JP3014945B2 - ナトリウム−硫黄電池の残存電力量判定方法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池の残存電力量判定方法

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JP3014945B2 JP7092732A JP9273295A JP3014945B2 JP 3014945 B2 JP3014945 B2 JP 3014945B2 JP 7092732 A JP7092732 A JP 7092732A JP 9273295 A JP9273295 A JP 9273295A JP 3014945 B2 JP3014945 B2 JP 3014945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、ナトリウム−硫黄電
の残存電力量判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 ナトリウム−硫黄電池は設定された運
転可能範囲内で充放電を繰り返して運転される。この運
転可能範囲を逸脱して運転することは、過放電又は過充
電を招き、電池性能の低下につながる。このため、電池
の残存容量を的確に把握することが必要である。
【0003】従来、ナトリウム−硫黄電池の残存容量を
判定する方法として、例えば、ナトリウム−硫黄電池の
充電電流あるいは放電電流を積算し、それらの積算値と
定格容量とを比較して残存容量を判定する方法があっ
た。すなわち、放電に際しては、定格容量から放電電流
の積算値が減算されて残存容量が算出され、充電に際し
ては残存容量に充電電流の積算値が加算される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、上記従来
技術においては、充電電流及び放電電流の測定において
誤差が生じた場合、たとえその誤差が微少であっても、
積算によりその誤差が拡大して、残存容量を的確に判定
することができなかった。また、電池の長期運転等を原
因としたナトリウム−硫黄電池の劣化や内部故障等によ
り、ナトリウム−硫黄電池の定格容量が減少した場合
は、積算による残存容量値の判定が正確であっても、判
定された残存容量と実際の容量との間に誤差が生じ、残
存容量を的確に判定できないことがあった。
【0005】そして、ナトリウム−硫黄電池に劣化等が
存在しているために、残存容量を的確に判定できないと
いうことは、ナトリウム−硫黄電池をその運転可能範囲
を逸脱して運転してしまい、過放電又は過充電に至るこ
とになる。そして、この過放電や過充電が実行される
と、ナトリウム−硫黄電池の劣化や内部故障などがいっ
そう促進されるという悪循環を招くことになる。
【0006】加えて、一つ又は複数の電池に劣化や内部
故障が生じた場合には、その電池の内部抵抗の値が他の
正常な電池の内部抵抗の値より大きくなってしまう。こ
れによって、たとえ正常電池に対する通電が過充放電に
至らない程度であっても、劣化・内部故障電池には、過
負荷となる事態が生じた。これも、前記のような悪循環
を招くことになる。
【0007】特に、ナトリウム−硫黄電池の残存容量の
判定は、相互に接続された多数のナトリウム−硫黄電池
を1単位として複数の単位をトータルとして行われるた
め、例えば1単位内の少数のナトリウム−硫黄電池に劣
化や内部故障等が生じて、その少数のナトリウム−硫黄
電池に性能の低下が発生しても、その状態は表面化しな
い。このため、前記と同様に性能低下したナトリウム−
硫黄電池にはその能力を越えた負荷が加えられて運転が
行われることが多く、前述の悪循環の事態となった。
【0008】この外に、充放電に費やした時間を監視し
て、一定時間以上充放電を行わないようにしたりする方
法も考えられる。しかし、この場合には、残存容量や充
放電量が無視されるため、前述の場合よりも悪い結果を
招くおそれがある。
【0009】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、残存容
量を的確に判定して、過充電、過放電を防止できるよう
にすることにある。
【0010】また、この発明の目的は、劣化等を確実に
認識して、一部のナトリウム−硫黄電池に過大な負担を
かけることを防止でき、前記のような悪循環を防止でき
るようにすることにある。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【課題を解決するための手段】 請求項においては、
ナトリウム−硫黄電池の電圧を測定し、その電圧の測定
値から放電深度を求め、その放電深度からナトリウム−
硫黄電池の残存容量を求めるとともに、各充放電の電力
量又は電圧値から平均内部抵抗Rmを算出し、算出され
た平均内部抵抗Rmと放電電流とから放電電圧を算出
し、前記残存容量と放電電圧とを乗算して算出された残
存電力量に基づいてナトリウム−硫黄電池の残存電力量
を判定する。
【0016】請求項においては、請求項1において、
前記放電電圧は、現放電深度から放電末までの深度領域
において、放電深度と開放電圧との予め定められた関係
に基づき現放電深度に対応する開放電圧を求め、その開
放電圧から平均内部抵抗Rmと放電電流による電圧を差
し引いた電圧として算出されるものである
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】 請求項の発明においては、放電深度に従っ
て電池の残存容量が求められるとともに、各充放電の電
力量又は電圧値から平均内部抵抗Rmが算出され、その
平均内部抵抗Rmと放電電流とから放電電圧が算出され
る。そして、それら残存容量と放電電圧とを乗算して残
存電力量が算出される。このように算出された残存電力
量に基づいてナトリウム−硫黄電池の残存電力量が判定
される。請求項の発明においては、前記放電電圧は、
現放電深度から放電末までの深度領域において、放電深
度と開放電圧との予め定められた関係に基づき現放電深
度に対応する開放電圧を求め、その開放電圧から平均内
部抵抗Rmと放電電流による電圧を差し引いた電圧とし
て算出される。このため、時々変化する放電電圧に対応
して電池の残存電力量を精度良く判定することができ
る。
【0022】
【実施例】 (第1実施例) 以下、本発明のナトリウム−硫黄電池(以下、NaS電
池という)の残存容量判定方法及び充放電制御方法を具
体化した第1実施例を図1及び図2に従って説明する。
【0023】図1に示すユニット1は複数のモジュール
2が直列に接続されて構成されている。各モジュール2
は複数のブロック(図示しない)が直列又は並列接続さ
れて構成されている。各ブロックは複数のストリング
(図示しない)が並列接続されて構成されている。各ス
トリングは複数の単電池、すなわちNaS電池(図示し
ない)が直列接続されて構成されている。従って、この
実施例では、各モジュール2が多数のNaS電池より構
成され、各モジュール2がそれぞれ1単位を構成する。
【0024】シャント抵抗3はユニット1に接続されて
いる。絶縁アンプ4はシャント抵抗3の両端子間に接続
されている。複数の絶縁アンプ5は各モジュール2に対
して並列に接続されている。各絶縁アンプ4,5は、そ
れぞれトランス等よりなり、ユニット1あるいはモジュ
ール2の電圧に応じ絶縁変換された電圧を二次側から出
力する。
【0025】制御機能、データ記憶機能、電圧測定機
能、マルチプレクサ機能等の各種の機能を有する制御装
置6は、前記各絶縁アンプ4,5の出力を一定時間をお
いて順次走査的に入力し,それに応じて後述する残存容
量の判定、充放電制御等の各種の動作を行う。表示装置
7は、制御装置6の動作結果を表示する。
【0026】さて、以上のように構成されたシステムに
おいては、一定時間(例えば、12時間)ごとに充電と
放電とが交互に行われる。そして、放電が終了すると、
制御装置6は各絶縁アンプ4,5の出力に基づいて各モ
ジュール2の残存容量を演算する。
【0027】すなわち、NaS電池の充放電特性は以下
のとおりである。図2において、横軸は放電深度(A
h)を示し、縦軸は放電深度に対応する電池電圧(V)
を示している。図2の実線は開放電圧(NaS電池の充
放電動作が停止されているときの電圧)を示し、上方の
点線は充電時の電池電圧を示し、下方の点線は放電時の
電池電圧を示している。実線、点線ともに一定電圧を示
す放電深度区域を二相域(ナトリウムと硫黄とが分極し
ている二相状態)とし、実線及び点線が傾斜される放電
深度区域を一相域(ナトリウムと硫黄とが多硫化ナトリ
ウムを形成している一相状態)とする。なお、充電末期
(図2において上方の点線の左方)に内部抵抗が急激に
上昇することにより急カーブを描いて電圧が上昇してい
るが、この部分も二相域である。放電深度はNaS電池
の容量に対応している。
【0028】さて、例えば、図2の点A位置で放電が終
了されると、電池電圧が点Bの位置まで一定時間(5〜
30分程度)かけて開放電圧まで自然上昇し、安定す
る。従って、この安定領域で各モジュール2の電圧が測
定される。一方、各モジュール2の限界放電深度に対応
する開放電圧のデータが制御装置6に記憶されている。
この限界放電深度に対応する開放電圧は図2において点
Cである。制御装置6は測定電圧と限界放電深度を示す
開放電圧とを比較して、その差をとり、その差により各
モジュール2ごとの放電深度が判定される。判定された
放電深度の値は表示装置7において表示される。
【0029】なお、限界放電深度は、NaS電池の活物
質の量,電池システムの安全度設計,信頼性設計等か
ら、予め計算値として設定される。従って、この実施例
においては、前述した従来例とは異なり、放電電流の積
算値に基づいて放電深度を算出するものではないため、
算出された残存容量に誤差が生じたり、その誤差が蓄積
されたりることがなく、正確な残存容量の値を得ること
ができる。このため、常に適正な残存容量を把握して、
過放電を未然に防止できる。
【0030】さらに、この実施例においては、各モジュ
ール2ごとに残存容量が算出されるため、モジュール2
ごとのフル放電容量(実放電容量+残存容量)を判定し
て、各モジュール2ごとの劣化度合いを把握でき、メン
テナンス等の指針にできる。すなわち、モジュール2ご
との電圧と、絶縁アンプ4により検出されるユニット1
の放電電圧の挙動とにより、制御装置6は残存容量と実
際の放電量とを認識する。そして、劣化の進んだNaS
電池は残存容量が低く出るため、その劣化度合いを正確
に把握できる。
【0031】また、モジュール2ごとのフル放電容量
(実放電容量+残存容量)の値が現在時から、数サイク
ル(1回の充放電が1サイクル)逆上って複数あるいは
単数のヒストリカルデータとして制御装置6にそれぞれ
記憶されている。そして、新しいフル放電容量データと
ヒストリカルデータとが比較され、新しいデータに急激
な変動が見られた場合には、そのモジュール2に内部故
障が発生したものと判定され、その信号が表示装置7に
送られてその旨が表示される。
【0032】また、この実施例では、1相域において、
各モジュール2ごとの電圧の測定を複数回行っている。
このため、その1相域における電圧曲線の傾き及び1相
域と2相域との間の変曲点を知ることができ、それに基
づいてモジュール2内のNaS電池の劣化又は故障を認
識できる。すなわち、正常なNaS電池の電圧曲線は所
定角度の傾きを有するとともに、変曲点は所定放電深度
と対応したところに位置するが、NaS電池が劣化又は
故障した場合、その傾き角度が変位する(通常は傾き角
度が急になる)とともに、変曲点が移動する(通常は変
曲点が図2の右方に移動する)。従って、1相域の複数
位置で電圧を測定することにより、各モジュール2内の
NaS電池が正常であるか否か、つまり、NaS電池に
劣化や内部故障を生じているか、いないかを判定でき
る。
【0033】加えて、1相域の電圧/放電深度傾斜率を
修正パラメータとしておき、劣化又は故障による傾斜率
の変化を補正すれば、より精度の高い残存容量算出と劣
化・内部故障判断とが可能となる。
【0034】加えて、残存容量が最低値を示すモジュー
ル2の残存容量値を基準として、その残存容量値にモジ
ュール数を掛けて1ユニット分の全体の残存容量値とし
て換算することにより、各モジュールに過負荷を強いる
ことのない安全な残存容量を見込むことができる。従っ
て、各モジュール2毎に残存容量のばらつきがあって
も、すなわち劣化度合いが異なっても、そのモジュール
の劣化が進行することなく、無理なく運転できる。な
お、絶縁アンプ4はユニット1全体の電流値に応じた二
次電圧を出力し、それに基づいて制御装置6はユニット
全体の残存容量を判定する。
【0035】また、放電又は充電が進行して、いずれか
のモジュール2の放電末電圧又は充電末電圧が規定電圧
に達した場合(放電時においては規定電圧以下になった
場合、充電時においては規定電圧以上になった場合)
に、制御装置6は、放電又は充電の動作を停止させると
ともに、表示装置7に信号を送り、その旨を表示させ
る。
【0036】ちなみに、前記規定電圧は以下のように設
定される。 ・放電時の規定電圧VLは、 VL=Vocv×nーIm×rd Vocv:所定放電深度に対応する1個のNaS電池の
開放電圧(起電圧)であって設定値である。
【0037】n:1ユニットにおけNaS電池の直列
数。 Im:1ユニットの放電電流(単位はアンペア)であっ
て、絶縁アンプ4を介して制御装置6により測定され
る。
【0038】rd:放電時におけるユニット1の内部抵
抗(設定値)。 ・充電時の規定電圧VHは、 VH=(Vp+α)×n+Im×rc Vp:2相域の開放電圧であって設定値である。
【0039】α:充電時の電圧上昇制限定数(内部抵抗
の上昇分を換算したものであって、NaS電池の課電圧
を制限するものである)。 n:ユニット1におけるNaS電池の直列数。
【0040】Im:ユニット1の充電電流(単位はアン
ペア)であって、絶縁アンプ4を介して制御装置6によ
り測定される。 rc:充電時におけるユニット1の内部抵抗(設定
値)。 上記した式からわかるように、電流Im以外の値は全て
電池システムの構成段階で既知の定数である。
【0041】従って、電流Imの変化に基づいて、電池
の状態に応じた最適な規定電圧VL、VHが設定され
る。これにより、たとえ1個のNaS電池でも劣化等に
より性能が低下し、電流Imの値が低くなっても、放電
時においては規定電圧VLが高く設定され、充電時にお
いては低く設定される。このため、この電池劣化による
電池容量の減少に起因して発生する過放電又は過充電を
防止して、NaS電池を確実に保護できる。 (第2実施例)次に、この発明を具体化した第2実施例
について、図3〜図5に基づいて説明する。
【0042】この実施例においては、第1実施例で求め
られた残存容量(Ah)に基づき、以下のようにして残
存電力量を求め、それを表示できるようにした。すなわ
ち、残存電力量W1 (Wh)は、次式(1)により算出
される。
【0043】 W1 =残存容量(Ah)×VD ・・・(1) 但し、VD は定格放電電圧の初期設定値を表す。このV
D は、電池の内部抵抗によるジュール熱損失を考慮する
ため、次のような方法により内部抵抗Rm に基づいて補
正するのが望ましい。すなわち、各サイクルの平均内部
抵抗Rm は次式(2)により算出される。
【0044】 Rm =(Wc −WD )/(∫IC (t)2dt+∫Id (t)2dt) ・・・(2) 但し、Wc は1サイクルの充電電力量、WD は1サイク
ルの放電電力量、IC(t) は充電電流(測定値)、I
d (t) は放電電流(測定値)を表す。
【0045】この評価により得られたRm を用い、次式
(3)によりVD を補正することができる。 VD =V0 −Rm ×ID ・・・(3) 但し、V0 は放電平均開放電圧(設定値)、ID は定格
放電電流(設定値)を表す。
【0046】あるいは、平均内部抵抗Rm を次式(4)
により算出することもできる。 Rm ≒(V0e−Vde)/Ide ・・・(4) 但し、V0eは放電終了後の開放電圧、Vdeは放電末の電
池電圧、Ideは放電末の電流値を表す。
【0047】この内部抵抗Rm は、前回の充放電サイク
ルに基づいて求め、その値により次回の充放電サイクル
の放電電圧VD を算出するために使用する。また、各サ
イクルの放電条件が等しい場合には、次式(5)によ
り、適正な放電電圧VD を直接求めることも可能であ
る。
【0048】VD =WD /∫Id (t) dt ・・・(5) また、VD は放電電力により異なり、それによって残存
電力量も異なる。従って、図3(a)に示すように、放
電電力(W)と放電電圧(VD )との関係をグラフにし
たり、図3(b)に示すように、同じく両者の関係を表
にしたりして、放電電力から放電電圧を容易に読み取
り、内部演算に使用することができるようにしておくの
が望ましい。
【0049】さらに、図4(a)に示すように、放電電
力(W)と残存電力量(Wh)との関係をグラフにした
り、図4(b)に示すように、同様に両者の関係を表に
したりして、ユーザーが放電電力に対応する残存電力量
を一目でわかるようにしておくのが望ましい。
【0050】加えて、放電電圧(VD )は放電深度(A
h)によっても異なるため、放電電圧を放電深度の関数
として表しておくことにより、より正確な評価を可能に
することができる。すなわち、図5に電池の放電深度と
開放電圧との関係を示す。そして、VD =VD (q0
とし、現放電深度(q0 )から放電末までの深度領域で
評価を行い、このVD を用いて残存電力量を評価する。
【0051】VD (q)は、初期設定関数として予め設
定するものであり、試験データから推定して得る方法
と、理論式により汎用的に与える方法がある。後者の理
論式により求める場合には、例えば次の手順で行われ
る。すなわち、第1実施例において放電深度と開放電圧
の関係は理論上既に示されており、放電を一旦終了した
時点でその深度における開放電圧は既に得られている。
従って、現深度から放電末に到るまでの平均開放電圧V
D (q0 )を容易に算出することができる。
【0052】つまり、現深度から放電末に到るまでの平
均開放電圧VD (q0 )は、次式(6)で評価すること
ができる。 VD (q0 )=V0D(q0 )−Rm ×Ide ・・・(6) 平均内部抵抗Rm は前述のいくつかの方法により補正値
を用いることも可能である。Ideは前述のとおり放電末
の電流値である。深度の浅い領域での評価は定格放電電
流Id を代わりに用いてもよいが、比較的深い深度で評
価することを前提とすれば、Ideの方がより高い評価精
度が得られる。
【0053】なお、現放電深度は、電池の全容量(A
h)から残存容量(Ah)を差し引いて得られる値であ
る。さらに高い精度を必要とする場合には、定格放電電
力をPD として、次式(7)を用いるのが有効である。
【0054】 PD =〔V0D(q)−Rm ×Id (q)〕×Id (q) ・・・(7) 但し、q(時間tの関数)は放電深度を表し、(7)式
と以下の(8),(9)式を演算処理することによって
求められる。
【0055】
【数1】
【0056】
【数2】
【0057】但し、Ah残存容量は前述したように既知
の値であり、teは現深度q0 からの放電可能時間を表
す。従って、残存電力量(Wh)は下記式(10)で表
される。
【0058】
【数3】
【0059】このように、q=q0 (t=0)の時点か
ら放電終了までをシミュレーション的に演算処理を行う
ことにより、高い精度で残存電力量を評価することが可
能である。
【0060】以上のように、この実施例では、残存電力
量(Wh)を容易かつ精度良く測定することができる。
しかも、この残存電力量を表示できるようにしたことか
ら、残存容量(Ah)では一定電力で放電した場合の放
電可能時間を容易に把握することができないのに対し、
放電可能時間を直ちに把握することができる。
【0061】加えて、残存電力量(Wh)を評価するこ
とにより、残存容量(Ah)に基づく電池の劣化のみで
はなく、内部抵抗Rm の変化を加味して電池の劣化を判
定できるため、電池の劣化の判定をより的確に行うこと
ができる。
【0062】また、現在の放電深度に基づいて、それ以
降の放電電圧と放電電流を求め、電池の残存電力量を判
定することにより、時々変化する放電電圧と放電電流に
対応させて電池の残存電力量を精度良く判定することが
できる。
【0063】なお、この発明は、例えば以下のように構
成を変更して具体化してもよい。 (1)放電電流及び充電電流の積算を、前記実施例の各
方法と併用すること。このようにすれば、電池運転時に
は積算値に基づいて残存容量をリアルタイムに認識でき
る。 (2)電圧測定を1ブロックを1単位として行うこと。
従って、電圧測定単位を細分化でき、より精度の高い残
存容量判定や劣化等の判定を行い得る。 (3)電圧の測定を、電池を直列接続したストリングを
1単位として行うこと。それによって、残存容量や劣化
等を精度良く判定できる。
【0064】さらに、前記実施例より把握される技術的
思想につき、以下に記載する。 (a)残存電力量を表示可能にした請求項7に記載のナ
トリウム−硫黄電池の残存電力量判定方法。この構成に
より、定電力による放電可能時間を視覚によって直ちに
把握することができる。 (b)電池の内部抵抗も加味して残存電力量を判定する
請求項7に記載のナトリウム−硫黄電池の残存電力量判
定方法。この構成によれば、電池の劣化をより的確に判
定することができる。
【0065】
【0066】
【0067】
【発明の効果】 以上詳述したように、この発明におい
ては以下のような効果を発揮する。 求項に記載の発
明によれば、残存電力量を容易かつ精度良く得ることが
でき、その残存電力量から定電力による放電可能時間を
容易に知ることができるとともに、電池の劣化も的確に
判定することができる。
【0068】請求項に記載の発明によれば、電池の残
存電力量を、時々変化する放電電圧に対応させて一層精
度良く判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のナトリウム−硫黄電池のシステ
ムを示す回路図。
【図2】 放電深度と電圧との関係を示すグラフ。
【図3】 (a)は第2実施例における放電電力と放電
電圧との関係を示すグラフ、(b)は放電電力と放電電
圧との関係を示す表形式の図。
【図4】 (a)は放電電力と残存電力との関係を示す
グラフ、(b)は放電電力と残存電力との関係を示す表
形式の図。
【図5】 放電深度と開放電圧との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ナトリウム−硫黄電池を構成するユニット、2…ユ
ニットを構成するモジュール、3…電圧を測定するため
に用いられるシャント抵抗、6…ナトリウム−硫黄電池
の残存容量判定及び充放電制御を行う制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 正 東京都千代田区神田神保町2丁目2番30 号 東京電力 株式会社 開発研究所 内 (72)発明者 阿部 浩幸 名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日本碍 子 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平3−158781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/42 - 10/48 G01R 31/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウム−硫黄電池の電圧を測定し、
    その電圧の測定値から放電深度を求め、その放電深度か
    らナトリウム−硫黄電池の残存容量を求めるとともに、
    各充放電の電力量又は電圧値から平均内部抵抗Rmを算
    出し、算出された平均内部抵抗Rmと放電電流とから放
    電電圧を算出し、前記残存容量と放電電圧とを乗算して
    算出された残存電力量に基づいてナトリウム−硫黄電池
    の残存電力量を判定するナトリウム−硫黄電池の残存電
    力量判定方法。
  2. 【請求項2】 前記放電電圧は、現放電深度から放電末
    までの深度領域において、放電深度と開放電圧との予め
    定められた関係に基づき現放電深度に対応する開放電圧
    を求め、その開放電圧から平均内部抵抗Rmと放電電流
    による電圧を差し引いた電圧として算出されるものであ
    る請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池の残存電力量
    判定方法。
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