JP3012300U - 灯油の汲み上げ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 灯油タンクの給油口と協働して灯油タンクか
ら少量の残量も簡易に吐出できる灯油の汲み上げ構造を
提供する。 【構成】 折曲自在な蛇腹部１０を有する管路の基部
に、該管路の管径より大径の伸縮管６を配設するととも
に、該伸縮管６の下端に上フランジ１３を周設して成る
吐出管１と、伸縮管６の短縮時に吐出管１に内嵌する管
路の上部外周に気密部１６を配設するとともに、伸縮管
６の伸長時に吐出管１から該気密部１６を離脱させ、吐
出管１の管路を伸縮管の管内に連通し、上端より所要寸
法下方に下フランジ１７を周設し、該下フランジ１７の
伸縮管６の内面に面する周面に４個の通孔１８を貫設し
て成る吸入管１４と、吐出管１の基部の上フランジ１３
と吸入管１４の下フランジ１７とを上下から水密的に挟
持するとともに、給油口２５に水密的に且つ着脱自在に
螺合する上ナット３と下ナット１１から成る接続手段と
から成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は灯油タンクの結合において、灯油を簡易に汲み上げる灯油の汲み上げ 構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から提供されている灯油ポンプは、灯油タンク内の少量の灯油を汲み上げ る際に手間を要する。すなわち、残量が少量になるとサイホンが崩れ易くなる上 、灯油ポンプを給油口に固定しないものでは、吸入管の管端が液面上にはね上が って汲み上げ不能となる。そのため、灯油タンクの一隅に残量が集まるように灯 油タンクを傾けつつ、吸引部を圧縮開放しながら汲み上げるなどで煩わしいもの である。また、残量を直接に給油タンクに給油しようとしても、給油口の口径が 大きく、漏斗などを使用しなければならず、これもまた手間のかかることである 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は灯油タンクの給油口と協働して灯油タンクから少量の残量も簡易に吐 出できる灯油の汲み上げ構造を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の灯油の汲み上げ構造は、折曲自在な蛇腹部を有する管路の基部に、該 管路の管径より大径の伸縮管を配設するとともに、該伸縮管の下端にフランジを 周設して成る吐出管と、伸縮管の短縮時に吐出管に内嵌する管路の上部外周に気 密部を配設するとともに、伸縮管の伸長時に吐出管から該気密部を離脱させ、吐 出管の管路を伸縮管の管内に連通し、上端より所要寸法下方にフランジを周設し 、該フランジの伸縮管の内面に面する周面に所要数の通孔を貫設して成る吸入管 と、吐出管の基部のフランジを吸入管のフランジに載置した状態で両フランジを 上下から水密的に挟持して灯油タンクの給油口に水密的に且つ着脱自在に螺合す る接続手段とから成る。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、伸縮管は短縮時に、吐出管の内周に吸入管の上端部を気密 部を介して気密的に嵌着させ、伸長時には吐出管を吸入管の上端部より離脱させ 、吐出管の管路を吸入管のフランジに貫設した通孔を介して灯油タンク内に連通 する。

【０００６】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図３に示すように、吐出管１の吐出口端２ から挿し込まれる上ナット３は所要内径の雌ネジ４を螺設した凹部５と該凹部５ の中央部に後記の伸縮管６の外径を挿通するに足る挿通孔７を貫設して成り、上 ナット３の凹部底面８に着座するパッキング９は内径を前記挿通孔７と同径とし 、外径を前記雌ネジ４の内径に嵌着して位置決めされる寸法が選択され、折曲自 在な蛇腹部１０を有する吐出管１の管路の基部には、該管路の管径より大径の伸 縮自在な伸縮管６を一体に配設するとともに、該伸縮管６の下端に外径が後記の 下ナット１１の上部に凹設する凹部１２の内周に遊嵌する寸法の上フランジ１３ を周設し、一方、伸縮管６の短縮時に吐出管１の内径に着脱自在に内嵌する吸入 管１４はその上端部にＯリング１５を外嵌した気密部１６を配設するとともに、 上端より所要寸法下方に前記上フランジ１３と同径の下フランジ１７を周設し、 該下フランジ１７の伸縮管６の内面に面する周面４個所に均等に通孔１８を貫設 して成り、また、上フランジ１３と下フランジ１７との接合面及び下フランジ１ ７と後記の下ナット１１の凹部底面１９との接合面にはそれぞれ下ナット１１の 凹部１２に内嵌する外径のパッキング２０、２１が間挿され、下ナット１１は上 部中央には前記の凹部１２が凹設され、外周には上ナット３の雌ネジ４に螺合す る雄ネジ２２を螺設するとともに、下部中央に凹設した凹部２３には灯油タンク ２４の給油口２５の雄ネジ２６に螺合する雌ネジ２７を螺設し、上部中央の凹部 １２から下部中央の凹部２３に向けて前記給油口２５の内径と略同径の連通口２ ８を貫設し、下向きの凹部底面２９には内径が該連通口２８の口径と同径で、外 径が前記雌ネジ２７の内径に遊嵌する寸法のパッキング３０を嵌着して成る。

【０００７】 このようにして成る灯油の汲み上げ構造ａは、図１に示すように、下ナット１ １を灯油タンク２４の給油口２５にパッキング３０を介して水密的に螺着し、吐 出管１の基部下端から吸入管１４の上端部を挿入し、それぞれ上フランジ１３の 上面、該上フランジ１３と下フランジ１７の間及び下フランジ１７と下ナット１ １の凹部底面１９間に着座するパッキング９、２０、２１を介し、吐出管１の吐 出口端２から挿し込んだ上ナット３を下ナット１１に螺合することにより、上下 から上フランジ１３と下フランジ１７を水密的に挟持するもである。

【０００８】 また、伸縮管６の短縮時には吐出管１の内径と吸入管１４の外径はＯリング１ ５によって気密的に接合されるから灯油タンク内の空気が下フランジ１７の通孔 １８を経て吐出管１の管路へ侵入することがない。

【０００９】 図１に示す状態で、給油タンク（図外）の注油口に吐出管１の吐出口端２を挿 し込み、灯油タンク２４を一時持ち上げてサイホンを形成すれば灯油タンク内の 灯油は吐出口端２から吐出される。

【００１０】 灯油タンク内の灯油の残量が少量の場合には、図２に示すように、吐出管１を 引き上げると伸縮管６が伸長して吸入管１４の気密部１６が吐出管１から離脱し 、給油口２５は通孔１８を介して吐出管１の管路に連通するから、図４に示すよ うに、軽くなった（油量が僅かな残量であるから）灯油タンク２４を持ち上げ、 給油口２５が下方を向くように傾ければ、灯油タンク内の残量は給油口２５から 通孔１８を経て伸縮管６の管内から吐出管１の管路に流出し、吐出口端２から吐 出することになる。 なお、灯油を吐出中に止める場合には吐出管１の基部を引き上げて伸縮管６を 伸長状態にすれば、吸入管１４は伸縮管６の管内に開口する通孔１８を介して灯 油タンク２４の空間と連通し、サイホンが解消して灯油の吐出が中断する。 また、灯油を使い切って空となった灯油タンク２４の給油口２５から下ナット １１を外せば、吸入管１４を抜き取ることができるから、以後下ナット１１の給 油口２５への着脱のみで、灯油タンク２４からストーブの給油タンクなどの別容 器への灯油の移し換えができるものである。

【００１１】 また、図５に示したものは、伸縮管６の伸長時に吸入管１４の気密部１６が吐 出管１の内周から離脱するが、その先端部は吐出管１の内周に案内として残置嵌 入し、吸入管１４の気密部１６の上方で吐出管１から離脱した部分の周面に４個 所連通孔３１を貫設したものであり、この場合には給油口２５は下フランジ１７ の通孔１８と吸入管１４の連通孔３１を経て吐出管１の管路に連通することにな り、逆に伸縮管６を短縮するときは、吸入管１４の先端部が吐出管１に嵌入した 状態であるから、案内となって簡易に気密部１６を吐出管１の内周に嵌入できる ものである。

【００１２】 このように満杯の灯油タンク２４においては、伸縮管６の短縮状態でサイホン 形成により灯油の移し換えがなされ、残量が少量となれば、伸縮管６の伸長状態 で灯油タンク２４の給油口２５から漏斗を使用するような状態で移し換えができ るものである。 なお、本考案は従来から使用されている折曲自在な蛇腹部と逆止弁を内蔵する 吸引部とを有する灯油ポンプの管路においても、使用できることはもちろんであ る。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、本考案の灯油の汲み上げ構造によれば、灯油タンク２４の給油 口２５に水密的に接続された状態で灯油の汲み上げ、中断、残量吐出がワンタッ チで簡易にできる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる灯油の汲み上げ構造ａの汲み上
げ吐出時の縦断面図。

【図２】灯油の汲み上げ構造ａの中断及び残量吐出時の
縦断面図。

【図３】灯油の汲み上げ構造の分解説明図。

【図４】灯油の残量吐出時の説明図。

【図５】吸入管の他の実施態様における要部の説明図。

【符号の説明】

１ 吐出管 ２ 吐出口端 ３ 上ナット ４ 雌ネジ ５ 凹部 ６ 伸縮管 ７ 挿通孔 ８ 凹部底面 ９ パッキング １０ 蛇腹部 １１ 下ナット １２ 凹部 １３ 上フランジ １４ 吸入管 １５ Ｏリング １６ 気密部 １７ 下フランジ １８ 通孔 １９ 凹部底面 ２０ パッキング ２１ パッキング ２２ 雄ネジ ２３ 凹部 ２４ 灯油タンク ２５ 給油口 ２６ 雄ネジ ２７ 雌ネジ ２８ 連通口 ２９ 凹部底面 ３０ パッキング ３１ 連通孔 ａ 灯油の汲み上げ構造

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折曲自在な蛇腹部を有する管路の基部
   に、該管路の管径より大径の伸縮管を配設するととも
   に、該伸縮管の下端にフランジを周設して成る吐出管
   と、伸縮管の短縮時に吐出管に内嵌する管路の上部外周
   に気密部を配設するとともに、伸縮管の伸長時に吐出管
   から該気密部を離脱させ、吐出管すから該気密部を離脱
   させ、吐出管の管路を伸縮管の管内に連通し、上端より
   所要寸法下方にフランジを周設し、該フランジの伸縮管
   の内面に面する周面に所要数の通孔を貫設して成る吸入
   管と、吐出管の基部のフランジを吸入管のフランジに載
   置した状態で両フランジを上下から水密的に挟持して灯
   油タンクの給油口に水密的に且つ着脱自在に螺合する接
   続手段とから成る灯油の汲み上げ構造。