JP3014433U - リングランナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】吊掛け環の取付け作業が簡単且つ容易に行え、
幕体を吊設するのに適した連結強度が得られるリングラ
ンナーを提供する。 【構成】リングランナーを構成するランナ本体に巻付け
帯を巻付け、同巻付け帯の両側端部に形成した凸状嵌込
み部と凹状嵌込み部とを互いに合致させて嵌合固定し、
両側端部に形成した各孔部を互いに連通させて吊掛け環
を挿通する。この後、巻付け帯に取付けた吊掛け環にカ
ーテンの上端側縁部に固定したフックを吊掛けるので、
ランナ本体に対して吊掛け環を簡単且つ容易に取付ける
ことができ、組付け時の作業性が向上する。カーテン開
閉時に生じる負荷や振動により巻付け帯の両側端部が外
れたり、巻付け帯が脱落したりするのを確実に防止で
き、カーテンを吊設するのに適した連結強度が得られ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば、窓部、壁部、天井部等に架設したガイドレールに、カー テンやスクリーン、スリット等の幕体を吊設するときに用いられるリングランナ ーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例のようなカーテンを吊設するときに用いられるリングランナーと しては、例えば、リング状に形成した木製のランナ本体に金属製の吊掛け環を螺 合固定して、同ランナ本体に取付けた吊掛け環にカーテンの上端側縁部に固定し たフックを吊掛ける第１従来例のリングランナーがある。

【０００３】 また、リング状に形成したランナ本体に合成樹脂製の吊り環を嵌着し、同吊り 環の両端部に形成した突起と受孔とを互いに係合固定して、同吊り環の両端部を 結合してなるフック孔にカーテンの上端側縁部に固定したフックを吊掛ける第２ 従来例のリングランナー（実開平５−９３８３号公報）がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、第１従来例のリングランナーは、ランナ本体の下部周面に形成した孔 部に金属製の吊掛け環を螺合固定しているので、カーテン開閉時に生じる負荷や 振動が吊掛け環を介して孔部に直接付加され、その応力によりランナ本体に形成 した孔部に亀裂や裂けが生じることがあるため、ランナ本体が割れたり、吊掛け 環が脱落したりするという問題点を有している。

【０００５】 一方、第２従来例のリングランナーは、吊り環の両端部を結合してなるフック 孔にカーテンの上端側縁部に固定したフックを直接吊掛けているので、カーテン 開閉時に生じる負荷や振動が吊り環のフック孔に対して直接付加され、その応力 により吊り環のフック孔が強制変形されるため、吊り環の両端部に形成した突起 と受孔との係合量が浅くなり、ランナ本体から吊り環が脱落することがあるとい う問題点を有している。

【０００６】 この考案は上記問題に鑑み、リングランナーを構成するランナ本体に巻付け帯 を巻付け、同巻付け帯の一側周面に吊掛け環を挿通して取付けることにより、吊 掛け環の取付け作業が簡単且つ容易に行えると共に、幕体を吊設するのに適した 連結強度が得られるリングランナーの提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、上記ランナ本体の周面部に対して巻付けられる長尺寸 法に可撓性を有する帯状の巻付け帯を形成し、該巻付け帯の一側端部と他側端部 とに相互を連結する連結手段を設けると共に、上記巻付け帯の一側周面に吊掛け 環を挿通するための孔部を形成したリングランナーであることを特徴とする。

【０００８】 請求項２記載の考案は、上記請求項１記載の構成と併せて、上記連結手段を、 上記巻付け帯の一側端部と他側端部との対向面に該各端部を嵌合固定する凸状嵌 込み部と凹状嵌込み部とを形成し、上記巻付け帯の両側端部に吊掛け環を挿通す るための各孔部を形成して構成したリングランナーであることを特徴とする。

【０００９】 請求項３記載の考案は、上記請求項１記載の構成と併せて、上記連結手段を、 上記巻付け帯の一側端部と他側端部との対向部分に該各端部を差込み固定する差 込み孔と差込み片とを形成し、上記差込み孔と差込み片との対向面に相互を係止 固定する係止突起と係止段部とを形成して構成したリングランナーであることを 特徴とする。

【００１０】

【作用】

請求項１記載のリングランナーは、リング状に形成したランナ本体の周面部に 巻付け帯を可撓して巻付け、同巻付け帯の一側端部と他側端部とを連結手段によ りを互いに連結固定し、同巻付け帯に形成した孔部に吊掛け環を挿通して取付け ることにより、吊掛け環の取付け作業が簡単且つ容易に行え、組付け時の作業性 が向上する。

【００１１】 請求項２記載のリングランナーは、上記請求項１記載の作用と併せて、リング 状に形成したランナ本体の周面部に巻付け帯を可撓して巻付け、同巻付け帯の両 側端部に形成した凸状嵌込み部と凹状嵌込み部とを互いに合致させて嵌合固定し 、同巻付け帯の両側端部に形成した各孔部を互いに連通させて固定する。この後 、両側端部に形成した各孔部に吊掛け環を挿通して連結固定することで、巻付け 帯の両側端部が強固に連結固定される。

【００１２】 請求項３記載のリングランナーは、上記請求項１記載の作用と併せて、リング 状に形成したランナ本体の周面部に巻付け帯を可撓して巻付け、同巻付け帯の一 側端部に形成した差込み孔に、他側端部に形成した差込み片を差込み、同差込み 孔及び差込み片に形成した係止突起と係止段部とを互いに係止して抜止め固定す る。巻付け帯の一側周面に形成した孔部に吊掛け環を挿通して取付けることで、 巻付け帯の両側端部が強固に連結固定される。

【００１３】

【考案の効果】

この考案によれば、リングランナーを構成するランナ本体に巻付け帯を巻付け て、同ランナ本体の一側周面に吊掛け環を挿通して取付けるので、従来例のよう に吊掛け環を螺合固定するような手間及び作業が省け、ランナ本体に対して吊掛 け環を簡単且つ容易に取付けることができ、組付け時の作業性が向上する。しか も、巻付け帯の一側端部と他側端部とを連結手段により一体的に連結固定するの で、幕帯開閉時に生じる負荷や振動により巻付け帯の両側端部が外れたり、巻付 け帯が脱落したりするのを確実に防止することができ、幕体を吊設するのに適し た連結強度が得れる。

【００１４】

【実施例】

図面はリング状に形成したランナ本体に巻付け帯を巻付け、同巻付け帯の両側 端部を互いに嵌合して連結固定する第１実施例のリングランナーを示し、図１、 図２、図３に於いて、このリングランナー１は、リング状に形成したランナ本体 ２の周面部に合成樹脂製の巻付け帯３を巻付け、同巻付け帯３の両側端部を互い に嵌合して連結固定した後、同巻付け帯３の連結側周面部に金属製の吊掛け環４ を取付け、例えば、木材（ラミン材）、合成樹脂、金属等の材質により形成した ガイドレール５上に遊嵌する構造である。

【００１５】 上述のランナ本体２は、例えば、木材（ラミン材）、合成樹脂、金属等の材質 によりリング状のランナ本体２を形成し、同ランナ本体２を中実又は中空断面形 状に形成したガイドレール５よりも若干大径であって、同ガイドレール５の断面 形状と対応する形状（例えば、丸形、楕円形、四角形等）に形成している。

【００１６】 前述の巻付け帯３は、図４、図５、図６に示すように、例えば、ナイロン、ポ リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の可撓性を有する合成樹脂に より帯本体３ａを形成し、同帯本体３ａの両側端部を除く中間部全長を若干薄肉 に形成すると共に、上述したランナ本体２の周面部に帯本体３ａを巻付けたとき 、同帯本体３ａの両側端部が互いに合致する長さ及び幅に形成している。

【００１７】 且つ、帯本体３ａの一端側嵌合面に他端側の凹状嵌込み部３ｃと合致する大き さ及び形状の凸状嵌込み部３ｂを形成し、同帯本体３ａの他端側嵌合面に一端側 の凸状嵌込み部３ｂと合致する大きさ及び形状の凹状嵌込み部３ｃを形成し、同 帯本体３ａの両端側嵌合面に金属製の吊掛け環４を挿通するための各孔部３ｄ， ３ｄを形成している。

【００１８】 図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、リングランナー１の組付 け方法を説明する。

【００１９】 先ず、図２、図３に示すように、リング状に形成したランナ本体２の周面部に 巻付け帯３を可撓して巻付け、同巻付け帯３の両側端部を互いに嵌合して連結固 定する。つまり、巻付け帯３の一端側嵌合面に形成した凸状嵌込み部３ｂと、他 端側嵌合面に形成した凹状嵌込み部３ｃとを互いに合致させて嵌合固定し、同巻 付け帯３の両端側嵌合面に形成した各孔部３ｄ，３ｄを互いに連通させて固定す る。この後、両端側嵌合面に形成した各孔部３ｄ，３ｄに金属製の吊掛け環４を 挿通して連結固定し、巻付け帯３の両端側嵌合面に形成した凸状嵌込み部３ｂと 凹状嵌込み部３ｃとの嵌合状態を維持する。

【００２０】 次に、上述したリングランナー１を使用する場合、図７に示すように、適宜数 の各リングランナー１…を窓部（図示省略）に架設したガイドレール５上に順次 遊嵌し、各ランナ本体２…に巻付けられた各巻付け帯３…の各吊掛け環４…に、 カーテン６の上端側縁部に固定した適宜数の各フック７…を夫々吊掛け、ガイド レール５の右側端部又は左側端部にカーテン６の上端側角隅部に固定したフック ７を係止固定する。手動又は電動によりカーテン６を左右開閉したとき、ガイド レール５に沿って各リングランナー１…が摺動するので、カーテン６の開閉操作 が円滑に行える。

【００２１】 以上のように、リングランナー１を構成するランナ本体２に巻付け帯３を巻付 けて両側端部の凸状嵌込み部３ｂと凹状嵌込み部３ｃを互いに嵌合固定した後、 同両側端部に形成した各孔部３ｄ，３ｄに吊掛け環４を挿通して取付けるので、 従来例のように吊掛け環４を螺合固定するような手間及び作業が省け、ランナ本 体２に対して吊掛け環４を簡単且つ容易に取付けることができ、組付け時の作業 性が向上する。且つ、巻付け帯３の両側端部を互いに嵌合固定して吊掛け環４に より連結固定するので、カーテン開閉時に生じる負荷や振動により巻付け帯３の 両側端部が外れたり、巻付け帯３が脱落したりするのを確実に防止することがで き、カーテン６を吊設するのに適した連結強度が得れる。

【００２２】 図８、図９はリング状に形成したランナ本体２に巻付け帯３を巻付け、同巻付 け帯３の両側端部を互いに差込んで連結固定する第２実施例のリングランナー１ を示し、巻付け帯３を構成する帯本体３ａを、例えば、ナイロン、ポリエチレン 、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の可撓性を有する合成樹脂により形成し 、同帯本体３ａの一側端部に他端側の差込み片３ｆが差込まれる大きさ及び形状 の差込み孔３ｅを形成し、同帯本体３ａの他側端部に一端側の差込み孔３ｅに対 して差込まれる大きさ及び形状の差込み片３ｆを形成している。且つ、差込み孔 ３ｅの係止面側に後述する各係止段部３ｈ…に対して係止される楔形の係止突起 ３ｇを形成し、差込み片３ｆの係止面側に上述した係止突起３ｇが係止される複 数の各係止段部３ｈ…を形成している。

【００２３】 上述したリングランナー１を組付ける場合、リングランナー１を構成するラン ナ本体２の周面部に巻付け帯３を可撓して巻付け、同巻付け帯３の一側端部に形 成した差込み孔３ｅに、他側端部に形成した差込み片３ｆを長さ方向に差込み、 同差込み孔３ｅの係止面側に形成した楔形の係止突起３ｇと、差込み片３ｆの係 止面側に形成した各係止段部３ｈ…とを互いに係止して抜止め固定する。巻付け 前又は巻付け後に於いて、巻付け帯３の一側端部に形成した孔部３ｄに金属製の 吊掛け環４を挿通し、同吊掛け環４にカーテン６の上端側縁部に固定したフック ７を吊掛けるので、第１実施例と同様に、リングランナー１を構成するランナ本 体２に対して吊掛け環４を簡単且つ容易に取付けることができる。且つ、巻付け 帯３の両側端部に形成した差込み孔３ｅと差込み片３ｆとを互いに差込んで抜止 め固定するので、巻付け帯３の両側端部を強固に連結固定することができ、カー テン開閉時に生じる負荷や振動により巻付け帯３の両側端部が外れたり、巻付け 帯３が脱落したりせず、カーテン６を吊設するのに適した連結強度が得られる。

【００２４】 この考案の構成と、上述の実施例との対応において、 この考案の連結手段は、第１実施例のリングランナー１を構成する巻付け帯３ の凸状嵌込み部３ｂと、凹状嵌込み部３ｃと、各孔部３ｄ，３ｄと、吊掛け環４ と 第２実施例のリングランナー１を構成する巻付け帯３の差込み孔３ｅと、差込 み片３ｆと、係止突起３ｇと、係止段部３ｈとに対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００２５】 上述の第１，２実施例では、上述したリングランナー１を介してカーテン６を 吊設するが、例えば、スクリーン、スリット等の幕体を吊設するときにも用いる ことができ、実施例のカーテン６のみ用途が限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のリングランナーを構成する巻付け
帯の巻付け状態を示す正面図。

【図２】リングランナーを構成する巻付け帯の巻付け状
態を示す側面図。

【図３】巻付け帯の巻付け部分を示す断面図。

【図４】巻付け帯の伸張状態を示す斜視図。

【図５】巻付け帯の伸張状態を示す正面図。

【図６】巻付け帯の伸張状態を示す断面図。

【図７】適宜数の各リングランナーにカーテンを吊設し
た状態を示す正面図。

【図８】第２実施例のリングランナーを構成する巻付け
帯の巻付け部分を示す断面図。

【図９】巻付け帯の伸張状態を示す斜視図。

【符号の説明】

１…リングランナー ２…ランナ本体 ３…巻付け帯 ３ａ…帯本体 ３ｂ…凸状嵌込み部 ３ｃ…凹状嵌込み部 ３ｄ…孔部 ３ｅ…差込み孔 ３ｆ…差込み片 ３ｇ…係止突起 ３ｈ…係止段部 ４…吊掛け環 ５…ガイドレール ６…カーテン ７…フック

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リング状に形成したランナ本体の一側周面
   に吊掛け環を取付けたリングランナーであって、上記ラ
   ンナ本体の周面部に対して巻付けられる長尺寸法に可撓
   性を有する帯状の巻付け帯を形成し、該巻付け帯の一側
   端部と他側端部とに相互を連結する連結手段を設けると
   共に、上記巻付け帯の一側周面に吊掛け環を挿通するた
   めの孔部を形成したリングランナー。
2. 【請求項２】上記連結手段を、上記巻付け帯の一側端部
   と他側端部との対向面に該各端部を嵌合固定する凸状嵌
   込み部と凹状嵌込み部とを形成し、上記巻付け帯の両側
   端部に吊掛け環を挿通するための各孔部を形成して構成
   した請求項１記載のリングランナー。
3. 【請求項３】上記連結手段を、上記巻付け帯の一側端部
   と他側端部との対向部分に該各端部を差込み固定する差
   込み孔と差込み片とを形成し、上記差込み孔と差込み片
   との対向面に相互を係止固定する係止突起と係止段部と
   を形成して構成した請求項１記載のリングランナー。