JP2937796B2 - 電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法及び残存電力量測定方法並びに測定装置 - Google Patents

電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法及び残存電力量測定方法並びに測定装置

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JP2937796B2
JP2937796B2 JP7069508A JP6950895A JP2937796B2 JP 2937796 B2 JP2937796 B2 JP 2937796B2 JP 7069508 A JP7069508 A JP 7069508A JP 6950895 A JP6950895 A JP 6950895A JP 2937796 B2 JP2937796 B2 JP 2937796B2
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、電力貯蔵用二次電
池の残存容量を評価する際に使用される電力貯蔵用二次
電池の充放電電流測定方法及び残存電力量測定方法並び
に測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の電力貯蔵用二次電池の
充放電電流測定装置としては、例えば図10に示すよう
な構成のものが知られている。すなわち、二次電池21
の充電または放電時に、充放電回路22に流れる異なっ
た方向の電流が、シャント抵抗23により電圧に変換し
て測定回路24に入力される。この測定回路24におい
ては、入力電圧が絶縁アンプ25により所定の測定レン
ジに絶縁変換された状態で、電圧測定器26によって測
定される。
【0003】そして、電圧測定器26の電圧測定値が演
算装置27により電流測定値に変換されるとともに、そ
の電流測定値が積分装置28により積算されて、二次電
池21の残存容量が求められる。すなわち、二次電池2
1の定格容量を初期値として設定しておき、充電電流を
プラス側に積算するとともに、放電電流をマイナス側に
積算することにより、二次電池21の充放電運転に伴う
各時点の残存容量が評価される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 ところが、この従来
の二次電池の充放電測定装置においては、次のような問
題があった。 (1) 図11に鎖線で示すように、絶縁アンプ25に
出力誤差があると、充電側と放電側との電流測定誤差が
加算されて発生し、それらの電流を積算して差分から残
存容量を計算する方式では、充放電1回当たりの残存容
量の評価誤差が大きくなる。すなわち、充電側の積算値
はプラス側に積算されたものであり、放電側の積算値は
マイナス側に積算されたものであり、それらの誤差は、
絶対値としては互いプラスマイナス反対側に積算される
ため、放電時と充電時の誤差の値が同一であれば2倍に
拡大される。充放電回数が増加するほどこの誤差は累積
され、さらに大きくなる。 (2) 1つの絶縁アンプ25により充電側と放電側と
の異なった正負両方向の電流を変換するようになってい
るため、図8に示すように、絶縁アンプ25の対応レン
ジLが広くなり、出力カーブCの傾きが小さくなる。従
って、電流の変動に対する出力の変化率が小さくなり、
精度の高い測定が不可能である。 (3) 測定回路24に使用される電圧測定器26は、
1〜5Vの入力仕様のものが多いが、充電側または放電
側のいずれか一方の測定値が絶縁アンプ25の低出力側
になって、出力が安定せず、電圧測定器26の測定誤差
が大きくなる。従って、二次電池21の残留容量の評価
誤差も大きくなる。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、高精度の絶縁アンプ等を使用することな
く、安価な測定回路構成で二次電池の残存容量を精度良
く測定評価することができる電力貯蔵用二次電池の充放
電電流測定方法及その装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する
ために、請求項1に記載の電力貯蔵用二次電池の充放電
電流測定方法の発明では、二次電池の充電及び放電時
に、充放電回路に流れる異なった方向の電流を、極性反
転により正方向または負方向のいずれか一方に統一して
測定回路に入力し、その測定回路において充電及び放電
電流を測定するものである。
【0007】また、請求項2の発明では、請求項1に記
載の二次電池の充放電電流測定方法において、充放電回
路に流れる電流を電圧に変換して測定回路に入力し、そ
の電圧を絶縁アンプにより絶縁変換して測定するもので
ある。
【0008】さらに、請求項3の発明では、請求項1ま
たは請求項2に記載の二次電池の充放電電流測定方法に
おいて、外部指令により二次電池の充電及び放電に応じ
て極性反転を行うものである。
【0009】しかも、請求項4の発明では、請求項1ま
たは請求項2に記載の二次電池の充放電電流測定方法に
おいて、測定回路の測定値により、二次電池の充電及び
放電に応じて極性反転を行うものである。
【0010】そして、請求項5に記載の電力貯蔵用二次
電池の充放電電流測定装置の発明では、二次電池の充電
及び放電時に充放電回路に流れる異なった方向の電流
を、正方向または負方向のいずれか一方に統一して測定
回路に入力するための極性反転回路を、充放電回路と測
定回路との間に介装したものである。
【0011】加えて、請求項6に記載の電力貯蔵用二次
電池の残存電力量測定方法の発明では、二次電池の充電
及び放電時に、充放電回路に流れる異なった方向の電流
を、極性反転により正方向または負方向のいずれか一方
に統一して測定回路に入力し、その測定回路において充
電及び放電電流を測定し、その電流値と充放電時の電池
電圧値より充電電力と放電電力とをそれぞれ積算して求
め、その差により残存電力量を測定するものである。
【0012】また、請求項7に記載の電力貯蔵用二次電
池の残存電力量測定方法の発明では、二次電池の充電及
び放電時に、充放電回路に流れる異なった方向の電流
を、極性反転により正方向または負方向のいずれか一方
に統一して測定回路に入力し、その測定回路において充
電及び放電電流を測定し、その電流値に基づいて残存容
量を測定し、この残存容量と放電電圧とに基づいて残存
電力量を測定するものである。
【0013】さらに、請求項8に記載の電力貯蔵用二次
電池の残存電力量測定方法の発明では、二次電池の充電
及び放電時に、充放電回路に流れる異なった方向の電流
を、極性反転により正方向または負方向のいずれか一方
に統一して測定回路に入力し、その測定回路において充
電及び放電電流を測定し、それらの電流値をそれぞれ積
算し、その差に基づいて残存容量を測定し、これから放
電深度を求め、電池電圧の理論曲線をもとにその放電深
度以降の放電電圧と放電電流を推定演算することにより
残存電力量を測定するものである。
【0014】
【作用】 請求項1及び5の発明においては、二次電池
の充電及び放電時に、充放電回路に流れる異なった方向
の電流が、極性反転回路の極性反転により、正方向また
は負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入力され
る。そして、この測定回路において、入力された充電電
流及び放電電流が測定されるとともに、その測定値を充
電を正、放電を負として積算することによって二次電池
の残存容量が求められる。
【0015】請求項2の発明においては、充放電回路が
高電圧であっても、絶縁アンプにより測定回路が保護さ
れ、破壊されたりすることなく、安全な測定が可能とな
る。請求項3及び4の発明においては、充放電の切換に
ともない、極性反転を自動的に行うことができる。
【0016】請求項6の発明では、前述の充電及び放電
電流値を測定し、これら電流値と充放電時の電池電圧値
より充電電力と放電電力とをそれぞれ積算し、その差に
基づいて残存電力量が測定される。
【0017】請求項7の発明においては、充電及び放電
電流値に基づいて残存容量を測定し、この残存容量と放
電電圧とに基づいて残存電力量が測定される。請求項8
の発明においては、充電及び放電電流値を積算し、その
差に基づいて残存容量を測定し、これから放電深度が求
められる。そして、電池電圧の理論曲線に基づいて、そ
の放電深度以降の放電電圧と放電電流を推定演算するこ
とにより、残存電力量が測定される。
【0018】
【実施例】 (第1実施例)以下、この発明を具体化し
た電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定装置の第1実施
例を、図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1に示すように、電力貯蔵用二次電池1
は充放電回路2に接続され、ナトリウム−硫黄電池等の
モジュールから構成されている。図示はしないが、モジ
ュールは複数のブロックから構成され、ブロックは複数
のストリングから構成され、ストリングは複数のナトリ
ウム−硫黄単電池から構成されている。そして、充放電
切換装置3の切換制御により、例えば昼間の所定時間中
は、この二次電池1が放電運転されて充放電回路2から
交直変換装置を介して送電線等に電力が供給され、夜間
の所定時間中は、二次電池1が充電運転されて充放電回
路2から充電が行われる。
【0020】シャント抵抗4は充放電回路2に接続さ
れ、二次電池1の充電または放電時に、充放電回路2に
流れる異なった方向の電流が、このシャント抵抗4によ
り電圧に変換して測定回路5に入力される。
【0021】極性反転回路6は前記充放電回路2と測定
回路5との間に介装され、複数のリレースイッチより構
成されている。そして、充放電切換装置3により二次電
池1が充電運転と放電運転とに切り換えられるとき、そ
の充放電切換装置3からの外部指令により、シーケンサ
またはCPUユニット等からなる制御装置7を介して極
性反転回路6が切り換えられる。これにより、図2に示
すように、二次電池1の充電及び放電時に、充放電回路
2に流れる異なった方向の電流は、極性反転にて正方向
または負方向のいずれか一方(実施例では正方向)に統
一されて、電圧に変換した状態で測定回路5に入力され
る。
【0022】絶縁アンプ8は前記測定回路5に接続さ
れ、この絶縁アンプ8によって測定回路5の入力電圧が
所定の測定レンジ(1〜5V)に絶縁変換される。電圧
測定器9は絶縁アンプ8の出力側に接続され、この電圧
測定器9により測定回路5の入力電圧が測定される。演
算装置10は電圧測定器9の出力側に接続され、この演
算装置10により電圧測定器9の電圧測定値が電流絶対
値に変換される。このとき、制御装置7の制御により、
充電と放電との条件に応じて、電流絶対値が積算の正方
向と負方向とに切り換えられる。積分装置11は演算装
置10の出力側に接続され、この積分装置11により電
流値が積算される。そして、予め充電末で二次電池1の
定格容量値を設定しておけば、この積算により二次電池
1の残存容量が求められる。
【0023】次に、前記のように構成された電力貯蔵用
二次電池の充放電測定装置において、二次電池の充放電
電流を測定する方法について説明する。さて、二次電池
1の充電運転及び放電運転時には、充放電回路2に流れ
る異なった方向の電流が、シャント抵抗4により電圧に
変換され、絶縁アンプ8で絶縁変換されて、測定回路5
に入力される。なお、二次電池1の充放電回路2の両極
間の電圧は、通常1000V程度であり、絶縁アンプ8
は、充放電回路2と絶縁を確保した状態で、二次側から
1〜5Vの出力を行う。
【0024】このとき、充放電切換装置3からの外部指
令に基づき、二次電池1の充電及び放電の切換に応じ
て、制御装置7により極性反転回路6が切り換えられ、
入力電圧が正方向のみに極性反転されて測定回路5に入
力される。
【0025】そして、この測定回路5において、入力電
圧が絶縁アンプ8により所定の測定レンジに絶縁変換さ
れた状態で、電圧測定器9によって測定される。その
後、演算装置10の演算により、電圧測定器9の電圧測
定値から電流絶対値が求められるとともに、その電流絶
対値が制御装置7の制御により、充電と放電との条件に
応じて積算の正方向と負方向とに切り換えられる。そし
て、積分装置11により、充電電流がプラス側に積算さ
れるとともに、放電電流がマイナス側に積算され、二次
電池1の充放電運転に伴う各時点の残存容量が評価され
る。
【0026】以上のように、この実施例においては、充
放電回路2に流れる異なった方向の充電電流及び放電電
流が電圧に変換された状態で、極性反転回路6により正
方向のみに極性反転されて測定回路5に入力される。こ
のため、図2に鎖線で示すように、絶縁アンプ8に出力
誤差がある場合でも、充電側と放電側との電流測定誤差
がプラスマイナス反対側に加算されることはなく、相殺
される。従って、それらの電流の積算値から残存容量を
評価する場合、残存容量の評価誤差を小さくすることが
できる。しかも、極性反転のための切換が充放電の切換
と連動して、充放電切換装置3の作動により自動的に行
われ、切換タイミングを逸して、測定結果が誤った値に
なることがない。
【0027】また、絶縁アンプ8により正方向のみの電
流を変換するようになっているため、図2に示すよう
に、電流測定するためのの測定レンジを狭くすることが
できる。従って、絶縁アンプ25の対応レンジLが狭く
なり、出力カーブCの傾きが大きくなる。従って、電流
の変動に対する出力の変化率が大きくなり、変動精度の
高い測定が可能となる。言い替えれば、広い測定レンジ
に亘って高精度の機能を発揮する高価な絶縁アンプを使
用する必要がなく、測定回路5を安価に構成することが
できる。
【0028】さらに、電圧測定器9として1〜5Vの入
力仕様のものを使用した場合でも、極性反転により正方
向のみの電流を測定するため、充電側または放電側のい
ずれか一方の測定が絶縁アンプの低出力側で行われると
いうことがなくなり、絶縁アンプの出力が安定して、二
次電池1の残存容量を精度良く測定評価することができ
る。
【0029】
【別の実施例】 以下に、この発明の別の実施例につい
て説明する。 (第2実施例)まず、図3及び図4に示す第2実施例に
おいては、電圧測定器9の測定値が制御装置7に入力さ
れるようになっている。また、絶縁アンプ8には少しだ
けマイナス側への変換機能を持たせ、電圧測定器9で所
定以上のマイナス電流を測定したとき、制御装置7がこ
れを判定して、極性反転回路6を瞬時に切り換えるよう
になっている。従って、この実施例においては、電圧測
定器9の測定値に基づく自己判断により、二次電池1の
充電及び放電に応じて、充放電電流の極性反転を行うこ
とができる。従って、この第2実施例においても、極性
反転を自動的に行うことができる。 (第3実施例)次に、図5及び図6に示す第3実施例に
おいては、極性反転回路6の入力側に電圧極性を判定す
るための極性判定器12が接続されている。そして、こ
の極性判定器12で所定以上の電圧を検出したとき、制
御装置7の識閾値判定により、極性反転回路6を切り換
えるようになっている。すなわち、図6に示すように、
極性判定器12は充放電回路2の極性及び電圧に対応し
た出力を行い、制御装置12は極性判定器12のプラス
側、マイナス側の出力が識閾値を越えた場合に極性の判
定を行う。従って、この実施例においても、極性判定器
12の検出に基づく自己判定により、二次電池1の充電
及び放電に応じて、充放電電流の極性反転を自動的に行
うことができる。なお、この識閾値は定格電流の5%程
度以下としておけば、実用上十分な機能が得られる。 (第4実施例)次に、第4実施例においては、以下のよ
うな方法により残存電力量を算出し、それを表示できる
ようにした。すなわち、残存電力量W1 (Wh)は下記
(1)式で求められる。
【0030】 W1 =∫Wc (t) dt×η−∫Wd (t) dt ・・・(1) 但し、Wc (t) は充電電力であり、Wc (t) =Vc (t)
×Ic (t) で求められる。Vc (t) は充電電圧、I
c (t) は充電電流である。Wd (t) は放電電力であり、
d (t) =Vd (t) ×Id (t) で求められる。Vd (t)
は放電電圧、Id (t) は放電電流である。ηは充放電効
率を表す。
【0031】この充放電効率ηは、運転条件がいつも等
しい場合には1つの設定値でよいが、運転条件が異なる
場合にはその運転条件に応じた充放電効率を自動的に選
択できるようにするのが望ましい。
【0032】運転条件がいつも等しい場合には、各サイ
クルの効率ηを次式(2)で求め、次回のサイクルの効
率ηとして使用することにより、いつも最適な評価を行
うことができる。
【0033】 η=(Vd (t) の時間平均値)/(Vc (t) の時間平均値) ・・・(2) また、電池の内部抵抗によるジュール熱損失を考慮する
ため、各サイクルの平均内部抵抗Rm を次式(3)によ
り算出する。
【0034】 Rm =(Wc −Wd )/(∫IC (t)2dt+∫Id (t)2dt) ・・・(3) 但し、Wc は1サイクルの充電電力量、Wd は1サイク
ルの放電電力量、IC(t) は充電電流(測定値)、I
d (t) は放電電流(測定値)である。
【0035】本評価によって得られたRm を用いて、次
式(4)によりVD を補正することができる。 VD =V0 −Rm ×ID ・・・(4) 但し、V0 は放電平均開放電圧(設定値)、ID は定格
放電電流(設定値)である。
【0036】あるいは、平均内部抵抗Rm を次式(5)
により算出することもできる。 Rm ≒(V0e−Vde)/Ide ・・・(5) 但し、V0eは放電終了後の開放電圧、Vdeは放電末の電
池電圧、Ideは放電末の電流値を表す。
【0037】以上のように、この実施例では、残存電力
量(Wh)を容易かつ精度良く測定することができる。
しかも、この残存電力量を表示できるようにしたことか
ら、残存容量(Ah)では一定電力で放電した場合の放
電可能時間を容易に把握することができないのに対し、
定電力による放電可能時間を直ちに把握することができ
る。加えて、残存電力量(Wh)を評価することによ
り、残存容量(Ah)に基づく電池の劣化のみではな
く、内部抵抗Rm の変化を加味して電池の劣化を判定で
きるため、電池の劣化の判定をより的確に行うことがで
きる。 (第5実施例)次に、この発明を具体化した第5実施例
について、図7〜図9に基づいて説明する。
【0038】この実施例においては、第1実施例で求め
られた残存容量(Ah)より、以下のようにして残存電
力量を求めた。すなわち、残存電力量W2 (Wh)は、
次式(6)により算出される。
【0039】 W2 =残存容量(Ah)×VD ・・・(6) 但し、VD は定格放電電圧の初期設定値を表す。このV
D は、第4実施例で述べた内部抵抗Rm により、補正す
るのが望ましい。また、毎サイクル放電条件が等しい場
合には、次式(7)で適正なVD を直接求めることも可
能である。
【0040】VD =WD /∫Id (t) dt ・・・(7) VD は放電電力により異なり、それによって残存電力量
も異なる。従って、図7(a)に示すように、放電電力
(W)と放電電圧(VD )との関係をグラフにしたり、
図7(b)に示すように、同じく両者の関係を表にした
りして、放電電力から放電電圧を容易に読み取り、内部
演算に使用することができるようにしておくのが望まし
い。
【0041】さらに、図8(a)に示すように、放電電
力(W)と残存電力量(Wh)との関係をグラフにした
り、図8(b)に示すように、同様に両者の関係を表に
したりして、ユーザーが放電電力に対応する残存電力量
を一目でわかるようにしておくのが望ましい。
【0042】加えて、放電電圧(VD )は放電深度(A
h)によっても異なるため、放電電圧を放電深度の関数
として表しておくことにより、より正確な評価を可能に
することができる。図9に電池の深度と開放電圧との関
係を示す。VD =VD (q0)とし、現深度(q0 )か
ら放電末までの深度領域で評価を行い、このVD を用い
て残存電力量を評価するものである。VD (q)は、初
期設定関数として予め設定するものであり、試験データ
から推定して得る方法と理論式により汎用的に与える方
法がある。理論式により求める場合には、一例として次
の手順が考えられる。すなわち、実施例1において深度
と開放電圧との関係は理論上既に示されており、放電を
一旦終了した時点でその深度における開放電圧は既に得
られていることから、現深度から放電末に到るまでの平
均開放電圧V0D(q0 )は容易に算出できる。
【0043】現深度から放電末に到るまでの平均開放電
圧VD (q0 )は、次式で評価することができる。 VD (q0 )=V0D(q0 )−Rm ×Id (q0 ) 平均内部抵抗Rm は前述のいくつかの方法により、補正
値を用いることも可能であり、Id (q0 )はその深度
における計測電流値である。Id (q0 )の代わりに、
定格放電電流ID を用いてもよいが、深度の深い領域で
はId (q0 )方が高い精度が得られると考えられる。
なお、現放電深度は、電池の全容量(Ah)から残存容
量(Ah)を差し引いて得られる値である。
【0044】以上のように、この実施例では、残存電力
量(Wh)を表示できるようにしたので、定電力による
放電可能時間を容易に把握することができる。その上、
残存電力量(Wh)を評価することにより、内部抵抗R
m の変化を加味して電池の劣化を的確に判定することが
できる。
【0045】なお、さらに高い精度を要求する場合に
は、次式が有効と考えられる。すなわち、定格放電電力
をPD とすれば、次の関係が与えられる。 PD =(V0D(q)−Rm ×Id (q))×Id (q) 但し、qは放電深度(q=q(t))を表す。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】
【0048】
【数3】
【0049】但し、teは現深度q0 からの放電可能時間
を表す。従って、q=q0 (t=0)の時点からシミュ
レーション的に演算処理を行うことにより、高い精度で
残存電力量を評価することが可能である。
【0050】なお、この発明は、例えば以下のように構
成を変更して具体化してもよい。 (1)前記第1実施例において、充放電切換回路3から
制御装置7に充放電のいずれの指令もない場合、二次電
池1が充放電運転を行わない休止期間中にあるものと判
断して、充放電電流の積算を休止させるように構成する
こと。このように構成した場合には、二次電池1の休止
期間中において、絶縁アンプのゼロ点変動により誤差が
蓄積されていくのを防止することができて、二次電池1
の残存容量をより正確に評価することができる。 (2)前記第3実施例において、極性判定器12の検出
電圧が、図6に示すように、所定の識閾値以下にある場
合、二次電池1が休止期間中にあるものと判断して、充
放電電流の積算を休止させるように構成すること。この
ように構成した場合にも、同様にゼロ点変動による誤差
の蓄積を防止して、残存容量の評価精度を高めることが
できる。 (3)前記各実施例において、極性反転回路6により充
電電流及び放電電流を、負方向に極性反転させて測定回
路5に入力するように構成すること。
【0051】また、前記実施例より把握される技術的思
想につき、以下に説明する。 (a)二次電池の充電及び放電時に、充放電回路に流れ
る異なった方向の電流を、極性反転により正方向または
負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入力し、そ
の測定回路において充電及び放電電流を測定し、その電
流値に基づいて残存容量を測定する電力貯蔵用二次電池
の残存容量測定方法。この方法によれば、残存容量を評
価誤差を小さくして精度良く測定することができる。 (b)残存電力量を表示可能にした請求項6又は7に記
載の電力貯蔵用二次電池の残存電力量測定方法。この構
成により、定電力による放電可能時間を直ちに把握する
ことができる。 (c)電池の内部抵抗も加味して残存電力量を測定する
請求項6又は7に記載の電力貯蔵用二次電池の残存電力
量測定方法。この構成によれば、電池の劣化をより的確
に判定することができる。
【0052】
【発明の効果】 この発明は、以上説明したように構成
されているため、以下に示す効果を発揮する。請求項1
及び5の発明によれば、二次電池の充電及び放電時に、
充放電回路に流れる異なった方向の電流が、極性反転回
路の極性反転により、正方向または負方向のいずれか一
方に統一して測定回路に入力される。そして、この測定
回路において、入力された充電電流及び放電電流が測定
されるとともに、その測定値を充電を正、放電を負とし
て積算することによって二次電池の残存容量が求められ
る。従って、高精度絶縁アンプを使用することなく、安
価な測定回路構成で、二次電池の残存容量を精度良く測
定評価できる。
【0053】請求項2の発明によれば、充放電回路が高
電圧であっても、絶縁アンプにより測定回路が保護さ
れ、破壊されたりすることなく、安全な測定が可能とな
る。請求項3及び4の発明によれば、充放電の切換にと
もない、極性反転を自動的に行うことができる。
【0054】請求項6及び請求項7に記載の発明によれ
ば、残存電力量を容易かつ精度良く得ることができ、そ
の残存電力量から定電力による放電可能時間を容易に知
ることができるとともに、電池の劣化も的確に判定する
ことができる。
【0055】請求項8に記載の発明によれば、高い精度
で残存電力量を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例における充放電測定装置のブロッ
ク線図。
【図2】 充放電測定装置における電圧と電流との関係
を示すグラフ。
【図3】 第2実施例における充放電測定装置のブロッ
ク線図。
【図4】 充放電測定装置における電圧と電流との関係
を示すグラフ。
【図5】 第3実施例における充放電測定装置のブロッ
ク線図。
【図6】 他の実施例における測定電圧と電流との関係
を示すグラフ。
【図7】 (a)は放電電力と放電電圧との関係を示す
グラフ、(b)は放電電力と放電電圧との関係を示す表
形式の図。
【図8】 (a)は放電電力と残存電力との関係を示す
グラフ、(b)は放電電力と残存電力との関係を示す表
形式の図。
【図9】 放電深度と開放電圧との関係を示すグラフ。
【図10】 従来の充放電測定装置を示すブロック線
図。
【図11】 充放電測定装置による測定電圧と電流との
関係のグラフ。
【符号の説明】
1…二次電池、2…充放電回路、3…充放電切換装置、
4…シャント抵抗、5…測定回路、6…極性反転回路、
7…制御装置、8…絶縁アンプ、9…電圧測定器、10
…演算装置、11…積分装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 10/42 - 10/48 G01R 31/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次電池の充電及び放電時に、充放電回
    路に流れる異なった方向の電流を、極性反転により正方
    向または負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入
    力し、その測定回路において充電及び放電電流を測定す
    る電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法。
  2. 【請求項2】 充放電回路に流れる電流を電圧に変換し
    て測定回路に入力し、その電圧を絶縁アンプにより絶縁
    変換して測定する請求項1に記載の電力貯蔵用二次電池
    の充放電電流測定方法。
  3. 【請求項3】 外部指令により二次電池の充電及び放電
    に応じて極性反転を行う請求項1または請求項2に記載
    の電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法。
  4. 【請求項4】 測定回路の測定値により、二次電池の充
    電及び放電に応じて極性反転を行う請求項1または請求
    項2に記載の電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方
    法。
  5. 【請求項5】 二次電池の充電及び放電時に充放電回路
    に流れる異なった方向の電流を、正方向または負方向の
    いずれか一方に統一して測定回路に入力するための極性
    反転回路を、充放電回路と測定回路との間に介装した電
    力貯蔵用二次電池の充放電電流測定装置。
  6. 【請求項6】 二次電池の充電及び放電時に、充放電回
    路に流れる異なった方向の電流を、極性反転により正方
    向または負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入
    力し、その測定回路において充電及び放電電流を測定
    し、その電流値と充放電時の電池電圧値より充電電力と
    放電電力とをそれぞれ積算して求め、その差により残存
    電力量を測定する電力貯蔵用二次電池の残存電力量測定
    方法。
  7. 【請求項7】 二次電池の充電及び放電時に、充放電回
    路に流れる異なった方向の電流を、極性反転により正方
    向または負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入
    力し、その測定回路において充電及び放電電流を測定
    し、その電流値に基づいて残存容量を測定し、この残存
    容量と放電電圧とに基づいて残存電力量を測定する電力
    貯蔵用二次電池の残存電力量測定方法。
  8. 【請求項8】 二次電池の充電及び放電時に、充放電回
    路に流れる異なった方向の電流を、極性反転により正方
    向または負方向のいずれか一方に統一して測定回路に入
    力し、その測定回路において充電及び放電電流を測定
    し、それらの電流値をそれぞれ積算し、その差に基づい
    て残存容量を測定し、これから放電深度を求め、電池電
    圧の理論曲線をもとにその放電深度以降の放電電圧と放
    電電流を推定演算することにより残存電力量を測定する
    電力貯蔵用二次電池の残存電力量測定方法。
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