JP3014444B2 - スピカマイシンxおよびその使用 - Google Patents

スピカマイシンxおよびその使用

Info

Publication number
JP3014444B2
JP3014444B2 JP2508676A JP50867690A JP3014444B2 JP 3014444 B2 JP3014444 B2 JP 3014444B2 JP 2508676 A JP2508676 A JP 2508676A JP 50867690 A JP50867690 A JP 50867690A JP 3014444 B2 JP3014444 B2 JP 3014444B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spicamycin
acid
solution
administration
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2508676A
Other languages
English (en)
Inventor
望 大岳
弘行 河合
勝 上正原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP2508676A priority Critical patent/JP3014444B2/ja
Priority claimed from PCT/JP1990/000781 external-priority patent/WO1990015811A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3014444B2 publication Critical patent/JP3014444B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は抗腫瘍活性を有し、医薬として有用なスピカ
マイシンXまたはその酸付加塩に関するものである。
背景技術 これまで、本発明者等は次の一般式 〔式中、R1は、(CH32CH(CH2nCO−(n=8〜14)
またはCH3(CH2mCO−(m=10〜16)を表わす。
R2は、CH2OHCH(OH)−を表わす。〕 で示されるスピカマイシンを見い出しているが(特開昭
59−161396号公報参照)、これは混合物であり、薬剤の
規格統一の点で問題を生じる可能性がある。
また、スピカマイシンのヘプトース部分における2′
位の異性体であるセプタシジン(米国特許3155647号公
報参照)、そのセプタシジンのアナログ(Antimicrobia
l Agents and Chemotherapy、845〜849(1965))が知
られており、後者の文献中には、セプタシジンの混合物
中のセプタシジンX単一成分化合物(スピカマイシンX
に対応する)が混合物より治療係数(薬剤の安全性を定
量的に比較するための指標)が高く毒性が低いというこ
とが開示されているが、このセプタシジンはL1210マウ
ス白血病及びWalker 256ラット肉腫に対して抗腫瘍活性
を示さず(Journal of Medicinal Chemistry、20、No.1
1、1362(1977)、Nucleoside Antibiotics、Wiley−In
terscience、New York、N.Y.、p.256(1970)参照)、
抗腫瘍スペクトが狭い。
この様に上記公知化合物には未だ解決すべき点があ
り、未だ臨床上使用されていないのが現状である。
発明の開示 本発明は、抗腫瘍剤として臨床的に使用できうる様
に、より毒性が低く、より治療係数が高く、成分的に単
一化されたスピカマイシン化合物を提供することを目的
とするものであり、本発明者が、動物実験、特に抗腫瘍
剤の臨床における有効率とよく一致することが示されて
いるヌードマウス・ヒト癌系の実験(Cancer Res、35
2790〜2796(1975)、Cancer、40、2640〜2650(197
7)、Gann、69、299〜309(1978))を中心として、ス
ピカマイシン中の成分化合物について鋭意研究を重ねた
結果、スピカマイシンXが、その目的に適合しうること
を見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
すなわち、本発明によるスピカマイシン化合物は、一
般式(I)で示されるスピカマイシンXまたはその酸付
加塩である。
本発明はまた、この化合物の使用に関する。すなわち
本発明による抗腫瘍剤は、次式(I)で示されるスピカ
マイシンXまたはその酸付加塩を有効成分とするもので
ある。
本発明によるスピカマイシンXは、抗腫瘍活性、特に
臨床効果を反映しているヌードマウス・ヒト癌系にて抗
腫瘍活性を示し、かつスピカマイシン混合物より治療係
数が高く低毒性であるという効果を有している。
さらに、スピカマイシンXは、セプタシジンが抗腫瘍
活性を示さないL1210マウス白血病細胞に対しても有効
であり、またこれによってセプタシジンより抗腫瘍スペ
クトが広いという可能性を有している。
スピカマイシンはセプタシジンと構造が類似してはい
るが、上記したような本発明によるスピカマイシンXの
効果は当業者にとって思いがけなかったことと解され
る。
図面の簡単な説明 第1図は、スピカマイシンXのKBrディスク法による
赤外吸収スペクトルを模写したものである。
第2図は、スピカマイシンXの重メタノール中におけ
る500メガヘルツプロトン核磁気共鳴スペクトルを模写
したものである。
第3図は、スピカマイシンアミノヌクレオシドのKBr
ディスク法による赤外吸収スペクトルを模写したもので
ある。
第4図は、スピカマイシンアミノヌクレオシドの重メ
タノール中における500メガヘルツプロトン核磁気共鳴
スペクトルを模写したものである。
発明の具体的な説明 <スピカマイシンXおよびその酸付加塩> 1)化学構造 本発明によるスピカマイシンXは、前記の式(I)で
示される化学構造を有する。スピカマイシンは既に混合
物として本発明者等によって報告される(特開昭59−16
1396号公報)。スピカマイシンXは、この報告中のm=
10に相当する化合物である。
2)物理化学的性状 (1)外 観 白色粉末 (2)融 点 232−235℃ (3)比旋光度 ▲〔α〕25 D▼=1.7゜(C=0.25、メ
タノール中) (4)元素分析値 炭素 水素 酸素 窒素 計算値(%) 55.21 7.66 19.80 17.33 分析値(%) 55.26 8.08 19.52 17.14 (5)薄層クロマトグラフィー(メルク社製「シリカゲ
ル60F254」使用) 展開溶媒 Rf値 ブタノール:酢酸:水=4:1:1 0.72 (6)FDマススペクトル(m/z) 567(M+1) (7)紫外部吸収スペクトル(吸収極大) メタノール中 264nm(▲E1% cm▼ 203) 酸性メタノール中 274nm(▲E1% cm▼ 207) アルカリ性メタノール中 272nm(▲E1% cm▼ 174) (8)赤外吸収スペクトル(KBrディスク法) 第1図に示す通りである。
(9)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500メガヘル
ツ、重メタノール中)第2図に示す通りである。
(10)分子式 C26H43O7N7 (11)分子量 565.7 <スピカマイシンXの製造> 概 要 化合物スピカマイシンXは現在のところ、微生物の培
養によって生産されるスピカマイシンの混合物を加水分
解することによって得られるスピカマイシンアミノヌク
レオシドを合成化学的に修飾することによって製造する
ことができるが、微生物の培養液から適当な分離手段を
用いて直接得ることも、あるいは全合成化学的に製造す
ることもできよう。
スピカマイシンの混合物は、本発明者らが分離したス
トレプトミセス・アラノシニクス879−MT3(H79)株
(微工研条寄第449号)の培養物から得られる。スピカ
マイシン混合物の生産は本発明者等が見出した方法によ
った(特開昭59−161396号公報参照)。
スピカマイシンアミノヌクレオシド 次式(II)で示されるスピカマイシンアミノヌクレオ
シドは、スピカマイシンの混合物を適当な酸、例えば塩
酸、硫酸、酢酸、ギ酸、などで加水分解し、スピカマイ
シンアミノヌクレオシドの粗標品が各種酸との塩の形で
得られる。これを更にシリカゲルクロマトグラフィー、
分配カラムクロマトグラフィー、ゲル過、溶媒への溶
解度の差を利用した精製法、或いは溶媒からの結晶化等
の手法によりスピカマイシンアミノヌクレオシドが得ら
れる。前記したストレプトミセス・アラノシニクス879
−MT3(H79)株の培養液より直接得ることも可能であ
る。具体的には、塩酸等の酸のアルコール溶液または、
水溶液中にスピカマイシンの混合物を溶解または懸濁
し、室温で2−5日攪拌することにより、もっとも効率
よく得られる。
このようにして得られるスピカマイシンアミノヌクレ
オシドの物理化学的性質は次の通りである。
(1)外 観 白色粉末 (2)融 点 180−183℃(分解) (3)比旋光度 ▲〔α〕25 D▼=+1.2゜(C=0.25、
メタノール中) (4)元素分析値 炭素 水素 酸素 窒素 計算値(%) 44.17 5.56 24.52 25.75 分析値(%) 44.42 5.71 24.27 25.60 (5)薄層クロマトグラフィー(メルク社製「シリカゲ
ル60F254」使用) 展開溶媒 Rf値 ブタノール:酢酸:水=4:1:1 0.15 (6)紫外部吸収スペクトル(極大吸収) メタノール中 264nm(▲E1% cm▼ 384) 酸性メタノール中 274nm(▲E1% cm▼ 392) アルカリ性メタノール中 272nm(▲E1% cm▼ 341) (7)赤外吸収スペクトル(KBrディスク法) 第3図に示す通りである (8)FDマススペクトル(m/z) 327(M+1) (9)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500MHz、重メタ
ノール中)第4図に示す通りである。
(10)分子式 C12H18O5N6 (11)分子量 326.3 スピカマイシンX スピカマイシンXは、脂肪酸の酸塩化物とグリシンと
を水酸化ナトリウム等の塩基性物質の存在下で反応して
得られる次式(III)で示されるアミドを、常法により
活性エステル体にし、N,N′−ジメチルホルムアミド等
の非プロトン性溶媒中でスピカマイシンアミノヌクレオ
シド(II)あるいはその塩と室温で攪拌し、その後例え
ばシリガゲル、活性炭など適当な吸着剤を用いたカラム
クロマトグラフィーなどの分離手段に付すことにより得
ることができる。なお、活性エステル体は、たとえば
(III)にパラニトロフェノールを加え更に縮合剤とし
て、N,N′−ジシクロヘキシカルボジイミドを加える等
の方法により得られる。
CH3(CH210CONHCH2COOH (III) 前記式(III)で示されるアミドを用いた場合に得ら
れる、前記式(I)で示されるスピカマイシンXは、そ
れ自体公知の方法に従ってその酸付加塩に、例えば塩
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、あるいは酢酸、プロピ
オン酸、マレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、クエ
ン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルタミン酸、パ
ントテン酸、ラウリルスルホン酸などの有機酸で処理す
ることにより酸付加塩に、変えることができる。
<スピカマイシンXの用途> 本発明による化合物スピカマイシンXは抗腫瘍活性、
特に臨床効果を反映しているヌードマウス・ヒト癌系に
て抗腫瘍活性を示し、さらに、スピカマイシン混合物よ
り低毒性であり治療係数が高いという点で有用である。
抗腫瘍活性 1)マウス腫瘍に対する抗腫瘍効果 投与用スピカマイシンX液の調製方法 スピカマイシンX24mgを試験管に取り、これにジメチ
ルスルフォキシド(DMSO)0.1mlを加え、スピカマイシ
ンXをよく溶かす。これに0.1mlのクレモフォア(シグ
マ製)を加え、さらに生理食塩水9.8mlを加え、よく混
和する。この溶液をスピカマイシンX2.4mg/ml液(B)
とし、必要に応じて、1%DMSO、1%クレモフォア(シ
グマ製)を含む生理食塩水(A)を用いて希釈し、スピ
カマイシンX1.2mg/ml液(C)、0.6mg/ml液(D)、0.3
mg/ml液(E)を作った。
P388およびL1210に対する抗腫瘍効果測定法 P388マウス白血病細胞またはL1210マウス白血病細胞
1×106個/マウスを腹腔内に移植した。
CDF1マウス(メス、7週令)を対照群8匹、スピカマ
イシンX投与群6匹に群分けし、移植日から1、3、
5、7、9日目に対照群には溶液(A)を、スピカマイ
シンX投与群には溶液(B)、(C)、(D)、(E)
(溶液(E)はP388についてのみ行なった。)をそれぞ
れ0.2mlずつ腹腔内投与した。この結果は表1および表
2に示されている。表中の延命率(%)は溶媒のみを投
与した対照群のマウスの生存日数を100として示した。
上記表より、P388マウス白血病細胞、セプタシジンの
無効なL1210マウス白血病細胞の何れに対してもスピカ
マイシンXの抗腫瘍効果が認められた。
2)人癌に対する抗腫瘍効果 投与用スピカマイシン混合物およびスピカマイシンX
の調製法 スピカマイシン混合物12mgを試験管に取り、これにDM
SO 0.1mlを加え、スピカマイシン混合物をよく溶か
す。これに0.1mlのクレモフォア(シグマ製)を加え、
さらに生理食塩水9.8mlを加え、よく混和する。この溶
液をスピカマイシン混合物1.2mg/ml液(I)とし、必要
に応じて、1%DMSO、1%クレモフォア(シグマ製)を
含む生理食塩水(A)を用いて希釈し、スピカマイシン
混合物0.6mg/ml液(J)、0.3mg/ml液(K)、0.15mg/m
l液(L)、0.075mg/ml液(M)、0.0375mg/ml液(N)
を作った。スピカマイシンX液は上記1)の方法に従
って液(C)〜(E)を作り、さらに濃度の低いスピカ
マイシンX0.15mg/ml(F)、0.075mg/ml液(G)、0.03
75mg/ml液(H)を作った。
人癌に対する抗腫瘍効果測定法 i)SC−9に対する効果 ヒト胃癌であるSC−9を皮下に移植したヌードマウス
(BALB/c nu/nu、メス、6週令)の腫瘍が100mm3程度に
なった時点で各群の腫瘍体積の平均が均一になるよう1
群5匹ずつ群分けし、スピカマイシンX投与群には溶液
(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)を、
またスピカマイシン混合物投与群には溶液(I)、
(J)、(K)、(L)、(M)、(N)を静脈内に0.
2mlずつそれぞれ5日間連続投与した。投与開始日の腫
瘍の大きさを1としたときの無処理の対照群のx日目の
腫瘍の大きさをCx、処置群の大きさをTxとし、腫瘍増殖
抑制率(TGIR)=(1−Tx/Cx)×100を求めた。この結
果は表3に示されている。
上記のように、本発明によるスピカマイシンXは、ス
ピカマイシン混合物と比較して毒性が低下し治療係数の
増大が認められた。
ii)SC−9以外の人癌に対する効果 SC−2(ヒト胃癌)、SC−6(ヒト胃癌)、MX−1
(ヒト乳癌)、MC−2(ヒト乳癌)、Col−1(ヒト大
腸癌)、Col−5(ヒト大腸癌)に対してスピカマイシ
ンXの抗腫瘍効果を前記SC−9の方法に準じて測定し
た。この結果は表4に示されている。
上記のように、本発明によるスピカマイシンXは各種
人癌に対して抗腫瘍効果が認められた。
抗腫瘍剤 このように、本発明によるスピカマイシンXは、ヌー
ドマウスに移植された人癌に対して抗腫瘍性を示すこと
が明らかにされた。
したがって、本発明化合物は抗腫瘍剤もしくは腫瘍治
療剤として使用することができる。
抗腫瘍剤としての本発明化合物は合目的的な任意の投
与経路、具体的には、動物の場合には腹腔内投与、皮下
投与、静脈または動脈への血管内投与および注射による
局所投与などの方法が、またヒトの場合は静脈内投与、
動脈内投与、注射による局所投与、腹腔・胸腔への投
与、経口投与、皮下投与、筋肉内投与、舌下投与、経皮
吸収または直腸投与により投与することができる。
本発明の化合物を薬剤として投与する場合は、投与方
法、投与目的により、注射剤、懸濁剤、錠剤、顆粒剤、
散剤、カプセル剤、軟膏剤、クリーム剤等の形状で投与
することができる。これらの製剤を製造するには溶剤、
可溶化剤、等張化剤、保存剤、抗酸化剤、賦形剤、結合
剤、滑沢剤、安定剤等を添加することができる。
溶剤としては、例えば水、生理食塩水等が、可溶化剤
としては、例えばエタノール、ポリソルベート類等が、
賦形剤としては、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロー
ス、マンニトール、マルトース、リン酸水素カルシウ
ム、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム等が、結合剤とし
ては、例えばデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、アラビアゴム等が、崩壊剤として
は、例えばデプン、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウル等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネ
シウム、タルク、硬化油等が、安定剤としては、例えば
乳糖、アンニトール、マルトース、ポリソルベート類、
マクロゴール類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が
あげられる。これらの成分を用いて、注射剤、錠剤、顆
粒剤、カプセル剤等の剤型に製造することができる。
本発明化合物の投与量は、動物実験の結果および種々
の状況を勘案して、連続的または間欠的に投与したとき
に総投与量が一定量を越えないように定められる。具体
的な投与量は、投与方法、患者または被処理動物の状
況、たとえば年齢、体重、性別、感受性、食事(食
餌)、投与時間、併用する薬剤、患者またはその病気の
程度に応じて変化することは言うまでもなく、また一定
の条件のもとにおける適量と投与回数は、上記指針をも
ととして専門医の適量決定試験によって決定されなけれ
ばならない。具体的には、成人1日あたり1mg〜500mg程
度、好ましくは1mg〜100mg程度である。
以下は本発明による実験例及び実施例を示すものであ
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実験例1:スピカマイシンアミノヌクレオシドの製造 スピカマイシンの混合物1.0gを10%塩酸−メタノール
100mlに溶解し、30℃にて100時間反応を行なう。得られ
た溶液を遠心分離し、上澄液に400mlのジエチルエーテ
ルを添加し、生じた沈殿を遠心する。沈殿を更に濃縮乾
固し、702mgのスピカマイシンアミノヌクレオシド塩酸
塩の粗標品を得た。これを水に溶解し、ブタノール−水
(1:1)で分配し、水層を炭酸銀で中和し、生じた沈殿
を除去後、濃縮乾固する。この乾固物をクロロホルム−
メタノール(2:1)でシリカゲルカラムクロマトグラフ
イーを行ない、403mgのスピカマイシンアミノヌクレオ
シドを得た。なお、得られたスピカマイシンアミノヌク
レオシドの物理化学的性質は前記した通りである。
実験例2:スピカマイシンXの製造 n−ドデカノイルクロライド5.0gをグリシン17.3g、N
aOH9.2gを溶解させた100mlの水中に滴下し、1時間攪拌
する。反応液を6N塩酸にてpH3の酸性にし、クロロホル
ム−メタノール(10:1)で2回抽出する。このクロロホ
ルム−メタノール混液を無水硫酸ナトリウムで脱水後濃
縮し、n−ドデカノイルグリシンを5.7g得た。更にn−
ドデカノイルグリシン7.3gをN,N−ジメチルホルムアミ
ド100mlに溶解し、これにN,N′−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド5.8gおよびパラニトロフェノール3.9gを順次
添加し、12時間攪拌する。沈殿を過して除き、N,N−
ジメチルホルムアミドを留去し、ヘキサン−酢酸エチル
(5:1)より結晶化し、n−ドデカノイルグリシンのパ
ラニトロフェニルエステルを7.5g得た。実施例1で得ら
れたスピカマイシンアミノヌクレオシド塩酸塩2.0gをN,
N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、n−ドデカノ
イルグリシンのパラニトロフェニルエステル2.3gおよび
トリエチルアミン4.3mlを加え、12時間攪拌する。N,N−
ジメチルホルムアミドを減圧下で留去し、残さをクロロ
ホルム−メタノール(5:1)の系でシリカゲルクロマト
グラフィーを行ない、スピカマイシンXを1.6g得た。
実験例3:急性毒性(LD50) 1群10匹のICRマウス(メス、6週令)に各濃度のス
ピカマイシンXを尾静脈より投与し、投与後14日間の生
死を観察した。それぞれの投与群の死亡から、リッチフ
ィールド−ウィルコックソン法により、LD50を求めた。
その結果スピカマイシンXのLD50=58mg/kgであっ
た。
実施例1:注射剤/1バイヤル中 本発明の化合物 5mg エタノール 1ml ポリソルベート 0.1ml 生理食塩水 適量 計 10ml 上記化合物を混合し、過した後、バイアルまたはア
ンプルに充填し注射剤とする。
実施例:2錠剤/1錠剤 本発明の化合物 5mg 乳糖 72.5mg トウモロコシデンプン 20mg ヒドロキシプロピルセルロース 2mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 計 100mg 上記の成分を通常の製剤操作により、錠剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 17/02 A61K 31/70 - 31/71 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)で示されるスピカマイシンXま
    たはその酸付加塩。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載の化合物またはその
    酸付加塩および薬理上許容可能な担体を含んでなる、抗
    腫瘍剤。
  3. 【請求項3】腫瘍がヒト胃癌、ヒト乳癌およびヒト大腸
    癌から成る群から選ばれるものである、請求の範囲第2
    項記載の抗腫瘍剤。
JP2508676A 1989-06-16 1990-06-14 スピカマイシンxおよびその使用 Expired - Fee Related JP3014444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2508676A JP3014444B2 (ja) 1989-06-16 1990-06-14 スピカマイシンxおよびその使用

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-154145 1989-06-16
JP15414589 1989-06-16
PCT/JP1990/000781 WO1990015811A1 (en) 1989-06-16 1990-06-14 Spicamycin x and its use
JP2508676A JP3014444B2 (ja) 1989-06-16 1990-06-14 スピカマイシンxおよびその使用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3014444B2 true JP3014444B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=26482539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2508676A Expired - Fee Related JP3014444B2 (ja) 1989-06-16 1990-06-14 スピカマイシンxおよびその使用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3014444B2 (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002522443A (ja) ヒンダードアルコールまたはフェノールの水溶性プロドラッグ
JP4757633B2 (ja) 難水溶性抗癌剤と新規ブロック共重合体を含むミセル調製物
US5036103A (en) Method of treating cancer cells in humans
KR100442096B1 (ko) 이중 디카르복실산 디아미노플라틴 착체의 항종양 유도체, 그의 제조방법, 그것을 함유하는 약학조성물 및 그 유도체의 적용
JPS62228026A (ja) 免疫増強剤
JP2009215326A (ja) 改良された治療剤
CN113698401A (zh) β-榄香烯大环衍生物及其制备方法和应用
JPS6343366B2 (ja)
JPH05148274A (ja) ガリウム化合物
CA2467110C (en) Inclusion complex of paclitaxel with 2-hydroxypropyl-beta-cyclodextrin
CN106631957A (zh) 一种靶向FAP‑alpha酶的抗肿瘤化合物及其制备方法与应用
HU230386B1 (hu) Hatóanyagként benzamidszármazékot tartalmazó gyógyszerkészítmény
WO2021047528A1 (zh) 一个烟醇醚衍生物的马来酸盐及其晶型和应用
IE59251B1 (en) Use of spergualin derivatives for the preparation of medicaments having immunosuppressive activity
EA014909B1 (ru) Кристаллические формы пролекарства на основе амида гемцитабина, композиции на их основе и их применение
JP3014444B2 (ja) スピカマイシンxおよびその使用
EP4331614A1 (en) Use of medicament in treatment of tumor disease
CN100381459C (zh) 阿霉素的衍生物及其制备方法和用途
WO1992004028A1 (fr) Potentialisateur d'effets antineoplasique et agent antineoplasique
EP4112608A1 (en) Aryl-fused isoselenazole compound containing tetrazine substituent, synthesis method therefor, and use thereof
EP0290817B1 (en) A use of oxetanocin for inhibiting hiv
JPH01113391A (ja) マイトマイシン誘導体
CN103183722A (zh) 一种乙二醛酶ⅰ抑制剂及其制备方法和医药用途
JP2004292426A (ja) 抗菌剤と抗ガン剤
WO2020040296A1 (ja) Peg化ホウ素クラスター化合物、およびpeg化ホウ素クラスター化合物を含む抗腫瘍剤、およびpeg化ホウ素クラスターを含む増感剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees