JP3011565B2 - 水質調整監視槽 - Google Patents

水質調整監視槽

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JP3011565B2
JP3011565B2 JP5029678A JP2967893A JP3011565B2 JP 3011565 B2 JP3011565 B2 JP 3011565B2 JP 5029678 A JP5029678 A JP 5029678A JP 2967893 A JP2967893 A JP 2967893A JP 3011565 B2 JP3011565 B2 JP 3011565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排水処理設備あるいは用
水処理設備等に設けられる水質監視計を具えた水質調整
監視槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば排水処理設備においては、原水
のpH値を後段の処理に適するよう一定に保持させる必
要があり、そのため排水処理ライン中に、原水のpH値
を調整すると共に、当該pH値を監視する水質調整監視
槽が付設されることが多い。図3は従来の排水処理設備
における水質調整監視槽の一例を示すもので、図中20
は原水の流入管21と調整済原水の流出管22を配設し
た槽、23は槽20内に配設した攪拌手段、24はpH
調整用の薬品を槽20内に注入する薬品注入管、25は
pH計26の検出部、27はこの検出部25からの信号
を受ける制御装置である。28は前記薬品注入管24の
管路中に付設したコントロール弁であり、当該コントロ
ール弁28は制御装置27から出力される信号に基づき
自動的に開度調整を行い、薬品の必要量を槽20内の原
水中に注入する作用をなす。
【0003】また、29は槽20内の攪拌手段23の設
けられた部屋と検出部25が付設された部屋との間を仕
切るように配設した堰板である。当該堰板29はその左
右両側が槽20の内壁面に接続された状態となっている
が、槽20の底面部とは離れており、当該底面部と堰板
29の下端部との間に導通用開口部30が形成されてい
る。当該堰板29は、原水と薬品との混和が十分均一に
なされないまま調整済原水が槽20外に流出する、いわ
ゆるショートパスを防止するために付設するものであ
り、これがないと水の流れにショートパスが生じ、pH
計26の検出部25は不均一な調整済原水のpH値を検
出してしまい、誤差に基づいてコントロール弁28を必
要以上に開放して過剰の薬品を原水中に注入したり、あ
るいは注入する薬品量が少なかったりするという不具合
を引起こすためである。すなわち、槽20内に堰板29
を設けることにより所謂ショートパスがある程度防止さ
れるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
は薬品の混和された調整済原水のショートパスを防止す
るため、槽20内に堰板29を配設するようにしてい
た。この堰板29を設けた従来構造の水質調整監視槽に
よった場合、攪拌の済んだ原水は堰板29の下端部の導
通用開口部30を通って流出側に送られるのでショート
パスの問題をある程度防止することができる。
【0005】しかしながら、この堰板29によってある
程度のショートパスを防止できたとしても、堰板29の
下端部の導通用開口部30は槽20内の相対向する内壁
面に幅広状に形成されていると共に、pH計26の検出
部25が付設される部屋も可成りの容量をもっているた
め、ショートパスの問題を完全にはなくすことができ
ず、結局検出部25が調整済原水の平均的なpH値を検
出することができないという問題点があった。そのた
め、コントロール弁28を介して誤った分量のpH調整
用薬品が原水中に注入され次段の処理過程で不都合を生
ずるという重大な問題点があったのである。そこで本発
明は調整済原水のショートパスを可能な限りなくし、水
質監視計の検出部が調整済原水の平均的な水質を常に検
出することができるようになした水質調整監視槽を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成を詳述すれば、原水の流入部と調整済原
水の流出部を有すると共に、内部に攪拌手段を具えてな
る槽内に水質監視計の検出部を付設し、当該検出部の検
出信号に基づき、薬品注入手段より槽内の原水中に薬品
を自動的に注入するようになした水質調整監視槽におい
て、調整済原水の流出部側に、上下両端部を開口させた
パイプ状の水質調整筒を、その下端開口部が槽の底部よ
りやゝ高い位置になると共に、上端開口部が槽内の水面
上に突出するようにして配設し、且つ当該水質調整筒に
横向きに突設した排出管を通じて調整済原水を槽外に流
出させるようになし、前記水質監視計の検出部を水質調
整筒内あるいは前記排出管内または当該排出管の出口付
近に付設したことを特徴とする水質調整監視槽である。
【0007】本発明水質調整監視槽によれば、調整済原
水は必ず比較的狭隘なスペースの水質調整筒内を通って
槽外に流出することとなり、調整済原水のショートパス
をより確実に防止することができる。したがって、水質
監視計の検出部が均一化された調整済原水の水質を常に
検出することが可能となり、誤った分量の薬品を原水中
に注入するといった問題点を解消することができるもの
である。
【0008】
【実施例】以下、本発明水質調整監視槽の具体的構成を
図示の実施例に基づき詳細に説明する。図1は本発明水
質調整監視槽の一実施例を示す縦断面説明図であり、図
2は水質調整筒の一例を示す斜視図である。なお、本実
施例では前記従来例と同様に排水処理設備に付設される
pH調整監視槽を例に説明するが、本発明はたとえば用
水処理設備に付設される塩素濃度調整監視槽のような水
質調整監視槽にも応用できることはいうまでもない。
【0009】図中1は原水の流入部2と調整済原水の流
出部3を有する槽、4は槽1内に配設した攪拌手段、5
は槽1内の原水中に薬品を注入する薬品注入管、6は当
該薬品注入管5の管路中に付設したコントロール弁のよ
うな薬品注入量制御手段である。7は槽1内の流出部3
側に付設したpH計のような水質監視計8の検出部、9
はこの検出部7からの検出信号を受ける制御装置であ
り、検出部7から調整済原水についての信号が制御装置
9に加わると、当該制御装置9から前記薬品注入量制御
手段6に信号が出力され、当該薬品注入量制御手段6が
自動的に薬品の注入量を制御して薬品注入管5を通じて
所定量の薬品を槽1内の原水中に注入するものである。
なお、図示する実施例では薬品注入量制御手段6は薬品
注入管5の管路中に付設したコントロール弁となってい
るが、当該コントロール弁以外にもエレクトロサーボま
たはエアサーボ機構を有するポンプ等を使用することも
できるものである。
【0010】10は前記槽1における調整済原水の流出
部側に配設する水質調整筒であり、当該水質調整筒10
は図2に示すように上下両端部を開口させたパイプ状の
もので、下端開口部11が槽1の底部12よりやゝ高い
位置になると共に、上端開口部13が槽1内の水面上に
突出するようにして槽1内に配設するものである。ま
た、水質調整筒10には排出管14を横向きに突設して
あり、当該排出管14が槽1の流出部3に連通するよう
になっている。また、槽1の流出部3には調整済原水の
排出管15を適宜連設する。なお、水質調整筒10の下
端開口部11と排出管14の断面積は原水流入量に対し
て抵抗が生じない程度の小さい断面積としてある。
【0011】図示する実施例では前記した水質監視計8
の検出部7は水質調整筒10の上端開口部13から挿入
して水質調整筒10内の適所に位置させてあるが、検出
部7の付設位置はこの図示する実施例に限られるもので
はなく、たとえば水質調整筒10に横向きに突設した排
出管14内、あるいは槽1の流出部3に連設した排出管
15内、さらには当該排出管15の出口付近に付設する
ようにしてもよく、要は水質調整筒10以降の流出側で
あれば適当箇所に検出部7を付設することができるもの
である。
【0012】このように、本発明水質調整監視槽は調整
済原水の流出部側に水質調整筒10を配設して、調整済
原水を当該水質調整筒10を通して槽1外に流出させる
ようにすると共に、水質監視計8の検出部7を当該水質
調整筒10内あるいはこの水質調整筒10以降の流出側
に付設するようにしたものであり、次にこの発明に係る
水質調整監視槽の使用例につき説明する。原水は流入管
16を介し、流入部2より槽1内に流入する。槽1内に
流入した原水には、薬品注入手段をなす薬品注入管5よ
りpH調整用の薬品が注入され、攪拌手段4によって混
和された後、流出部3側に配設してある比較的狭隘なス
ペースの水質調整筒10の下端開口部11より水質調整
筒10内に入り、当該水質調整筒10内を通って横向き
に突設してある排出管14を介して流出部3より次段の
処理設備に送られる。攪拌手段4によって薬品の混和さ
れた調整済原水のpH値は水質調整筒10内あるいはこ
の水質調整筒10以降の流出側に付設してあるpH計の
ような水質監視計8の検出部7によって検出され、検出
データに関する信号が制御装置9に送られる。そして、
当該制御装置9より薬品注入手段をなすコントロール弁
のような薬品注入量制御手段6に信号が出力されると当
該薬品注入量制御手段6が駆動してコントロール弁の場
合には弁体の開度が自動的に調整され、所定量の薬品が
槽1内に注入されるものである。このように調整済原水
の全ては比較的狭隘なスペースの水質調整筒10内を通
って流出することとなるので、調整済原水のショートパ
スが確実に防止され、水質監視計8の検出部7は平均化
された調整済原水の水質を常に検出することが可能とな
り、常に適正な分量の薬品を原水中に注入することがで
きるものである。したがって、後段の処理設備へ流出す
る調整済原水のpH値は常に一定値を保持することがで
きるものである。
【0013】
【発明の効果】本発明水質調整監視槽によれば、薬品と
攪拌混和された調整済原水は流出部に至る前に必ず比較
的狭隘なスペースの水質調整筒内を通ることとなり、調
整済原水のショートパスを可能な限り防止することがで
きるものである。したがって、水質監視計の検出部は常
に均一化された調整済原水の水質を検出することが可能
となって、薬品の注入量に誤りがなくなり、常に一定水
質の原水を後段の処理設備等に安定して供給することが
可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明水質調整監視槽の一実施例を示す縦断面
説明図である。
【図2】水質調整筒の一例を示す斜視図である。
【図3】従来の水質調整監視槽の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1:槽 2:流入部 3:流出部 4:攪拌手段 5:薬品注入管 6:薬品注入量制
御手段 7:検出部 8:水質監視計 9:制御装置 10:水質調整筒 11:下端開口部 12:底部 13:上端開口部 14:排出管 15:排出管 16:流入管

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水の流入部と調整済原水の流出部を有
    すると共に、内部に攪拌手段を具えてなる槽内に水質監
    視計の検出部を付設し、当該検出部の検出信号に基づ
    き、薬品注入手段より槽内の原水中に薬品を自動的に注
    入するようになした水質調整監視槽において、調整済原
    水の流出部側に、上下両端部を開口させたパイプ状の水
    質調整筒を、その下端開口部が槽の底部よりやゝ高い位
    置になると共に、上端開口部が槽内の水面上に突出する
    ようにして配設し、且つ当該水質調整筒に横向きに突設
    した排出管を通じて調整済原水を槽外に流出させるよう
    になし、前記水質監視計の検出部を水質調整筒内あるい
    は前記排出管内または当該排出管の出口付近に付設した
    ことを特徴とする水質調整監視槽。
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