JP3012469U - 合成樹脂製ばけつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばけつ（１）の口周縁に、給水ホース（Ａ）
を安定良く係止保持せしめ得るものとする。 【構成】 ばけつ本体（１）の口部周縁に、逆Ω状のホ
ース保持孔（３）を設け、該保持孔（３）は、下部の円
形孔部（３ａ）の直径（Ｌ）に対し入口部（３ｂ）の幅
（Ｗ）が１／２以下に設定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、合成樹脂製のばけつに関する。

【０００２】

【従来の技術と問題点】

撒水用等の給水ホースからばけつに水を入れる場合、水圧でホースの先端が安 定しないため、該ホースを手で持って給水作業を行わなければならず、不便であ った。

【０００３】 一方、このような不便を解消するため、ホースの先端部を保持してばけつの口 縁に止着保持しうるようになされたホースクリップが提供されているが、水圧が 高い場合にはホースが外れるおそれがあるのみならず、使用時の操作が面倒であ り、更には破損したり紛失するおそれもあって必ずしも最適の用具といえるもの ではなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、ばけつのそれ自体に僅かの改造を施すことによって、上記のクリ ップのような別部材を使用することなく、給水ホースをばけつに安定的に保持 して、給水作業を手を離した状態のもとに的確に行うことができ、かつ給水ホー スの先端に撒水ノズルが取付けられているような場合にも、支障なくホースを安 定保持させることができるホース保持機構付きのばけつを提供することを目的と する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的において、この考案に係る合成樹脂製ばけつは、ばけつ本体の上端 開口部周縁の所定個所に、上端を開口した逆Ω状のホース保持孔が設けられると 共に、該保持孔は、上端の入口部の幅が、給水ホースを嵌合保持する下部の円形 孔部の直径より１／２以上小さい幅に設定されていることを特徴とする。

【０００６】 好ましい実施例において、上記ホース保持孔は、ばけつ本体の上端面より上方 に略八字状に突出された１対の弾性突片によってその狭幅状の入口部が形成され てなるものとなされる。この場合、弾性突片の弾性変形を利用して、ホース保持 孔への給水ホースの嵌め込み作業を容易に行いうるものとなしうる。従ってまた 、ホース保持孔の入口部を充分に幅の狭いものとして、ホースの不本意な脱外を 確実に防止しうるものとなすことができる。

【０００７】 また、好ましくは、ばけつ本体は、横断面において前部が略Ｖ字状を呈し、後 部が後端に直線部を有する切欠円弧状を呈する略おむすび形に形成され、前記ホ ース保持孔が後端の前記直線部の中央部に設けられたものとすることができる。 この場合、ばけつからの水の排出を、上記略Ｖ字状を呈する前縁部から行うこと で散乱を防止することができると共に、ホースで水を給水しながら上記排出を行 うことも支障なく行い易い。

【０００８】

【作用】

給水ホースの先端部付近の所定部位を指先で圧潰しながらホース保持孔にその 入口部から押し込むことにより、該ホースの一部をばけつの口縁部に支承保持さ せることができる。入口部に１対の弾性突片を形成している場合には、上記ホー スの嵌め込み作業を該弾性突片の弾性変形を利用して一層容易に行うことができ る。

【０００９】

【実施例】

ばけつ本体（１）は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製のもので あり、その形状は横断面略おむすび形のものとなされている。即ち、横断面にお いて前部（１ａ）が略Ｖ字状を呈し、後部（１ｂ）が後面部（１ｃ）を直線状の 平面とする切欠円弧状を呈する形状に形成されている。

【００１０】 ばけつ本体（１）の上端開口部周縁は、断面コ字状の折返し縁部（２）に形成 されている。そして、この折返し縁部の後端中央部、即ち前記平面部（１ｃ）の 幅方向中央部の上端に、上記折返し縁部（２）を下方に凹入させた状態のもとに 、逆Ω状のホース保持孔（３）が形成されている。

【００１１】 このホース保持孔（３）は、図２に示すように、下部の円形孔部（２ａ）の直 径（Ｌ）が給水ホース（Ａ）の直径と同等ないしはそれより僅かに大きいものに 形成され、かつ入口部（３ｂ）が、該直径より１／２以上小さい幅（Ｗ）に設定 されている。好ましくは約１／３程度の幅（Ｗ）に形成されている。これは、ホ ース（Ａ）の不本意な脱外を確実に防止するために有効に作用する。

【００１２】 ホース保持孔（３）の入口部（３ｂ）は、ばけつ本体（１）の上縁から上方に 略八字状に突出した１対の弾性突片（４）（４）によってそれらの間に形成され ている。これらの突片（４）（４）は、ホース（Ａ）を保持孔（３）に嵌め込む さいに、外方に僅かに弾性変形を起こすことで、ホースの嵌め込みを容易化する 。 提げ手（６）は、折返し縁（２）の左右対称位置に枢軸（７）で枢着されて いる。そして、これを後方に倒したさい、略水平位置より下がらないように、折 返し縁（２）の一部に提げ手が上面に当接する支承用突片（５）（５）が突設さ れている。

【００１３】 上記のばけつは、これに、給水ホース（Ａ）から給水する場合、図２に鎖線で 示すようにホースの一部を圧潰した状態で保持孔（３）に押し込み、保持孔内で 円形に弾性復元させることにより、該ホース（Ａ）をばけつ本体（１）の口縁部 に安定保持せしめるものである。従って、ホース（Ａ）の先端に撒水ノズル（８ ）が取付けられた状態のままでも、支障なくそれをばけつに支承保持させること が可能である。ホース（Ａ）を取外すさいは、入口部（３ｂ）から強制的に脱外 させても良いし、撒水ノズル（８）を有しない状態では、保持孔（３）の軸線方 向に引き抜くものとしても良い。

【００１４】

【考案の効果】 この考案によれば、ばけつのそれ自体の口周縁にホースの保持機能を有し、給 水する場合にホースを手で持っている必要がなく好都合に使用しうる。しかも、 上記ホース保持機構は、逆略Ω状で入口部の幅が下部の円形部の直径より１／２ 以下の状態で狭くなっているものであることにより、ホースが不本意に外れるお それのないものであり、強い水圧で給水する場合にもホースの安定保持状態を良 好に維持することができる。

【００１５】 かつ、ばけつ本体の成形時にホース保持孔を同時成形すれば足りるから、格別 のコストアップを招くことがない。

【００１６】 また、請求項２のようにホース保持孔の入口部を１対の弾性突片で形成すると きは、ホースの嵌め込みを容易に行いうるものとなし得ると共に、ホースを一層 外れにくい状態に保持せしめうるものとすることができる。

【００１７】 更に、請求項３のようなばけつ本体の形状を採用するときは、ばけつからの水 の排出に便利であると共に、給水ホースを取付けたままでも、ばけつの取扱い操 作を比較的行い易いものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るばけつの斜視図である。

【図２】図１のII−II線の断面図である。

【符号の説明】

１…ばけつ本体 １ａ…ばけつ本体の前部 １ｂ…ばけつ本体の後部 １ｃ…後面の平面部 ３…ホース保持孔 ３ａ…円形孔部 ３ｂ…入口部 ４…弾性突片 Ｌ…直径 Ｗ…入口部の幅 Ａ…給水ホース

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ばけつ本体の上端開口部周縁の所定個所
   に、上端を開口した逆Ω状のホース保持孔が設けられる
   と共に、該保持孔は、上端の入口部の幅が、給水ホース
   を嵌合保持する下部の円形孔部の直径より１／２以上小
   さい幅に設定されていることを特徴とする合成樹脂製ば
   けつ。
2. 【請求項２】 ホース保持孔は、ばけつ本体の上端面よ
   り上方に略八字状に突出された１対の弾性突片によって
   その狭幅状の入口部が形成されてなる請求項１に記載の
   合成樹脂製ばけつ。
3. 【請求項３】 ばけつ本体は、横断面において前部が略
   Ｖ字状を呈し、後部が後端に直線部を有する切欠円弧状
   を呈する略おむすび形に形成され、前記ホース保持孔が
   後端の前記直線部の中央部に設けられている請求項１ま
   たは２に記載の合成樹脂製ばけつ。