ケーシング内の水を回転ブラシか ら噴出させるから、その構成を簡素にすることが可能であり、かつその噴出させ た水を凹形状などの被洗浄物の洗浄面に的確に衝突させることができ、被洗浄物 の洗浄効率の向上に寄与する。
【0020】
【実施例】
本考案の食器などの洗浄装置の第1実施例を図1〜8について説明する。図1 〜8において、1は洗浄用の回転ブラシで、これは硬質のプラスチックで形成し た断面台形状で円板状の基体2にシリコンゴムからなる線状材3を立植し形成さ れている。前記線状材3は直径が約5mmの丸棒状に形成され、硬度が約50度で あって、4本ずつをまとめて基体2に立植している。基体2に対する線状材3の 立植は、例えば、線状材3を二つ折りして、その折曲側端部を基体2に埋め込む など任意である。
【0021】 前記各線状材3は、前記のように、直径が約5mmと比較的大きく、そのそれぞ れが弾性変形したときの反発弾性が大きいから、被洗浄物の内面に比較的強く接 触して付着物を除去することが可能である。したがって、基体2の径方向にほぼ むらなく配置して、4本ずつまとめた各線状材3の間隔はかなり大きくして、粗 に立植すればたりる。4は基体2に突設した棒状の取付部で、これに取付凹部5 が形成されている。6は取付凹部5に連通させて取付部4に、その軸線方向に形 成された支持溝で、その底部側端に回転ブラシ1の回転方向と逆方向に折曲した 係止部6aが形成されている。
【0022】 7は前記取付凹部5に連通させて基体2に設けられた水噴出孔、8は前記取付 凹部5に端部を挿入して基体2に取付られた回転ブラシ1のシャフトで、これは パイプ状に形成されて、その軸線方向に貫通した給水路9が形成されており、こ の給水路9が前記水噴出孔7に連通している。10はシャフト8の端部外面に突設 された係止ピンで、この係止ピン10を前記支持溝6に挿入しかつ係止部6aに係止 して、シャフト8と基体2を分離可能に結合している。
【0023】 11は前記回転ブラシ1を回転させる水力タービンで、その回転翼12の中心部に シャフト8の端部が貫通固着されている。前記回転翼12は図3〜4に示したよう に、ステンレススチールからなる一対の回転円板13a,13b の中心部が、ステンレ ススチール製の円筒状の軸カラー14の両端に重ねて固着され、かつ回転円板13a, 13b の間に翼壁としてのステンレススチールからなる複数の翼板15を架設状に固 着し構成されている。各翼板15は、図4に示したように、回転円板13a,13b のほ ぼ接線方向に、かつ各翼板15の一端を回転円板13a,13b の周縁部に位置させて、 回転円板13a,13b の周方向に並べて配置されており、互いに隣合った各翼板15の 回転円板13a,13b の外周縁に位置した端部側部分と他端側部分とが、回転円板13 a,13b の径方向で間隔をおいて互いに重なっている。そして、回転円板13a,13b 間に放射状に閉鎖板16を配置し、かつ前記各閉鎖板16を各翼板15における回転円 板13a,13b の中心側の端部と、その外側に位置した各翼板15の端面に当接させ、 互いに隣合った翼板15間を閉鎖して、隣合った各翼板15間に水受凹部17を形成し て前記回転翼12が構成されている。前記回転円板13a,13b と軸カラー14及び翼板 15は、鋼材、鉄、しんちゅうなどの合金その他の金属で形成することが可能であ るとともに、これらをプラスチックで形成することもできる。
【0024】 18は水を溜めることが可能な方形のケーシングで、これに回転翼12の全体を収 容し、かつ回転翼12を貫通突出したシャフト8の端部が、ケーシング18の底板18 a を貫通して底板18a に固着した軸受20a で支持されている。19はケーシング18 の開口部のふた板で、これを前記シャフト8が貫通し、かつふた板19に固着され た軸受20b でシャフト8が支持されている。21は回転翼12の前記水受凹部17に向 けて水を噴出し衝突させることが可能に、ケーシング18の側壁を貫通して取付け られたノズル、22は回転翼12の回転円板13a,13b の外周に沿ってケーシング18内 に立設された円形の水案内壁で、そのノズル21と反対側の部分に放水開口部23が 設けられている。24は前記ノズル21が噴出した水を通過させるために、ノズル21 と相対して水案内壁22に設けた通水孔である。前記水案内壁22に設けた放水開口 部23の位置は任意であり、例えば、ノズル21の径方向の位置に設けることも可能 である。
【0025】 前記ケーシング18の底板18a は回転翼12のほぼ全体を載置することが可能な範 囲に設けて、放水開口部23側における底板18a の端部に連通孔25が形成され、こ の連通孔25に連通させてふた板18a の外側に、前記シャフト8に形成された給水 路9の端部に連通する導水路26が形成されている。したがって、ノズル21がケー シング18内に噴出した水の一部が、導水路26と給水路9を経て基体2の水噴出孔 7から噴出する。27は放水開口部23側でケーシング18に設けられた排水口で、こ れに排水管28が接続されている。前記導水路26と給水路9を経て水噴出孔7から 噴出する水と排水口27から排出される水の合計量を、ノズル21が噴出する水量と をほぼ同じに設定して、ケーシング18内に水が滞留してほぼ充満状態になるよう に構成されている。29はケーシング18に固着突出した取付板である。
【0026】 30は洗浄装置で、その洗浄室31を貫通して平行状に間隔をおいて水平方向に断 面L字形状の一対のガイドレール32a,32b が固定配置されており、このガイドレ ール32a,32b に食器などの被洗浄物の両端部がスライド可能に載置される。33a, 33b はガイドレール32a,32b の各下側に水平方向に配置されて間欠進行する一対 のエンドレスのチエンコンベアで、このチエンコンベア33a,33b のそれぞれに間 隔をおいて突設されたブラケット33c,33d にフック34a,34b が上下方向に、かつ ガイドレール32a,32b よりも上側に突出する長さに取付けられている。したがっ て、ガイドレール32a,32b に両端部が載置された被洗浄物を、それにフック34a, 34b を係止してチエンコンベア33a,33b が間欠的に搬送する。
【0027】 35は前記チエンコンベア33a,33b の各下側に配置された上下動手段としてのス イング部材で、そのチエンコンベア33a,33b の進行方向と反対側の端部が、チエ ンコンベア33a,33b の進行方向に対して直交方向に設けられた支軸36で上下方向 にスイング可能に支持されている。37は洗浄室31の上部に配置されたモータで、 そのシャフトにカム38が固着されている。39は前記スイング部材35の自由端部と カム38に各端部が固着されたワイヤで、その中間部が複数のローラ40で支承され ており、モータ37によるカム38の回動で、前記スイング部材35を上下にスイング させ、かつ上方にスイングしたスイング部材35はほぼ水平状態になる。そして、 前記モータ37はカム38でスイング部材35を上側にスイングさせた状態をタイマー (図示省略)で設定時間維持することが可能に構成されている。
【0028】 前記スイング部材35の上に、水力タービン11のケーシング18を載置し、取付板 29でスイング部材35に取付けている。したがって、スイング部材35が下方にスイ ングすると、水力タービン11に取付けた回転ブラシ1が前記ガイドレール32a,32 b よりも下側に位置して、ガイドレール32a,32b に載置した被洗浄物のスライド が可能になる。スイング部材35が上方にスイングしてほぼ水平状態になると、回 転ブラシ1が上昇して線状材3が、ガイドレール32a,32b 上で停止した被洗浄物 に接触し弾性変形でわん曲する。
【0029】 41はガイドレール32a,32b の上側にスイング部材35とほぼ相対して水平方向に 配置された、被洗浄物の上昇を防ぐ硬質プラスチックまたは金属からなる支持板 で、そのチエンコンベア33a,33b の進行方向と逆側端部を上側に傾斜させて、被 洗浄物が支持板41の下側にスムーズに入ることを可能にしている。42は支持板41 の下面に固着された超高分子ポリエチレンからなる押えプレートで、その下面に 接触した被洗浄物の回転を阻止し、チエンコンベア33a,33b による移送時には被 洗浄物をスライドさせる。
【0030】 43は押えプレート41の上面に固着立設された複数本の支持ロッド、44a,44b は 洗浄室31内の上部に垂下状に取付けられた一対の支持ボルト、45は支持ボルト44 a,44b に架設状にかつスライド可能に取付けられた支持材、45a,45b は支持材44 の上下で支持ボルト44a,44b のそれぞれに取付けられた調整ナット、46は支持材 45を貫通して固着された複数の支持パイプで、これらに前記支持ロッド43のそれ ぞれがスライド可能に挿通され、かつ支持ロッド43の各先端に支持ナット43a が 取付けられている。47は押えプレート41と支持パイプ46間に取付けられた付勢ば ねで、これが押えプレート42を下方に付勢している。したがって、前記各調整ナ ット45a,45b の移動で支持ボルト44a,44b に対する支持材45の位置を調整すると 押えプレート42が上下動して、ガイドレール32a,32b の上に載置した皿などの被 洗浄物の高さに押えプレート42を対応させることが可能であり、かつ押えプレー ト42による被洗浄物の加圧状態を調整することができる。前記押えプレート42を 形成する素材は超高分子ボエチレンに限定することは不要であって、他の硬質や 軟質のプラスチックまたはゴムで形成することも可能である。
【0031】 48は前記ケーシング18に設けた排水管28を延長し、かつ先端を上向きに折曲し 形成した前洗浄ノズル(図6参照)で、この前洗浄ノズル48が回転ブラシ1より も上流側に停止する被洗浄物の下に位置している。50a,50b はスイング部材35よ りもチエンコンベア33a,33b の進行方向側でガイドレール32a,32b の上側とチエ ンコンベア33a,33b の下側にそれぞれ配置された本洗浄ノズル、51a,51b は仕上 洗浄ノズル、52は洗浄装置30の被洗浄物の入口、53は被洗浄物の出口、54は被洗 浄物としての皿である。前記前洗浄ノズル48は、ケーシング18に連設することな く、所要の位置に固定的に配置して、その前洗浄ノズル48とケーシング18の排水 管28とをフレキシブルな配管で接続することも可能である。
【0032】 上記食器などの洗浄装置30は、水力タービン11のノズル21から水を噴出させ回 転翼12を回転させて、シャフト8と共に回転ブラシ1を回転させる。すると、ケ ーシング18内に噴出して加圧された水の一部が前洗浄ノズル48から噴出する。そ して、モータ37でカム38を回動させてスイング部材35と共に水力タービン11を上 下にスイングさせ、かつ本洗浄ノズル50a,50b と仕上洗浄ノズル51a,51b のそれ ぞれから洗浄水を噴出させる。一方、入口52でガイドレール32a,32b に下向きに した皿54の両端部を載置して、間欠進行するチエンコンベア33a,33b のフック34 a,34b を前記皿54に係止してガイドレール32a,32b に沿って間欠移送し、その皿 54を前洗浄ノズル48と回転ブラシ1の各上位、及び本洗浄ノズル50a,50b と仕上 洗浄ノズル51a,51b の各間に順次に設定時間ずつ停止させることを反復する。回 転ブラシ1の上側に位置するときの皿54は、押えプレート42の下側に入り、付勢 ばね46の弾力に抗して押えプレート42を上方にやや移動させる。すなわち、前記 付勢ばね46の反発弾性で、皿54がガイドレール32a,32b にやや押付けられる状態 になっている。
【0033】 したがって、前記のように停止した皿54の内面を、まず前洗浄ノズル48から噴 出する水で洗浄する。次に、押えプレート42に接した状態で皿54が停止すると、 スイング部材35の上昇で回転ブラシ1の線状材3が皿54の内面に接触して弾性変 形でわん曲し回転して、皿54の内面に比較的強固に付着した付着物も分離する。 同時に、ケーシング18内の加圧水の一部が、導水路26と給水路9を経て基体2の 水噴出孔7から噴出し皿54の内面に衝突する。このため、水噴出孔7から噴出し た水が皿54の付着物の分離を容易化し、かつ皿54から分離した付着物を流動させ て、皿54及び線状材3と基体2から除去する。
【0034】 前記のように、回転ブラシ1が洗浄しているときの皿54は、押えプレート42で 押えられているから、上方に移動しないとともに、押えプレート42との摩擦で回 転もしない。回転ブラシ1が皿54の内面を設定時間洗浄すると、スイング部材35 の下方スイングで回転ブラシ1が皿54から分離する。そして、チエンコンベア33 a,33b が、その皿54を間欠搬送して本洗浄ノズル50a,50b 間に停止させるから、 皿54の両面を本洗浄ノズル50a,50b の洗浄液が洗浄する。本洗浄が終わった皿54 は仕上洗浄ノズル51a,51b 間に停止して、仕上洗浄ノズル51a,51b が噴出する清 浄な水で仕上洗浄されてから出口53に出る。
【0035】 この食器などの洗浄装置30は、前記のように、回転ブラシ1を水力タービン11 で回転させるから、モータを使用した場合のように防水及び配線の必要がなく、 構成が簡単になってコストを引き下げることが容易である。そして、水力タービ ン11はケーシング18内に回転翼12を収容して構成し、かつケーシング18内に滞留 させた水中で前記回転翼12を回転させるから、回転翼12に振動などが生じること もなくスムーズに回転させることができる。また、前記ケーシング18内の水が回 転翼12の回転に対して抵抗になって、回転翼12の回転数を低下させるから、回転 翼12の減速機構を設けることが不要であり、コストの引き下げが可能である。
【0036】 前記ケーシング18は方形であるが、回転翼12の外周縁に沿って円形の水案内壁 22を設けているから、回転翼12の回転に伴なうケーシング18内の滞留水の流動は 水案内壁22に沿って生じる。このため、前記滞留水がスムーズに流動するから、 回転翼12のスムーズな回転が可能であり、その回転数を適度に低下させてトルク を大きくする。しかも、この第1実施例は、回転翼12を構成した回転円板13a,13 b と軸カラー14及び翼板15のそれぞれをステンレンスチールで形成して、回転翼 12の重量を比較的大きくしている。したがって、ノズル21が噴出した水で回転さ せた回転翼12の回転に、その重量ではずみがつく状態になるから、回転翼12はよ りスムーズにかつ静かに回転し、そのトルクも大きくなる。このため、皿54の内 面に線状材3が適度に圧接状態になっている回転ブラシ1を強力に回転させて、 皿54の付着物を効率よく的確に除去することができる。なお、ケーシング18の必 要部分を円弧状にして、前記水案内壁22を除くことも可能である。
【0037】 前記回転翼12は回転円板13a,13b の間に翼板15を配置し構成しているが、互い に隣合った前記翼板15間の端部に袋状に閉鎖した水受凹部17を設けて、この水受 凹部17に向けてノズル21が水を噴出させて衝突させるから、その噴出水のエネル ギーを回転翼12のトルクにより効率よく変換することが可能である。そして、ケ ーシング18の開口部をふた板19で閉鎖しているから、ケーシング18内に滞留した 水は加圧され、かつその加圧水の一部が排水口27を経て前洗浄ノズル48から噴出 する。この前洗浄ノズル48が噴出した水で、前記回転ブラシ1で洗浄する前の皿 54の内面をあらかじめ洗浄するから、回転翼12を回転させた水を効率よく活用す ることができ、かつ回転ブラシ1による皿54の洗浄で付着物の除去をより充分に 行うことが可能である。前記排水口27から排出した水は、他の用途に使用または そのまま放水するなど任意である。
【0038】 前記ケーシング18内に滞留した加圧水の他一部は、底板18a の端部の連通孔25 に連通した導水路26から、底板18a を貫通したシャフト9の給水路9を経て基体 2の水噴出口7から噴出して皿54の内面を洗浄する。このように、回転ブラシ1 の線状材3で洗浄している皿54を基体2から噴出する水でも洗浄する。したがっ て、皿54の内面をより効率よく洗浄できるとともに、皿54から除去した付着物を 順次に流して、前記除去物を皿54及び回転ブラシ1からも順次に除去する。そし て、回転ブラシ1の線状材3は直径5mm程度に大きく、前記除去物は線状材3か ら容易に分離して流動して、線状材3間に残るようなことを防ぐことが可能であ るから、回転ブラシ1の衛生状態を常によい状態にしておくことができる。
【0039】 前記回転翼12における翼板15の配置構成は任意であって、例えば、シャフトの 周面に放射状に翼板を突出させることも可能である。そして、前記スイング部材 35のスイング手段も任意であって、エアシリンダなどでスイング部材35をスイン グさせることもできる。基体2に対する線状材3の立植も、例えば、線状材3を 20〜30本程度を揃えて、台形状の基体2の頂面部に立植し、斜面部に数本ず つを立植するなど任意であって、被洗浄物の内面の洗浄に対して適するように立 植すればたりる。基体2の形状も、被洗浄物の断面形状に対応して形成するもの であり、球面状や棒状に形成することも可能である。前記ワイヤ39はチエンなど のフレキシブルな任意の素材が使用できるとともに、モータ37の位置を選定して 直線の棒材でスイング部材35をスイングさせることも可能である。
【0040】 図9は第2実施例で、水力タービンのケーシングにおける導水路に関する。こ の第2実施例は、ケーシング18の底板18a 外側に、ケーシング18から独立させて シャフト8の給水路9に連通する導水室26a が設けられて、ケーシング18と導水 室26a とを導水パイプ26b で接続して、ケーシング18内に滞留した加圧水を導水 パイプ26b と導水室26a を経てシャフト8の給水路9に給水するように構成して いる。ケーシング18のふた板19と導水室26a とを導水パイプ26b で接続すること も可能である。他の構成は前記第1実施例と同じであるから、同符号を付して示 した。
【0041】 図10は第3実施例で、ケーシングの導水路に関する。この第3実施例は、前記 第1実施例における導水路26を設けることなく、シャフト8の給水路9の端部を ケーシング18の外部に開口する。そして、ケーシング18に接続した導水パイプ26 b の先端に水噴出ノズル26c が接続されて、その水噴出ノズル26c を前記給水路 9の端部に臨ませている。すなわち、水噴出ノズル26c が噴出した水を給水路9 を経て回転ブラシ(図示省略)の水噴出孔から噴出させるものである。他の構成 は前記第1実施例と同じであるから、同符号を付して示した。
【0042】 なお、前記導水パイプ26b の端部をケーシング18に接続することなく、水噴出 ノズル26c を給水路9の開口端部に臨ませて導水パイプ26b をケーシング18に取 付ける。そして、導水パイプ26b にホースなどのフレキシブルなパイプを介して ポンプまたは水道パイプを接続して、ポンプで加圧した水または水道水を水噴出 ノズル26c から給水路9に噴出させることも可能である。
【0043】 図11は第4実施例を示すものであり、前記水力タービンに関する。この水力タ ービン11は、そのケーシング18の開口部をふた板19で閉鎖して、ふた板19に水噴 出パイプ55が立設され、かつこの水噴出パイプ55の先端が回転ブラシ1で洗浄す る皿54の内部に向けられている。他の構成は前記第1実施例と同じであるから、 同符号を付して示した。この水力タービン11は、ノズル21が噴出してケーシング 18内に滞留した水中で回転翼12を回転させる。そして、ケーシング18内に滞留し た加圧水の一部が前記水噴出パイプ55から噴出し、回転ブラシ1が洗浄している 皿54の内部に入って、皿54から分離した食品その他の付着物を流動させて皿54か ら除去する。したがって、この第2実施例は、前記第1実施例における導水路26 及び基体2の水噴出孔7を設けていない。前記水噴出パイプ55は容部19a の側壁 などに設けることも可能である。他の構成は前記第1実施例と同じであるから、 同符号を付して示した。
【0044】 図12は第5実施例であって、水力タービンを上下動させるスイング部材に関す る。図12において、35a はスイング部材で、その中間部が支軸56で支持されて上 下方向にスイング可能に構成されている。そして、スイング部材35a の端部上面 に水力タービン11が、他端にローラ58がそれぞれ取付けられている。59はローラ 58を下側から支持して回転するように設けられた円形カムで、その外周一部に支 持凹部59a が形成されている。60はスイング部材35a のローラ58側を下方に付勢 した付勢ばねである。前記付勢ばね60は重りに変えることも可能である。
【0045】 前記第5実施例は、付勢ばね60で付勢されたスイング部材35a のローラ58が円 形カム59の支持凹部59a に位置したときに水力タービン11と回転ブラシ1が上昇 して、回転ブラシ1が被洗浄物を洗浄する。円形カム59が回転して、その大径部 にローラ58が位置すると、円形カム59がローラ58を介してスイング部材35a を下 方にスイングさせて、回転ブラシ1を被洗浄物から分離させる。
【0046】 図13は第6実施例であり、この実施例も前記スイング部材に関し、スイング部 材35a の中間部が支軸56で支持されて、そのスイング部材35a の端部に水力ター ビン11が取付けられ、かつ重り60a を取付けてスイング部材35a を下方に付勢し ている。そして、スイング部材35a の他側側に、スイング部材35a を上側から支 持する回転カム59が回転可能に設けられている。59a は回転カム59の一部に突設 された支持突部で、これに支持ローラ59b が取付けられている。他の構成は前記 第1実施例と同じであるから、同符号を付して示した。前記重り60a はばねに変 えることも可能である。この実施例は、重り60a の重量と回転カム59とでスイン グ部材35a を上下にスイングさせて、回転ブラシ1を被洗浄物に接触させ、かつ それから分離させる。
【0047】 図14は第7実施例であり、被洗浄物の押え部材に関する。図14において、41a は被洗浄物の押え板、43は押えプレート41の上面に固着立設された複数本の支持 ロッド、44a,44b は垂下状に設けられた一対の支持ボルトで、これらに架設状に かつスライド可能に支持材45が取付けられている。そして、支持材45の上下両側 で支持ボルト44a,44b に調整ナット45a,45b が取付けられている。46は支持材45 を貫通して固着された複数の支持パイプで、これらに各支持ロッド43がスライド 可能に挿通され、かつ支持ロッド43の各先端に支持ナット43a が取付けられてい る。47は押え板41a を下方に付勢する付勢ばね、61は押え板41a の下側面に一部 を重ねて配置された自由に進行するエンドレスのベルトコンベアで、押え板41a の両側でベルトコンベア61を支持した一対の支持ロール62a のそれぞれは、上下 動可能に設けられて下方にスプリング63で付勢されている。62b もベルトコンベ ア61の支持ロール、54は被洗浄物としての皿である。
【0048】 前記第7実施例は、ガイドレール(図示省略)でガイドされて間欠的に搬送さ れた皿54がベルトコンベア61の下側に位置すると、その皿54の搬送に従ってベル トコンベア61も進行する。この状態で皿54が押え板41a の下側に入って、押え板 41a で押えられた状態で停止すると、回転ブラシ(図示省略)が上昇して皿54を 洗浄する。洗浄が終わって、洗浄ブラシが下降すると皿54が搬送されるから、同 時にベルトコンベア61も進行する。このように、押え板41a で押えられた皿54は ベルトコンベア61と共に進行するから、押え板41a に対して皿54をスムーズに進 行させることが可能である。
【0049】 図15は第8実施例であり、被洗浄物の押え部材に関する。図14において、41b は押え板であり、その長さ方向の両端に幅方向に長い支持ロッド64a,64b が固着 されている。65a,65b は支持板で、その各上部側に形成されたV字形状の支持凹 部66a,66b に前記支持ロッド64a,64b の各端部が挿入されている。すなわち、押 え板41b を支持ロッド64a,64b で上下動可能に支持している。67は押え板41b の 上面に取付けられた重りである。この押え板41b は、重り67の重量に抗して押え 板41b をやや持ち上げる状態にして、その下側に搬送された被洗浄物が入り、か つその状態で搬送されて停止する。被洗浄物が回転ブラシ(図示省略)で洗浄さ れると、被洗浄物は搬送されて押え板41b の下側を通過するものである。この押 え板41b 、構成が簡単であり、コストの引き下げが容易である。重り67は、付勢 ばねに変えることも可能である。前記支持凹部66a,66b はU字形状に形成するな ど、その形状は任意であって、支持ロッド64a,64b が上下動することが可能な深 さに形成すればたりる。
【0050】 図16は第9実施例を示し、前記第1実施例におけるチエンコンベアに関する。 図16において、32a,32b は平行状に配置された一対のガイドレールで、その各外 側に間隔をおいて平行状に一対のエンドレスのチエンコンベア33a,33b が配置さ れて、このチエンコンベア33a,33b からガイドレール32a,32b に載置する状態に 突部されたブラケット33c,33d に、ガイドレール32a,32b に載置された被洗浄物 に係止されるフック34a,34b が下向きに突設されている。他の構成は前記第1実 施例と同じであるから、同符号を付して示した。前記チエンコンベア33a,33b の フック34a,34b による被洗浄物の搬送は前記第1実施例と同じである。この第1 実施例と第2実施例から明らかなように、ガイドレール32a,32b に関する構成は 任意にすることが可能である。
【0051】
【考案の効果】
本考案の食器などの洗浄装置は、上記のように、2mm程度よりも大きくて柔軟 性を有し弾性変形が可能なゴム系またはプラスチック系からなる線状材を基体に 立植して回転ブラシが構成されている。したがって、食器などの被洗浄物に、前 記線状材を軽く圧接して弾性変形でわん曲させると、線状材と被洗浄物との接触 面積が大きくなり、かつ線状材の反発弾性が比較的大きくて被洗浄物に強く接触 するから、この回転ブラシの回転で被洗浄物の付着物を効率よく除去することが できる。また、線状材が前記のように比較的大きいから、その複数本をまとめて 立設した場合も、各線状材の立植状態が、前記従来例の回転ブラシの糸状に細い 繊維の立植状態に比してかなり粗になる。このため、被洗浄物から除去した付着 物が、各線状材の間に入って分離が困難になるようなことがなく、回転時の遠心 力や洗浄で容易に分離するから回転ブラシを常に衛生的な状態で使用することが できる。
【0052】 前記食器などの被洗浄物を洗浄する回転ブラシは水力タービンで直接に回転さ せる。したがって、前記従来例のように、回転ブラシをモータで回転する場合に よう防水処理が不要であるととともに、水に起因する故障のおそれもなく、水力 タービンの維持管理が容易である。そして、水力タービンは構造が簡単になるか ら、そのコストを引き下げることも容易である。前記水力タービンは回転翼の全 体をケーシングに収容し、その回転翼に衝突させた水をケーシング内に滞留させ て、その滞留水と共に回転翼を回転させる。したがって、回転翼の回転数を前記 水の抵抗で減少させることができ、減速装置を設けることが不要であるから、そ のコストを引き下げることが可能である。また、滞留させた水と共に回転翼を回 転させるから、回転翼にはずみがついてトルクが大きくなり、かつ振動などが生 じることを防いで、静かに運転することが可能である。
【0053】 前記回転ブラシの全長に給水路を形成するとともに、この給水路に連通させて 回転ブラシの基体に水噴出孔を設ける。そして、前記回転ブラシを回転させる水 力タービンのケーシングの開口部をふた板で閉鎖し、そのケーシング内の滞留水 を加圧することを可能にして、その加圧水の一部を前記シャフトの給水路を経て 前記基体の水噴出孔から噴出させる。すなわち、回転ブラシで被洗浄物を洗浄し ながら、その被洗浄物の洗浄面を基体から噴出する水で洗浄する。したがって、 回転ブラシによる被洗浄物の洗浄をより効率よく行うことが可能であり、かつ被 洗浄物から除去した付着物を前記水で順次に効率よく流動させて、被洗浄物及び 回転ブラシから除去することが可能であるから、回転ブラシの衛生状態をよい状 態に維持することが容易である。そして、ケーシング内の加圧水の一部をシャフ トの給水路を経て回転ブラシから噴出させるから、その構成を簡素にすることが 可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案第1実施例の回転ブラシの一部を断面し
た正面図である。
【図2】第1実施例の回転ブラシの平面図である。
【図3】第1実施例の水力タービンの断正面図である。
【図4】第1実施例の水力タービンの平面図である。
【図5】第1実施例の洗浄装置の正面図である。
【図6】第1実施例の洗浄装置のスイング部材の正面図
である。
【図7】第1実施例の洗浄装置の押えプレートの正面図
である。
【図8】第1実施例の洗浄装置の押えプレートの拡大側
面図である。
【図9】第2実施例の水力タービンの正面図である。
【図10】第3実施例の水力タービンの正面図である。
【図11】第4実施例の水力タービンの正面図である。
【図12】第5実施例のスイング部材の正面図である。
【図13】第6実施例のスイング部材の正面図である。
【図14】第7実施例の押え板の正面図である。
【図15】第8実施例の押え板の正面図である。
【図16】第9実施例の洗浄装置のチエンコンベアの側面
図である。
【符号の説明】
1:回転ブラシ、2:基体、3:線状材、7:水噴出
孔、8:シャフト、9:給水路、11:水力タービン、1
2:回転翼、13a,13b :回転円板、15:翼板、18:ケー
シング、19:ふた板、21:ノズル、22:水案内壁、23:
放水開口部、25:連通孔、26:導水路、27:排水口、32
a,32b :ガイドレール、33a,33b :チエンコンベア、34
a,34b :フック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 杉田 弘 奈良県大和郡山市今国府町6−3 株式会 社 中西製作所 奈良工場内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送手段で被洗浄物を間欠搬送する間に
    上下動して前記被洗浄物に接触、回転し、その被洗浄物
    を洗浄する回転ブラシを備えた食器などの洗浄装置にお
    いて、径または厚さが2mm程度よりも大きく形成された
    柔軟性を有し弾性変形が可能なゴム系またはプラスチッ
    ク系からなる線状材を基体に立植して前記回転ブラシが
    構成され、パイプ状にして軸線方向の全長に給水路が形
    成されたシャフトの端部が前記基体に取付けられるとと
    もに、前記基体の線状材立植面に開口させて基体に設け
    た水噴出孔にシャフトの給水路を連通させて、前記シャ
    フトの他端に水力タービンの回転翼が直接固着されて、
    水を溜めることが可能なケーシング内に前記回転翼が収
    容され、そのケーシングの側壁を貫通して回転翼に水を
    衝突させるノズルが配置されて、ケーシングに排水部が
    設けられ、前記ケーシングの開口部がふた板で閉鎖され
    て、ケーシング内の水をシャフトの回転翼側の給水路の
    端部に供給する導水路が形成され、前記ノズルからケー
    シング内に噴出する水量と排水部から排出する水量とを
    ほぼ一致させて、ケーシング内に水を滞留させ、その滞
    留した水中で回転翼を回転させて、ケーシング内の加圧
    水を前記導水路を経てシャフトの回転翼側の給水路の端
    部に供給し、その加圧水を回転ブラシの水噴出孔から噴
    出させることを特徴とする食器などの洗浄装置。
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