JP3014703U - プレートフィン型熱交換器のコア構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み立て及び接着効率の向上と、組立の自動
化を可能にしたプレートフィン型熱交換器のコア構造を
提供することにある。 【構成】 プレートフィン１２にその外側縁１２ａに開
口１５するチューブ挿入溝１４を形成するとゝもに、該
チューブ挿入溝１４内に前記開口１５からチューブ１３
を挿入して組み立てた構成としたことを特徴とするプレ
ートフィン型熱交換器のコア構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車，建設機械，産業機械及び農業機械用のラジエータ等に使用 されるプレートフィン型熱交換器のコア構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のプレートフィン型熱交換器は、目詰りの激しい悪い環境においても使 用できるため、自動車，建設機械，産業機械或いは農業機械用として使用され、 現在でも根強いニーズがある。

【０００３】 図４に示すものは、汎用のプレートフィン型熱交換器１で、そのコア２は、長 方形状の複数枚のプレートフィン３と、表面に半田メッキした偏平な複数本のチ ューブ４とから構成されている。

【０００４】 そして、プレートフィン３とチューブ４との組み立ては、図５に示すように、 各プレートフィン３を一枚づつ図示しない組み付け治具にセットして、一定間隔 で垂直状態に複数枚並べ、各プレートフィン３に穿設したチューブ挿入穴３ａが 同一直線上に位置するように調整した後、該チューブ挿入穴３ａ内に前記チュー ブ４を一本づつ差し込み、コア２を構成する。

【０００５】 また、プレートフィン３とチューブ４との固定は、組み立てた前記コア２を加 熱炉内に入れ、これを加熱することにより、チューブ４の表面に装着した半田を 溶解して、プレートフィン３とチューブ４とを半田付けして固定している。

【０００６】

【考案が解決しようとする問題点】

従来のプレートフィン型熱交換器１においては、コア２の前記組み立ては全て 手作業により行われていたので、能率が悪い。すなわち、プレートフィン３のチ ューブ挿入穴３ａは、チューブ４の外周が密着するよう高精度に形成されいると ゝもに、チューブ４をプレートフィン３のチューブ挿入穴３ａに差し込む際に、 プレートフィン３の前記各チューブ挿入穴３ａを一致させてからチューブ４を挿 入しなければならないので、作業工程に多大の時間を要し非能率である。

【０００７】 更に、チューブ挿入穴３ａにチューブ４を差し込む時に、チューブ４の表面に 付着せしめたした半田が削り取られたり、或いはチューブ挿入穴３ａが広がった りして、チューブ挿入穴３ａとチューブ４の外周との間に間隙ができ、接着率が 低下する、といった諸問題点があった。

【０００８】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記のような従来の諸問題点を解決するために成されたもので、組 み立て及び接着効率の向上と、組立の自動化を可能にしたものを提供することを 目的としたものであり、その要旨は、プレートフィンにその外側縁に開口するチ ューブ挿入溝を形成するとゝもに、該チューブ挿入溝内に前記開口からチューブ を挿入して組み立てた構成としたことを特徴とするプレートフィン型熱交換器の コア構造にある。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を、図１乃至図３に示す実施例により詳細に説明するに、図中１ １はコアで、長方形状の複数枚のプレートフィン１２と、外周に半田メッキされ た複数本の偏平なチューブ１３とで構成され、前記プレートフィン１２にはチュ ーブ１３を挿入するためのチューブ挿入溝１４が長手方向に２列状態で形成され ている。

【００１０】 また、前記チューブ１３は、平面視平行な側壁１３ａと、その長径方向の両端 の半円壁１３ｂとで形成された楕円形状をしており、前記プレートフィン１２に 対向して形成された２列状態のチューブ挿入溝１４は、いずれもプレートフィン １２の長手方向の外側縁１２ａに向かって開口１５している。

【００１１】 即ち、前記チューブ挿入溝１４は、開口１５からプレートフィン１２の内部に 向かっては、前記チューブ１３の側壁１３ａの外面幅と同幅の内側面１４ａに形 成され、その終端ではチューブ１３の半円壁１３ｂの外面形状と同形状の半円部 １４ｂに形成されている。なお、前記チューブ挿入溝１４の開口１５の角部は、 チューブ１３の挿入を容易にするため面取り１５ａをすることが望ましい。

【００１２】 そこで、コア１１を組み立てるには、図示しない組み付け治具に複数枚のプレ ートフィン１２を所定ピッチで並列固定した後、各チューブ挿入溝１４の開口１ ５にチューブ１３の半円壁１３ｂを対向して機械的に押し込めば、チューブ１３ の半円壁１３ｂの外面はチューブ挿入溝１４の半円部１４ｂに、又チューブ１３ の側壁１３ａの外面はチューブ挿入溝１４の内側面１４ａに夫々密着し、コア１ １が組み立てられる。

【００１３】 そして、組み立てられた前記コア１２は、従来と同一手段により、加熱炉内に 入れ、これを加熱することにより半田付けされ、チューブ１３とプレートフィン １２とは一体に固定される。なお、この半田付けの際、前記プレートフィン１２ のチューブ挿入溝１４の内周面とチューブ１３の外周面とは密着するので、接着 効率が向上する。

【００１４】 次に、他の実施例について説明すると、図１及び図２に示すように、チューブ １３の長手方向に沿って、並列したプレートフィン１２のピッチ毎に位置決め用 の周溝１６をローラ等で形成する。なお、この場合には当然に、前記プレートフ ィン１２のチューブ挿入溝１４の形状は、前記チューブ１３の周溝１６の部分の 外周形状と同一に形成する。

【００１５】 そして、プレートフィン１２のチューブ挿入溝１４にチューブ１３の周溝１６ を押入すれば、組み付け治具がなくてもコア１１の組立てを行うことができる。 なお、前記各実施例では、前記プレートフィン１２にはチューブ１３が２列状態 で形成されているが、この列数増加は、図３に示すように、前記２列縦列のチュ ーブ１３のコア１１を所望数個重ねることにより４，６，８・・列の対応が可能 である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係るプレートフィン型熱交換器のコア構造は、上記のように、プレー トフィンにその外側縁に開口するチューブ挿入溝を形成するとゝもに、該チュー ブ挿入溝内に前記開口からチューブを挿入して組み立てた構成であるから、チュ ーブを前記開口からプレートフィンのチューブ挿入溝に外側縁方向から挿入する ことができるので、組み立て作業が容易で且つ自動組立も可能となり、作業能率 が向上するとゝもに、チューブ挿入溝をチューブの外形寸法ギリギリまで高精度 に形成することが可能になるため、接着効率が向上し、ひいては熱交換器として の大幅な性能の向上を図ることができる。更に、前記チューブの外周面にプレー トフィンのチューブ挿入溝に挿入可能な周溝を設ければ、組み付け治具がなくて もコアの組み立てを行うことができる、といった諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る熱交換器のコア組立の要部を示す
斜視図である。

【図２】同コアの組立後の要部を示す正面図である。

【図３】熱交換器のコアの他実施例の平面図である。

【図４】プレートフィン型熱交換器の一部を切除した斜
視図である。

【図５】従来の熱交換器のコア組立の要部を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１１ コア １２ プレートフィン １２ａ 外側縁 １３ チューブ １３ａ 側壁 １３ｂ 半円壁 １４ 挿入溝 １４ａ 円側面 １４ｂ 半円部 １５ 開口 １５ａ 面取り １６ 周溝

フロントページの続き (72)考案者 比留間 建仁 神奈川県川崎市川崎区藤崎３丁目５番１号 東京ラヂエーター製造株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレートフィンにその外側縁に開口する
   チューブ挿入溝を形成するとゝもに、該チューブ挿入溝
   内に前記開口からチューブを挿入して組み立てた構成と
   したことを特徴とするプレートフィン型熱交換器のコア
   構造。
2. 【請求項２】 チューブの外周面に、チューブ挿入溝と
   断面がほゞ同一の周溝を設けたことを特徴とする請求項
   １項記載のプレートフィン型熱交換器のコア構造。